東方現幻夢   作:カミユ

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編集中に感想をいただきました。ありがとうございます!
前回 不幸な目に遭った夢華。それを見ていた青年。今回は題名通りです
では本編へどうぞ


第13話 博麗の巫女と弾幕ごっこ

 Side 夢華

 

 現在、先ほどの不幸な出来事から約10分。少しスピードを落として飛行している。というか

 

「博麗神社ってこの方向であってるよね?」

 

 若干迷っていた。でもこういう時にはあの人に聞けば方向は絶対にわかるよね

 

「文さん。博麗神社の方向はこっちであってますよね?」

「あやややや〜バレてますか〜」

 

 下の木の陰からカメラを片手に文さんが出て来た。毎日のように気配を感じるんだけど…

 

「博麗神社はこの方向であってますよ。博麗神社にはどのようなご用件で?」

「紫さんは博麗神社に居ると思ってね」

「ん〜紫さんは神出鬼没なんですよね…霊夢さんに頼めば良いと思いますよ」

「ありがとうございます」

 

 ゆっくり飛行しながら博麗神社に向かう。当然のように文さんが付いてくる

 

 それから10分くらいで目的地の博麗神社に着いた。

 

「久しぶり…と言ってもだいたい3日ぶりかな?」

「霊夢さーん!居ますかー?」

 

 文さんが霊夢さんを呼ぶ。本当は僕がやらなきゃいけないんだけどね。助かりました

 文さんの言葉の後に神社の中から音も無く襖が開いた

 

「どうしたのだー?」

 

 何故かルーミアちゃんが出てきた。なんで?

 

「え…と、ルーミアちゃんなんで博麗神社に居るの?」

「夢華久しぶりなのだー。今霊夢は人里に買い物に行ったのだー」

「久しぶり。そうなんだ。それまで待とうかな」

「お茶を出すのだー」

 

 そう言ってルーミアちゃんは神社の中に入っていった。僕と文さんは縁側に座る

 

「ところで夢華さんは具体的に紫さんにどのようなご用なんですか?」

「2日前に人里の子供が妖怪の山に入った事件ありましたよね」

「ありましたね。椛が不思議がっていましたよ。どうやって私の監視を逃れてあそこまでこれなのか。と」

 

 確かに言っていた気がする。椛ちゃん苦労人だね

 

「それでさっきどこからか巨人が4体出てきたんですよ。椛ちゃんから巨人は幻想郷には居ないみたいですし…」

 

 萃香ちゃんは能力でどうにかできるみたいだけどね

 

「確かに私も長く幻想郷に居ますが巨人は見たことがありませんね」

「その巨人が外の世界でマンガで登場するキャラだったんだよ」

「ということはその世界から幻想郷に送ることができる人物ということですね」

 

 文さんがどんどん行っていく

 

「そうです。それでそのようなことができる人物を早苗ちゃんたちに聞いたら紫さんと言ったので。まあ紫さんがその巨人とかを送る理由が無いと思うので紫さんが犯人ではないと思っていますが」

「お待たせなのだー」

 

 と、僕が言い終わるのと同時にルーミアちゃんがお茶を持ってきてくれた。この感じだと博麗神社のものの位置がどこに何があるかわかっていそうだな

 

「なんの話をしていたのだー?」

「2日前に人里の子供が妖怪の山に行った事件あったでしょ?その話だよ」

「そうなのかー」

「そーなのだー」

 

 それからルーミアちゃんと談笑をする

 

「霊夢が来たのだー」

 

 ルーミアちゃんが気づく。

 

「あら夢華久しぶりね。どうしたの?」

「久しぶり霊夢。今日は紫さんに会いたいんだよ。でもどこに居るか分からないから霊夢なら知ってるかなと」

「紫?あいつだったら…」

「あら呼んだ?」

 

 霊夢が何かを言い終わる前に目の前にスキマ(と呼ばれる空間?)から紫さんが出てきた

 

「さっきからそこに居たのですか?」

「えぇ居たわよ」

 

 全く分からなかった…紫さんの【境界を操る程度の能力】便利だな〜

 

「じゃあ分かりますよね。心当たりありますか?」

「私が犯人じゃないと思ってくれるのはありがたいわね。霊夢なんてすぐに私を疑ったわよ」

「そりゃあ人里から妖怪の山までの移動なんてアンタぐらいじゃない」

「そうなのよねぇ。私には心当たりないわ」

「そうですか…」

 

 本当にどうしよう。紫さんなら知っていると思ったのになぁ

 

