遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─   作:レモンの人

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お久しぶりです。慣れない職場で悪戦苦闘中で投稿が遅れました。
今回は敷島大吾氏の投稿されたデッキを使っております。一部提供された内容と異なる点もありますのであらかじめご了承ください。


※今回のストーリーは作者の実体験を基に氏のキャラ設定を融合させました。


小児科にありがちな現象【カオス代行】

「いだだだだだ!死ぬ!私ここで殺される!!!」

「大人なんだから筋肉注射なんて痛くないでしょ!しっかりなさい!」

 

年に一度ワクチン接種でお世話になっている病院でかかりつけの女医さんにワクチン接種を受けた私はまだジクジク痛む腕を庇いながら席に着いた。会計も終わったしあとは帰るだけ……なんだけど、実は今年でこの病院は閉鎖になる。少し離れた隣町にもっと立派な病院が出来るそうで、そっちに移るらしい。ただ…そうなると設備の揃った病院はこの町から消える事になる。私も反対署名に入れたんだけど結局、施設の老朽化を前にすれば反対もしにくい。結局、隣町まで行くのもめんどくさいので、今年の予防接種を最後に節約の為に病院にはかからないつもりでいる。

 

「また1つ親しい物が無くなる……か」

 

少ししんみりしてベンチを撫でていると……聞き覚えのある用語が聞こえてきた。何事かと歩いて行くとそこは病棟だった。ちらりと覗いてみると小学生〜高校生くらいの男子達が遊戯王で遊んでいた。懐かしい……私も中学の時に検査入院で長期入院(2ヶ月程度)した事があるんだけど、その時に病棟の年の近い人とデュエルに興じていた。今となればいい思い出。別れの時は抱き合って泣いた……そんな日々。

 

「おねーさん、何やってんの?」

「うわぁっ!?」

 

しんみりしていると急に背後から声をかけられ私は思わず転んでしまった。

 

 

 

************************

 

「へぇ……みんな隣町の病院に移動するんだ」

 

さりげなく昼食に付き合い、メニューの昆布巻きを一本失敬した私は子供達の話を聞いていた。病院に付属していた養護学校も移転するらしく、新しい病棟が楽しみだと笑顔で話してくれたが、なんか寂しい気分になった。

 

「そうだ!おねーさんの待ち受け『レッド・デーモンズ・ドラゴン』だよね!デュエルするの?」

「もちろんよ。ライフワークだからね」

 

私は子供達に胸を張って答えた。いい大人が何をやってんだと顰蹙を買いそうだが気にしない。引かぬ媚びぬ省みぬの精神だ。

 

「せっかくだし、オレ達とデュエルしない?」

「……本来ならすぐ帰る予定だったんだけど、まぁ食堂でならいいわよ」

 

中学の時はよくレッド・デーモンズをエースにして暴れまわってたなぁ〜……あ、裁きの龍は勘弁してください。死んでしまいます。

 

 

10分後

 

「スカーレッド・コクーンを装備したレッド・デーモンズ・ドラゴンで効果が無効になったホープ・ザ・ライトニングに攻撃(パンチ)!」

「素レモンに負けた〜!なんでだよ〜!!!」

 

ふっふっふ〜、素レモンとかれこれ15年以上向き合いどんな環境だろうが活躍させようと磨き続けた技量…甘く見てもらったら困るわよ!

 

「さぁ、次は誰が相手なの?」

「勘弁してよ〜…強すぎだって!」

「さてと、そろそろ帰りますかね」

「分かった!バイバーイ」

 

デュエルも充分満喫したし今日はこのまま帰ろうかな……と歩いていると…1人だけが入っている病棟を発見した。戸が開けっ放しになっており、少し覗いてみると…ベッドから半身を起こし遊戯王カードを簡易テーブルの上に並べている少年が目に入った。

 

「『市之瀬』君ね……」

 

表札に書いてある名前と少年を交互に見てから、私はノックして彼の反応を待った。

 

「!」

「こんにちは。少し覗いちゃったんだけど…入ってもいい?」

「い、いいですけど……」

 

さっきから顔を赤くして私の事を見てくる彼をリラックスさせるべく私はジュラルミンケースを開けた。ギッチリと詰め込まれたカードを見た市之瀬君は驚いた顔でそれを見ていた。

 

「っ……!?」

「私、重度のオタクなの。今のところ限定以外全部のカードを3枚ずつ持ってるわ」

「なんか…尊敬します」

「さてと、私はこのデッキにしようかしら?」

 

私はさっさとカードを取り出してカスタマイズを開始する。脳内でイメージしたデッキを次々と組み込む事5分…完成品を敷いたマットの上にセットした。

 

「さ、始めましょう♪」

「や、やるぞ!」

 

市之瀬君もデッキをセットした。初対面の相手だけど、楽しまなきゃ損ね!

