遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─   作:レモンの人

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今回は翔太君視点の小話です。クリスタルウィングの効果って怖いよね(今更感)








フェンシング部暴走事件

フェンシング部

 

僕が所属する部活は男子7名の女子1名+マネージャー1人という構成となっている。現在、最終調整の為に郊外の施設を借りて練習に励んでいる。

 

「……ふぅ」

 

マスクを捨て、僕は練習の成果を身に沁みて感じていた。得意戦術はガードを捨てた一撃必殺の突き。相手より疾い一撃を加えて勝負を決める………正直、牽制のし合いが苦手だった僕が唯一マスター出来た技だ。

 

「せんぱ〜い!スポドリです!」

「ありがとう。遥香ちゃん」

 

可愛い後輩のマネージャーも応援してくれているし、今の僕は万全の状態だった。地方大会の優勝だって夢じゃない。

 

「先輩はやっぱり強いです!先輩さえ居れば怖いもの無しです!」

「へっ!地方なら優勝間違いなしってもんさ!」

 

流石に全国は厳しいけどな、と付け加えて僕はスポーツドリンクを一口飲んだ。後輩の水瀬遥香ちゃんはロリ巨乳というキャラクター故にウチの部でも常に告白合戦が起きているくらいの人気ぶりだ。まぁ、僕は真由美さんみたいな人がタイプだから関係無いけどね。

事件は、大会をあと3日に控えた合宿中に起こったのだ。

 

 

******************

 

「小林〜カードやろ…う…ぜ……」

 

合宿で決められた部屋を出て友人の小林の部屋の扉を開けた時………小林が遥香ちゃんを押し倒そうとしている姿が目に映った。一瞬にして、その状況がいかに可笑しいか気付いた僕は扉を敢えて音を立てて開けた。

 

「何やってんだ小林!!!」

 

僕の怒声で小林が正気に戻り、遥香ちゃんが泣き出した。

 

「どういう状況か説明しろよ」

 

取り敢えず、鍵をかけて顧問に見つからないようなシチュエーションを作ってから僕は小林に落ち着いた声で話しかけた。が、小林の顔は僕が見ても変だった。なんか…発情してるっていう奴だ。来るのがあと数秒遅かったら薄い本案件だった。遥香ちゃんは僕の後ろに逃げるように隠れて震えている。ややイッた目で小林は僕を睨む。

 

「遥香ちゃんが悪いんだ…遥香ちゃんが俺の事が好きだから悪いんだ…!」

「何言ってんだお前!?」

 

遥香ちゃんがブンブンと首を横に振っている事から、小林の思い込みだというのははっきり分かる。しかも、喋り方も可笑しい。

 

「遥香ちゃん…どうしてこういう状況になったか教えてくれないか?」

「はぃ……小林さんが水筒を忘れてて…渡しに行ったら突然豹変して…!」

「ッ!?」

 

この匂い…真由美さんの家で嗅いだ事が………!

 

「小林…まさか、お前…酒飲んだのか!?」

「酒なんてのんでねーよ!」

 

テーブルを見ると数人分の使われた形跡のある紙コップがある。匂いの発生源はここだ………推理すれば大体分かる。他の部員が酒を飲み、同室の小林が止めようとしたら逆に飲まされたといった感じか。あの馬鹿共…!

決めた。小林は僕が止める。

 

「よし小林…こいつは何に見える?」

「遊戯王カード」

「テキストは読めるか?」

「“長い腕とかぎづめが特徴の奇妙な姿をした悪魔。”」

「OK。デッキを用意しろ。デュエルだ」

 

テーブルの上のゴミを片付けつつ紙コップは証拠品としてこっそり遥香ちゃんに持たせた。

 

「ぜってー俺が勝って遥香ちゃんを彼女にしてやる!ハーレムなんて作らせねーぞ!」

「勝手に決めんな!それに僕は真由美さんONLYだ!」

 

 

「「デュエル!!!」」

 

 

翔太 LP8000

 

小林 LP8000

 

 

「先攻!」

「後攻!」

「「じゃんけんぽん!!」」

 

先攻は小林か…!

 

「俺の先攻!『甲虫装機(インゼクター)センチピード』召喚!」

 

ゲッ!?インゼクかよ!?

 

 

甲虫装機センチピード 星3 ATK1600

 

 

「センチピードの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地の甲虫装機を装備カードとして装備出来る!手札から『甲虫装機ホーネット』を装備!ホーネットの効果発動!このカードの装備モンスターのレベルは3つ上がり、攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする!ホーネットの攻撃力・守備力はそれぞれ500と200!」

 

 

甲虫装機センチピード 星3→6 ATK1600→2100

 

 

「速攻魔法『超進化の繭』発動!装備カードを装備した自分・相手フィールドの昆虫族モンスター1体をリリースし、デッキから昆虫族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!」

「なっ!?」

 

なんだそのオリカ臭いカードは!?インゼクター専用のカードじゃねぇか!?