「この話はここまでにして。霊夢、夢華と弾幕ごっこやりなさい」

「「え(は)?」」

 

 僕と霊夢が同時に言った。なにを言っているんだこの人は

 

「なんで夢華と弾幕ごっこやらなきゃいけないわけ!?」

「話を聞きにきただけなのに」

「これはスクープですよ!」

「見てみたいのだー」

「霊夢と夢華の弾幕ごっこ観たい人〜」

 

 紫さんの言葉で「はーい(なのだー)」と文さんとルーミアちゃんが手を挙げた。3対2になってしまった。

 

「ウソダドンドコドーン」

 

 雪山で長袖パーカーで言いたい

 

「なんで夢華と弾幕ごっこなのよ!」

「夢華は弾幕ごっこ初心者だしいいじゃない。魔理沙たおしたのよ」

「魔理沙に勝てるなら初心者じゃないわよ!」

「でも回数的には一回なんだよね」

 

 魔理沙の時(6話)だけなんだよね。やったの

 

「霊夢いいじゃない。夢華の実力が分かるわよ」

「分かってるわよ!魔理沙を弾幕ごっこで勝って、美鈴と咲夜相手に圧勝、フランには能力を使わずに勝っているのよ。強いどころじゃないわよ」

「だからこそ霊夢との弾幕ごっこを見たいのよ」

 

 話し合いが終わらない。僕はさっき爆発に巻き込まれたからやりたくない

 

「なんだったら今からアンタを退治するわよ!」

「キャー助けて夢華ー」

「嫌です」

 

 慈悲なんて無い。そして二人は僕と文さん、ルーミアちゃんを置いて話し合った。

 

「で、結局霊夢は夢華に負けるのが怖いの?」

「は?なに言ってるのよ」

「霊夢は幻想郷最強だもんね〜最強の座を取られるかもしれないわね〜」

「ぐ…ムカつく。分かったわよ!やればいいんでしょ!やれば!」

「というわけで頑張ってね〜」

「拒否権は?」

「無いわよ」

 

 この流れ嫌だ…いつのまにか紫さんは縁側に座っている。

 

「行くわよ!」

「頑張りますかー(諦め)」

 

 はっきり言ってやりたくない。拒否権がないから仕方がない

 僕と霊夢は空中に飛ぶ。僕の場合は魔法陣の上に立っているが正しいけど

 

「ルールはスペカの使用枚数は無制限、一回撃沈したら負けよ。では」

 

「「「よーい、始め(なのだー)」」」

 

 見学組の三人が開始の合図をする。と同時に弾幕を展開する

 

「はっ!」

「そいっと」

 

 霊夢はお札を投げる。それを横に跳び回避する(魔法陣の上で移動)。

 

「甘いわよ!」

「え?うわっ!」

 

 さっきのお札がUターンした。

 

「追尾機能付き?」

 

 そのお札を横に大きく動き回避する。しかしまだそのお札は追尾してくる

 

「仕方ない」

 

 火の弾幕で打ち消す

 

「次よ!霊符 夢想封印!」

 

 霊夢がスペカを唱えると周りに色とりみどりの弾幕が現れ、飛んでくる

 

「これは相殺しないどやばいかな〜。氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 夢想封印と霊夢を囲むように炎と氷が網みたくなるように展開する。夢想封印と網が当たり、夢想封印の弾幕が4個炸裂し、残りが迫ってくるがそれほど回避は難しくないので避ける

 

「やるじゃない」

「それはどうも」

 

 霊夢も囲んでいた網をかけ終わったみたいだ。そして僕と霊夢は動きながら弾幕を放ち続ける。お互いスペカのタイミングを図っているのだろう

 

 このままでは終わらないからこっちから動いた。

 

「疾符 疾風迅雷!」

 

 霊夢の周りにたくさんの魔法陣を展開する。今乗っている魔法陣から別の魔法陣まで移動する。その魔法陣を踏み台にまた別の魔法陣まで移動するを繰り返す(加速付き)。魔法陣からは小さな弾幕がばらまかれる

 

「何これ!?」

 

 霊夢が何とか避けている

 

「チッ!夢符 二重結界!」

 

 霊夢が結界を張る。結界に弾幕が当たるも割ることができない

 

「そこっ!」

「うわっ!」

 

 危なかった。もう少しで霊夢のお札に当たるところだった(お札は弾幕で打ち消し済み)。この速度で軌道を読んで攻撃するなんて凄いな

 それからしばらく同じことを繰り返し、時間切れになる

 

