遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─ 作:レモンの人
翔太「なんか雰囲気がいつもと違うッスよ!?どうなってるんスか!?」
「海水浴…?」
「そうさ、オレの親の私有地である海水浴場で海水浴を楽しまないか?って話だ。勿論、カップルで来てくれ。貸切だしSPも巡回させるから暴漢の心配も無いぜ」
「どうする?翔太君」
「真由美さんの水着…見たいし、行きたいッス」
正直に言ってくれるわねぇ。まぁ、カップルって言ってくれた辺り、今回はナンパする気はないのかしら?それはそれで何か変な気もするけど………。
「でも、私水着持ってないわよ」
「心配無く、セバスがキミのサイズぴったりの水着を100種類近く用意してるから当日に海水浴場近くのホテルで試着してくれ」
「何か…断りにくいわね……」
セバスティアンさん…どうやって私のスリーサイズを知ったのかすごい気になる……。
「海水浴の日は3日後、その日は必ず晴れる。気温も水着で過ごしやすいくらいだし、アニメみたいないい天候の下で楽しめるぜ」
「そういや、遊斗はどうするんだ?」
「?」
翔太君に聞かれて遊斗君は目を泳がせた。
「どーすっかな〜……オレの秘密はもう少し先に延ばしたいんだけどなぁ…まぁいいや。それなりの水着を用意するさ」
「いいのか?」
なんで遊斗君はそんなに嫌がるのかしら。女の子いっぱいつまみ食いするような色男なんだからきっとそれなりの体つきの筈なんだけど………。
「じゃあ、前日にホテルに来てくれ。これがホテルの住所とオレの招待状だ。入ったら受付に招待状を見せてくれたらいい」
「なんか…ありがとうね」
「良いのさ。オレは古霊さんの水着姿を見て満足するさ」
「キモ…」
「なんでだよ!?」
まぁ、ここまでお膳立てしてくれたら翔太君との水着デート…年甲斐無くはしゃいじゃってもいいわよね?
「もしもし、セバス?OKが出たぜ!あ?なんで嬉しくないんだよ…オレの心配はすんな!それより、スタッフの皆に挨拶回りすっからついて来い!」
遊斗君はスマホで通話しながらカードショップから出て行った。なんか……ドキドキするわね。
**********************
前日…翔太君と一緒に目的地まで電車を乗り継いで行くと……目の前に美しい砂浜が広がってきた。
「すごいッスよ!塵1つ無い綺麗な砂浜ッス!」
「すごいわね…私みたいな貧乏人が来ていいところなのかしら?」
「こちらの砂浜は映画撮影にも使用されている有名な場所となっております。太陽家現社長が愛するこの砂浜は毎日スタッフによりメンテナンスが行われております。因みにこの砂浜は海亀の産卵地となっており、今回宿泊されるホテルの他、海沿いでは照明を少なく配置する事で子亀が安全に海に行けるよう配慮がなされております。他にも多くの海洋生物が生態系を保っており、映画撮影の際も生態系を傷付けないようスタッフの監視の下撮影がなされるようになっております」
「!?」
いつの間にか後ろにセバスティアンさんが立っていた。丁寧な説明ありがとうございます…。
「おはようございます」
「おはよう、セバスティアンさん!」
「おはようございますッ」
「早く来過ぎてしまったようですね。では、私が部屋まで案内致します。招待状を」
「あ、はい。今日からしばらくよろしくお願いします」
セバスティアンさんは招待状を受け取るとカツカツとヒールを鳴らしながら歩き始めた。一切姿勢の崩れない見事な歩き方ね。真似したいくらい。
「行きましょう!」
「そうッスね!」
「スゲェ!!!絶景じゃん!」
「この窓…光が外に漏れない構造になってるのね…初めて見たわ」
「んでもって…ダブルベッドか…」
「ま、最悪私が床で寝るから安心して」
「普通逆ッス!逆!」
私達が泊まる事になった部屋は…なんと最上階のVIPルーム。私の家の2倍くらいある広さと適温で保たれた室内は快適そのもの。室内には大型液晶テレビの他、高級感溢れる家具や様々な飲み物が入った冷蔵庫があった。
