海の死神代行   作:三日月達也

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えぇ⋯⋯⋯、大変長らくお待たせいたしました。

個人的な諸事情に加えて、色々立て込んでしまい今まで投稿出来ず、誠に申し訳ございませんでした。

皆様方から頂く感想や評価にはとても元気付けられました。

今後も頑張りますので皆様どうかよろしくお願いします。

それでは、「聖地マリージョアとフィッシャータイガー」どうぞ!


聖地マリージョアとフィッシャータイガー

   

  ~偉大なる航路(グランドライン)

 

 

 

聖地マリージョアの真下付近に向かっているクロガネ。

 

原作開始の13年前ということは分かってはいいたのだが問題はその実行される日である、なのでこの一年間はほとんど赤い土の大陸(レッドライン)に近い無人島で過ごしていたぜ。ま、その島が凪の海(カームベルト)にあるせいでよく海王類襲ってきたが、良い修行相手になったから結果オーライだ。

 

言っている間に船が見えてきたな。お、あれがフィッシャータイガーか。よし・・・・

 

「初めまして、フィッシャータイガー」

 

船に乗り挨拶する。

 

「お前は・・・もしかして死神か・・!」

 

ちなみに誤解のないように言っておくが死神というあだ名は自分から広めたわけではないぜ。

 

黒い着物に、出刃包丁みたいな刀、そして億越えの賞金首をどんどん狩っていくことから〔海の死神〕と付けられたわけだ。

 

俺としてはこのあだ名は結構気に入っているけどそのせいで海軍と世界政府からの勧誘が絶えない、まじで勘弁してくれよ・・・・

 

「そうだ、よろしくな」

 

「・・何をしにきた」

 

「あんたを手伝いにきた」

 

「なんだと・・・・?」

 

ま、疑うのは無理もないか。本人は単騎で乗り込むつもりだから計画がばれる筈がないって思っているだろうし。

 

「実はな・・・夢を見たんだ」

 

「・・・・夢?だと」

 

「そう、あんたが聖地マリージョアで奴隷たちを開放し、世間を賑わすという夢だ」

 

嘘です、原作みたから知ってます。なんて言えるか。

 

「・・・・・仮にそうだとしても正気とは思えんな、今俺がしようとしていることは死刑確定の大犯罪だぞ」

 

「なんだ、そんなことか」

 

「そんなことかってお前」

 

だって

 

 

「俺、天竜人殴ったことあるから」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・はぁ!?」

 

おぉ、目が飛び出しそうなぐらい驚いてるな。

 

「じ、じゃ、この前シャボンディ諸島で起きた天竜人殴打事件の犯人って・・・・・

 

「あ、それ俺だ」

 

「なぁぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

いや、だってあの天竜人自分の奴隷が言うこと聞かないからって街中で殺そうとしたんだぜ。すぐにフード付きのマント着て殴って止めたら気絶した。

 

その後その奴隷を担いでもうダッシュ。

 

シャッキーさんとレイリーさんに預けて島の外まで海軍と鬼ごっこ状態だった。

 

 

 

 

「そんなわけでそんな覚悟ならとっくに出来てるさ」

 

「そうか・・・・・わかった。いやすまないな疑ってしまって」

 

「こんな話疑うのが普通だろ、大丈夫だ」

 

「改めて・・・・」

 

タイガーは手を出し

 

「フィッシャータイガーだ、よろしくな」

 

「俺はクロガネだ、こちらこそよろしく」

 

俺も手を出し、しっかりと握った。

 

「なぁ、一つ聞いていいか」

 

「なんだ」

 

「お前は・・・・・俺たち魚人をどう思ってる」

 

「?どうって?」

 

「だから・・その気持ち悪いとか」

 

あぁ、そんなことか

 

「別に思わねぇよ、大体種族が違うから気持ち悪いとか思わねぇし。それに・・どの種族でもこの世界に生まれてきたことに変わりはない!俺は自分の目で見てそいつを判断する!」

 

タイガーは口を開けて絶句している。そして思った

 

「(こいつに出会えて良かった。オトヒメ様、あなたにこいつを会わしてみたくなりましたよ)」

 

「さて、そんなことよりさっさと準備しようぜ」

 

「あぁ!」

 

 

 

 

 

 

その後俺とタイガーは奴隷たちを乗せる巨大な船を造った。

 

まぁ、船といってもいかだに柵を付けただけの物なのだが。しかし軽く2千人は入る大きさとタイガーが持ってきた船で十分だろう。しかもこいつには墳風貝(ジェットダイヤル)が10個ほど付けたから機動力はそこらの船に比べれば速いから大丈夫だろう。え?どこで手に入れたかって?・・・・・・空島行って野菜の種と土持っていったら普通にもらえた。なんでも空島には土がないから向こうの人たちからしてみては地上の当たり前の物が高級品なんだと。

 

さらに海の上にポップグリーン、クッションキノコを生やした。クッションキノコはどんな高さから落ちてもしっかりと受け止めてくれる優れもの。ちゃんと仙豆の木(クロガネ命名)のてっぺんから落ちて試したぜ。ただ、欠点があるとすればサイズがめちゃくちゃでかい。たぶん東京ドームぐらいあると思う(適当8割)。

 

え、キノコの種なんかないだろうって?気にするな!

