遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─ 作:レモンの人
遊斗「(笑)大会が普通に開催される?訳ねぇだろ。大体ハプニングとかアクシデントとかが起きるのが鉄板だろ?」
「よし…」
今日は気持ち化粧を濃い目に塗った。と言っても一塗り程度の足しだ。ギリギリまで切り詰めたお金で買った化粧品はとっくに空になる寸前まで来ていた。そして、これで化粧品は使い切った。明日からは給料日までスッピン生活!
「絶対勝つわよ…!」
完成させたデッキを手に私は会場へと足を運んだ。今日はマスターに土下座してまで手にした休み…優勝という形で何としても大会を勝ち抜きたい思いで私はカードショップに入った。
「すごい熱気ね…」
「あ、真由美さん!おはよう!」
「おはよう、翔太君」
「ちょっと化粧濃くした?」
「あ、バレた?」
「うん…それ程今日の為に頑張ったんだなって分かるから」
「////」
私は早速組み分け表を見た。トーナメント方式だが、私も翔太君も遊斗君も別のグループだ。そして、順当に勝ち抜けば準決勝で翔太君と遊斗君がぶち当たる事になる。
「……頑張ってね。翔太君」
「おう!」
私はそれぞれに指定された席へと移動した。
****************
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
モブなデュエリストが初戦の相手だ。登録名は【剣闘獣】…昔のデッキを引っ張り出して来たのかしら?
「遊斗君の件についてはごめんなさいね」
「いいんですよ。ああいう人は絶対逆らっちゃいけませんから。それに自分達も慢心してあいつに任せたのも問題ですし…」
「そう…」
「でも、変態女には負けないですよ!いいリンクモンスターを手に入れたし!」
「分かったわ。私も全力でぶつかるわよ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
モブ LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
よし、先攻はもらった。剣闘獣だからガイザレスに警戒した戦術で行こう!
「ペンデュラムスケールに『覇王眷竜ダークヴルム』をセッティング!」
覇王眷竜ダークヴルム ペンデュラムスケール5
「ダークヴルムのペンデュラム効果!1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから覇王門Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかP召喚できない。私は覇王門零をセッティング!」
覇王門零 ペンデュラムスケール0
「『メタルヴァレット・ドラゴン』を召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1700
「続けて、フィールド魔法『天空の虹彩』と永続魔法『補給部隊』を発動!まずは天空の虹彩の効果!自分フィールドの表側表示のカードを1枚破壊し、デッキからオッドアイズカード1枚を手札に加える!さらに補給部隊の効果で私は1枚ドローする!カードを1枚伏せてターンエンド。そして、エンドフェイズにマグナヴァレットの効果でデッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
下地は出来た。後は私なりの戦術を突き詰めて追い込むだけ…。
「俺のターン、ドロー!魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキトップから10枚を裏側で除外し2枚ドローする!さらに魔法カード『二重召喚」!このターン2度の通常召喚が出来る!『剣闘獣ラクエル』召喚!」
剣闘獣ラクエル 星4 ATK1800
「さらに『剣闘獣ベストロウリィ』を召喚!」
剣闘獣ベストロウリィ 星4 ATK1500
「このカードは上記の素材をフィールドからデッキに戻して融合召喚出来る!『剣闘獣ガイザレス』を融合召喚!」
剣闘獣ガイザレス 星6 ATK2400
「やれやれ…」
「ガイザレスの効果発動!融合召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで破壊する!補給部隊と伏せカードを破壊!」
「そう来るのは分かってたわ!速攻魔法『クイック・リボルブ』!デッキからヴァレット1体を特殊召喚する!『オートヴァレット・ドラゴン』を守備表示で特殊召喚!」
オートヴァレット・ドラゴン 星1 DEF1000
「バトル!ガイザレスでマグナヴァレットを攻撃!」
「通すわ…!」
真由美 LP8000→7400
「このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のエクストラデッキに戻して発動できる。デッキから剣闘獣ベストロウリィ以外の剣闘獣モンスター2体を特殊召喚する!『剣闘獣ラニスタ』と『剣闘獣ムルミロ』を特殊召喚!」
剣闘獣ラニスタ 星4 ATK1800
剣闘獣ムルミロ 星3 ATK800
「ムルミロの効果発動!剣闘獣の効果で特殊召喚した時、モンスター1体を破壊する!オートヴァレットを破壊!さらに自分フィールドにのみ剣闘獣がいる事で『スレイブタイガー』を特殊召喚!」
スレイブタイガー 星3 ATK800
「スレイブタイガーの効果発動!このカードをリリースする事で、自分フィールド上に表側表示で存在する剣闘獣モンスター1体をデッキに戻し、自分のデッキから剣闘獣モンスター1体を特殊召喚する。このカードの効果で特殊召喚したモンスターは剣闘獣と名のついたモンスターの効果で特殊召喚した扱いとなる!ラニスタをデッキに戻し、『剣闘獣ベストロウリィ』を特殊召喚!」
剣闘獣ベストロウリィ 星4 ATK1500
「ベストロウリィの効果でフィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する!天空の虹彩を破壊!」
流石にすごい制圧力ね…!?