「バスルームもすごいわね…これ。内側から外の景色が見えるだなんて……レベル高過ぎない?」
「これが金の力だってのかよ…」
「でも、翔太君と一緒に過ごせてよかった…」
「後でこのテーブルでデュエルしたいッス!」
「そうね!私も楽しみだわ」
「あの……お二方…」
「あ、水着選ぶんだった!?ごめんなさい!待たせちゃったわね!」
なんか圧倒され過ぎて忘れてた!そう言って廊下へ出るとセバスティアンさんが気持ち自信たっぷりに話し始めた。今回の水着選びには相当力が入っているらしい。
「いえ、構いません。遊斗様は社交パーティの為、アメリカに居ます。明日までにはお帰りになりますので、それまでゆっくりと用意致しましょう」
「ありがとうございます。」
「因みに本日、このホテルは貸切となっていますので裸で歩いても心配ありませんのでどうぞご安心下さい」
「……いやいやいや!やらないわよ!?」
「真由美さんの……(ゴクリ)」
翔太君……スケベはその程度にしときなさい。
「では、古霊様は私と共に屋上のクローゼットルームへどうぞ。諸星様はお部屋でお待ち下さい」
「ちぇ……僕も個人で水着持参しちゃったしな…損した気分」
取り敢えず、翔太君を待たせて私はセバスティアンさんと一緒に屋上のクローゼットルームに入った。中に入ると………本当に女性用の水着が所狭しと並んでいた。
「世界中から取り寄せました水着です。どうぞお気の召すままに試着なさって下さい…」
「うーん……」
色々と水着のかかったハンガーを手にして十数着ほど自分の体に当ててみた…が、違和感しかない。なんだろう……私に合わないのかなぁ…?
「…お気に召しませんでしたか?」
「……ごめんなさい。せっかくだけど…どれも全然しっくりこないの……あ、でもこれなら良さそう!」
私はある水着を選び、体に当ててみた……これがいいわね!うん!でもこれ幾らぐらいするんだろ……きっと万単位はあるんだろうなぁ………。
「(何十万…何百万もの価値のあるブランド物の水着の中からどこにでもある3000円の水着を選びました…か………完全にこちらのリサーチ不足でした)」
セバスティアンさんは何処か複雑そうな表情を無表情の顔に少しだけ浮かべていた。
「ただいま〜」
「おかえり!どんな水着選んだんスか?」
「じゃーん!いいでしょ〜?一目見てこれにしようって決めたの!」
そう言って自信満々に見せた水着に翔太君は苦笑いした。
「(ブランド水着が沢山ある中でなんで安物を選んだんスか……)」
「どうかしたの…?」
「な、なんでも無いっス!それより、デュエルしたいッス!」
「そうね!今用意するから!」
私は鞄からデッキを取り出すとテーブルにマットを敷き、その上にセットした。
「今回のテーマはズバリ、夏らしく【水属性】よ!」
「水属性ッスか!楽しみッス!」
「じゃあ互いにデッキをカット&シャッフルして……っと」
「よし、じゃあデュエル始めますか!」
「負けないッス!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
「先攻貰ったッス!」
「ちぇっ…」
取り敢えず、後攻にはなったけど…ま、後でリカバリーすればいいか!
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
い つ も の
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
真由美 LP8000→7500
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「続けて!レベル7のクリアウィングにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
変わり映えの無いいつもの展開ね。まぁ、そうこなきゃ!
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「私のターン、ドロー!」
突破し甲斐が無いわ!