 

 

「「デュエル!」」

 

真由美 LP8000

 

市之瀬 LP8000

 

 

「先攻!」

「後攻!」

「「じゃんけんぽん!!!」」

 

結果は…私の勝ちか。初手も悪くないし!

 

「私の先攻!『銀河の魔導師』を召喚!」

 

 

銀河の魔導師 星4 ATK0

 

 

「銀河の魔導師は1ターンに1度、エンドフェイズまでレベルを4つ上昇出来る!」

 

 

銀河の魔導師 星4→8

 

 

「魔法カード『銀河遠征』発動!自分フィールドにレベル5以上の、

「フォトンモンスターまたはギャラクシーモンスターが存在する場合に発動でき、デッキからレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!いでよ!『銀河眼の光子竜』!」

 

 

銀河眼の光子竜 星8 DEF2500

 

 

「レベル8となった銀河の魔導師と銀河眼の光子竜をオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!現れよ!『No.90 銀河眼の光子卿』!」

 

 

No.90 銀河眼の光子卿 LANK8 DEF3000 ORU2

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

「よ、よーし…やってやるさ!ドロー!」

 

市之瀬君が緊張した声でカードを引いた。さて……どんなデッキで来るのかしら?

 

「スタンバイ…メイン。このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる!『ジェスター・コンフィ』を特殊召喚!」

 

 

ジェスター・コンフィ 星1 ATK0

 

 

「レベル4以下のモンスターが特殊召喚に成功した時、このカードは手札から特殊召喚できる!『TG ワーウルフ』を特殊召喚!」

 

 

TG ワーウルフ 星3 ATK1200

 

 

「さらに……『幻銃士』を召喚!」

 

 

幻銃士 星4 ATK1100

 

 

「幻銃士の効果発動!召喚に成功した時──」

「この瞬間、銀河眼の光子卿の効果発動!相手モンスターの効果が発動した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ使いその効果を無効にする!」

 

No.90 銀河眼の光子卿 ORU2→1

 

「なっ……!?」

「さらにそれがギャラクシーカードだった場合、そのカードを破壊する!私が使ったオーバーレイユニットは『銀河の魔導師』!よって幻銃士を破壊する!」

 

いやー、新規は強いわね。これが暴力という奴か。

 

「ならリンク召喚で行く!召喚条件はモンスター2体!ワーウルフとコンフィで『プロキシー・ドラゴン』をリンク召喚!」

 

 

プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】

 

 

「メイン2……カードを1枚伏せてターンエンド」

「エンドフェイズに入る前に銀河眼の光子卿の効果発動!相手ターンに1度、デッキからフォトンカードまたはギャラクシーカード1枚を選び、 手札に加えるか、このカードの下に重ねてオーバーレイユニットとする!私はデッキから速攻魔法『破滅のフォトン・ストリーム』を手札に加えるわ」

 

さてと、この流れなら完封勝ち出来そうね。

 

「私のターン、ドロー!速攻魔法『破滅のフォトン・ストリーム』を発動!自分フィールド上にギャラクシーアイズモンスターが存在する場合に発動できる。フィールド上のカード1枚を選択してゲームから除外する!セットカードを除外する!」

「罠発動…『和睦の使者』。何かありますか?」

「それかー……何も無いわ。カードを1枚伏せてターンエンド」

「ドローフェイズ、ドロー!スタンバイ…メイン1……ここまで何かありますか!?」

「無いわよ」

「なら、『創造の代行者ヴィーナス』を召喚。ここまで何かありますか?」

「無いわ……って結構マメなのね」

「一応……大会とかじゃ確認取らなきゃ面倒ごとになるから」

「それも一理あるわね」

 

 

創造の代行者ヴィーナス 星3 ATK1600

 

 

ヴィーナスが出てきたという事は一気にリンク召喚で仕掛けてくる事と同義。だが、それを止める術は銀河眼の光子卿しかない。だが、ここで使えば次の行動を止められなくなる。仮に死者蘇生を握っていればこちらは本当に何も出来なくなる。