「さらにベストロウリィとムルミロをデッキに戻し、『剣闘獣ガイザレス』を融合召喚!」
剣闘獣ガイザレス 星6 ATK2400
「ガイザレスの効果でダークヴルムと覇王門零を破壊!」
「通すわ」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズにクイック・リボルブの効果でオートヴァレットが自壊し、オートヴァレットとマグナヴァレットの効果でデッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』と『アネスヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1200
アネスヴァレット・ドラゴン 星1 DEF2100
さてと…一瞬で盤面をひっくり返された訳だけど……。
「蹴散らしますか」
「!?」
「私のターン、ドロー!『終末の騎士』を召喚!」
終末の騎士 星4 ATK1400
「このカードが召喚に成功した時、デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。私が墓地へ送るのは『亡龍の戦慄─デストルドー』!」
まだまだ行くわよ!
「召喚条件はトークン以外のレベル4以下のドラゴン族!シェルヴァレットとアネスヴァレットでリンク召喚!『ツイン・トライアングル・ドラゴン』!」
ツイン・トライアングル・ドラゴン LINK-2 ATK1200 リンクマーカー【右・下】
「このカードがリンク召喚に成功した時、ライフを500払い、自分の墓地のレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン攻撃できない。墓地へ送ったチューナーモンスター『亡龍の戦慄─デストルドー』を特殊召喚!」
亡龍の戦慄─デストルドー 星7 DEF3000 チューナー
「召喚条件は効果モンスター3体以上!そして、ツイン・トライアングル・ドラゴンは2体分のリンク素材としても扱う!ツイン・トライアングル・ドラゴン、終末の騎士、デストルドーでリンク召喚!『ヴァレルロード・ドラゴン』!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
「さらに魔法カード『貪欲な壺』!墓地のモンスター5体を対象として発動する!」
●オートヴァレット・ドラゴン
●メタルヴァレット・ドラゴン
●アネスヴァレット・ドラゴン
●マグナヴァレット・ドラゴン×2
「この5枚をデッキに戻し、その後デッキからカードを2枚ドローする!」
来た……!
「永続魔法『補給部隊』を発動!さらに、速攻魔法『クイック・リボルブ』!デッキからヴァレット1体を特殊召喚する!『オートヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
オートヴァレット・ドラゴン 星3 ATK1600
「オートヴァレットを対象にヴァレルロードの効果発動!対象モンスターの攻守を500下げる。そして、リンクモンスターの効果対象となった事で先にオートヴァレットの効果発動!このカードを破壊し、その後フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで墓地へ送る!その伏せカードを墓地へ送ってもらうわ!」
「ッ…!」
ハンディ・キャップマッチか…危ない危ない。
「さらに補給部隊の効果で1枚ドローして……ペンデュラムスケールに『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』と『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』をセッティング!」
オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン ペンデュラムスケール1
オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン ペンデュラムスケール8
「ペンデュラム召喚!エクストラデッキから『覇王眷竜ダークヴルム』をヴァレルロードのリンク先へ特殊召喚!」
覇王眷竜ダークヴルム 星4 ATK1800
「ダークヴルムが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから覇王門カードを1枚手札に加える!さらに、墓地のデストルドーの効果発動!このカードが手札・墓地に存在する場合、ライフを半分払い、自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚する!ダークヴルムを対象に特殊召喚!」
真由美 LP7400→3700
亡龍の戦慄─デストルドー 星7 DEF3000 チューナー
「この効果で特殊召喚したこのカードは、レベルが対象のモンスターのレベル分だけ下がり、フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る!」
亡龍の戦慄─デストルドー 星7→3
「レベル4のダークヴルムにレベル3となったデストルドーをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『邪竜星─ガイザー』!」
邪竜星─ガイザー 星7 ATK2600
「ガイザーの効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの竜星と相手フィールドのカードを1枚対象として破壊する!《切腹、御免》!!!」
「ガイザレスが…!?」
