遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─   作:レモンの人

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長らくお待たせしました!デュエル配分とか考えていたらいつのまにか長くなってしまいました(土下座)
今回は都合によりライフ4000でのデュエルとなりますのでご了承ください。


おい、デュエルしろよ。【閃刀姫】(大嘘)

夜のネオンが輝く街を一台のDホイールが駆ける。白を基調としたDホイールには女のパイロットが座していた。

 

「今日も街は異常無しね。このまま帰ってご飯でも食べようかしら?」

 

Dホイールを停め、少し休憩をしていると……モニターに赤いビーコンが瞬いた。

 

「残念だけど今日も夕飯は抜きみたい……」

 

わざとらしく肩を竦めたパイロットはDホイールをUターンさせ、一気に目的地へと走った…。

 

 

********************

 

「よっしゃ!捕まえられるもんなら捕まえてみやがれ!!!」

 

セキュリティ精鋭部隊の一個小隊を強行突破したDホイーラーが煽るように叫ぶ。パイロットは小柄な少年、そして彼が操るのは白い龍。

 

「Fooo〜!」

 

次々と細かいタクティクスを展開して敵のエースを撃破し、一気に距離を離した。遠のいていく脅威に満足していた少年……だったが、突如別のレーンから飛び出してきた白いDホイールが進路を妨害するように走り出した。

 

「な、なんだアンタは!?」

「───フッ」

 

パイロットは女…その手には光子ワッパーが握られている。女はクルクルとそれを回すと少年の右腕に括り付けた。

 

「……逃がさない。そう言いたいんだな!」

「……」

「なら上等だ!連戦だが今の僕に敵は居ない!デュエルだ!」

「元よりそのつもりだ」

「行くぞ!ライディングデュエル!!!」

「「アクセラレーション!」」

 

 

女性 LP4000

 

少年 LP4000

 

 

2人の高速走行に併せバリケードを張っていたセキュリティも道を開ける。女パイロットの方が圧倒的な速度を維持していたが、突然減速を始めた。

 

「先攻を譲る……?僕への挑発か!」

「…………」

「まぁいいさ!僕の先攻!魔法カード『調律』発動!デッキからシンクロンモンスター1体を手札に加え、その後デッキトップからカードを1枚墓地へ送る!今手札に加えたチューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」

 

 

ジャンク・シンクロン 星3 ATK1300 チューナー

 

 

「ジャンク・シンクロンが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!調律の効果で墓地へ落ちた『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」

 

 

チューニング・サポーター 星1 DEF100

 

 

「まだまだ行くぜ!魔法カード『機械複製術』!自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象に、デッキから同名モンスターを2体まで特殊召喚出来る!チューニング・サポーターの攻撃力は100!よって、デッキからチューニング・サポーターを2体特殊召喚!」

 

 

チューニング・サポーター 星1 DEF100

 

チューニング・サポーター 星1 DEF100

 

 

「チューニング・サポーターの効果発動!このカードはシンクロ素材にする場合、レベル2として扱う事も出来る!僕はチューニング・サポーター1体をレベル2として扱う!」

 

 

チューニング・サポーター 星1→2

 

 

「レベル1のチューニング・サポーター2体とレベル2となったチューニング・サポーターにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!《その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!》シンクロ召喚!現れろ!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」

 

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500

 

 

「チューニング・サポーターの効果発動!このカードがシンクロ素材として墓地へ送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!よってカードを3枚ドロー!……カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

白き龍を引き連れ、必勝パターンに持っていった少年はほくそ笑んだ。妨害されなかった。これなら勝てると思っての笑みだった。

だが、次のターンでその目論見は外れる事になる。

 

「私のターン、ドロー」

 

女パイロットはアクセルを噴かせて前進する。

 

「速攻魔法『閃刀機─ホーネット・ビット』を発動。自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動出来、『閃刀姫トークン』1体を特殊召喚する。このトークンはリリースできない」

 

 

閃刀姫トークン 星1 ATK0

 

 

