東方現幻夢   作:カミユ

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絢斗、昏御、蓮舞、夢華、早苗、カミユ「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願います!」

今回は夢華が早苗達と出会ってから一年後です。つまり4歳です。え?飛びすぎだって?僕もそう思います!だがやめられない
蓮舞「お前ではこれが限界なんだな」
そうです
蓮舞「もう話す事がなくなったんだな」
そうです(2回目)では、
蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


第21話 二人の博麗の巫女候補者

 Side 夢華

 

 今、ぼくは知らない道を歩いている。

 早苗ちゃん達と会ってからなにこれ一年が経った。この一年の間に神様の事をたくさん神奈子さんと諏訪子さんから聴いた。

 

「ん〜どこだろう…ここは…」

 

 周りをキョロキョロ見てみるけどやっぱり知らない家や塀しかない。試しに元の道に戻ってみても何故か戻ることができない。

 

「これはまさか……隣町まで来ちゃったのかな?」

 

 知らない道を歩いてから戻ろうとしても何処かで間違えたとしか言えない

 

「道を間違えた………どうしよう。隣町の道なんてわかんないよ」

 

 と、こうなってしまったら近くにいる人に訊けばいい。周りをまたキョロキョロ見てみる。しかし人が見当たらない。

 

「え?人が居ない?」

 

 もう一度見てみるが誰も居ない。そして、あることに気づいた

 

「そもそも歩いている時に人がいたっけ?」

 

 今まで歩いている時に人どころか猫や犬も見ていない気がする。というか鳥の声も聴こえない

 

「どうしよう。とにかく突き進めばいいのかな?でもそうすると更に迷うし、でもこのまま戻っても更に迷うし、どうしよう」

 

 お母さんだったらどうするんだろうな。と、考えていると道の先に光の塊みたいなものが浮いているのに気づいた

 

「光みたいなものについて行けばいいのかな?」

 

 そう思い光の塊みたいなものについて行く

 光の塊は届きそうで届かない位置でぼくを先導して行く

 

「ねぇねぇ君って何で浮いているの?ていうか喋れるの?」

 

 返事が返ってこない。ただの光の塊みたいだ。

 

「どこまで行くの〜?ねぇ。出来れば此処はどこかを教えて欲しいな〜喋ることはできなくても何かしらでこみゅにけーしょん?はできるでしょ〜?」

 

 何度も問いかけるが反応をしてくれない。ならば仕方がない。黙って歩くしかないね

 しばらく歩いて行くと光の塊が消えた。

 

「消えた…だと……」

 

 少し驚き、その場で立っていると目の前に赤い鳥居と奥にある少し古めかしい神社が見えた。鳥居には奥にある古めかしい神社の名前が書かれている

 

「あれは……なんて読むんだろう?はく…何とか神社……あれ?何処かで見たことがあるような?」

 

 あの字…いや、名前を何処かで見たことがあるような………思い出した!

 

「博麗神社!お母さんが言っていた名前だ!」

 

 神社の名前を知ることが出来たから行くのかどうかは別だ。

 周りを見てみると近くには家があって、来た道を見てみると白い霧?があって先が見えない

 

「つまりは博麗神社に行けという事かな?」

 

 鳥居の近くまで移動する

 

「入っていいのかな?中に人が居たら迷った事を言えばいいし…」

 

 鳥居をくぐる前に後ろを振り向くけど白い霧?で視界が悪い

 

「良し!ウェェェェェェェェェェイ」

 

 覚悟を決め、剣(ブレイド)のオンドゥル語を叫びながら鳥居をくぐる

 鳥居をくぐった先には…

 

「あれ?古めかしい神社が綺麗な神社になってる」

 

 鳥居をくぐる前に見た神社は古めかしい感じがしたが、鳥居をくぐった先は建てたばかりの神社がある

 

「……………何これ。どういう事?」

 

 ありえない出来事に頭が追いつかない。その時…

 

「あんた誰?」

「妖怪じゃないよね?」

 

 頭に赤いリボンをつけた女の子が神社の襖から出てきた。そういえば今は何時だろう?

 

「(妖怪?まあいいや)ぼくは上殊 夢華。えっと?」

「私は博麗 霊夢」

「私は博麗 霊歌(はくれい れいか)。よろしく夢華」

「霊夢ちゃんに、霊歌ちゃんね。よろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

 私は博麗の巫女の候補者である霊歌と神社の中で二人でお茶を飲んでいたら急に博麗神社の周りに張ってある結界が歪んだのを感じた

 

「霊歌!」

「分かってる!鳥居のところにいるよ!この魔力の量は妖怪かも!」

 

 霊歌も気づいたようですぐに立ち上がり襖を開け、境内の方を見る。そこには驚いている様子の紫髪で青い瞳の女の子が立っていた。多分私たちと同じくらいだから4歳だろうか

 

「あんた誰?」

「妖怪じゃないよね?」

 

 見た目は人間だけどとてつもない魔力で霊歌が思わず言う。しかし、女の子は『妖怪』という単語に対して分からないような仕草をする。その行動には嘘や演技ではないということが分かる

 

「ぼくは上殊 夢華。えっと?」

「私は博麗 霊夢」

「私は博麗 霊歌。よろしく夢華」

「霊夢ちゃんに、霊歌ちゃんね。よろしく!」

 

 夢華は演技ではない事が霊歌にも伝わったようで警戒心は解いている。私はまだ少しあるけど

 

「ところで、二人はここで何をやっているの?」

 

 当然な問いをしてきた。これは素直に答えればいいのか…

 

「私たちは博麗の巫女の修行をしているの。私たちの二人以外にお師匠様が居るんだけど、お師匠様は用事があるから今は居ないわ」

「へぇ修行か〜」

 

