遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─   作:レモンの人

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今回も新キャラ登場…正確にはもう既に存在だけはチラホラと出ていた人物です。では、デュエルスタンバイ!






陰陽四人衆③【Relinquished】VS【Forbidden One】

「……」

「…」

 

落ち着けオレ、いつかこうなる事くらい覚悟していたじゃないか。

 

「思えば仕事以外でこうして向き合うのはお前が家を出る前日が最後であったな」

「…そうだな、親父」

 

仮面に隠れていようがこのプレッシャー…オレでも分かる。ラスベガスの闇社会で生き残り、力を蓄え、支配する者だけが出せる強者のオーラ…オレの親父以外にいない。

 

「だが、今は天馬と名乗りお前の力を押して図るとしよう」

「本名と同じじゃねぇか!!!」

 

ったく…、SPも付けずにノコノコこんなところに来るなんてよ。図太い神経してるぜ。まぁ、念の為サイドチェンジっと…。

 

「オレは太陽 遊斗!せめてデュエルだけでも親父を越えてやる!」

「いいだろう…我が名は天馬。その実力!見せてみろ!」

 

 

「「Duel!!!」」

 

遊斗 LP8000

 

天馬 LP8000

 

 

「オレの先攻だ」

 

オレの手札にはサクリファイスが握られている。だが、サクリファイスを儀式召喚する手筈が整っていない。ここは手札を1度リセットすべきだ。

 

「魔法カード『手札抹殺』!互いに手札を全て捨て、互いに捨てた枚数分ドローする!」

「ふむ、残念だな」

「残念……って危なッ!?危ねぇよ!!!」

 

親父の手札にあったのは『サイバー・ヴァリー』とまさかの『4枚のエクゾディアパーツ』だった。ホント危ないんで勘弁してください。右腕以外全部揃ってたぞ…

 

「さらに速攻魔法『サクリファイス・フュージョン』を発動!手札・フィールド・墓地からアイズ・サクリファイス融合モンスターの融合素材を除外して融合召喚を行う!墓地から『サクリファイス』と『サイバー・ウロボロス』を除外し融合召喚!来い!『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』!!!」

 

 

ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

ミレニアム・アイズ・サクリファイスは1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、相手のフィールド・墓地の効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。さらに装備カードと同じカードの攻撃と効果を無効に出来る……エクゾディアさえ装備出来ればこっちのものだ。

 

「では、儂のターン!ドロー!『封印されし者の右腕』を召喚」

 

 

封印されし者の右腕 星1 ATK200

 

 

そのまま召喚してくるか…だとしたら選択肢は2つ。ワンダー・ワンドで引いてくるか……召喚神エクゾディアの召喚コストに使うかだ。どっちだ…?後者はマズ──

 

「儂は右腕をリリースし『召喚神エクゾディア』を特殊召喚!」

 

なんでそっちを呼ぶかなぁ。

 

 

召喚神エクゾディア 星10 ATK?

 

 

「このカードの攻撃力は自分の墓地の封印されしモンスターの数×1000ポイントアップする!」

 

 

召喚神エクゾディア ATK?→5000

 

 

「うげぇ……」

「バトル!ミレニアム・アイズ・サクリファイスを攻撃!」

「ッ…!!!」

 

エクゾディアなんて予想できっか!!!ま、近しい対策カードは手札にある。問題は…あのエクゾディアを突破出来るモンスターが今オレのデッキに居ないという事だけだが。

 

 

遊斗 LP8000→3000

 

 

「カードを2枚伏せてターン終了。エンドフェイズに発動する。自分の墓地から封印されしモンスター1体を選んで手札に加える。儂は墓地から『封印されし右腕』を手札に加える。さぁ、我がエクゾディアを突破してみせぃ!」

 

 

召喚神エクゾディア ATK5000→4000

 

エクゾディアパーツ0→1

 

 

「やってやる…やってやらぁ!ドロー!」

「永続罠『スキルドレイン』!ライフを1000払う。このカードがある限り、フィールドの全てのモンスター効果は無効となる!だが、召喚神エクゾディアはいかなるカード効果も受け付けん!」

「ッ…!」

 

 

天馬 LP8000→7000

 

 

「嘘…遊斗君まで負けるの……?」

「負けんな遊斗!」

「言われなくてもな…!」

 

確かに【サクリファイス】はモンスター効果依存のデッキだ。だが、効果無効の範囲が狭過ぎるぜ!親父!

