霊歌「今回って一気に時間を飛ばして三途の川に行くところだよね」
そうです。時間的には仮面ライダーディケイドが放映されているので小学5年生くらいです
霊歌「これ以降絢斗達の出番がなさそう」
もしかしたらあるかもしれませんよ
霊歌「決まってないんだ……」
霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」
「さて、最近はまた能力を使用した犯罪が増えているようだが、何か対策案を思いつくものはある者は意見を出してくれ」
ある一つの巨大な部屋。その中にいくつもの机によって巨大な長方形が出来ている。そこにペットボトルを置いた各所の地位の高い人間が集まっていた
そのうちの1人が現在、起こっている犯罪の中でもトップで多い『能力による犯罪』の解決案を募る。能力と一言で言っても沢山ある。空間を操る能力による強盗。当然それを追ったところですぐに逃げられる。しかし、範囲などは様々で個人差があるのは確認されている
男の問いに静かに手を挙げる人物が1人
「私は世間に能力がある事を知ってもらえばいいとおもいます。そうすれば能力を使った犯罪を行えば、周りの人間が気付くので、抑止にはいいと思います」
男が言った事も一つだ。グループで能力犯罪を行うケースが多く、その多くは犯罪の痕跡は一切残されていない
「世間が信じてくれるかは分からないが、少なくとも、我々が呼びかければ存在を認知する程度には認めてくれると思います」
そう自分の意見を言うと静かに椅子に腰掛ける
「他にある人は」
次の意見を促したらすぐにまた別のところで手を挙げる人がいる。その人は静かに立ち上がる
「私は目には目を、歯には歯を。能力者には能力者を、ということで、我々が知っている能力に呼びかけるのはどうでしょう」
それだけ言うと静かに椅子に座る
「今の所二つの案が出たが、他にある者は居ますか?次の意見が出たら一度決をとります」
二つの意見が出たところで最初案を募った男の秘書らしき女性が次の案が出たら決を採るように言う
そして、スッと手を挙げる人物。すぐに立ち上がる
「私は能力者を人工的に作り出し、能力者を殲滅する案を出す。能力者の殲滅後にこれに関わった能力者を処分する」
その意見に周りの人が一斉に声を上げる
「それは人工的に人間を作り出すことだ!それは法に触れている!」
「非合法的行為だ!そんなものはダメに決まっている!」
周りの声が大きくなったところで切り込むように発案者が言い出す
「殲滅するくらいしなければ能力犯罪を消すことはできない。能力者という我々とは別の存在と共存すると言う事自体が間違いだ。子供だろうと今後国を危機に追いやる事をするかもしれない。例え、それが1パーセント未満だろうと、な。能力を持っていれば抹殺するべきだ」
男の話に先ほどまで声をあげていた人物たちは黙り、その方法はありえない、と小声で呟いたり、それも視野に入れるべきか?と言っている
「では、決をとります。今上がった3つの中でどれがいいか、手をあげてください」
結果は3つ目の案になった
「それでは、まずは能力者の素体が必要だ。ちょうどいい奴がいる。まずはそいつを仮死状態にしてから研究室に連れて行こう」
〜その日の夜〜
「お母さんおやすみ〜」
「おやすみなさい。夢華」
その家にいる誰もが寝静まった頃に夢華の首に毒針が刺さり……
Side 夢華
ここはどこ?僕は夢華
目を開いたら知らない場所にいる時にはこの言葉を言うのが当たり前と絢斗君言っていたけど本当かな〜?わけもわからずに言ってみたけど、本当にここは何処?