「さらに魔法カード『おろかな副葬』を発動。デッキから魔法・罠カードを1枚選んで墓地へ送る。私はデッキから『閃刀起動─エンゲージ』を墓地へ送る。このカードの召喚条件は炎属性以外の閃刀姫モンスター1体。閃刀姫トークンをリンク素材にリンク召喚。来い、『閃光姫─カガリ』」

 

 

閃刀姫─カガリ LINK-1 ATK1500 リンクマーカー【左上】

 

 

「カガリの効果発動、このカードの特殊召喚に成功した場合、墓地の閃刀カードを1枚手札に加える。さらに、カガリの攻撃力は墓地の魔法カード1枚につき100上がる」

 

 

閃刀姫─カガリ ATK1500→1800→1700

 

墓地の魔法カード:3→2

 

 

「カガリの効果で手札に加えた魔法カード『閃刀起動─エンゲージ』を発動。デッキからエンゲージ以外の閃刀カードを1枚手札に加える。フィールド魔法『閃刀空域─エリアゼロ』を手札に加える!」

 

 

閃刀姫─カガリ ATK1700→1800

 

墓地の魔法カード:2→3

 

 

「!!!」

「まだだ2枚目魔法カード『閃刀起動─エンゲージ』を発動。メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、デッキから閃刀カードを手札に加える。永続魔法『閃刀機関─マルチロール』を手札に加える!さらに、墓地に魔法カードが3枚以上ある場合、デッキからカードを1枚ドローする」

「魔法カードの数で追加効果があるのか……あのデッキは!」

 

一気にコーナーを駆け抜けた女パイロットは回収し切れなかったバリケードを強引に突破する。安全策を取り回避した少年はタイムロスで追い抜かれてしまった。

 

 

閃刀姫─カガリ ATK1800→1900

 

墓地の魔法カード:3→4

 

 

「召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター1体!閃刀姫─カガリをリンク素材に『閃刀姫─シズク』をリンク召喚!」

 

 

閃刀姫─シズク LINK-1 ATK1500 リンクマーカー【右上】

 

 

「相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分の墓地の魔法カードの数×100ダウンする!」

 

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK2500→2100

 

 

セキュリティの車両を通過する際に彼等が電光掲示板で何かを知らせるが女パイロットはソレを鼻で笑った。

 

「フィールド魔法『閃刀空域─エリアゼロ』と永続魔法『閃刀機関─マルチロール』を発動!このカード以外の自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚めくる。その中から閃刀カード1枚を選んで手札に加える事ができる。残りのカードはデッキに戻す。閃刀カードがめくられた場合、さらに対象のカードを墓地へ送る!シズクを対象としてカードをめくる!」

 

中身は

●閃刀起動─エンゲージ

●シンクロコール

●ライトロード・アサシン─ライデン

 

 

「エンゲージを手札に加え、残りはデッキに戻す。その後、シズクを墓地へ送る!さらに、マルチロールの効果発動!1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。このターン、自分の魔法カードの発動に対して相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。さらに、対象のカードは墓地へ送られる!エリアゼロを対象に発動し、エリアゼロは墓地へ送られる。だが!この瞬間、エリアゼロの効果発動!このカードが効果でフィールドゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから閃刀姫モンスター1体を特殊召喚する。『閃刀姫─レイ』を特殊召喚!」

 

 

閃刀姫─レイ 星4 ATK1500

 

 

「さらに魔法カード『光の援軍』を発動!デッキトップから3枚を墓地へ送り、デッキからレベル4以下のライトロードモンスター1体を手札に加える。チューナーモンスター『ライトロード・アサシン─ライデン』を手札に加え、召喚!」

 

 

ライトロード・アサシン─ライデン 星4 ATK1700 チューナー

 

 

「ライデンの効果発動!自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。この効果で墓地へ送ったカードの中にライトロードモンスターがあった場合、このカードの攻撃力は相手ターン終了時まで200アップする!」

 

 

●閃刀機─アフターバーナー

●ミラー・リゾネーター

 

 

「少年よ!見るがいい!これが私の力だ!レベル4の閃刀姫─レイにレベル4のライトロード・アサシン─ライデンをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す…天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