「スタンバイフェイズと同時に速攻魔法カード『手札断殺』発動!互いに手札を2枚墓地へ送り、その後2枚ドローする!さらに、墓地に送った『黄泉ガエル』の効果発動!スタンバイフェイズ時に自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合、墓地から特殊召喚出来る!」
黄泉ガエル 星1 DEF100
「このカードは魚族・水族・海竜族が召喚・特殊召喚に成功した時、手札から特殊召喚出来る!『シャーク・サッカー』を特殊召喚!」
シャーク・サッカー 星3 DEF1000
「そして、メインフェイズ!このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!黄泉ガエルを素材にリンク召喚!『リンクリボー』!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「さらに、リンクリボーとシャーク・サッカーをリリースして『超古深海王シーラカンス』をアドバンス召喚!」
超古深海王シーラカンス 星8 ATK2800
「シーラカンス!?」
「さらに!シーラカンスの効果発動!1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送り、デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り特殊召喚するわ!ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され攻撃宣言出来ない!私はデッキから『オイスターマイスター』!『サイレント・アングラー』!チューナーモンスター『フィッシュボーグ─ランチャー』!『フィッシュボーグ─アーチャー』を特殊召喚!」
「クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、モンスター効果を無効にし破壊する!」
「速攻魔法『禁じられた聖杯』。モンスターの攻撃力をターン終了時まで400ポイント上げ、効果を無効にする」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3400
「しまった…!」
「これで効果は適用されなくなったわ。さ、改めてシーラカンスの効果により、一斉展開よ!」
オイスターマイスター 星3 ATK1600
サイレント・アングラー 星4 ATK800
フィッシュボーグ─ランチャー 星1 ATK200 チューナー
フィッシュボーグ─アーチャー 星3 ATK300 チューナー
「召喚条件は水属性モンスター2体!シーラカンスとフィッシュボーグ─ランチャーでリンク召喚!『マスター・ボーイ』!」
マスター・ボーイ LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左下・右下】
「マスター・ボーイの効果により、フィールドの水属性モンスターの攻守は500ポイントアップする!」
マスター・ボーイ ATK1400→1900
フィッシュボーグ─アーチャー ATK300→800
オイスターマイスター ATK1600→2100
サイレント・アングラー ATK800→1300
「レベル3のオイスターマイスターにレベル3のフィッシュボーグ・アーチャーをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へシンクロチューナー『
瑚之龍 星6 ATK2400→2900 チューナー
「さらに、オイスターマイスターの効果発動!戦闘以外の方法で墓地へ送られた時、自分フィールドにオイスタートークンを1体特殊召喚する!」
オイスタートークン 星1 ATK0→500
「瑚之龍の効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨ててフィールドのカードを1枚破壊する!翔太君の伏せカードを破壊!」
「ッ!?」
伏せカードは『ガード・ブロック』か……そして、これで……!
「レベル4のサイレント・アングラーにレベル6の瑚之龍をチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『
白闘気双頭神龍 星10 ATK3300→3800
「自分ターンにこのカードがシンクロ召喚に成功した時に発動できる。自分フィールドに神龍トークン1体を守備表示で特殊召喚出来る!」
神龍トークン 星10 DEF3000→3500
「ゲッ…ボスラッシュっスか!?」
「これで終わり?答えはNOよ。このカードの召喚条件は通常モンスター1体!神龍トークンを素材にリンク召喚!『リンク・スパイダー』!」
リンク・スパイダー LINK-1 ATK1000 リンクマーカー【下】
「さらに、リンクリボーの効果発動!このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。オイスタートークンをリリースして特殊召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「このカードの召喚条件はトークン以外の効果モンスター3体以上!そして、マスター・ボーイはリンク素材2体分として扱える!リンクリボー!リンク・スパイダー!マスター・ボーイをリンク素材に『ヴァレルロード・ドラゴン』をリンク召喚!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
白闘気双頭神龍 ATK3800→3300
「ヴァレルロード・ドラゴン!?」
「確か、翔太君のデッキじゃこのモンスターは突破困難だったわよねぇ?」
「ッ!?」
「バトル!ヴァレルロード・ドラゴンでクリスタルウィングを攻撃!この瞬間、ヴァレルロードの効果発動!このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る!そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られる。」
「クリスタルウィングが!?」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3400 (コントロール:翔太→真由美)
「コントロールを奪ったクリスタルウィングでダイレクトアタック!」
翔太 LP8000→4600
「そして、白闘気双頭神龍でダイレクトアタック!!!」
「これも通す…!」
翔太 LP4600→1300
「私はこれでターンエンド」
これが私の作った水属性デッキ。このデッキのポリシーはね…シーラカンスを高速召喚し、一気にシンクロとリンクで攻め倒す事よ!