 

「ヴィーナスの効果発動!ライフ500と引き換えにデッキから『神聖なる球体』を特殊召喚する!これを3回使いたいですが止めますか?」

「全部通すわ」

 

 

市之瀬 LP8000→6500

 

神聖なる球体 星2 ATK500

 

神聖なる球体 星2 ATK500

 

神聖なる球体 星2 ATK500

 

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上!さらにプロキシー・ドラゴンはリンク素材2体分としても扱える!プロキシー・ドラゴンとヴィーナスでリンク召喚!『デコード・トーカー』!」

 

 

デコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・左下・右下】

 

 

「まだ……!召喚条件はモンスター3体!球体3体をリンク素材に『パワーコード・トーカー』をリンク召喚!」

 

 

パワーコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【左・左下・右】

 

デコード・トーカー ATK2300→2800

 

 

「パワーコードは1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする!」

「発動するなら今ね!光子卿の効果発動!1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、このカードのオーバレイユニットを1つ使いその効果を無効にする!」

 

No.90 銀河眼の光子卿 ORU1→0

 

「さらにそれがギャラクシーカードだった場合、そのカードを破壊する!私が使ったオーバーレイユニットは『銀河眼の光子竜』!よってパワーコード・トーカーを破壊する!」

「でもこれで光子卿は無効効果を使えない……!」

 

 

デコード・トーカー ATK2800→2300

 

 

そりゃそうだけど、守備力3000をどう越える気なのかしら?デコード・トーカーでなんとかするにはまだまだモンスターが必要だけど…

 

「ならバトルフェイズ!このカードはバトルフェイズ時に手札から特殊召喚し、1000ポイントライフを回復出来る!『ジュラゲド』を特殊召喚!」

 

 

ジュラゲド 星4 ATK1700

 

市之瀬 LP6500→7500

 

 

「ジュラゲドの効果発動!このカードをリリースし、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を次のターンの終了時まで1000アップする!これで光子卿を倒せる…!デコード・トーカーで光子卿を攻撃!」

 

 

デコード・トーカー ATK2300→3300

 

 

なるほど!普通のモブ少年と侮っていたけど、やるようね!

 

「罠カード『光波防輪』!」

「!?」

「自分フィールドの、ギャラクシーアイズまたはサイファーエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。このカードをそのモンスターのオーバーレイユニットとし、そのモンスターはこのターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない!」

 

 

No.90 銀河眼の光子卿 ORU0→1

 

 

惜しかったわね。でも、その気概はいいわよ。

 

「くっ……メイン2に移行…そのままターンエンド」

「エンドフェイズに光子卿の効果発動!私はデッキから『銀河眼の雲篭』を選択。手札に加える!私のターン、ドロー!」

 

ギャラクシーアイズの恐ろしさを教えてあげるわ!

 

「『銀河眼の雲篭』を召喚!」

 

 

銀河眼の雲篭 星1 ATK300

 

 

「効果発動。このカードをリリースする事で手札または墓地から『銀河眼の光子竜』を特殊召喚する!墓地より蘇れ!『銀河眼の光子竜』!」

 

 

銀河眼の光子竜 星8 ATK3000

 

 

「バトル!銀河眼の光子竜でデコード・トーカーを攻撃!《破滅のフォトン・ストリーム》!!!この瞬間、銀河眼の光子竜の効果発動!このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップに、その相手モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターとフィールドのこのカードを除外する!この効果で除外したモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールドに戻る!」

「通します……!」

 

これでデコード・トーカーの攻撃力はリセットされる。ラッキーね。

 

 

デコード・トーカー ATK3300→2300

 

 

「銀河眼の雲篭が墓地に存在する場合、デュエル中に一度、自分のメインフェイズ時に自分フィールド上のギャラクシーアイズエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。墓地のこのカードを選択したモンスターのオーバーレイユニットとする!光子卿のオーバーレイユニットを追加する!」

 

 

No.90 銀河眼の光子卿 ORU1→2

 

 

「じゃあ、このままターンエンド」

 

さぁ、この布陣を突破出来るかしら?

