東方現幻夢   作:カミユ

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前回瞬間移動で博麗神社から守矢神社に移動しました。



第4話 妖怪の山

 Side 夢華

 

 博麗神社から懐かしの守矢神社まで瞬間移動した。

 

「ただいまー!神奈子様、諏訪子様!」

 

 隣で早苗ちゃんが神奈子と諏訪子さんに挨拶をしている。

 

「「おかえり早苗」」

「ただいまです!」

「久しぶりです。神奈子さん、諏訪子さん」

 

 久しぶりに会う神様二人にお辞儀しながら挨拶をする

 

「夢華くん久しぶりだね。人里で戦ったのはやはり君だったか」

「夢華くん久しぶり!早苗と手を繋いじゃって前と変わらないね〜」

 

 背は小さく特徴的な帽子をかぶった諏訪子さんはニヤニヤしながら言っている。

 まあ良く手を繋いで帰ったことがあるから今更?と思う。

 

「え?あ…」

 

 早苗ちゃんは顔を赤くしながら急いで手を離す。

 

「そ、そういえば夢華くんは今日から守矢神社で住むことになりました!」

 

「良いよ。それじゃあ夢華くんの部屋は早苗の部屋と一緒ね〜」

「ちょっ諏訪子様!」

「神奈子も良いよね?」

「私は構わないさ」

「神奈子様まで!」

 

 青髪で背中に巨大な縄?をつけている神奈子も賛成のようだ。早苗ちゃんの意見は無視されているけど…

 

「ふふふ…あはははは!ここは変わらないなー!」

 

 早苗ちゃんたちと別れた後と全く変わらない光景を見てつい笑ってしまった。

 

「早苗、諏訪子、夢華くんに言わなければいけないことがあるだろう」

「そうだった。忘れてた」

「そうですね。先に言わせともらいましょうか」

 

 三人は僕を見て

 

「「「ようこそ幻想郷へ!」」」

 

 どうやら僕は幻想郷に受け入られたようだ

 

「よろしく!」

 

 

 僕が幻想郷に受け入られた翌日、朝6時に起きた

 

「ん〜良い朝だー!」

 

 今は夏だが涼しい

 

「おはようございます夢華くん!」

「おはよう早苗ちゃん!」

 

 早苗ちゃんに挨拶をする。まだ若干眠そうだ

 

「朝食の準備をしてくるので居間で待っていてください」

「僕も手伝うよ」

「ではよろしくお願いします」

 

 僕は早苗ちゃんといっしょに台所まで移動する。朝食を作っていると外から文さんの声が聞こえた。完成した朝食を作り終えると居間まで持っていく。

 神奈子さんと諏訪子さんがそこにいて、新聞を読んでいる。

 さっき文さんの文々。新聞を分けていたのか。

 

「おはよう二人とも」

「おはよう。朝からいっしょに朝食を作ってたのか〜」

「おはようございます」

「諏訪子様!」

 

 諏訪子さんはニヤニヤしているが理由がわからない。早苗ちゃんは顔が赤い。何故か神奈子さんと目が合い頷かれた。本当に何だろう。

 

「そうそう。文々。新聞見ていたんだがこれは本当かい?」

 

 神奈子さんが新聞を渡してくれた。文々。新聞に書かれていたことは

 

『突然幻想入りした外来人「上殊 夢華」。人里に降り、藤原妹紅を撃破!その後博麗神社にて魔界に行ったことがあると判明!さらに守矢の巫女が来て、魔界の神様、その門番に一悶着あったが博麗の巫女によって止められた(写真あり)。今は守矢神社に住んでいる。謎は多いが今後明かしていこう』

 

 うん。間違ってはいない。

 

「僕が気絶しているときこんなことがあったんだ」

「あ…あはは〜」

 

 早苗ちゃんは目をそらしている。

 

「早く食べようーよ!」

 

 諏訪子さんに急かされ四人で朝食を食べ始める。

 急かされたとき神様でも中身は子供だと思ったが言ったらいけないと判断…祟られそうだ。

 

「そうだ。これから夢華くんはどうするんだい?」

 

 神奈子さんに言われた。

 

「まだ決めていないですね。ん〜」

 

 僕が考えていると

 

「まずは妖怪の山の連中に会っといたほうが良いよ」

「それもそうですね。昨日は博麗神社から瞬間移動で来ましたし、誰とも会っていませんね」

 

 妖怪の山?そういえば神社の周りは山だった。妖怪の山っていうんだここ。

 確かにここにいる人?たちに挨拶しないといけないからね

 

「そうします」

「それじゃあ早苗、夢華くんについて行ってあげるさ」

「そうですね。夢華くんなら大丈夫だと思いますが、私もついていきましょう」

「よろしく早苗ちゃん」

 

 などとこれからのことを決めていくと朝食を食べ終えていた。

 

「「「「ごちそうさまでした」」」」

 