 

「俺はセンチピードをリリース!デッキから『甲虫装機ダンセル』を特殊召喚!」

 

 

甲虫装機ダンセル 星3 ATK1000

 

 

ダンセル…!甲虫装機のキーカードにしてパワーカード!一時期規制されていた程のチートカードだ。一瞬にしてリクルートされるとは…!

 

「ダンセルの効果発動!1ターンに1度、自分メインフェイズに自分の手札・墓地から甲虫装機モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する!センチピードを装備!装備モンスターのレベルは3つ上げる」

 

 

甲虫装機ダンセル 星3→6

 

 

「さらに装備魔法『甲虫装機の魔弓ゼクトアロー』をダンセルに装備!装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。」

 

 

甲虫装機ダンセル ATK1000→1500

 

 

「さらに装備モンスターの効果の発動に対して相手は魔法・罠・効果モンスターの効果を発動できない。カードを1枚伏せてターン終了だ!」

「僕のターン!ドロー!」

 

問題はあの伏せカードだ。ドロソも羽根帚も引けなかった。どうやって攻略するか…幸い、あのカードは引けたけどね。

 

「自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」

 

 

WW-アイス・ベル 星3 ATK1000

 

 

「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」

 

 

WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー

 

 

「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」

 

 

小林 LP8000→7500

 

 

「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」

 

 

WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー

 

 

「レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」

 

 

WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400

 

 

「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象としそのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ポイントのダメージを与える!」

 

 

小林 LP7500→6700

 

 

「続けて!レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

 

スノウ・ベルの効果でクリスタルウィングはホーネットの効果を受けない…心許ないがなんとかなるか。

 

「バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでダンセルを攻撃!!!」

「永続罠カード『強制終了』!自分フィールドのカードを1枚墓地へ送りバトルフェイズを終了させる!装備されたセンチピードを墓地へ送る!」

 

 

甲虫装機ダンセル 星6→3

 

 

「ダンセルの効果発動!このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからダンセル以外の甲虫装機モンスター1体を特殊召喚する!」

「させっか!クリスタルウィングの効果発動…って言いたいところだが、ゼクトアローの効果で無効には出来ない…」

「そういうこった!俺は『甲虫装機センチピード』を特殊召喚!」

 

 

甲虫装機センチピード 星3 ATK1600

 

 

なんて事だ…これでは攻撃が通らない……!

 

「僕はこれでターン終了」

 

甲虫装機……超進化の繭の所為でなんて厄介なデッキに仕上がったんだ…!罠カードが使い物にならない……。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

まずいなぁ……さっきからインゼクターの戦術に翻弄されてる。

 

「ダンセルの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地から甲虫装機を装備出来る!墓地の甲虫装機ホーネットを装備!」

 

 

甲虫装機ダンセル 星3→6 ATK1000→1500

 

 

「さらに手札の甲虫装機ギガマンティスの効果発動!このカードは装備カードとして自分フィールドの甲虫装機に装備出来る!ダンセルに装備!装備モンスターの元々の攻撃力は2400となる!」

 

 

甲虫装機ダンセル ATK1500→2900

 

 

「甲虫装機ホーネットの効果発動!装備カードとなっているこのカードを墓地へ送りフィールドのカードを1枚破壊する!ギガマンティスを破壊!」

 

 

甲虫装機ダンセル 星6→3 ATK2900→1000

 

 

「この瞬間、ダンセルの効果を2回発動!さらにギガマンティスの効果も発動!まずはギガマンティスの効果!モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地からギガマンティス以外の甲虫装機モンスター1体を選択して特殊召喚できる!墓地からセンチピードを特殊召喚!」

 

 

甲虫装機センチピード 星3 ATK1600

 

 

「さらに、このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからダンセル以外の甲虫装機モンスター1体を特殊召喚する!この効果が2回発動され、俺はデッキから甲虫装機センチピードと甲虫装機ギガウィービルを特殊召喚!」

 

 

甲虫装機センチピード 星3 ATK1600

 

甲虫装機ギガウィービル 星6 DEF2600

 

 

グルグル回るなぁ…唯一の救いはクリスタルウィングがカード効果では破壊されない事くらいだ。

 

「まずは1体目のセンチピードの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地から甲虫装機を装備出来る!墓地からホーネットを装備!」

 

 

甲虫装機センチピード 星3→6 ATK1600→2100

 

 

「ホーネットの効果発動!装備カードとなったこのカードを墓地へ送りフィールドのカードを1枚破壊する!ギガウィービルを破壊!」

 

 

甲虫装機センチピード 星6→3 ATK2100→1600

 

 

「センチピードの効果発動!このカードに装備された装備カードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから甲虫装機カード1枚を手札に加える事ができる!」

 

狙うなら…このタイミングだ!

