今回からは次の異変までの間にある日常です
絢斗「人形作りなんだってな。俺は気合でどうにかして来たぞ!」
気合って凄いですね〜
絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」
第35話 夢華の人形作り
Side 夢華
予知夢を観てから一週間後に僕は2日酔い(能力未使用。疲れていたし)により少し遅れてアリスの家に行く。場所は異変の時に知っているので迷うことはなく来れた
「ふんふんふん♪アリスの家はあと少し♪A T O S U K O S H I♪あと少し〜♪」
魔法陣に乗りながら鼻歌を歌っているといつのまにかアリスの家についていた。最近気が付いたら目的地についていることがあるんだよね〜無意識に動いているとか?はっはっは。そうかもね
「到着〜。おーいアリスー!居るよね〜!?」
「はいはい。居るわよ〜」
軽い声とともにアリスが玄関を開けてくれる。さっき起きたばかりなのか少し目が眠たそうだ。僕も眠い
「それで人形を作りに来たのよね?」
「そうだよ。人形を作ったことないから変にならないように頑張るよ」
と、話していると背後から2つの人形が浮かんで来た。片方は宴会の時にアリスの近くにいた、上海。もう片方は上海に似ている人形。双子かな?
2人でお盆に乗せた紅茶とお菓子のクッキーを運んでくれる
「あら、蓬莱。来たのね。紹介するわ。この子は蓬莱。上海とは姉妹みたいな感じね。半自立思考型よ」
「そうなんだ。よろしく蓬莱。2人ともありがとう」
「ホウラーイ」「シャンハーイ」
アリスの紹介の後、2人に紅茶とお菓子を持って来てくれたことに感謝する。2人はその場をクルクル回って嬉しそうに笑っている。和むね
「さて、夢華は裁縫はしたことあるかしら?」
「えーと、小学生と中学生の時にやったことがあるかな。家庭科でね」
「じゃあ大体わかるわよね。これが人形作りの時に使うもの一式よ。針には気をつけてね。刺さると血が人形に付いちゃうから」
アリスは人形作りに必要なものを探しながら僕に問いかける
脳裏に早苗ちゃんと絢斗君と昏御ちゃんと一緒に雑巾か何かを作った事があったな〜。絢斗君は大胆で意図が180度回って、さらにまた180度回って元に戻っていたような戻っていなかったような……昏御ちゃんは上手くできていたね。早苗ちゃんは手慣れているようにすいすいやっていたね
そんな事を思い浮かべていながらテーブルに座っているとアリスが人形作りで必要なものをテーブルの上に置いた。針に糸に綿など本当にたくさんある
それからアリスが人形を僕にお手本として1つ作った。手際が良く、猫が1時間ほどで完成した
「まあこんな感じよ。口で説明してもピンとこないと思うから実際にやったほうがいいと思うわ」
「なるほど。つまり、聞くより慣れろって事だね」
「………そうね」
そうと決まれば早速作って行くよ。まずは針の穴に糸を通す。いつもは10回なんて普通。酷ければ早苗ちゃんか昏御ちゃんにやってもらっていたけれど今回は一回で通った
「最初はやっぱり早苗ちゃんっと」
頭の中で早苗ちゃんを思い浮かべながらすいすいと縫って行く
「早いわね。初心者とは思えないくらいよ。夢華って何をやっても器用よね」
「そうかな?僕はみんなの中では一番遅かったかな」
「そうだ。夢華の外の世界の友達ってどんな人が居るの?」
「うーん。なんて言えばま良いかな?神綺にも聞いた方が早いと思うね。でも、一言で言えば個性豊かでみんな良い人だって事かな」
僕からしてのみんなの印象だから他にも知っている人に聞いた方がいいと思うね
そんな感じで世間話と言えば良いのかよく分からないけどしばらくしたら早苗ちゃん人形が出来た
「さて、早苗ちゃん(人形)が出来たけどどうかな?似てる?」
「えぇ似ているわよ。完璧と言えるほどに……いつも早苗を見ているのね」
「そうだね。幼馴染で去年の秋から僕が幻想入りするまで毎日のように一緒にいたからね」
そう。とアリスは頷くと魔理沙の姿をした人形を手に持ち、縫い始める。凄くリアルで大きさを除けば魔理沙に見える
「アリスも魔理沙の事をちゃんも見てるんだね」
「ファッ!???!!いきなりどうしたのよ!」
「ん?アリスが今持っている人形が魔理沙そっくりだからちゃんと見てるんだな〜と思ったんだけど……違った?」
「い……いえ、そういうわけではないんだけどね?」
急に焦り出したアリスは手がブレまくって自分の手に刺さりそうになっていることに気づいていない。止めた方がいいのかわからないけど、落ち着くまで待つことにする。早苗ちゃんの次は神奈子さんと諏訪子さんかな〜