 食器を台所に持っていき洗い終えると外から「すみませーん」と女の子の声が聞こえた

 

「この声は椛さんですね。どうしたのでしょう?」

「椛?ここの人?」

「人ではありませんがそうです」

 

 玄関まで移動すると、白髪で犬みたいな耳があり、尻尾がある。手には刀に盾を持っている。

 敵意を出し話しかけてくる。

 

「あなたが上殊 夢華さんですね…って」

 

 椛ちゃんがなんか話しかけていたけれど気にせずに頭を撫でている。うん。癒される。癒すような傷は無いけどなんか癒される。

 

「ちょっ…や、やめて…やめなさい!」

 

 急に怒り出した椛ちゃんは刀を横に振りきった。

 

「おー危ない危ない」

 

 バックステップで避ける。

 

「紹介が遅れました。私は犬走 椛(いぬばしり もみじ)です。それであなたは昨日妖怪の山に無断で侵入しました。侵入者は排除する決まりがあるのであなたを排除します!」

 

 ここって許可がないと入っちゃいけないんだ。

 

「待って下さい!確かに夢華くんは許可申請をしていませんが、悪い人ではありません!」

 

 早苗ちゃんが椛ちゃんに抗議している

 

「決まりですので」

 

 あ、これ戦わなきゃいけないやつか

 

「椛さん!」

「大丈夫だよ早苗ちゃん」

 

 早苗ちゃんが心配そうにこっちを見ている。

 

「さて、ここじゃなくてあっちで戦おう」

 

 ここでは迷惑をかけてしまうから森の中に降りた。

 椛ちゃんはちゃんと追いかけてくれた。上に文さんがカメラを片手に飛んでいる。

 

「妖怪の山について知れるからちょうどいいか」

 

 呑気に考えていると椛ちゃんが攻撃して来た

 

 

 

 Side 早苗

 

 夢華くんが椛さんを連れて森の中に入っていった。

 夢華くんなら大丈夫だろうからこちらがやることは

 

「神奈子様ー!夢華くんの許可申請ー!」

 

 

 

 Side 椛

 

 夢華さんを追いかけて森の中に入ると夢華さんが走っていた

 

「逃がしません!」

 

 急いで後を追いかける。

 気づいたのか走るスピードを上げる。それでも簡単に追いつく。

 

「速いね〜」

 

 呑気に話しかけてくる。

 

「余裕ですか?」

「そりゃあ瞬間移動する人と追いかけっこやったことあるからね。まあ勝てなかったけど」

 

 瞬間移動する人と追いかけっことか勝てるわけがない…とおもったが口には出さない。

 

「くっ…ちょこまかと…」

 

 何度か攻撃をするが全て避けられる

 

「どうして攻撃しないのですか?」

「早苗ちゃんが申請するのを待っているだけだよ。食後の運動にはちょうど良いし」

 

 私は運動にはちょうど良い?その言葉で刀を握る手に力を入れる。

 

「はあ!」

「おっと…」

 

 私の斬撃は簡単に避けられた。

 

「さて…とこっちからも行こうかな…よっと」

 

 夢華さんはサマーソルトキックで私の盾を蹴り上げた。

 

「しまった!」

「すきあり!」

 

 夢華さんの拳が私の目の前で止まっている。あまりのスピードに驚いて尻餅をついてしまった。

 

「大丈夫?」

 

 夢華さんは私に手を出している。

 

「大丈夫…です」

 

 返事をしながら夢華さんの手を取る。夢華さんの力で立ち上がる

 

「どうして当てなかったんですか?」

「はい盾。「ありがとうございます」傷つけずに無力化したかったんだよ」

 

 盾を受け取り、そんなことを聞く。傷つけずに無力化することは私には難しい。それは相手との実力が離れていないとできないこと。つまり夢華さんは私よりも圧倒的に強い。

 

「なんだなんだ〜もう終わりか〜?」

 

 この声は…

 

「萃香さん!」

「あんたが上殊 夢華だね。ちょいと戦おうよ」

 

 

 

 Side 夢華

 

「なんだなんだ〜もう終わりか〜?」

「萃香さん!」

「あんたが上殊 夢華だね。ちょいと戦おうよ」

 

 なんか小さくて頭から角を生やして、手首足首に鎖、手には瓢箪を持っている女の子がいきなり現れた。

 

「鬼?」

 

 僕は首を傾げながら思ったことを言った。

 

「そうだよ。私は鬼だ」

「鬼って金棒とか持たないの?」

「持っている奴もいるけど、私は持たないね」

「未成年なのにお酒飲んで良いの?」

 

 萃香ちゃんと椛ちゃんは口が開いている。そのあと笑い出した。

 ひとしきり笑い終えるとお酒をグビッと飲んだ

 

「私はこの見た目でもあんたの倍は生きているからね。それに幻想郷じゃだいたいのやつは飲んでいるさ」

「そうか。妖怪は歳を取っても見た目はあまり変わらないんだっけね」

 

