蓮舞「最後の1人って俺か」
他に誰がいると?
蓮舞「霊歌」
霊歌「呼んだ?」
蓮舞「呼んでない」
霊歌「なーんだ」
………………あ……
蓮舞「完璧に忘れていたな」
………………………………(沈黙中)
蓮舞「本編へどうぞ」
Side 夢華
「蓮舞!今日こそ俺たちの仲間になってくれ!」
「……何度もなんどもしつこい!」
「アンタに拒否権はないのだよ!」
僕達が中学校に入学してから半年ほど経つ。中学校に入学してから小学校とは違うものがたくさんあって楽しい
入学初日の自己紹介から今日まで1日も欠かさずに蓮舞君を仲間にしようとしている。因みに"仮面ライダー部"から"仲間"に変わったのは1ヶ月ほど経った後から。そもそも部としての活動を学校が承認するかどうかと言われて何度も僕達は先生に頼みに行ったけど認めてくれなかった。代わりに特撮部はどうか、みたいに言われたけれど(そんな部があるんですか!?と食らいついた)、僕達は本当に変身できるから断腸の思いで諦めた。じゃあ部はできないけど仲間になろう!ということになった。流石絢斗くんと昏御ちゃん
「飽きもせずによくやりますね」
「僕も参加したいけど何故か凄い目で見られるんだよね。何でかなぁ」
「何故でしょうね」
ほんっとうに分かんないなー
そしてワーワーと騒いでいる3人を眺めていると学校特有の鐘が鳴る。キーン、コーン、カーン、コーン。そういえば帰りの鐘は音程が下がっているような気がするんだけど気のせいかな?
「それじゃあ次のイベントの体育大会のやる競技を決めるぞー」
体育大会かー。運動会みたいなものかな
僕は何やろうかな。二人三脚はやるとしたら早苗ちゃんか絢斗くん……かな?身長的には早苗ちゃんとなら丁度いいかな。蓮舞くんは身長差的に僕の足が派手に裂けちゃう
「それだ!」
「!」(クラスの全員)
先生が黒板に競技を書いていこうとすると大声で絢斗くんが叫ぶ。これは予想することができなかったけど、蓮舞は耳を抑えていた
「蓮舞!次の競技で俺と勝負しろ!そしてお前が勝ったらもう仲間にしようなんて言わない!代わりに……」
「俺が勝ったら仲間になれ、か?」
「そうだ!」
「丁度いい機会だ。半年もウンザリしていたんだ。ここで終わらせてやる」
燃えてるねー。2人の目から電気が出てきてぶつかり合っているみたいだ
けど、ね。絢斗くん
「俺、じゃなくて俺たちだろう?絢斗」
「絢斗くん。僕も参加したいんだけど」
「私は集計しますね」
僕達をそんな面白そうなことに誘わないなんて、ちょっと水くさいんじゃないかな?
「みんな!」
「俺はいいぞ。さっきの条件だとお前は誘わないとこになっているが、他は含まれていなかったからな」
こうして、僕達の勝負の火蓋が落ちるのだった
「お前らいい加減にしろーーーーーー!!!!」
先生の怒号が教室内に響く
忘れていた……
〜〜体育大会当日〜〜
体育大会当日になって絢斗くんの全身から出てくる熱気がすごい。出席番号的に少し離れているのにすごく伝わってくる。僕は氷魔法の魔法陣をシャツに付けてあるからそこまで気にならないけど他の人の汗が止まらないみたい。これじゃあ全員が熱中症で中止になるんじゃないかな
『第一競技、徒競走です』
準備運動と選手宣誓が終わってからそれぞれのテントに移動して第一競技が行われる
僕達1-5は橙チーム。全学年が5クラスあって、1-1が赤、1-2が青チーム、1-3が黄色チーム、1-4が緑チームとなった。二年生と三年生も同じく。各クラス若干人数が違うが、30人いるので、1チーム約120人
第一競技の徒競走では、1年、2年、3年の順でやり、一度に4人が走る。一度に各チームから2人が選抜される。全てのチームが均等になるようになっているので、絢斗くんvs蓮舞くんの勝負が問題なく行える
「待っていたぞ!この時を!」
「俺も待っていた。お前たちをぶっ倒して静かな生活を過ごす」
2人ともすごいな……か〜な〜り離れているここにも熱気が伝わってくる……
「すごい熱気ですね……水分補給しないと」
「流石絢斗だわ。ラトラータコンボしていても不思議じゃないわ」
「というか、振り切るぜ!って言いそうだけどね」
『では、選手の意気込みを聞いてみましょう!』
「振り切るぜ!」
「なんかすごい2人に挟まれた気分です。あと暑い」
「勝つ。それだけだ」
「水分補給したいです」
2人ほど意気込みというか願望を言っているけど……まあ分からなくはないね。あの2人の間には行きたくないね
『位置についてー、よーい、ドン!』
スタートの合図とともに4人が一斉に飛び出す
「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」
早い!これ以外の言葉で言い表すなら疾風の如く走っている2人の差はほとんどない
まさに接戦という言葉が似合うほど。他のクラスの2人は前にいる2人と大きな差を開けて頑張って走っている
みんな頑張れ!