「危なかった。凄いね!あの速度で狙って攻撃するなんて」

「博麗の巫女をなめないで!これくらいの事なんて当たり前よ!」

 

 疾風迅雷では無理なのか…じゃあ

 

「風雷 落雷と竜巻の二重災害」

「こっちも!霊符 夢想封印 散」

 

 霊夢の十字の位置に四つの竜巻が発生、竜巻からは弾幕が飛んでいき、霊夢に向かって行く。上空には魔法陣が展開され雷型の弾幕が落ちる。

 霊夢の夢想封印 散は色とりどりの弾幕が現れ、竜巻に当たる。当たった瞬間に炸裂し、中から弾幕が出てくる。しかしそれでも竜巻を消すことはできなかった

 

「嘘!?打ち消せないなんて!なんて威力よ!」

 

 文句を言いながら弾幕を避け続ける

 

「〜時間切れ…早いな〜」

「油断大敵よ!霊符 夢想封印 集!」

 

 次は色とりどりの弾幕が一点に集中して襲いかかる

 

「次は集中型か…」

 

 一点に集中した弾幕を高度を上げ避ける

 

「お返し!」

 

 右手に炎の刀を作る

 

「翔符 飛翔斬撃」

 

 そのまま真横に振るう。炎を纏った斬撃が霊夢に向かって飛んで行く

 

「甘いわよ!」

 

 霊夢は少し後ろに下がり回避する

 

「これで終わらせる!夢想天生!」

 

 霊夢が大量の弾幕を放つ。

 

「この量はヤバイ」

 

 全て避けられないほど弾幕…どうしよう

 

「仕方がない…破砲 破壊光線!」

 

 目の前に魔法陣を展開させ、そこから高出力のレーザーが霊夢に向かって行く。周りの弾幕を打ち消しながら霊夢を通過する

 

「勝ったかな?」

 

 しかしまだ弾幕が飛んで来る

 

「嘘!結界 五重結界!」

 

 結界を展開する。しかしそれでも弾幕の数が多くすぐに結界を破壊する

 

「さっきの破壊光線は直撃したはず…なのにまだ終わってない。ということは無敵状態?」

 

 もしそうだったら時間切れを狙うしかない…か。魔法陣からヘッドフォンを取り出す

 

「だったら【炎上モード】しかないでしょ」

 

 ヘッドフォンを装着する。その瞬間に炎を纏う

 

「炎魔法 爆熱大車輪!」

 

 直径五メートル程の炎の車輪を10個作る。上に3個、霊夢に3個、周りに4個投げた。車輪が弾幕に当たった瞬間に大爆発が起こる。爆発で大体の弾幕を燃やした

 

「まだよ!」

 

 弾幕が燃えてもまだ夢想天生は終わっていない。大量の弾幕が追加される

 

「甘いよ」

 

 上に車輪を投げた時にフランちゃんの時みたいに移動用の魔法陣を設置していた。すぐにそこへ移動する。さっきまで僕がいた場所には弾幕が飛んでいた。あそこにいたら負けていたかも

 

「炎魔法 爆炎ガトリング!」

 

 上空に直径五十メートル程の魔法陣を展開する。さらに魔法陣からガトリング砲並みに炎の弾幕が霊夢に降り注ぐ。霊夢の弾幕にぶつかりほぼ燃やした

 

「このタイミングで!」

 

 たった今夢想天生が終わった。

 

「クッ!」

 

 霊夢はなんとか避けながら弾幕を放つが炎に包まれる

 

「炎魔法 吸炎!」

 

 ガトリングをやめ、周りにある炎を上空の魔法陣に集める。そして霊夢と僕のあいだに一直線にいくつもの魔法陣をセットする。さらに霊夢と僕を包み込むように炎を操る。

 

「来なさい!」

 

 霊夢が叫ぶのと同時に炎が集まった。

 

「これで決まりだ!炎魔法 炎竜の息吹!」

 

 上空の魔法陣から竜の頭が出て、巨大な炎の球を放つ。炎の球は僕を包み込み、そのまま右脚を前に出し、左脚を右膝の横にあて、魔法陣を通過して行く

 

「神技 八方鬼縛陣!」

 

 霊夢の大量の弾幕が僕に殺到する

 

「せいやーーーーーーーーーーー!」

「はあああああああああああああ!」

 

 霊夢の弾幕と僕の蹴りが拮抗する。少しでも気を緩めたら押し負ける。

 