 

「俺のターン、ドロー(…よし)!!!」

 

なーんか表情変わったわね。嫌な予感が……

 

「スタンバイ…メイン1。魔法カード『ブラック・ホール』!互いのモンスターを全て破壊する!」

「げっ!?」

 

フォトンモンスターをオーバーレイユニットにしていない為、光子卿は効果で破壊されない効果を持っていない!よって私のモンスターは全滅……いいカードを引いたわね。モンスターの展開とオーバーレイユニットの追加が可能な銀河眼の雲篭を選んだのは間違いだったみたい。

 

「さらに、『夢幻崩界イヴリース』を召喚!」

 

 

夢幻崩界イヴリース 星2 ATK0

 

 

「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のリンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にして、このカードとリンク状態となるように自分フィールドに特殊召喚する!『プロキシー・ドラゴン』を特殊召喚!」

 

 

プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】

 

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上!さらにプロキシー・ドラゴンはリンク素材2体分として扱える!プロキシー・ドラゴンとイヴリースでリンク召喚!『トポロジック・トゥリスバエナ』!」

 

 

トポロジック・トゥリスバエナ LINK-3 ATK2500 リンクマーカー【上・左下・右下】

 

 

「イヴリースが自分フィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを相手フィールドに守備表示で特殊召喚する!トゥリスバエナのリンク先に特殊召喚!」

 

 

夢幻崩界イヴリース 星2 DEF0

 

 

「トゥリスバエナの効果発動!このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動する。そのモンスター及びフィールドの魔法・罠カードを全て除外し、この効果で除外した相手のカードの数×500ダメージを相手に与える!この効果に何か?」

「無いです!」

 

私のフィールドには伏せカードが1枚……やられた!

 

 

真由美 LP8000→7500

 

 

「バトルフェイズ!トゥリスバエナでダイレクトアタック!何かありますか!?」

「通す……!」

 

 

真由美 LP7500→5000

 

 

結構手強いわね……、でも私だって負けてられない!

 

「メイン2…ターンエンドです」

「私のターン、ドロー!」

 

さーってと…私も本気出しますかね。

 

「自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードは手札から特殊召喚出来る!『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚!」

 

 

フォトン・スラッシャー 星4 ATK2100

 

 

「チューナーモンスター『ヴァイロン・プリズム』を召喚!」

 

 

ヴァイロン・プリズム 星4 ATK1500 チューナー

 

 

「レベル4のフォトン・スラッシャーにレベル4のヴァイロン・プリズムをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列をなす…天地鳴動の力を見るがいい!》」

「あのー…言ってて恥ずかしく」

「無いわよ。シンクロ召喚!我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

 

「ヴァイロン・プリズムの効果発動!このカードがモンスターカードゾーン上から墓地へ送られた場合、500ライフポイントを払って発動できる。このカードを装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスター1体に装備する!このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターが戦闘を行うダメージステップの間、その攻撃力は1000ポイントアップする!レッド・デーモンズに装備!」

 

 

真由美 LP5000→4500

 

 

「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでトゥリスバエナを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」

「うっ……!?」

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→4000

 

市之瀬 LP7500→6000

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

そろそろ戦いにも終わりが見えてきたわね……次のドローでこの戦いは決する!

 

「ドロー、スタンバイ…メイン……」

「……」

 

実は今…私は大事なカードを伏せている。この先出てくるかもしれないとあるカードにも通用するカードだ。ただ、それは市之瀬君次第だ。

 

「『夢幻崩界イヴリース』を召喚!」

 

ゲッ!?読み違えた!!!

 

 

夢幻崩界イヴリース 星2 ATK0

 

 

「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のリンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にして、このカードとリンク状態となるように自分フィールドに特殊召喚する!『プロキシー・ドラゴン』を特殊召喚!」

 

 

プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】

 

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上!さらにプロキシー・ドラゴンはリンク素材2体分として扱える!プロキシー・ドラゴンとイヴリースでリンク召喚!『トランスコード・トーカー』!」

 

 

トランスコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・右・下】

 

 

「イヴリースの効果は使わない。トランスコードの効果発動!これに対して何か?」

「無いわ」

「トランスコードの効果!自分の墓地のリンク3以下のサイバース族リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない!俺はパワーコードを蘇生する!」

 

 

パワーコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【左・左下・右】

 

 

「これで突破出来る!バトル!パワーコードでレッド・デーモンズを攻撃!このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、

このカードのリンク先の自分モンスター1体をリリースして発動できる。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、元々の攻撃力の倍になる!!!」

 

 

パワーコード・トーカー ATK2300→4600

 

 

「ぐっ…!?」

 

 

パワーコード・トーカー ATK4600→2300

 

真由美 LP4500→3900

 

 

「メイン2…ターンエンド」

 

さーてと…次のドローで何が引けるかな〜。

 

「私のターン、ドロー!」

 

さて、相手フィールドには攻撃力2300のパワーコード・トーカー…2回攻撃を食らえば…または攻撃力1600以上のモンスターを引かれたらもれなく敗北直行ルートとなる。今引いたカードは何かしら……お、ラッキー!