「おおお!」
「おおおお!」
2人がほとんど同時にゴールテープを通過する。集計の人はどっちが1番かを審査しているみたい。僕が見た限りだと蓮舞くんの方が少し前にいたかな
『えー結果は、1-5の桜花 蓮舞さんが僅差で勝利しました!』
「「「おおおおおお!!!!!」」」
結果が発表されると、グラウンドに歓声が上がった。まだ最初の競技の1番目なのに、最後のクラス対抗リレーくらいに盛り上がっている
「はあ………はあ………お前早いな」
「負けたか……だが、俺の他に昏御と夢華が居る!それに最後には全員で勝負するから……」
「それまでに圧勝してやる」
2人は火花を散らしながら(着順に旗に1〜4までのところに座るようになっている)一位と二位の旗のところに座りながら説明口調で話す
「絢斗の仇は私が取る!」
「絢斗くんはまだ亡くなってませんよ!」
「次の刺客は昏御ちゃんだ!」
「夢華くんも悪ノリしないでください!」
『次はー、障害物競争です。各選手は所定の位置まで移動してください』
徒競走から僕たちが競う競技まで3つくらいあった
一応僕は借り物競走をやったんだけど、『マイク』なんてお題が出た。流石に誰も持ってないよね……と思いながらあたりを見ているとお母さんがマイクを片手に持って振っていた。あとはすぐにもらってからゴームに到着。順位は1位だったよ。持った感じ魔法で作られているものだとわかったよ。周りの保護者の方々の奇異の目が凄かった
そして、絢斗くんvs蓮舞くんの次は障害物競走で昏御ちゃんvs蓮舞くん。基本的には網とかその他色々を潜り抜けてゴールまで行く。蓮舞くんは多分一年生の中では1番背が高いから不利かな?と思う。昏御ちゃんは背が低くて運動神経がいいから勝てるかも
「蓮舞、私は絢斗ほど運動はできないけど負けないよ!」
「それはだいたい負けるやつが言うセリフだ」
「やっちゃえ昏御ちゃん!」
「かっとばせー!」
「絢斗くん、それは野球の応援の時のものです。頑張ってください昏御ちゃん!」
2人はスタート位置に着く。順番は4番目にスタート。6人が一斉にやることになっていて、3クラスの代表2名がやるもの
『第4レース』
放送の声の人が昏御ちゃんと蓮舞くん達の名前と他のクラスの人たちの名前を挙げていく
『では、位置について』
「ここで引き分け状態にする」
「一気に引き離して勝つ」
((((なんで同じクラスなのに競っているだろう…………))))
なんでだろう…………他のクラスの人たちの心の声が聞こえてくる
「奇遇ですね。私もですよ」
「どうかしたか、早苗?」
「いえ、ただなんとなく受信しました」
さすが幼馴染。僕の考えていることはなんでもお見通しか
「おおーー!」
またまた歓声が上がる。グラウンドの方に視線を移すと勝負中の2人が前に出て網を潜っている
昏御ちゃんはスルスルと潜っていき、蓮舞くんはその体格の不利をものともせずに潜っていく。なんだろう……言葉に表せないけど、『潜りやすい所を把握してそこを進んでいる』みたい
「凄いな蓮舞!あー!俺も参加したかった!」
「次の勝負は僕で、その次にみんなと戦うんだから待とうよ」
「く……」
「因みに私たちは負けていますから、ここで勝たないと厳しいですよ」
「2対2になった場合は引き分けで私たちの勝利になることになっていますね」
「でも勝利以外には認めないんでしょ?絢斗くん」
「当たり前だ!ちゃんと勝って、蓮舞を仲間にする!」
だよねー
こんな会話をしているうちにグラウンドでは最終コースに入っている。流石に早くないかな?話しているって言っても1分程度だよ。それなのに5つくらいの障害を乗り越えるなんて超人かな、あの2人
「夢華くんも超人の域に十分達していると思いますがね」
「心読まないで〜」
流石幼馴染
「いけー!昏御ー!!」
「やってやるー!」
「クッソ!」
ちょうど頭くらいの大きさの差で昏御ちゃんが前に出ている。けど、少しでもスピードを緩めれば抜かれてしまうほど。他のクラスの人たちはまだ3つ目の障害の戦車みたいに段ボールの中に入って動くアレで手間取っている。多分アレくらいが普通だと思う
「よっしゃー!!!一対一!」
「クッ……次はアイツか」
他のクラスの人たちの方を見ている間にゴールテープが切られたみたい。大きな声で叫んでいることから昏御ちゃんが勝ったみたい
蓮舞くん。僕は君に何かしたのかな?
「次は夢華だな」
「そうだね。じゃあちょっと準備運動してくるね」
今回は後半もしくは中があるかもしれません。なんか楽しいです