 

「魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップを10枚裏側で除外し、デッキからカードを2枚ドローする!」

 

よし…引けた。後は発動タイミングを待つのみだ。

 

「魔法カード『ハーピィの羽根帚』!相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

「やりおる…だが、お前が破壊した伏せカードは『魔神火炎砲』!このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、自分の墓地の封印されしモンスター1体またはエクゾディアカード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。儂は『封印されし者の左腕』を手札に加える」

 

 

召喚神エクゾディア ATK4000→3000

 

エクゾディアパーツ 1→2

 

 

「魔法カード『簡易融合』!ライフを1000払い、レベル5以下の融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚扱いで特殊召喚する。いでよ、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』!」

 

 

遊斗 LP3000→2000

 

サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0

 

 

「オレはカードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに簡易融合の効果でサウザンド・アイズ・サクリファイスが破壊されるが、サクリファイスモンスターが破壊された事で、墓地の『幻想魔術師・ノー・フェイス』を自身のモンスター効果で特殊召喚する」

 

 

幻想魔術師・ノー・フェイス 星5 DEF2200

 

 

「無駄な事だ。儂のターン、ドロー!ノー・フェイスが墓地へ送られた場合、墓地のサクリファイスまたはアイズ・サクリファイス融合モンスターを特殊召喚する…という効果だったな。なら儂はバトルフェイズに入らずターンエンド。儂は『封印されしエクゾディア』を手札に加える」

 

 

召喚神エクゾディア ATK3000→2000

 

エクゾディアパーツ 2→3

 

 

「待っていたぜ…この瞬間をよぉ!」

「?」

 

エクゾディアの攻撃力をオレのデッキのモンスターで破壊出来る数値まで下げてしまったこの瞬間。それが親父……あんたのプレイングミスだ!

 

「オレのターン、ドロー!『融合呪印生物─闇』を召喚!」

 

 

融合呪印生物─闇 星3 ATK1000

 

 

「融合呪印生物─闇の効果発動!闇属性の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスター1組(このカードをその内の1体とする)を自分フィールドからリリースして発動できる。そのリリースしたモンスターを融合素材とする闇属性の融合モンスター1体をEXデッキから特殊召喚する!融合呪印生物─闇とノー・フェイスをリリース!いでよ!『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!」

 

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 星8 ATK2800

 

 

「ノー・フェイスが墓地へ送られたのでオレは墓地から『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』を特殊召喚!」

 

 

ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0

 

 

「バトル!スターヴ・ヴェノムで召喚神エクゾディアを攻撃!」

「通そう。だが、召喚神エクゾディアが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。手札の封印されしモンスターを任意の数だけ相手に見せ、見せた数だけ自分はデッキからドローする。儂の手札の封印されしモンスターは3枚。よってカードを3枚ドローする」

 

 

天馬 LP8000→7200

 

 

よし、攻撃が通ったならオレの勝ちだ!

 

「さらにオレは魔法カード『ブラック・ホール』を発動!フィールドのモンスターを全て破壊する!」

「血迷ったか遊斗!それではお前のモンスターのみが破壊されるぞ!」

「慌てんな。ミレニアム・アイズが破壊された事で墓地から『幻想魔術師・ノー・フェイス』を特殊召喚!」

 

 

幻想魔術師・ノー・フェイス 星5 DEF2200

 

 

これで発動条件は揃った…!

 

「これがオレの秘策だ!罠カード発動!『ファイナル・ギアス』!」

「ファイル・ギアスだと!?」

「元々のレベルが7以上のモンスターが、自分及び相手のフィールドからそれぞれ1体以上、墓地へ送られたターンに発動できる。お互いの墓地のモンスターを全て除外する!オレの前から消え去れ!エクゾディア!」

 

これでエクゾディアパーツが2枚除外された。パーツを帰還させる手段はあるまい!

 

「上手いわ遊斗君!」

「ファイナル・ギアスなんて普通考えねぇよ…」

 

 

 

「バカな…儂のエクゾディアが……」

「その後、この効果で除外したモンスターの内、レベルが一番高い魔法使い族モンスター1体を自分フィールドに特殊召喚できる!最もレベルが高いモンスターはレベル1!オレが特殊召喚するのは『サウザンド・アイズ・サクリファイス』!」

 

 

サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 DEF0

 

 

「オレはカードを1枚伏せてターンエンド。正真正銘の手詰まりさ。だが、エクゾディアを使えないこの状況で勝てるか?」

「……フハハハハハ!流石儂の息子だ!儂が召喚神エクゾディアを呼び出した時点で既にこの筋書きを用意していたとはな!」

「ヘッ…セバスのおかげさ」

「ふむ…情けで雇ったあの女もやれば出来るではないか……」

 

え…何その不穏なワード……嫌な予感がするんだけどオレ。

 

「……ならば儂も本気で行くとしよう」

「なっ…!?」

 

親父まだ本気じゃなかったのかよ!?