 

「レッド・デーモンズ・ドラゴン!?そんな……そのモンスターはとうに使い手が消えたはず!?」

「フン、何故私が使えるのかは分かっているだろう?」

「……クッ」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン……漆黒の悪魔竜が白き龍に対峙する。女パイロットは先程の冷静な顔から一転、好戦的な笑みを浮かべていた。

 

「3枚目の魔法カード『閃刀起動─エンゲージ』を発動!メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動出来、デッキからエンゲージ以外の閃刀カードを手札に加え、さらに墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、デッキからカードを1枚ドローする!」

「まだ……!?」

「私のデュエルはエンターテイメントでなければな!バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!」

「クソッ…!クリアウィングが!!!」

 

 

少年 LP4000→3500

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。この瞬間、マルチロールの効果発動!マルチロールの効果は自分・相手のエンドフェイズに発動できる。このターン、このカードが表側表示で存在する間に自分が発動した閃刀魔法カードの数まで自分の墓地の閃刀魔法カードを選び、自分フィールドにセットする(同名カードは1枚まで)。この効果でセットしたカードはフィールドから離れた場合に除外される。私は『閃刀機─シャークキャノン』をセット」

 

2人のDホイーラーがハイウェイを駆け抜ける。少年も負けじと喰らい付く。

 

「僕のターン!ドロー!魔法カード『シャッフル・リボーン』を発動!自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚出来る!蘇れ、『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」

「無駄だ。マルチロールの効果でセットした速攻魔法『閃刀機─シャークキャノン』を発動!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する!自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、除外せずにそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できない。私はクリアウィングの除外は行うが特殊召喚は行わない」

 

「クリアウィングが……!?」

「どうした?それで終わりなのか?」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンが少年を見下ろす。絶望的な盤面だが……少年は恐れなかった。

 

「ヘッ、そう来ると思ってたぜ!」

「何……?」

「装備魔法『D・D・R』発動!手札を1枚捨て、除外されている自分のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する!このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される!戻って来い!クリアウィング!」

 

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500

 

 

「さらにチューナーモンスター『ジェット・シンクロン』を召喚!」

 

 

ジェット・シンクロン 星1 ATK500 チューナー

 

 

「レベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!《神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て!》シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

 

「ジェット・シンクロンがシンクロ素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからジャンクモンスター1体を手札に加える!『ジャンク・シンクロン』を手札に!」

 

少年も負けじとアドバンテージを回復し反撃の糸口を作ろうとする。

 

「クリスタルウィングは1ターンに1度モンスター効果を無効にして破壊しその攻撃力をエンドフェイズまで得る。さらにレベル5以上のモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に戦闘を行う相手モンスターの攻撃力をクリスタルウィングに加える!バトルだ!クリスタルウィングでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!!!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6000

 

 

「速攻魔法『閃刀機─イーグルブースター』を発動!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターは自身以外のカードの効果を受けない。さらに、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、さらにこのターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない!この身に替えても、我が魂は墜とさせはせん!!!」

 

 

女パイロット LP4000→1000

 

 

「僕はカードを1枚伏せてターンエンド!」

「この瞬間、マルチロールの効果発動!このターン、このカードが表側表示で存在する間に自分が発動した閃刀魔法カードの数まで自分の墓地の閃刀魔法カードを選び、自分フィールドにセットする(同名カードは1枚まで)!私は『閃刀起動─エンゲージ』と『閃刀機─イーグルブースター』をセット」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK6000→3000

 

 

再びの電光掲示板…だが、女パイロットはソレをスルー。

 

「レベル5以上のモンスターに攻撃力で上回るだと?面白い…ならばその鼻先、我がレッド・デーモンズの力でへし折ってくれようぞ!私のターン、ドロー!」

 

女パイロットは引いたカードと手札を確認し…1枚を手に取った。

 

