遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─ 作:レモンの人
「ん〜!おはよう」
朝一番に起きたと思ったらもう既に義父さんが着替えを終えて新聞を読んでいた。早いわね……。
「日課でね。早寝早起きを習慣にしているんだ。まぁ、昨日は親睦会だから遅めに寝たんだ」
「そうでしたか……」
「まぁ、家内にはずっと家で仕事ばかりさせていたからね。羽を伸ばしてやりたかったんだ」
ちょうどそのタイミングで義母さんが起きて……
「あいたっ!?」
ベッドから転げ落ちた。布団の感覚で起きようとしたからなのか単に寝相が悪いのかは不明だが、いずれにせよ痛そうだ。
「陽介さんも真由美ちゃんも起きてたのね…………」
「他所ではあまり眠れなくて」
私達年長3人組が起きて緑茶を飲みながら新聞の内容でやいのやいの言っていると、遅れて翔太君と優里香ちゃんも起きてきた。
「おはよー…」
「真由美…起きてたの?」
「えぇ、2人ともいい寝顔だったわよ♪」
さてと、私も少しくらいお返ししなくちゃね。
「では、私がコーヒーを振る舞うとしましょう!」
実は、こんな時のためにと店で挽いたコーヒーを持ってきてるんだよな〜(勿論、その分のお代は払ってます)。お湯足りるかな……。
「ごちそうさま、美味しかったわ」
「コーヒーは軟水で入れた方が味がまろやかになるんです。参考になれば幸いです」
私なりに豆の配合をやってみたんだけど、満足してくれたみたい。飲み干してくれた。
「それじゃあ、今日の旅の計画を───」
「薫、レンタカーを返さなきゃいけないよ。もう帰らなきゃ」
「えー!豊平峡のカレーは!?時計台観光は!?函館の五稜郭は!?」
「母さん飛躍し過ぎ」
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新千歳空港
愚図る義母さんを義父さんが慰めながら改札まで来た私達だったが、最悪のタイミングで吹雪が始まった。突発的らしいからすぐ止むだろう。
「しばらく動かないんだってさ」
「やった!今日帰るのはやめて小樽にでも───」
「薫、この天気じゃJRもやってないだろ?」
「むー…」
「仕方ない、少し待って動かなかったら近くのビジネスホテルにでも泊まろう。仕事はキャンセルを入れるしかないな」
「私もバイト先に電話しなきゃ」
義父さんがしばらく受付と話をしていたが、ふと優里香ちゃんの視線を感じた。
「真由美さん」
「なぁに?」
「昨日のデュエルで使ったデッキを見せて欲しいな」
「いいわよ」
私はバラバラにせず確保していたデッキをテーブルを広げた。
真由美:【召喚獣シンクロ】
デッキ総枚数(40)
モンスター(18)
●こけコッコ×2
●召喚師アレイスター×1
●フォトン・スラッシャー×2
●TG ワーウルフ×3
●トリックスター・リリーベル×1
●TG ストライカー×2
●レッド・リゾネーター×2
●ヴォルカニック・バレット×3
●ミラー・リゾネーター×1
●ジェット・シンクロン×1
魔法カード(18)
●暴走魔法陣×2
●トリックスター・ライトステージ×1
●盆回り×2
●召喚魔術×3
●コール・リゾネーター×2
●シャッフル・リボーン×1
●おろかな埋葬×1
●増援×1
●貪欲な壺×1
●ワン・フォー・ワン×1
●バラエティ・アウト×1
●簡易融合×1
●コズミック・サイクロン×1
罠カード(4)
●封魔の呪印×2
●王者の調和×1
●神の宣告×1
EXデッキ(15)
●召喚獣メルカバー×1
●召喚獣メガラニカ×1
●召喚獣プルガトリオ×2
●召喚獣コキュートス×1
●召喚獣ライディーン×1
●テセウスの魔棲物×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●スターダスト・チャージ・ウォリアー×1
●瑚之龍×1