見渡す限り、周りは彼岸花が沢山咲いていて綺麗な場所。辺りは薄っすらと霧が出ているのかな?何というか三途の川みたいなところと言えばいいのかな?お母さんが言っていたこととほんとんど同じ
「〜!〜〜〜!〜〜〜〜〜!」
周りの様子を見ていたら何処からか女の子の声が聞こえる。ここが何処かわからないし、やることが特になくなっちゃったし、そこに向かうしかないのかな〜。行かなければいけないのは何となくわかるけど行ったら行ったで大変なことになりそうな気がしてならないよ
「どうして小町、貴女はすぐに……!」
「すみませんすみません!………映姫様アレ…」
「何ですか?今はこっちに集中しなさい!」
「いや、あの子供の魂」
「子供の魂?」
近づいて行くと次第に声が鮮明に聞こえるようになる。最初は何の話かわからなかったけれど、お説教されていると理解した
しかも説教されていて正座をしている赤髪ツインテールの女の人は僕に気付いたみたい。そして、その人と向き合っている緑髪ショートヘアの女の子はこちらに向く
「あ、え〜と。こんにちは?こんばんは?う〜ん。おはこんばんにちは?」
現在の時刻がよくわからないので挨拶を全て合わせた言葉で挨拶をする
「映姫様どうします?連れて行きますか?」
「少し待ってください。あの子供の反応が少し変ですし、何というか本当は死んでいないのに死んでしまっているような」
何の話かはわからないけど、2人は僕を見ながらひそひそ話をする。尚、僕には聞こえている模様
待って、なんか死んでる死んでないという会話なんだけど……しかもさっきは子供の魂とか言っていたし。この辺りに僕以外に子供は………居ないね。つまり、僕は魂と言っているという事なんだけど
「な、え、僕は死んじゃったって事なの?」
「厳密に言えば仮死状態が正しいですが、大方あっているでしょう。現在、夢華さんの肉体は動かないでしょう」
「でも……うーん…どうやったんだろう?何かあればすぐに知らされるようにしたのに。解除しちゃったのかな」
自己紹介とともに今、僕が置かれている状況を四季さんに教えてもらった。仮死状態になっているってことは能力を使っちゃったかな?僕に何かあればキバットが教えてくれるのに
今後能力を使えなくする物を作らなくちゃ。あ、でも能力で作った物には効力が出ないようにしとかないと
そして、僕がいるのは三途の川らしい。なんてこったパンナコッタ。四季さんは見た目に違わず閻魔様。死んだ者の魂を天国か地獄かを決める人。嘘をつくと舌を抜かれるなんて言われているけど、そんなことをしそうには見えない。それでさっき怒られていたのが小町さん。三途の河から魂を彼岸まで運ぶ船頭をやっているみたい
今までの仮面ライダーで幽霊みたいなものはなかったような気がしたな〜。幽霊とかをモチーフにした仮面ライダーって出るかな?
「それで夢華さんはまだ死んでいるわけではないので肉体が通常通りの活動をするようになれば戻ることはできます」
「そうなんですか。それまで僕はこれから何をしましょうか」
「それなのですが、少し私と此処をみて回りませんか?三途の河はそう何度も来れるような者ではないですし、いい経験になると思いますよ」
「そう……ですね。そうします。お願いします、四季さん」
「はい」
四季さんの提案に快く頷く。あの世なんて普通なら一度だけ。それが一度戻れる状態で来れたのは幸運だろうね。だったら此処を探検しないではないでしょ!
〜家で寝ている夢華の体〜
Side レイア
現在の時刻は朝の8時。いつもなら6時には起きていたのに今の時刻になっても顔を出さない。今日は日曜日だから学校はないから問題はないのだが。夫は既に仕事に行ってしまっているので台所にいるのは私のみ
寝坊だとは思うけれど、心配になったので夢華の部屋の前まで行ってみる
「夢華〜。8時だけど起きてる〜?」
ドアを何回かノックしながら呼びかけても返事の声がしない
声どころか物音1つ立たない。夢華だったら何かしらの動きがあるはず。それが無いということは–––––
「夢華!」
すぐに夢華の部屋の中にテレポートする。何かしらの音が無いということは、夢華が部屋に居ないか、何かしらの理由で動けないか……もしくは……
最悪の可能性を考えてしまった。夢華は自分のベッドの上で横たわって居た。一瞬ただ寝ているだけかと思って息を吐き出そうとしたが、夢華の寝息が全く聞こえないことに気づいた
「これは……仮死状態になっているの?………夢華の首に刺さっているのは……針?」
寝息が聞こえ無いことに気づき、夢華に駆け寄る。仰向けにする。本当にただ寝ていると思える顔が映る
調べて行くうちに何かしらの方法で仮死状態になっていることに気づく。夢華が寝言で能力を使用してしまったのかと思われたが、首に刺さっている針で違うことに気付かされる
「針が刺さっている角度からして窓から。しかも約500mからの精密な射撃。昨日は風はなかったから凄腕からすれば簡単でしょうね。つまり、これを行える技量があり、夢華を狙ったということは能力の存在を知っている。そして夢華に能力があることも知っている」
今の状況、敵の規模、敵の技量などを頭の中で整理する。整理すると携帯を取り出し、夫にメールを出す
魔法陣に一通りの道具を入れ、幻想郷で活動していた服装に変える
そしてその場にいない私の敵に一言言う
「私を狙うならまだ許せる。けど夢華を狙うのは許せない………私から、私たちから大切なものを奪おうとするならそれ相応の報いは受けてもらうわよ!」
霊歌「最初に出てきた人たちって……」
過去編で重要な立ち位置にあります
霊歌「それよりも早く逃げたほうがいいんじゃ……夢華のお母さんが動き出したわよ」
逃げないとここら一帯吹き飛ばすなんて朝飯前ですから
ではまた次回!