銀色の弾丸   作:銀城 時雨

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プロローグ

_______それはまるで、嵐のようにやって来た。

 

 

「IH始まって以来の快挙です!無名校のダークホース、誠凛高校が王者洛山を打ち破りました_______!!」

 

 

 

イヤホンから聞こえる興奮冷めやらない声にふっ、と鼻で笑う。

 

ブーン

 

メッセージアプリから親友(笑)の男からのメッセージが。

 

 

[お前はバスケ、しねぇの?]

 

 

それに既読をつけることなく電源を落とした。

 

 

『さて、どこに行こうか。』

 

 

 

バスケをするもしないも俺の勝手。正直に言うと気が乗らないけれどあの乱暴な親友くんは俺にすら容赦なく殴ってくるからなぁ。

 

 

次会ったらたぶん、ぶっ殺されると思う。既読つけてねぇし。自分は返信返さない癖に俺が無視したらめっちゃ起こるんだよなぁ。

 

まぁそういう所が可愛いんだけど。緑くんみたいにツンデレだからなぁ。ていうか久しぶりに見た親友くんの髪型がヤバイ。あれはウケを狙っているのか?そうなのか?

 

俺がメッセージアプリで

 

[お前の髪型まじワロタ]

 

 

って送ったらすっごい悪寒がしたんだけど気のせいかな。気のせいだよね。うん。そう思っとこう。

 

 

あ、自己紹介がまだだったかな。

 

五月雨 銀狐(さみだれ ぎんこ)って言います。決して"ごがつあめ"ではありません。銀色の髪に所どころ黒のメッシュ入れてるよ:。はい。え?見た目?10人中4人は俺のことヤンキーだと思う感じのコワモテ系イケメンだから、俺。親友くんもコワモテだし。実際、親友くんはハメ外してるようだけどね。まぁそれに関しては俺が言うことでもないし興味無い。俺はアイツがあいつである以上、嫌いになるわけがない。

 

何をしても基本的に嫌いにはならないし。この前の黄色くんとの試合で足踏んだのは笑っちゃったけど。もう分かっただろうけど俺の親友は灰崎祥吾。通称灰くん。なんで親友なのかって思うんだろうけど。俺、実は帝光2軍だったんだよね。まぁ試合にも出たことないし練習を死ぬ気でしたことも無い。演技がうまかったから無駄に息切れさせるとか、ただひたすら口の中に指突っ込んで周りと同じように吐く。無理やりすぎるなとは思ったけどこうしないと吐けないしね。

 

「銀狐ォ!」

 

ドゴッ!!

 

『イテッ、なんだ来てたの?灰くん』

 

噂をすればなんとやら。ご本人の登場です。ていうか飛び蹴りするなんて酷い!もー俺、おこだよ!?嘘だけど。

 

 

「俺への返事は3秒以内にしろ。」

 

 

『そんな無茶な!!絶対無理だよ!』

 

「ていうかどうすんだよ。おまえバスケしねぇの?」

 

『無視!?まぁいいけど!………バスケねぇ?興味はあるけど。』

 

「じゃあ何でしねぇの?」

 

『俺、学校行ってないんだよね。』

 

「はぁ!?」

 

 

 


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