「まずはセットした『閃刀起動─エンゲージ』を発動!デッキからエンゲージ以外の閃刀カードを手札に加える。さらに墓地に魔法カードが3枚以上ある場合はデッキからカードを1枚ドローする!『閃光機─ウィドウアンカー』を手札に加え、デッキからカードを1枚ドロー!」

 

凄まじい勢いでアドバンテージを回復する女パイロットに少年は焦り始めていた。強力なエースを召喚しているのに悉く対処されているからだ。

 

「今手札に加えた速攻魔法『閃刀機─ウィドウアンカー』を発動!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする!本当はコントロール奪取も出来るが、クリスタルウィングの効果を無効にする!」

「しまった……!」

「圧倒的なパワーで叩き潰す!それが私流の戦い方だ!魔法カード『フォース』を発動!2体のモンスターを対象に一方のモンスター1体の攻撃力を半分にしその攻撃力をもう一方のモンスター1体に加える!この効果はエンドフェイズまで継続される!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→1500

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→4500

 

 

「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでクリスタルウィングを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」

「うわっ……!?」

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

翔太 LP3500→500

 

 

「でも、まだライフは残っている!ライフある限り、僕はまだ負けない!!!僕のターン!」

 

2人のライディングデュエルはデッドヒートに到達している。凄まじい睨み合いが続く中、少年が仕掛ける。

 

「チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」

 

 

ジャンク・シンクロン 星3 ATK1300 チューナー

 

 

「ジャンク・シンクロンが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」

 

 

チューニング・サポーター 星1 DEF100

 

 

「この瞬間、速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動!相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!レッド・デーモンズ・ドラゴンはEXデッキのモンスター!数は増えない!」

「ほぅ」

「僕は墓地に眠る『チューニング・サポーター』2体を特殊召喚!」

 

 

チューニング・サポーター 星1 DEF100

 

チューニング・サポーター 星1 DEF100

 

 

「真ゆ──じゃなかった!あんたの為に僕も本気を出す!墓地の『ジェット・シンクロン』の効果発動!手札を1枚捨てる事でこのカードは墓地から特殊召喚出来る!」

 

 

ジェット・シンクロン 星1 ATK500

 

 

「召喚条件はチューナーを含めた戦士族または機械族モンスター2体!レベル1のジェット・シンクロンとレベル1のチューニング・サポーターでリンク召喚!いでよ『ジャンク・コネクター』!」

 

 

ジャンク・コネクター LINK-2 ATK1700 リンクマーカー【左下・右下】

 

 

「チューニング・サポーターはシンクロ素材になる場合、レベル2としても扱える!レベル2として扱ったチューニング・サポーター2体にレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー!『シューティング・ライザー・ドラゴン』!」

 

 

シューティング・ライザー・ドラゴン 星7 ATK2100 チューナー

 

 

「シンクロ素材になったチューニング・サポーター2体の効果で僕はカードを2枚ドロー!さらに、ライザー・ドラゴンがシンクロ召喚に成功した場合に発動できる。フィールドのこのカードより低いレベルを持つモンスター1体をデッキから墓地へ送り、そのモンスターのレベルの分だけこのカードのレベルを下げる。このターン、自分は墓地へ送ったそのモンスター及び同名モンスターのモンスター効果を発動できない!僕はデッキから『ジャンク・コレクター』を墓地へ送りレベルを5下げる!」

 

 

シューティング・ライザー・ドラゴン 星7→2

 

 

「そして、これが勝利への布石!魔法カード『ネクロイド・シンクロ』を発動!チューナー1体とチューナー以外のモンスター2体までを自分の墓地から選んで除外し、除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つ「スターダスト」シンクロモンスター1体をエクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!墓地のジャンク・コレクターとジャンク・シンクロンを除外!《集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!》飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!」

 

 

スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500

 

 

かつてライバルとして、あるいは仲間として切磋琢磨し合ったモンスター達が再び対峙する。5D’sファンにとっては胸熱な展開である。そして、さらにその上を少年は行こうとしていた。

 

「レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2となったシューティング・ライザー・ドラゴンをチューニング!《集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!》アクセルシンクロ!」

 