 幻想郷の事は伏せておく。夢華は『修行』という単語に反応する

 

「どんな修行をしているの?」

「今は結界だけよ」

「あのさ、立ち話も何だし中に入らない?お茶を淹れるわ」

「それもそうね。夢華ちゃん入りなよ」

「じゃあお邪魔しま〜す」

 

 霊歌と夢華が神社の客室に入ると同時に夢華が使う茶碗を持ってくる。夢華と霊歌が座ると茶碗にお茶を淹れる

 

「いただきます。美味しい」

「ありがとう。で、夢華はどうやってここまで来たの?」

「う〜ん……なんて言えばいいのかな?家を出て歩いていたら迷って気づいたら誰も居なくて白い霧みたいなもので先が見えない道に居たんだよ。それでおかしいと思って戻ってみても更に分からなくなってそこに立っていたら光の塊みたいなものが浮いていたからそれについて行ったら博麗神社の鳥居が見えた。こんな感じかな〜」

 

 夢華の話を聞いて霊歌は俯いて考えている。まあ分からなくはないけどね。はっきり言って突拍子も無い話だとは思う

 

「それでここに来たの?」

「まあそれ以外に何もなかったからね〜でさ、ここって何市?」

「そうね。ここは隔離されているから…………外に出れば××市だよ」

「じゃあ隣町か………歩いて行けるかな?」

 

 外に出れば隣町からは近い距離にあるから道さえ覚えていれば大丈夫だと思う

 

「そうだ!夢華ちゃん。このお札投げてみて!」

「?このお札は?」

「これは博麗の巫女の素質を持っている人しか使えないお札だよ。もしかしたら夢華ちゃんも素質があるかもしれないよ!」

「うん。やってみるよ」

「やるなら境内でね」

 

 二人は境内に出る。私は中から外を見ている。それよりも早くお師匠様が帰って来て欲しいと思っている。さっき夢華が来た時に結界が揺らいだ。今の結界だったら力の弱い妖怪は大丈夫だが、力の強い妖怪だと不安がある

 

「ん〜まっすぐ飛ばなかったな〜」

「じゃあ夢華は素質は無いのか〜でもすごい魔力量なんだけどな〜」

「魔力?何それ?」

「え!?知らないの?」

「お母さんの本で読んだ事があるような気がするんだけどイマイチ理解してないんだよね」

 

 夢華が投げたお札は投げた瞬間に落ちた。まあ何となく無いような気はしてたんだけどね

 それよりも夢華のお母さんの本の事が気になる。オカルトにハマっているだけの人の可能性もあるけど私の勘で違うと思う

 

「魔力っていうのは…」

 

 霊歌が魔力について説明していると結界が夢華の時よりも大きく揺らいだ。と、同時に凄まじい量の妖力を感じる。恐らく強い力を持った妖怪が来た。更にざっと5個の妖力を感じる。まさか集団で攻めて来た!?

 

「霊歌!」

「お兄さん後ろにいる人?達は〜?」

「おやおや、博麗の巫女だけかと思っていましたが人間の子供までいるとは…これは幸運だ」

「夢華ちゃん下がって!コイツら妖怪よ!」

「妖怪?妖怪って何?あのお兄さんの後ろにいる人?達は見るからに人間じゃ無いと思うけど」

「あのお兄さんは妖怪で人を襲う悪い奴等よ」

「妖怪って全員が悪い奴なの?」

「いえ、一部例外がいるわ」

 

 紫とか…

 妖怪達のリーダーみたいな金髪ロングの奴は後ろにいる妖怪よりも桁違いに強い…私と霊歌だけじゃ無理ね。それに夢華を守りながら……最悪なパターンは夢華が人質になること…そうなると手出しできない…

 

「さて、ではあの人間の子供を捕らえなさい」

 

 リーダーが指示すると一体の妖怪が「グォォォォォォ!」と叫びながら夢華に向かって走り出す

 

「「させない!」」

 

 私と霊歌が同時にお札を投げ、妖怪に当たる。妖怪の足が止まる

 

「とりゃあ!」

「「「え?」」」

 

 妖怪が足を止めて時に夢華の声とともに弾丸のように夢華が妖怪めがけて跳んだ。そのまま妖怪の顔に足がめり込みグシャアという音が鳴る。突然の出来事に夢華と蹴られた妖怪以外の全員は口を開けている。蹴られた妖怪は顔を抑え、悶絶している

 

「あれ?爆発しない。何で?」

 

 夢華は妖怪を特撮に出てくる怪物か何かと勘違いをしているのかものすごくずれたことを呟く

 

「どうやらただの人間の子供ではないみたいですね。よっと…いきなり石を投げないでほしいですね」

「躱されちゃったけど後ろの妖怪には当たったみたいだね」

 

 リーダーが夢華の投げた石を躱すと後ろに居た妖怪に当たる。石を見たら魔力が纏っていた。夢華は魔力のことを知らないと言っていたから無意識のうちにやっていたのか…

 

「人間の子供も殺しなさい!」

 

 リーダーの合図で悶絶していた妖怪も起き上がり、リーダー以外の妖怪がこちらに向かってくる

 

「霊夢ちゃん!霊歌ちゃん!頑張るか!」

「やってやるわよ〜!」

「行くわよ!」

 

 夢華と一緒なら勝てる。そんな希望を持ち、人間の子供三人と妖怪六人の戦いが始まった




4歳の霊夢が出て来ましたね。そしてオリキャラの霊歌も出て来ましたね。
蓮舞「流れ的に次回は戦闘回だな」
そうなります。4歳の時から妖怪と戦うなんて…
蓮舞「それは夢華のセリフだぞ」

ではまた次回!
蓮舞(逃げた…)

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