 そういえばそうだったなー。

 

「あんた変わってるね」

「よく言われたよ」

「さてそろそろ始めようか?」

「え?嫌なんだけど…」

「問答無用♪」

 

 そういうと萃香ちゃんは距離を詰め、蹴りかかる。

 

「あっぶな」

 

 少し身体をそらし寸前で回避する。

 

「やるねぇ〜」

 

 萃香ちゃんが鎖を飛ばしてくる。鎖が僕の手に絡んだ

 

「あっ!」

「それそれ〜」

「わ〜〜!目が…うぷ…朝食が…」

 

 萃香ちゃんがそのままの位置で僕を回す。目が回り気持ち悪くなってきた。

 これはやばい。モザイク必須の物が出てくる

 

「この…形状崩壊」

 

 鎖が崩れ去り跡形もなく無くなった。そのままの勢いで僕は放り出されたが、近くの木に着地する。

 

「なんだこれ?鎖が崩れた?」

「う…気持ち悪い」

「じゃあこれならどうだ?スペルカード発動【鬼神 ミッシングパープルパワー】」

 

 スペルカードを発動すると萃香ちゃんの体が何倍にも大きくなった。

 かっこいいと思った。男の子の厨二心をくすぐるよね巨大化って。

 

「ははは行くぞー!」

 

 萃香ちゃんは僕を足で押し潰そうとする。それを横に跳び回避する。回避はしたが巨大な足が地面を踏んだ瞬間に地面が揺れている。

 

「ほらほら〜♪」

 

 本人からすれば足踏みをしている程度だろうが、こっちからすれば地震だ。

 自然破壊にもほどがあるね。椛ちゃんはすでに遠くに離れたようだ。これなら巻き込まなくて良いね

 

「落雷現象」

 

 僕は指を鳴らすと、空から雷が落ち、萃香ちゃんに直撃する。

 鬼なら大丈夫だよね?若干不安だな…

 

「あ…が…」

 

 ぎこちないが萃香ちゃんは拳を振り上げる。

 

「瞬間移動」

 

 萃香ちゃんの目の前に移動した。

 

「打撃強化。一発入魂」

 

 萃香ちゃんの眉間に魔力をまとった拳で殴る。

 ドゴン!という音とともに萃香ちゃんのスペルカードの効果が消え、元の大きさに戻った。気絶しているのかそのまま重力に従い落ちて行く

 

「あ…空中浮遊」

 

 僕は空を飛び萃香ちゃんを抱える。そのまま守谷神社まで飛んで行く

 

 

 守矢神社に着くと早苗ちゃんが駆け寄ってきた

 

「夢華くん!さっきの地震は…って萃香さん⁉︎どうしたんですか⁈」

「さっき戦ってやりすぎちゃった」

「とりあえず中に入ってください!」

 

 

 

 Side 萃香

 頭に冷たい感覚で目が覚めた。

 

「ここは…」

 

 見たことのない天井を見て何があったのかを思い出そうとする。

 確か巨大化しているときにいきなり雷が落ちてきて…

 

「負けたのか…」

 

 そんなことを思っていると襖が開き夢華が顔を出した

 

「あ、気がついたんだ。良かった〜。強く殴っちゃったかな?しばらく起きないから心配したよ〜。ごめんね」

 

 夢華は申し訳ない顔で謝ってくる。

 

「いやいやこちらこそすまない。いきなり喧嘩ふっかけて」

「いいよ〜もう過ぎたことなんだし」

「ははは…そうかい」

 

 こいつは嘘を付いていない。過ぎたことなんて気にしない性格か…

 

「立てる?」

「ああ大丈夫だよ」

 

 すぐに立ち上がった。

 

「今昼だけど昼食食べる?」

「もらおうかね」

 

 夢華と一緒に居間まで移動する。守矢の神様二人に巫女が座っていた

 

「萃香さん大丈夫ですか?」

「ああ問題ないよ」

「まったくあいかわらず無茶苦茶だね夢華くんは」

「鬼を倒すなんてね」

「人間とは思えなかったよ」

「はははははは……文さん居るんでしょ?でてきなよ」

「あややや〜気づかれてしまいましたか〜」

「椛ちゃんの時から居たよね」

「そうですよ」

 

 襖から文が出てきた

 

「まさか萃香さんが負けるとは思いませんでしたよ」

「観ていたのかい」

「えぇ殆どの人が観ていましたよ。それで大天狗様からの伝言です。

「これからは妖怪の山の出入りは自由にする」

 だそうですよ」

「良かった〜」

 

 安心したような笑みをしている

 

「それと明日夢華さんの歓迎会をするらしいので博麗神社に集合だそうですよ」

「歓迎会か〜楽しみだな〜♪」

 

 夢華は上機嫌だ。

 

「では私はこれで〜」




次回は歓迎会と称した宴会です。ここでたくさんのキャラを出したいですね。

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