少年は隙を見つけて全速力で突き進み、風のようになったと思った瞬間。彼とモンスター達が視界から消えた。

 

「───っ」

 

振り向いた時、背後から少年が現れた…新たなモンスターを引き連れて。

 

「生来せよ!『シューティング・スター・ドラゴン』!!!」

 

 

シューティング・スター・ドラゴン 星10 ATK3300

 

 

かつて不動遊星が使っていたとされるアクセルシンクロモンスター…それが再び戦場に舞い降りる。

 

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、発動できる。自分のデッキの上から5枚めくってデッキに戻す。このターンこのカードはめくった中のチューナーの数まで攻撃できる!モンスター達よ…僕に勝利を!」

 

少年は目を閉じて5枚をめくった。その中身は……

 

 

●迷い風

●エフェクト・ヴェーラー

●クイック・シンクロン

●コズミック・サイクロン

●貪欲な壺

 

 

「よって、シューティング・スター・ドラゴンは2回攻撃出来る!バトル!シューティング・スター・ドラゴンでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!《スターダスト・ミラージュ》!!!」

 

2体に分離したシューティング・スター・ドラゴンがレッド・デーモンズに襲い掛かる。

 

「…………罠カード『王者の調和』!相手モンスターが自分のシンクロモンスターに攻撃宣言した時に発動できる。その攻撃を無効にする!」

「!?」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンがシューティング・スター・ドラゴンの体当たりをアイアンクローで受け止める。さらにその体が炎に包まれる!

 

「その後、自分のシンクロモンスターと自分の墓地のチューナー1体を除外し、除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つシンクロモンスター1体を、エクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンと墓地に眠るレベル4のライトロード・アサシン─ライデンを除外!この荒ぶる魂を見るがいい!《王者と悪魔、今ここに交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ!!!》出でよ、『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!」

 

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 星12 ATK3500

 

 

かつてのライバルはさらに進化する。そして、その戦いは誰にも止められないのだ!

 

「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの攻撃力は墓地のチューナー1体につき500ポイントアップする!墓地には『ミラー・リゾネーター』が眠っている!よって攻撃力は4000!」

 

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン ATK3500→4000

 

 

「フフフ……ハハハハハハハハ!!!どうした?攻撃が巻き戻されたぞ?」

「───ッ!バトルフェイズは中止だ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

シューティング・スター・ドラゴンが名残惜しげに後退し、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが勝ち誇ったように咆哮する。

 

「伝わるぞ!お前の揺れが!!!」

 

少年のDホイールとの距離をさらに離し、女パイロットは王者の如き余裕を見せた。スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンもそれに並走するように飛ぶ。

 

「追われる者が余裕を持ち、追う者の心が焦りに縛られる!今の状況こそまさに追う者、追われる者!私のターン!」

「──ッ」

「その程度で私の荒ぶる魂を止められると思うな!リバースカードオープン!『閃刀機─イーグルブースター』!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターは自身以外のカードの効果を受けない。自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、さらにこのターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない!私はスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンを対象とする!バトル!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンでジャンク・コネクターを攻撃!」

 

今度は逆にスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが突撃を仕掛ける!

 

「やらせはしない!罠カード発動!『ガード・ブロック』!この戦闘ダメージを0にしカードを1枚ドローする!さらに、ジャンク・コネクターの効果発動!リンク召喚したこのカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。EXデッキからジャンクシンクロモンスター1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!『ジャンク・アーチャー』を特殊召喚!」

 

 

ジャンク・アーチャー 星7 DEF2000

 

 

「……フン、凌ぎ切ったか。カードを1枚伏せ、エンドフェイズにマルチロールの効果発動!私は墓地から『閃刀起動─エンゲージ』をセットする」

 

2体のドラゴンが睨み合うように対峙する中、少年が女パイロットの背中を追うように加速する。

 

「僕のターン(よし…)!ジャンク・アーチャーの効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターをゲームから除外する!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンをフィールドから取り除く!」

 