 

「クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、効果モンスターの効果を無効にし破壊する!」

「チッ……!」

「この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→4600

 

 

 

これで盤面にはゼクトアローを装備したダンセル1体・センチピード2体となった。少しはマシになったか……。

 

「だが、センチピードはまだ2体もいる!2体目のセンチピードの効果発動!墓地からホーネットを装備!」

 

 

甲虫装機センチピード 星3→6 ATK1600→2100

 

 

「さらに、3体目のセンチピードの効果発動!ギガウィービルを装備!ギガウィービルの装備モンスターは元々の守備力が2600になる!」

 

 

甲虫装機センチピード DEF1200→2600

 

 

「2体目のセンチピードに装備されたホーネットの効果発動!装備カードとなっているギガウィービルを破壊!」

 

 

甲虫装機センチピード DEF2600→1200

 

 

「センチピードの効果とギガウィービルの効果発動!モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から甲虫装機モンスター1体を選択して特殊召喚できる!墓地のギガマンティスを特殊召喚!」

 

 

甲虫装機ギガマンティス 星6 ATK2400

 

 

「さらにセンチピード2体の効果によりデッキから甲虫装機ダンセル2体を手札に加える!レベル3のセンチピード2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!『機装天使エンジネル』!」

 

 

機装天使エンジネル ランク3 DEF1000

 

 

「俺はこれでターンエンド」

 

このターンで削り切れなかった…ってのはいただけない。あれだけ回しといてライフを削れてないのはどうなんだ?

 

「僕のターン、ドロー!」

 

そして、このターンで叩き潰す!

 

「エンジネルの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。 選択したモンスターを表側守備表示にし、 このターンそのモンスターは戦闘及びカードの効果では破壊されない!ダンセルを選択し守備表示にする!」

「クリスタルウィングの効果を忘れてるぜ!クリスタルウィングは1ターンに1度、モンスター効果を無効にして破壊し、その攻撃力を得る!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→4800

 

 

「『SRバンブー・ホース』を召喚!」

 

 

SRバンブー・ホース 星4 ATK1100

 

 

「このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下のスピードロイドモンスター1体を特殊召喚する!手札からチューナーモンスター『SR電々大公』を特殊召喚!」

 

 

SR電々大公 星3 ATK1000 チューナー

 

 

「このカードは自分フィールドに風属性モンスターが存在する時、手札から特殊召喚出来る!『SRタケトンボーグ』!」

 

 

SRタケトンボーグ 星3 ATK600

 

 

「召喚条件は効果モンスター2体以上!レベル4のバンブー・ホース、電々大公、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでリンク召喚!『デコード・トーカー』!」

 

 

デコード・トーカー LINK-3 ATK2300

 

 

「リンク先に甲虫装機センチピードがいる事で攻撃力は500ポイントアップする!」

 

 

デコード・トーカー LINK-3 ATK2300→2800

 

 

「魔法カード『死者蘇生』!墓地からクリスタルウィングをリンク先へ特殊召喚!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000

 

 

「リンク先に特殊召喚された事でデコード・トーカーの攻撃力が500ポイントアップする!」

 

 

デコード・トーカー ATK2800→3200

 

 

「墓地のSR電々大公の効果発動!このカードを除外する事で手札または墓地からスピードロイドチューナーを特殊召喚する!SR赤目のダイスを特殊召喚!」

 

 

SR赤目のダイス 星1 DEF100 チューナー

 

 

「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、SR赤目のダイス以外の自分フィールドのスピードロイドモンスター1体を対象とし、1~6までの任意のレベルを宣言して発動できる。そのモンスターはターン終了時まで宣言したレベルになる!タケトンボーグのレベルを4に変更!」

 

 

SRタケトンボーグ 星3→4

 

 

「レベル2となったタケトンボーグにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『HSRチャンバライダー』!」

 

 

HSRチャンバライダー 星5 ATK2000

 

デコード・トーカー ATK3200→3700

 

 

「害虫駆除の始まりだ!バトル!デコード・トーカーでダンセルを攻撃!」

「害虫ってなんだよ害虫って!」

 

 

小林 LP6700→4500

 

 

「続けて!チャンバライダーで1体目のセンチピードを攻撃!チャンバライダーの効果発動!このカードが攻撃するダメージステップ開始時に攻撃力が200ポイントアップする!」

 

 

HSRチャンバライダー ATK2000→2200

 

 

これで2体!