 

けど怖いだろうな、高さ何千mから飛び降りるの。だって、前世の世界で一番のバンジージャンプで323mだったはずだ。

 

 

 

ん、そういえば

 

「なぁ、タイガー。一つ聞いてもいいか」

 

「なんだ」

 

「言うのもあれなんだが簡単に俺を信用してもいいのか?」

 

そう、タイガーはかつて奴隷として人間たちから虐げられた過去がある。そう簡単には俺を信じないと思っていたからな。

 

「なんだ、急に。まぁ、お前以外なら信用してなかっただろうな」

 

よっこいしょ、と運んでいた荷物を降ろしてこっちを向く。

 

「実はな、ここ最近俺たちの中で噂になっていることがある」

 

噂?と俺は首を傾げた。

 

「奴隷を救うオレンジ色の髪に刀を持った人間、って噂だ」

 

あ、と俺は心の中で思い、それを見透かしたかのようにタイガーは俺を見てフッ、と笑う。

 

「もちろん最初は誰もがその話に耳を疑ったよ。奴隷を大抵持っているクズといえばほとんどが天竜人だ。天竜人に喧嘩を売るということはすなわち世界政府と海軍に喧嘩売るのと同じだからな。でもこの数年の間に奴隷にされた魚人は一気に少なくなった。それどころか連れ去られた魚人までもがほとんど帰ってきた。そいつら全員が口をそろえて言うのさ。オレンジ色の髪に刀を持った人間に助けられたってな。」

 

「そのオレンジ色の髪のやつはお前なんだろ」

 

「・・・・そんなに噂になってるとはな」

 

「だからお前なら信じられるさ。それに・・

 

「?それに?」

 

「いや、なんでもないさ。さて」

 

俺とタイガーはフード付きのマントを被って上を見上げた。

 

「いくか・・!」

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果として俺たちの計画は成功した。正体を悟られることなく。

 

最初にマリージョアの警備のリーダーを潰し、通信機器を破壊したからであろう。突然の出来事に巡回していた警備や天竜人はパニックになり、さらにマリージョアが襲撃を受けたと海軍本部に連絡がいったのは襲撃が終わった後のようだ。

 

そのおかげで奴隷を全員連れ出すことができ、俺が住んでいた無人島に辿り着いた。

 

そこから、食事をすましてタイガーと一緒に奴隷たちにどうするのか一人一人聞いていった。

 

中には当然故郷に帰りたい者もいた。だが、天竜人によって刻まれた紋章がその思いを邪魔する。皆かなり悩んでいた。

 

魚人たちのほとんどはタイガーがつくるタイヨウの海賊団に入るようだ。・・・・あれ、そういえばなんでタイガーって死んだんだっけ・・・・ドン!「きゃっ!」

 

そう思いながら歩いていると誰かにぶつかった。

 

「あ、ごめんなさい、ごめんなさい。謝りますから殴らないでください」

 

そこにはオレンジ色のショートヘアーをした女の子が笑っていた。けれどその笑顔は辛そうに見えた。

 

「・・お前の名前は?」

 

「コ、コアラです」

 

「そうか、コアラか。じゃぁコアラ・・・」

 

俺はそっとコアラを抱きしめた。

 

「え、・・・え?」

 

「もう無理しないでいい」

 

ポン、ポンとコアラの背中を軽くたたく。

 

「泣きたい時に泣け、笑いたい時に笑え、ここにはもうお前の意思を邪魔するものはいないから」

 

 

 

「・・・ほん、とう、ですがぁ・・?」

 

声には鼻声が混じり、体が少し震えている。

 

「あぁ、本当だ」

 

「泣いでも・・グスッ・・いいんでずがぁ」

 

「いいぜ」

 

「・・・・・うぅ・・・!」

 

コアラは泣いた、声はあまり出さなかったが、今まで出せなかった涙が滝のように流れ、コアラの苦しみ、悲しみも一緒に流れているようにも見えた。

 

そんなコアラの背中を俺は軽くさすった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後コアラは泣き止んだと同時に寝てしまった。なので目が覚めるまでおんぶして周ることにした。

 

すると船から遠く離れた木にもたれている青年を見つけた。・・・というか

 

「(あれ・・・?もしかしてテゾーロじゃねぇか・・?)」

 

 

 

ギルド・テゾーロ

 

 

映画ONE PIECE FILM GOLDでルフィたちと戦ったキャラ。世界の通貨の20%を掌握しているとされる大富豪で、その財力で世界政府や天竜人をも懐柔する権力を持った〔ゴルゴルの実〕の能力者。

 

 

 

 

「(話しかけてみるか・・・)おーい、お前」

 

「ん、あんたは・・・・」

 