ジャンク・アーチャーが弓を引き絞り、対象を射抜くべく一射を放った。光の矢はまっすぐに飛び……

 

「その程度か?」

 

何か反撃されると思っていた少年だったが、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンはあっさりと除外された。ほぼガラ空きになったフィールドにはまだ伏せカードが攻撃を誘うかのように伏せられている。

 

「──騙されないぞ!バトル!シューティング・スター・ドラゴンでダイレクトアタック!」

「罠カード『リジェクト・リボーン』!」

「───!!!」

 

ジャンク・アーチャーの除外効果を甘んじて受けた事で先程までの猛攻が止んだ……つまり手が無くなったと踏んで攻めた少年を待っていたのは無慈悲なトラップだった。

 

「相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。バトルフェイズを終了する。その後、自分の墓地からチューナーとシンクロモンスターを1体ずつ選び効果を無効にして特殊召喚出来る!」

「!」

「蘇れ!我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!『ミラー・リゾネーター』!」

 

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

シンクローン・リゾネーター 星1 DEF100 チューナー

 

 

「クッ……カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにジャンク・アーチャーの効果で除外したモンスターはフィールドに戻る」

 

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 星12 ATK3500

 

 

「私のターン!少年よ、いい道化っぷりだったぞ?だが、もう飽きた。貴様には褒美として我が僕の前に這い蹲る栄誉を与えてやろう!チューナーモンスター『ライトロード・メイデン ミネルバ』を召喚!」

 

 

ライトロード・メイデン ミネルバ 星3 ATK800 チューナー

 

 

「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のライトロードモンスターの種類の数以下のレベルを持つドラゴン族・光属性モンスター1体をデッキから手札に加える。『救世竜─セイヴァー・ドラゴン』を手札に加える。見るがいい!これがさらなる王者の力だ!《孤高の絶対破壊神よ!!神域より舞い降り終焉を齎せ!!》シンクロ召喚!絶対王者の剣『琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ』!!!」

 

 

琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ 星12 ATK4000

 

 

「このカードがシンクロ召喚に成功した時、このターン相手はフィールドで発動する効果を発動できず、この発動に対して、相手はカードの効果を発動できない!」

「……」

「バトル!レッド・デーモン・カラミティでシューティング・スター・ドラゴンを攻撃!」

「うわぁああああああああ!!!」

 

絶対王者の前に少年は対抗出来ずに敗北してしまったのだった……。

 

 

少年 LP500→0

 

 

 

 

 

 

 

「カット!カット!!!!」

 

************************

 

「オレ言ったよね!?『閃刀姫の宣伝をしてください!!!』って!なんで5D’sの再放送見せられてんの!?」

「ごめんね〜…ついいつもの調子でデュエルしちゃった♪」

 

ここはハイウェイ……ではなく、それを模した撮影スタジオ。先程まで王者の如き風格を見せていた女パイロット……もとい私、『古霊 真由美』は正座させられて友人の『太陽 遊斗』君から説教を受けていた。

実は、久しぶりに来日してきた遊斗君は映画会社の人を伴って来ており、私達に会うなり私と翔太君の2人でショート映画を作って欲しいと言ってきたのだ。10万円PON☆と出されたらやるしか無いでしょ?

内容は簡単、『閃刀姫を使ったデュエルをしたビデオを撮影して宣伝に使う』という物。私と翔太君はバイク…の模型に乗ってデュエルすればいいだけ。後はCG合成で作ると息巻いた遊斗君の熱意に負けて始めたはいいんだけど……私がチューナーを出した辺りで『私が調子に乗ってる』事に気付いた遊斗君がアドリブでCGを使い『閃刀姫で戦え』と言ってくれたのだ。まぁ、アドレナリンがドボドボ出て興奮状態だった私がそんな話に耳を貸す筈がなく結局このザマである。せっかく来てくれたスタッフの方々が呆れ返っていた。

 

「すみませんでした!」

 

取り敢えず、謝罪して私達はスタジオから退室した。余談だが、この映画はYo◯T◯beに投稿され、『完全上位互換がある中素レモンで戦う女パイロット』としてネタにされた上に某虹六のアイドル同様BB素材にされてしまうのだがこれはまた別の話。