 

「儂のターン!ドロー!魔法カード『手札抹殺』!互いに手札を全て捨て、捨てた枚数ドローする。魔法カード『闇の量産工場』を発動し、その効果で墓地の通常モンスター2体…墓地の右腕と左腕を手札に戻す。さらに魔法カード『ダーク・バースト』!墓地の攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。儂は封印されしエクゾディアを手札に戻す。そして、墓地の『召喚神エクゾディア』と『サイバー・ヴァリー』を除外し『カオス・ソルジャー─開闢の使者─』を特殊召喚!」

 

 

カオス・ソルジャー─開闢の使者─ 星8 ATK3000

 

 

「今更開闢を出された程度で……!」

「魔法カード『原初の種』。『カオス・ソルジャー─開闢の使者─』または『混沌帝龍─終焉の使者─』がフィールド上に存在する場合に発動する事ができる。ゲームから除外された自分のカード2枚を自分の手札に加える。儂は封印されし者の右足と封印されし者の左足を手札に戻す」

「させっか!カウンター罠カード『魔宮の賄賂』!相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。相手はデッキから1枚ドローする!」

「やはり止めるか」

「危ねぇよ…危ねぇよ!!!」

 

なんとか首の皮1枚繋がった…危うく負けるところだったぜ。

 

「ならば、開闢の使者の効果発動!1ターンに1度、攻撃宣言を破棄する代わりにモンスター1体を除外する!サウザンド・アイズ・サクリファイスを除外!儂はこれでターンエンド」

 

ファイナル・ギアスの効果はオレにも及んでいる。オレは今、サクリファイスという翼を捥がれてしまった。勝利の鍵は次のドローにかかっている。

 

「オレのターン、ドロー!」

 

来た…!

 

「『紅蓮魔獣ダ・イーザ』を召喚!」

 

 

紅蓮魔獣ダ・イーザ 星3 ATK?

 

 

「このカードの攻撃力と守備力は、ゲームから除外されている自分のカードの数×400ポイントになる!除外されているカードは15枚!よって攻撃力は6000!」

 

 

紅蓮魔獣ダ・イーザ ATK?→6000

 

 

「バトル!ダ・イーザで開闢を攻撃!」

「ぬぅっ!」

 

 

天馬 LP7200→3800

 

 

「ターンエンド!」

 

万策尽きた。後はダ・イーザが死なないよう戦うしかない。

 

「儂のターン!モンスターを裏側守備表示で伏せてターンエンド」

「オレのターン、ドロー!」

 

よし、まだ望みはある。

 

「ダ・イーザで伏せモンスターを攻撃!」

 

 

封印されし者の左腕 星1 DEF300

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

「儂のターン!ドロー!……」

 

親父はカードを引いた後、参ったといった顔をした。

 

「ハハハ!負けだ負け!儂は良いカードを引けなかったようだ!」

「親父……息の詰まるような戦いをありがとう」

 

 

天馬 LP3800→0 surrender

 

 

******************

 

「よくぞここまで成長したな。面構えもさらに良くなった」

「ますます親父に似てくるなぁ…」

 

遊斗君のデュエルを見届けた私は、微笑ましい気分で2人の背中を眺めていた。私もあんないい親に当たりたかったなぁ…ちゃんと褒めてくれる親が欲しかった。

 

「さてと、私も戦わなきゃ!」

 

最後の四人衆は絶対に厄介な相手だ。もし私の予想が正しければ…

 

「貴女が次の相手ね」

 

何処となく予想出来る展開。私は二律背反を名乗る女性と対峙する。

 

「次の相手は……」

 

二律背反は仮面を外すと私に素顔を晒した。

 

 

 

 

 

 

 

「私だ!」

「セバスティアンさん…貴女だったのか!?」

 

うん、それやりたかっただけよね。というか仮面を被るパフォーマンスも貴女の立案でしょ!?




遊斗「……流石に負けるかと思ったぜ」
翔太「すげぇデュエルだったぞ。3度もエクゾディア完成の危機を乗り切ったんだからさ。準決勝も負けるなよ?」
真由美「そうね、私も最後の1人を倒さなきゃ…!」
セバス「………」
遊斗「じゃあ、親父のデッキをオレが代わりに紹介するぜ」
真由美「よろしく〜!」


デッキ総枚数(40)
モンスターカード(20)
●カオス・ソルジャー─開闢の使者─×3
●召喚神エクゾディア×2
●沈黙の魔術師─サイレント・マジシャン×2
●封印されしエクゾディア×1
●封印されし者の右腕×1
●封印されし者の左腕×1
●封印されし者の右足×1
●封印されし者の左足×1
●サイバー・ヴァリー×2
●ミスティック・パイパー×3
●金華猫×3

魔法カード(12)
●ダーク・バースト×1
●貪欲な壺×1
●原初の種×1
●ワンチャン!?×2
●ワン・フォー・ワン×1
●闇の量産工場×3
●サイレント・バーニング×2
●手札抹殺×1

罠カード(8)
●スキルドレイン×2
●魔神火炎砲×3
●無謀な欲張り×3

EXデッキ(10)
●森羅の姫芽宮×2
●リンクリボー×3
●プロキシー・ドラゴン×2
●セキュリティ・ドラゴン×2
●デコード・トーカー×1


真由美「開闢の使者とサイレント・マジシャンを使ったエクゾディアデッキね……」
翔太「回転難しそうだね」
遊斗「サイレント・マジシャンは手札にダブつきやすいエクゾディアを攻撃力強化にも使えるいいカードだな。召喚も比較的容易だし」
真由美「エクゾディアとの契約と魔神火炎砲を出張させたリチューアル・チャーチデッキなるものもあるらしいわよ」
翔太「マジッスか…」

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