「僕のターン、ドロー!」
「この瞬間!白闘気双頭神龍の効果発動!相手ターンに1度、自分フィールドにトークンがない場合に発動できる。自分フィールドに神龍トークン1体を特殊召喚する!」
神龍トークン 星10 ATK3300
「……ッ!」
「フッフッフッ…流石に対抗出来ないかしら?」
攻撃力3000台のモンスターが合計4体。流石にこれに対抗は出来ないでしょう。
「……面白いっス!そして、これが最後の抵抗ッス!『ラピッド・ウォリアー』を召喚!」
ラピッド・ウォリアー 星4 ATK1200
「ラピッド・ウォリアーは1ターンに1度、ダイレクトアタック出来る!」
「今更攻撃力1200程度……!?」
忘れてた……ラピッド・ウォリアーは戦士族…!という事は……
「戻って来い!クリスタルウィング!速攻魔法カード『超融合』!」
「この状況で!?」
「このカードは自分及び相手フィールドのモンスターを融合素材に融合モンスターを融合召喚する!僕はラピッド・ウォリアーと真由美さんのフィールドのクリスタルウィングで融合!!!融合召喚!見よ!これが僕の裏のエースモンスター!『波動竜騎士ドラゴエクィテス』!!!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス 星10 ATK3200
「ドラゴエクィテスの効果発動!1ターンに1度、墓地のドラゴン族シンクロモンスター1体を除外しエンドフェイズまでそのモンスターと同じ効果、そして名前を得る!クリスタルウィングを除外!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス→クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
「まだだ!装備魔法カード『D・D・R』を発動!手札を1枚捨て、除外されているモンスター1体を特殊召喚しこのカードを装備する!還って来い!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「バトル!クリスタルウィングとなったドラゴエクィテスで白闘気双頭神龍を攻撃!」
「ヴァレルロードの効果発動!1ターンに1度、モンスター1体の攻守を500ポイントダウンする!私は攻撃してきたドラゴエクィテスを選択!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン(ドラゴエクィテス) ATK3200→2800
「でも、ダメージ計算時にコピーしたクリスタルウィングの効果が発動!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン(ドラゴエクィテス) ATK2800→6100
真由美 LP7500→4700
「いい悪あがきよ…!どんどん来なさい!」
「はい!続けて!クリスタルウィングで神龍トークンを攻撃!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
「くっ…!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6300
真由美 LP4700→1700
「僕はこれでターンエンド!ドラゴエクィテスの効果も切れる」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン(ドラゴエクィテス)→波動竜騎士ドラゴエクィテス
相手の場には攻撃力3000のモンスターと攻撃力2800のモンスター!内1体はレベル5以上のモンスターで攻撃すれば手痛い反撃に遭うし、もう1体は効果ダメージを反射する…!そしてモンスター効果は1度無効になり攻撃力を吸収される!
「サイコーよ!やっぱりデュエルは辞められないわ!ドロー!」
そして、名残惜しいが私もこのデュエルを終結させる。
「墓地の『黄泉ガエル』の効果発動!スタンバイフェイズ時に自分フィールドに魔法・罠カードが無い場合、このカードを墓地から特殊召喚!」
黄泉ガエル 星1 DEF100
「……ッ」
「さらに、魔法カード『簡易融合』!ライフを1000払い、レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いで特殊召喚する!チューナーモンスター『テセウスの魔棲物』をヴァレルロードのリンク先に特殊召喚!」
テセウスの魔棲物 星5 ATK2200 チューナー
「レベル1の黄泉ガエルにレベル5のテセウスの魔棲物をチューニング!シンクロ召喚!『
白闘気海豚 星6 ATK2400
「白闘気海豚の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで元々の攻撃力の半分になる!クリスタルウィングを対象に発動!」
「させるか!クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、モンスター効果を無効にし破壊!その後、そのモンスターの攻撃力をクリスタルウィングに加える!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5400
「でも、白闘気海豚は相手によって破壊された場合、墓地の水属性モンスター1体を除外して墓地から蘇生出来る!」
白闘気海豚 星6 ATK2400
「決着ね…」
「そうッスね……もう煮るなり焼くなりやってくださいッス」
「じゃあ、バトル!ヴァレルロード・ドラゴンでクリスタルウィングを攻撃!効果発動!このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る!そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られる」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK5400
「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで波動竜騎士ドラゴエクィテスを攻撃!クリスタルウィングの効果により、レベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5800
「負けッス………ありがとうございました〜…」
翔太 LP1300→0
アドレナリンドバドバの激闘は私に軍配が上がった。最初に黄泉ガエルを送った時点で私の勝利は決まっていた………。
****************
「やぁ、二人共!楽しんでるかい?」
「遊斗君、お疲れ」
「長旅お疲れさん」
ホテルで夕飯を食べていると正装の遊斗君がやって来た。それなりの格好をしていてもイケメンである事に変わりはなさそうだ。
「セバス、水をくれ」
「畏まりました」
「サンキュ」
セバスティアンさんから受け取った水を一気に飲み干した彼は少し屈伸などの軽いウォーミングアップをした。
「スタッフ!ちょっと雰囲気をくれ!」
音響スタッフにそう叫ぶと、さっきまで和やかな雰囲気の音楽が、少し大人な音楽へと変わった。
「折角だし、一曲踊ろうじゃないか」
遊斗君はセバスティアンさんの手を取ると彼女も手帳を置き、フォークダンスを始めた。え!?これ、そういう雰囲気なの!?