 

「魔法カード『死者蘇生』!墓地からモンスター1体を特殊召喚する!蘇れ!我が魂!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

 

「バトル!レッド・デーモンズでパワーコード・トーカーを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」

「通します…!」

 

 

市之瀬 LP6000→5300

 

 

「私はこれでターンエンド」

 

私の闘志はまだ消えないわよ!泥沼化してるけどね!

 

「ドロー!スタンバイ、メイン…」

 

さて、市之瀬君!かかってらっしゃい!

 

「よし来た!このカードは通常召喚出来ないが墓地の闇属性と光属性モンスターを1体ずつ除外して手札から特殊召喚出来る!『カオス・ソルジャー-開闢の使者』を特殊召喚!」

 

 

カオス・ソルジャー-開闢の使者 星8 ATK3000

 

 

やっぱり入ってた……!開闢!!!開闢には①攻撃を破棄してモンスター1体を除外する効果と②モンスターを破壊した時続けて攻撃出来る効果を持つ。問題はどちらの効果を使うかだ。

 

「……」

「開闢の効果発動!このカードの攻撃宣言を破棄する代わりにモンスター1体を除外します!これに対して何かありますか!?」

 

完全に勝ち戦のムードになっている中悪いんだけど……

 

「あるわよ!」

「!?」

「罠カード発動!『スキル・プリズナー』!自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする!」

 

危ない危ない……相討ちにされていたらそれこそピンチだったわ。

 

「ッ……メイン2…ターンエンド」

「私のターン!」

 

そして、引けた。最高のカード!

 

「チューナーモンスター『ミラー・リゾネーター』を召喚!」

 

 

ミラー・リゾネーター 星1 ATK0 チューナー

 

 

「レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル1のミラー・リゾネーターをチューニング!《深淵の闇より解き放たれし魔王よ!!その憤怒を爆散させよ!!》シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・アビス』!」

 

 

琰魔竜レッド・デーモン・アビス 星9 ATK3200

 

 

「バトル!レッド・デーモン・アビスでカオス・ソルジャーを攻撃!!!」

「そんな……!」

 

 

市之瀬 LP5300→5100

 

 

「レッド・デーモン・アビスが相手に戦闘ダメージを与えた時、自分の墓地のチューナー1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する!『ミラー・リゾネーター』を守備表示で特殊召喚!」

 

 

ミラー・リゾネーター 星1 DEF0 チューナー

 

 

「私はこれでターンエンド!」

「ドロー、スタンバイ…メイン……」

 

レッド・デーモン・アビスの効果でカード効果を無効に出来る。これでもう何も出来ないわよね?

 

「……ッ、モンスター1体を伏せてターンエンド」

「私のターン!」

 

さらに畳み掛ける!

 

「レベル9のレッド・デーモン・アビスにレベル1のミラー・リゾネーターをチューニング!《泰山鳴動!!山を裂き地の炎と共にその身を曝せ!!》シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル』!!!」

 

 

琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 星10 ATK3500

 

 

「さらに、チューナーモンスター『ヴァイロン・プリズム』を召喚!」

 

 

ヴァイロン・プリズム 星4 ATK1500 チューナー

 

 

「ベリアルの効果発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースし、自分の墓地のレッド・デーモンモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!ヴァイロン・プリズムをリリースし、蘇れ!『琰魔竜レッド・デーモン・アビス』!」

 

 

琰魔竜レッド・デーモン・アビス 星9 ATK3200

 

 

「ヴァイロン・プリズムは場合の効果!タイミングは逃さん!このカードがモンスターカードゾーン上から墓地へ送られた場合、500ライフポイントを払って発動できる。このカードを装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスター1体に装備する!このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターが戦闘を行うダメージステップの間、その攻撃力は1000ポイントアップする!ベリアルに装備!」

 

もう防ぐ手は無いわよ!