三十分程するとやっと落ち着きを取り戻したアリスは紅茶を一口飲むとちょうど完成した神奈子さん人形を見る
「30分で出来るのなら初心者なんて言えないわね」
「そうかな?慣れれば案外簡単に出来るよ。この調子だと神綺もできるね」
神綺、という人(?)名が出てきた時にアリスの家の玄関のドアが開く
顔をのぞかせたのは魔界の神様の神綺。噂をすればなんとやら
「お邪魔するわよアリスちゃんー。この匂いは夢華くんの……!夢華くーーーーん」
「サラッと回避」
玄関を開けてから僕まで飛んでくるまで約2秒。このままでは激突は確実なので体を横に倒して回避する。神綺はそのまま後ろの壁に激突してズルズルと床まで落ちる
「久しぶりだね、神綺」
「久しぶりね〜。夢華くんが魔界になかなかこないから暇で暇でカブトを全部観ちゃったわよ」
「カブトを?夢子に怒られなかったの?」
「夢子ちゃんも横で観ていたわよ〜。後はサラも居たわね」
「みんな元気そうだね〜」
床に落ちた神綺は何事をなかったように起き上がり、僕と話す
魔界にテレビとかDVDとかあったんだ。カブトを観たって事は平成は全部ありそう……なんか急激に行きたくなってきた…
「ところで今2人とも何やっているの?見たところ人形を作るものを一式あるみたいだけど」
「まさにその通りよ。夢華が人形作りをやってみたいって言っていたから2週間前に誘ったのよ」
「まさかアリスちゃんも夢華くんを!?ふふふ……負けないわよアリスちゃん……!」
(なんの勝負だろう?人形の完成度?)
2人の会話の意味を理解できずに手を動かしていると諏訪子さん人形が完成した。まだ話している2人の手は着実に今作っている人形が完成に近づいている
……神綺も作り始めたんだ。目にも止まらない速さで人形が形作られていっている
それから3時間。3人で(途中で魔理沙が来たけれど、人形作りはできないとかで本を
「そろそろかしらね」
「そうだね〜。私としてはたくさん作ることができたから満足よ〜」
「夢華はどう?」
「ちょっと待って。あと1つ作りたいから」
「分かったわ」
それからしばらく静かに黙って作業をする。針をゆっつりゆっくりと、進める
背中まである長い青い髪、黄色の瞳。窓辺に座って読書が似合っていそうな雰囲気を出す人形ができたと思う
「夢華。その子は誰なの?」
「…………一ヶ月くらい前に僕を助けてくれた友達」
「……そう…」
僕が簡潔にモデルの子の説明をする
思い出すと切なくて、悲しくて、泣き出しそうになってくる
「それじゃあ夢華は、自分で作った人形を魔力で操ってみて」
「え?うん。…………イメージとしてはどんな感じなの?」
アリスが僕の心中を察してくれたのか二回手を叩く。僕はすぐにアリスの方を向く
アリスは完全自律人形?を作ることを目標としているんだっけかな?同じ魔法使いとして参考になることがあると思ったのかな?
一度操ってみようとするが魔力をどういう風に使えばいいのかイメージがよくわからない。弾幕をどんな形にして放つとか、スペカでイメージを必要とするのと同じだと思っている
「そうね。私は指先から魔力の糸を人形に伸ばすイメージね。まあそれは人それぞれだから夢華にあったやり方があると思うけどね」
「糸……糸か…こんな感じかな?」
指先からすごく細かい魔力の糸のイメージを人形に伸ばす
指先から伸びている僕の魔力の糸が人形に当たった。すると、人形の手が動く
「あれ?動いた?」
「じゃあ夢華は人形を動かすイメージをして。そうすればその通りに動くわ」
「え?じゃあオーズの変身を………おお〜やった!」
オーズドライバーにコアメダルを入れて斜めに傾けて右にある円状物を傾いた上から下に動かす
「こんな感じたんだね。じゃあこんな事もできるかな?」
「踊り出したんだけど……ねぇなんで踊り出したの!?」
「思ったよりも簡単なんだね」
少し面白くなって来たので早苗ちゃんが幻想郷に行っちゃったあとに絢斗君たちと鎧武であったダンスを朝から晩までスマホをもって練習したことがあったことを思い出し、人形でもやってみたくなったからだね
その後、作った人形のほとんどはアリスの家に預けることになった。守矢神社でお世話になっている3人の人形と、僕を助けてくれた友達の人形を持ち帰った。人形に僕の魔力が少し残っている
絢斗「最後に夢華が作っていた人形って…」
そうですね。貴方なら分かるでしょう
絢斗「まだ考えているのか夢華は…」
この話はこれで終わりにしません?暗い感じのまま終わりたくないんですが
絢斗「おっそうだな。次はどうするんだ?」
次は人里ですね
ではまた次回!