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●トポロジック・トゥリスバエナ×1
●暴走召喚師アレイスター×2
●水晶機巧ハリファイバー×1
「リンク・シンクロ・融合を混ぜたデッキね。メインデッキは鳥獣・魔法使い・炎・機械・悪魔・戦士・獣戦士・天使とバラけさせる事で暴走魔術師を召喚しやすく工夫しつつそれぞれに特殊召喚ギミックやサーチギミックを組み込んだ事で三種の召喚に派生しやすくしたわ」
「そういえば、真由美ちゃんはバラエティ・アウトを組み込んでたわね」
「バラエティ・アウトはフィールドにモンスターを増やせるので効率よくリンク召喚が出来るんですよ。ただし、シンクロ召喚は出来ませんがその点はリンクや融合に使用すれば問題ありません」
書店で買っていたクロスワードに飽きた義母さんも会話に加わってきた。
「因みに、手札融合なら『召喚師アレイスター』+『ジェット・シンクロン』+手札1枚でプルガトリオを経由してレッド・デーモンズが出せるようになってます」
「なるほど……」
義母さんは翔太君のデッキも気になったらしい。それに気づいたようで翔太君もデッキを公開してくれた。
【現代版シンクロン】
デッキ総枚数(40)
モンスター(22)
●クイック・シンクロン×3
●サイバース・ガジェット×3
●幻影王ハイド・ライド×1
●ジャンク・シンクロン×2
●泣き神の石像×3
●ボルト・ヘッジホッグ×2
●ジャンク・アンカー×1
●ニトロ・シンクロン×1
●ワンショット・ブースター×2
●ブースト・ウォリアー×2
●ジェット・シンクロン×1
●グローアップ・バルブ×1
魔法(12)
●調律×3
●コズミック・サイクロン×1
●増援×1
●ワン・フォー・ワン×1
●貪欲な壺×1
●手札抹殺×1
●簡易融合×1
●おろかな埋葬×1
●精神操作×1
●ソウル・チャージ×1
●バラエティ・アウト×1
罠カード(5)
●戦線復帰×2
●神の宣告×1
●緊急同調×1
●神の通告×1
EXデッキ(15)
●シューティング・スター・ドラゴン×1
●スターダスト・ウォリアー×1
●スターダスト・ドラゴン×2
●フルール・ド・シュヴァリエ×1
●クリアウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●ニトロ・ウォリアー×1
●瑚之龍×1
●ドリル・ウォリアー×1
●ジャンク・ウォリアー×1
●アクセル・シンクロン×1
●フォーミュラ・シンクロン×1
●水晶機巧ハリファイバー×2
●ジャンク・コレクター×1
「僕のデッキは昔ながらの【シンクロン】にリンクモンスターを添えたタイプだよ。シンクロンの展開をサポートするためにハリファイバーとジャンク・コレクターを採用したんだ」
「…結構センスあるんじゃない?」
「私のデッキのサポートのためにってのもあるけどチューナーが多めに採用されているのが特徴ね」
因みにハリファイバーは私が貸した。翔太君が2枚もハリファイバー揃えられるわけないでしょ。
「シューティング・スターの効果をより使いやすくっていうのもコンセプトにあるけど、やっぱり真由美さんに渡したバラエティ・アウトをより使いやすくするっていう目的もあるかな」
「2人のデッキはきっちりと終着点を決めて組んだみたいね。真由美ちゃんが全部考えたの?」
「ううん、今回は僕が考案したんだ」
しかもバラエティ・アウトでリンク召喚に繋げる戦術を考えたのも翔太君だ。本当に成長したと思う。
「やった!規制が解除された!帰れるぞ!」
「よし、帰ろう!」
「早く家に帰ってテスト勉強したい」
「えー……」
消化不良だけど、一泊二日ならこの程度だろう。
「今度は家族5人でもっと長く旅行しましょうね!」
結局、義母さんは帰り道ずっとこんな調子のまま私達は家へと帰るのだった……。
真由美「少々長引きまして申し訳ありませんでした」
翔太「次の投稿は新パックに合わせて考える予定です」