「自分フィールドのガイザーが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから幻竜族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する!『タツノオトシオヤ』を特殊召喚!」
タツノオトシオヤ 星7 DEF1400 チューナー
「タツノオトシオヤの効果発動!自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベルを1つ下げ、自分フィールドに『タツノコトークン』1体を特殊召喚する!この効果は1ターンに3度まで発動出来る!私は3回分効果を発動!」
タツノオトシオヤ 星7→4
タツノコトークン 星1 DEF200
タツノコトークン 星1 DEF200
タツノコトークン 星1 DEF200
「レベル1のタツノコトークン3体にレベル4となったタツノオトシオヤをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「バトル!クリアウィングでダイレクトアタック!」
「通す!」
モブ LP8000→5500
「続けてヴァレルロードでダイレクトアタック!」
「手札の『剣闘獣ノクシウス』の効果発動!相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その相手モンスターの攻撃対象をこのカードに移し替えてダメージ計算を行う。このカードはその戦闘では破壊されない!」
「バトルフェイズ終了時にノクシウスはデッキに戻り後続の剣闘獣を特殊召喚する!俺は『剣闘獣ベストロウリィ』を特殊召喚!」
剣闘獣ベストロウリィ 星4 ATK1500
「ベストロウリィの効果で補給部隊を破壊!」
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに墓地のオートヴァレットの効果発動!デッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
「俺はまだ諦めない!ドロー!『レスキューラビット』を召喚!」
レスキューラビット 星4 ATK300
「その希望の芽…摘み取ってあげるわ!ヴァレルロードの効果発動!1ターンに1度、フィールドのモンスター1体の攻守を500下げる!マグナヴァレットを対象にこの効果を発動!そして、この効果をトリガーにマグナヴァレットの効果発動!このカードを破壊、その後フィールドのモンスター1体を墓地へ送る!レスキューラビットの効果なんて使わせないわ!」
「ッ………サレンダーします」
モブ LP5500→surrender
***********************
私は最初の勝利を噛み締めながら、改めて自分のデッキの完成度が高い事を確認した。【ヴァレット】で動きながら防御に徹しつつ手札を増やし、ペンデュラム召喚で攻める。我ながら上手くいったと思う。
「次は2回戦……そして…」
今対戦を始めようとしている遊斗君…そして、翔太君へと視線を移した。
真由美「今回のデッキはまだ未完成なの。上手く回らないかもしれないからそこはごめんなさい」
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●タツノオトシオヤ×1
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●覇王門零×2
●オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン×1
●覇王眷竜ダークヴルム×3
●終末の騎士×2
●マグナヴァレット・ドラゴン×2
●メタルヴァレット・ドラゴン×2
●オートヴァレット・ドラゴン×2
●オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン×2
●シェルヴァレット・ドラゴン×1
●アネスヴァレット・ドラゴン×1
魔法カード(16)
●補給部隊×2
●クイック・リボルブ×3
●ハーピィの羽根帚×1
●リボルブート・セクター×1
●天空の虹彩×2
●増援×1
●オッドアイズ・フュージョン×1
●死者蘇生×1
●竜の霊廟×2
●テラ・フォーミング×1
●貪欲な壺×1
罠カード(4)
●メタバース×2
●神の通告×2
EXモンスター(15)
●覇王眷竜スターヴ・ヴェノム×2
●オッドアイズ・ボルテック・ドラゴン×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●邪竜星─ガイザー×1
●オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン×1
●クリアウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン×1
●覇王眷竜ダークリベリオン×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●ツイン・トライアングル・ドラゴン×1
●アカシック・マジシャン×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●セキュリティ・ドラゴン×1
●リンクリボー×1
真由美「今回のデッキは覇王・オッドアイズ・ヴァレットを組み合わせてみたの。覇王眷竜の展開力からのペンデュラム召喚を行う事でリボルブートが手札に無い時でも対応出来るようにしたわ。でも、まだ現実的じゃないわ。後はサイドデッキのカードを採用して何とかしようかな?って思っているわ」
翔太「作者さんがまだデッキ調整で忙しいみたいなので…申し訳ありません」