真由美「反省?してないけど」
翔太「クズ過ぎる……」
真由美「さっきスタッフの1人に『You are crazy!』と言われたんだけど、私そんなに変だったかな?」
翔太「だ、大丈夫だと思うよ……そ、それよりデッキ紹介お願いいていいかな?」
真由美「あら!忘れてたわ!じゃあデッキ紹介ね!今回使用した【閃刀姫】はこちら!」

デッキ総枚数(40)
モンスター(12)
●召喚僧サモンプリースト×1
●閃刀姫─レイ×2
●ライトロード・アサシン ライデン×3
●ライトロード・ビースト ウォルフ×1
●ライトロード・モンク エイリン×1
●ライトロード・メイデン ミネルバ×1
●ミラー・リゾネーター×1
●フォーマッド・スキッパー×2

魔法カード(24)
●閃刀空域─エリアゼロ×2
●閃刀機関─マルチロール×2
●閃刀起動─エンゲージ×3
●閃刀術式─アフターバーナー×2
●閃刀機─シャークキャノン×2
●閃刀機─イーグルブースター×2
●閃刀機─ウィドウ・アンカー×2
●閃刀機─ホーネット・ビット×3
●死者蘇生×1
●フォース×1
●光の援軍×1
●おろかな副葬×2
●ワン・フォー・ワン×1

罠カード(4)
●シンクロコール×1
●王者の調和×1
●ブレイクスルー・スキル×1
●リジェクト・リボーン×1

EXデッキ(15)
●琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ×1
●スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン×1
●琰魔竜レッド・デーモン・アビス×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×2
●ライトロード・アーク ミカエル×1
●シューティング・ライザー・ドラゴン×1
●ライトロード・セイント ミネルバ×2
●アカシック・マジシャン×1
●閃刀姫─カガリ×3
●閃刀姫─シズク×2


翔太「あの…真由美さん?これ【閃刀姫】……だよね?」
真由美「……さて!今回のデッキは『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が単騎で活躍出来る事を目指して組んだデッキよ!」
翔太「えー……」
真由美「閃刀魔法カードは総じて『メインモンスターゾーンにカードが無い』条件で使えるカードなんだけど、レッド・デーモンズはエクストラモンスターゾーンに召喚されるモンスター、単騎で活躍するレッド・デーモンズと閃刀姫とは相性がいいの♪」
翔太「でもそれはベエルゼにも─」
真由美「シャラップ!それ以上はいけない!……で、基本的には閃刀姫リンクモンスターでデッキを回し、レッド・デーモンズが呼べる条件が整ったらエリアゼロやマルチロールで処分する」
翔太「これは酷い」
真由美「また、閃刀魔法カードは墓地に魔法が3枚以上落ちていればさらなる強力な効果が使えるの。そこで、私はライトロードに目をつけたの。確かにライトロードではメインモンスターゾーンが埋まってしまうけど、それでも墓地に魔法カードを能動的に落とせる点は見逃せないわ」
翔太「なるほど……」
真由美「本日はここまで!待っていてくれた読者のみなさん!本当にありがとう!また地道に更新していきますので今後とも」

2人「「よろしくお願いします!」」





遊斗「余談だけど、作者は『5D’sのさらに先の世界を題材にした遊戯王小説』っていう新作を考えていたらしいんだ。アドリブで滅茶苦茶になっちまったけど、何処からか手に入れたレッド・デーモンズ・ドラゴンをエースに据えた主人公『真由美』がセキュリティ隊長として戦いに明け暮れる日々を描いた刑事モノっぽい話さ。ただ、その時期がちょうど卒論にぶち当たってそっちの作業を優先した結果、浮かんでくる案をメモする時間も無く断念したんだよ。今回のデュエルはそんな作者の無念が宿っているストーリーだったりするんだ。みんな、こんなつまらない話を見て『酷いものを見せられた』と思ったかもしれないから補足しておくよ。それじゃあ!またね!」

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