「おっと、自己紹介してなかったな。俺はクロガネ、ただの賞金稼ぎだ」

 

「あんたがあのクロガネ!?・・・・どうりで見たことあるかと思ったぜ、俺はギルド・テゾーロ、助けてくれてありがとうな」

 

「おう、いいってことよ。皆のところには行かないのか?」

 

テゾーロは顔を俯かせた。

 

「いや・・・少しな・・・・・・・」

 

「へぇ~、よっこいせ」

 

コアラを木にもたれさせ、俺はテゾーロの隣に座った。

 

「なんか悩みがあるなら聞くぜ」

 

「・・・・長いぞ」

 

「何時間でも聞くさ」

 

「実は・・・・・」

 

 

そこからは原作通りの話だった。ステラを救うことが出来ず、奴隷にされ、ステラは殺されたと言われてどうしたらいいかわからないと言った。

 

「もっと・・カネがあれば・・・ステラも救えた・・・・カネさえあれば・・・・!」

 

「・・・・はぁ~、よっ!」ゴンッ

 

「ッ!・・・」

 

俺は拳を温めてテゾーロの頭を軽く突いた。

 

「馬鹿か、お前今何を言っているのかわかってんのか?」

 

「痛~~・・何すんだ急に!」

 

「カネがあれば・・・・それは天竜人と言っていることが同じだぞ」

 

「!・・・・・でも、カネがあれば救えた!現にこの世はカネで買えるものがほとんどじゃねぇか!」

 

「一旦落ち着け、確かにカネは必要だ。・・・・けどなテゾーロ、俺はカネってものは

 

 

 

 

 

 

 

    カネよりも大事なものを守るために存在すると思うんだ」

 

 

「カネ・・・よりも・・・大事な・・・・・もの?」

 

 

そう、例えば・・・・

 

「家族、仲間、友・・・・・夢、とかな」

 

「夢・・・・俺の夢・・・・・・・」

 

「ギルド・テゾーロ、お前の夢はなんだ?」

 

「俺の・・・夢は・・・・でかいステージで歌いてぇ・・・・ステラのところまで届くような・・・・でかいショーで俺の歌声を届けるんだ!!」

 

・・・いい夢あるんじゃねぇか

 

「なら、その夢を叶えろ、そしていつか俺にも見せてくれよ!」

 

「あぁ!もちろんだ。・・・ところでひとつ頼みがあんだけど」

 

「ん、なんだ?」

 

テゾーロは正座し頭を下げ・・・

 

「俺を・・・・弟子にしてくれ!」

 

 

 

・・・・・・・え、なんで?

 

 

「えっと・・・なんで俺?」

 

「いや、これからは自分自身も強くならなくちゃならねぇ。あんたには世話になるばかりだが、どうか頼む」

 

だからそこそこ実力のある俺を、か・・・・・・ん、そうだ

 

「すまないなテゾーロ、俺も今後は色々な海を回るから付きっきりで見てやることはできない・・・・が」

 

「が・・・・?」

 

「俺の知り合いに教えるのも上手くてなおかつ俺より強い人がいる」

 

「あんた以上に!?」

 

「その人ならお前を何十倍も強くしてくれるはずだ。けどもちろん修行は厳しくなるだろう・・・それでもいいか?」

 

「やる、やらせてくれ!夢を叶えるためならどんなことにも耐えて見せるさ!」

 

こうして、テゾーロの修行(地獄)が決定した。するとタイガーが俺を呼んだ。おそらく今後の方針についてだろう。

  

「呼ばれているみたいだからまた後でな」

 

「おう、わかった」

 

コアラを背負いタイガーの下へ走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば天竜人殴った時の人、目覚ましてるかな。名前知らないけど・・・・・・・どっかで見たことあるようなないような・・・・・・まぁ、いっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~同時刻 ぼったくりBAR~

 

 

「・・・なぁシャッキー、これについてどう思う?」

 

冥王シルバーズ・レイリーが見ていたのは、いきなり届いた号外に大きく書かれている〔マリージョア襲撃!〕の記事だ。聖地マリージョアが襲撃され、奴隷が逃げられ、天竜人の怪我人も何人も出ており、また襲撃者が判明されてないという、歴史に残る大事件となったと書いてある。

 

しかし、シャッキーとレイリーには犯人に心当たりがあった。

 

「クロガネちゃんじゃない?」

 

「だろうな」

 

先日天竜人を殴ってしまったので逃げるからこの女性を匿ってほしい、と言われたときは二人とも口をポカンと開けてしまった。

 

「んふふ、にしても、まさかマリージョアを襲うとは」

 

「おそらく何日かしたらここに来るだろう。その時にまた聞けばいいさ」

 

「根拠は?」

 

「勘だ」

 

ちなみにクロガネが連れてきた女性はまだ目を覚まさない。点滴を刺しているから大丈夫だろう、と二人は思った。

 

後、服に名前が書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ステラ、と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







月一になる可能性が今のところ大です!

気長にお待ちください!  

それでは次回もお楽しみに!

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