「しょ、翔太君!?私ダンスなんて習ってない!」
「ぼぼぼ僕もッスよ!」
「ハハハ!オレ達の真似をするがいい!五流程度のダンスならすぐに踊れるだろうさ!」
「遊斗様、煽りはホドホドに」
「へいへい、上から色々言われてね。少し苛立って戻って来たんだ。これくらい許してくれ」
えーっと……
「やろう!遊斗君をチラチラ見ながらやりましょう!」
「ダンス用の服が無いのが残念だけどね!」
私達は互いに手を取り合ってガッチガチの動きでダンスを踊った。翔太君の顔が近くて…心臓の音も聞こえちゃいそうな……。
「いでっ!?セバス!今ヒールで踏んだろ!」
「申し訳ありません、遊斗様。足元が狂いました」
「なんかあっちもあっちね」
「気楽に踊った方が楽ッスね」
私は音楽と翔太君の動きに合わせるように踊り、微笑んだ。
「楽しいわね。翔太君」
「そうッスね。真由美さん」
もっと近づきたい……
「次から語尾に『ッス』付けるの禁止ね」
「えぇ!?なんで──」
私は勇気を出して動揺する翔太君の唇にキスをした。
「私、並みの女性よりズボラなクズ女だけど…もっと先に……行ってもいいかな?」
「ま、真由美さん………」
顔を真っ赤にする翔太君だったが、その顔から動揺が消え…少し大人な顔になった。
「分かった
「ありがとう…翔太君」
「……な?上手くいったろ?セバス」
「はい…少しは見直しましたよ。遊斗様…」
「オレも、そろそろ過去を清算しようと思うんだ…」
「
今日は少しくらい前に進めたのかな…?
翔太「真由美さん……やっぱり、ッスって付けたい…」
真由美「ダメよ。もっと踏み出したいから……ね?」
翔太「そうだね。僕も頑張るよ!」
真由美「じゃあ、今日は【水属性シンクロ】デッキを紹介するわ」
デッキ総枚数(40)
モンスター(24)
●超古深海王シーラカンス×3
●ダブルフィン・シャーク×2
●サイレント・アングラー×3
●竜宮の白タウナギ×2
●オイスターマイスター×3
●シャーク・サッカー×3
●フィッシュボーグ─アーチャー×2
●鬼ガエル×3
●黄泉ガエル×2
●フィッシュボーグ─ランチャー×1
魔法(11)
●サルベージ×3
●ワン・フォー・ワン×1
●手札断殺×3
●ハーピィの羽根帚×1
●死者蘇生×1
●貪欲な壺×1
●禁じられた聖杯×1
罠(5)
●水霊術─「葵」×3
●フィッシャー・チャージ×2
EXデッキ(15)
●白闘気双頭神龍×1
●氷結界の龍トリシューラ×1
●白闘気白鯨×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●白闘気海豚×1
●瑚之龍×2
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×1
●マスター・ボーイ×2
●リンク・スパイダー×1
●リンクリボー×2
真由美「今回は水属性にスポットライトを当ててデッキを作ったわ。白闘気シンクロはみんな挙って強い効果を持ってて私のレッド・デーモンズにも分けて欲しいくらいよ」
翔太「話逸れてるよ」
真由美「ごめんごめん……さて、今回のデッキはいかに早く黄泉ガエルを落としてシーラカンスを出すかで戦略が大きく変わるわ。黄泉ガエルは毎ターンに1度リンクリボーになれるし、リリース要員にも最適。だからこのカードはかなりのキーカードになるわ。だからこのデッキには鬼ガエルや手札断殺のような捨てられるカードを採用してるの」
翔太「仮にシーラカンスを引けなくても白鯨や海豚で戦えるように組まれてる訳か」
真由美「そ、もし足りないなぁと思ったら水精鱗─ディニクアビスを採用してもいいわね。アレも使いやすい効果だからね」
翔太「なるほど〜…あ、そろそろ時間だね」
真由美「さっ!明日は水着着て遊ぶわよ〜♪」
翔太「(出来れば高級ブランドのビキニとかパレオとか着て欲しかったッス…)」
真由美「なんか言った?」
翔太「何でもないッス」
真由美「こらー!ッスは禁止〜!」
遊斗「リア充爆ぜろ」