 

「バトル!レッド・デーモン・アビスで伏せモンスターを攻撃!」

 

 

オネスト 星4 DEF1900

 

 

オネスト…!もし同時に引かれてたら負けだったのね。

 

「そして、レッド・デーモン・ベリアルでダイレクトアタック!!!」

 

 

琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 星10 ATK3500→4500

 

市之瀬 LP5100→600

 

 

「この瞬間、ベリアルの効果発動!このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。自分のデッキ及び墓地からレベルが同じチューナーをそれぞれ1体ずつ選んで守備表示で特殊召喚する!私はデッキから『エフェクト・ヴェーラー』・墓地から『ミラー・リゾネーター』を特殊召喚!」

 

 

エフェクト・ヴェーラー 星1 DEF0 チューナー

 

ミラー・リゾネーター 星1 DEF0 チューナー

 

 

「ターンエンド!」

「投了します」

 

 

市之瀬 LP600→0 surrender

 

 

****************

 

「ゼェ……ゼェ……」

 

その後、もう1回試合をしたんだけど…2試合目は完全に対策され、満足に抵抗出来ないまま開闢&オネストでライフを焼かれてしまった。3試合目は流石に連戦で私の方がバテてしまった為、断念した。

 

「……なんかすみません。せめて一矢報いたかったので」

「それだけの意地があれば元気に治るわよ」

 

因みに、市之瀬君は検査入院との事。なんでも内臓が悪いらしい。

 

「でも、このデュエルで自信つきました。また…もし退院出来たら!また対戦してくれますか?」

「えぇ、ここの近くのカードショップで夕方辺りに居るからいつでも挑戦にいらっしゃい♪」

 

私はガッチャのポーズを真似て病室を出た。試作デッキのテストも出来たし充分な収穫だったと思うけど、ちょっと疲れたかな。




真由美「今回は市之瀬君に来ていただきました!」
市之瀬「あ、あの…こういうところ初めてなんですよ。上手く話せるかなぁ」
真由美「まぁまぁ、なんとかなるわよ。ささ、デッキ紹介よろしく♪」
市之瀬「わ、分かった。やってみる。」


デッキ枚数(44)
モンスターカード(25)
カオスソルジャー 開闢の使者×2
マスターヒュペリオン×2
オネスト×3
終末の騎士×1
ジュラゲド×1
幻銃士×1
創造の代行者ヴィーナス×3
神聖なる球体×3
TGワーウルフ×1
神秘の代行者アース×3
夢幻崩界イヴリース×2
メタモルポット×1
ジェスターコンフィ×1
絶対王バックジャック×1
バトルフェーダー×1

魔法カード(15)
スケープゴート×2
フォトンリード×1
二重召喚×1
死者蘇生×1
精神操作×1
ブラックホール×1
サイクロン×1
ツインツイスター×1
局所的ハリケーン×1
ハーピィの羽根箒×1
貪欲な壺 2
大欲な壺×1
成金ゴブリン×1

トラップカード(4)
聖なるバリア-ミラーフォース-×1
和睦の使者×1
ガードブロック×1
リビングデッドの呼び声×1

エクストラデッキ(15)
ファイアウォール・ドラゴン×1
ヴァレルロード・ドラゴン×1
鎖龍蛇-スカルデット×1
トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
トポロジック・トゥリスバエナ×1
トランスコード・トーカー×2
パワーコード・トーカー×1
デコードトーカー×1
プロキシードラゴン×2
セキュリティドラゴン×1
リンクリボー×1
ライトロード・アークミカエル×1
アームズエイド×1




市之瀬「基本的にはカオス代行の動きで戦い、リンク召喚やシンクロ召喚で攻めていく。イヴリースの効果を活かす為にサイバース系のリンクモンスターを多く採用しているんだ」
真由美「実際、コード・トーカー系のモンスターによる猛攻はきつかったわよ。切り返しに苦労したわ」
市之瀬「一番の決め手は開闢にオネストやアームズエイドを添えて叩き潰す事。1回戦では上手く使えなかったけど、2回戦では上手く決まったよ」
真由美「久しぶりに開闢の恐ろしさを感じられたわ……」
市之瀬「では、そろそろ戻るよ。病気を治して、今度こそ決着を付ける!」
真由美「ウン、マッテルヨー(開闢はもう勘弁してください)」


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