 

 

小林 LP4500→3900

 

 

「チャンバライダーは2回攻撃出来る!続けて2体目を攻撃対象にする!ここでチャンバライダーの攻撃強化効果に対しクリスタルウィングの効果発動!モンスター効果を無効にして破壊、その元々の攻撃力をクリスタルウィングに加える!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5000

 

 

「ギガマンティスを攻撃表示で出したのが仇になったな!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでギガマンティスを攻撃!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」

「!!!!」

 

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5000→7400

 

 

「これでゲームエンドだ!」

「ちっくしょぉおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

小林 LP3900→0

 

 

よし、これで終わっ───

 

「俺はまだ諦めねぇぞおおおおおお!!!」

「きゃあああ!」

「危ない!!!」

 

突然、逆上した小林が遥香ちゃん目掛けて襲い掛かった。それは酔わせ過ぎた他の部員のせいでもあり、デュエルでなんとか出来ると踏んだ僕のせいでもあり、多くの男子に思わせぶりな態度を取った遥香ちゃんのせいでもあったのかもしれない………と僕は脳内で推理しながら小林のタックルを身代わりに受けて………

 

 

ボキィッ!!!

 

 

「あっ」

「あっ」

「せん…ぱい…?」

 

 

************************

 

「で、吹っ飛ばされた勢いで右腕を骨折し同時に遥香ちゃんが顧問を呼んだ事で飲酒も発覚してフェンシング部は大会棄権&廃部…って訳ね。災難だったわねぇ…」

「………」

 

カードショップに出没した「右腕を布で吊る翔太君」の話を聞いた私はやや呆れながらため息を吐いた。

 

「だーいじょうぶよ!私、怒ってないし!大学に進学出来ないんだったら私が養ってあげるから!」

「…そういう話じゃないッス……」

 

ガックリと肩を落とした翔太君を慰めるように私は肩をナデナデした。

 

「でも、よかった〜」

「よく無いッスよ!小林はまぁ無理矢理飲まされたって事で罰則は受けなかったし、僕も許したし…でも、大会まで全てが順調だったんスよ!大好きなデュエルも我慢して、真由美さんと会うのも我慢して……それなのにこんなオチ無いッスよ!」

「いや、飲酒の時点で詰んでるわよ…」

 

軽くツッコミを入れた私は、まだ愚図る翔太君を抱きしめた。周囲からリア充爆発しろという声が聞こえる中で私は顔を真っ赤にしつつ耳元で囁いた。

 

「よく頑張ったわね。デュエルで解決しようって態度…私、好きよ」

「御門違いな慰めはやめてほしいッス!!!」

 

元気があって何より。それにまた翔太君と会える!カードショップがまた賑やかになりそうね!




真由美「おはよう、翔太君を骨折させた小林君!」
小林「すんません…ホントすんません」
真由美「そこまで怒ってないわ」
小林「えっ?」
真由美「その代わり!今回使ったデッキを公開しなさい!セレモニーベル効果発動よ!さっさとデッキレシピを公開しなさい!」
小林「なにいってんだこいつ」



モンスター(18)
●ダーク・アームド・ドラゴン×1
●甲虫装機ギガマンティス×2
●甲虫装機ギガウィービル×1
●寄生虫パラノイド×2
●召喚僧サモンプリースト×1
●甲虫装機ダンセル×3
●甲虫装機センチピード×3
●甲虫装機ホーネット×3
●甲虫装機グルフ×2

魔法(18)
●甲虫装機の魔弓ゼクトアロー×2
●超進化の繭×3
●アーマー・ブレイク×2
●貪欲な壺×2
●強欲で貪欲な壺×3
●超融合×1
●死者蘇生×1
●ハーピィの羽根帚×1
●闇の誘惑×2
●増援×1

罠(4)
●神の宣告×1
●戦線復帰×3

EX(15)
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●甲虫装機エクサビートル×1
●SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング×1
●CNo.39希望皇ホープ・レイ×1
●No.39希望皇ホープ×2
●機装天使エンジネル×3
●虚空海竜リヴァイエール×2
●No.20蟻岩土ブリリアント×1
●デコード・トーカー×3



小林「超進化の繭があまりにもインゼクターとマッチしてたんで思い切って売ろうと思ってた遊戯王カードからインゼクターを引っ張り出して組んだ感じです。」
真由美「確かに超進化の繭は強力なカードね。寄生虫パラノイドと合わせて強力なモンスターをリリース出来たり、甲虫装機ダンセルをリクルート出来る点では強いわね」
翔太「今回のデュエルでは出てこなかったけど、デッキの構造上スターヴ・ヴェノムを召喚する点も甲虫装機の利点ッス」
真由美「甲虫装機もそろそろ復権しそうね」
翔太「今の環境では先攻で動けないデッキに人権は無いッス…」

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