「炎魔法 爆炎ブースト!」

 

 背中に炎の爆発を起こしさらに加速する。そして霊夢の弾幕を通過する

 

「かかった!」

 

 霊夢は予期していたのかすぐに横に移動し、蹴りを回避する

 

「詰めが甘い!」

 

 僕は霊夢が何となく避けるだろうと思い、霊夢のいた位置に魔法陣をセットしておいた。ヘッドフォンを外し、セットしておいた魔法陣を踏み霊夢に向かって跳ぶ

 

「符の壱 夢想妙珠連!」「打撃 一発入魂!」

 

 魔力が纏った僕の拳と、霊夢のスペカがほぼ同時に当たる。そのまま二人してピチューンという音が鳴った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 文

 

 夢華さんと霊夢さんの弾幕ごっこが引き分けという結果で終わった

 

「終了ね」

 

 隣に座っている紫さんが呟くと落下している二人がスキマに入る。紫さんに霊夢さん、私に夢華さんが降ってくる

 

「ちょっ!何でいきなり」

「二人共疲れているのよ?休ませてあげないとね。ルーミア二つほど布団敷いといて」

「分かったのだー」

 

 紫さんの妖艶な笑みに納得した。夢華さんは不幸な出来事&爆破オチで(恐らく回復魔法で治していると思うが)本当は傷だらけで疲れているのだ。その状態で霊夢さんと引き分けとは…

 

「しかしこの魔力どこかで感じた…いや、見たことがある?」

やっぱり忘れているのね( )

「どうしまいました?」

「いえ、何でもないわよ」

 

 忘れている?何をだろう。

 

「敷いたのだー」

「ありがとう。じゃあ二人を運ぶわよ」

「分かりました」

 

 私達は二人を運ぶ。夢華さんを持ち上げるが…

 

「軽すぎる」

 

 私は妖怪だから人間基準で重たいものでも普通に持てるが、夢華さんは軽すぎる。綿みたいだ。

 

「さて、二人を寝かしたし、『上殊』という姓を思い出す…いや調べれば忘れていることも思い出せるかもね」

「上殊…夢華さんの姓ですね。分かりました」

「じゃあ私は帰るから二人のことお願いね〜」

 

 それだけ言うと紫さんはスキマの中に入っていった

 

「上殊……あれ?本当に聞いたことが…ある?」

 

 ふと、無意識のうちに寝息を立てている夢華さんを見る。紫髪で青い瞳…レ…

 

「二人が起きるまで暇なのだー」

 

 何かを思い出す寸前でルーミアさんが声をかけてくる。そのせいで忘れてしまった

 

「そうですね。私はこの事を明日の記事にしますからまとめておこうかと思います」

「そーなのかー」

 

 忘れてしまった事はまた後で思い出そう。

 もう一度夢華さんの方を見る。

 

「記念に一枚撮っておきますか」

 

 パシャリと二人の寝顔を写真に収める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 紫

 

 二人を文に任せてスキマに入る

 

「まさか霊夢相手に引き分けるとはね。やっぱり貴女の子供ね。面影もあるし」

「お帰りなさいませ紫様」

「ただいま藍」

 

 私を出迎えたのは式神の八雲 藍(やくも らん)。私の従者だ。とても頼りになるしっかり者。

 

「夢華と言いましたか。彼は本当に人間なのですか?」

「えぇ人間よ。あの魔力量は凄まじいけどね」

「あの弾幕ごっこ本気出していたのでしょうか」

「それは分からないわ」

 

 彼が理性を保って能力を使っている事が救いね。普通あんな量の魔力と、強力すぎる能力を持っていたら理性なんて保てなくて暴走しているかもしれない。これは彼の性格のおかげか、それとも

 

「あなたのおかげかしらね。レイア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の文々。新聞では夢華と霊夢の弾幕ごっこが記事になっていた。記事の内容は

 

 手負いの上殊 夢華と博麗 霊夢、弾幕ごっこで引き分け!?

 博麗 霊夢『夢想天生』を使うも【炎上モード】の上殊 夢華によりブレイクされ炎に包まれる!(写真あり)その後、炎の中で何が起こったのかは分からないが炎が消えた時には弾幕ごっこは終わっていた。本人達曰く「八方鬼縛陣…だっけ?あれを突破した時に【炎上モード】を解除してスペカ使ったんだけど霊夢も同じ瞬間に発動したみたいで相打ちになった」と、言っている。弾幕ごっこが終わると二人は気絶してしまった。寝顔写真あり

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「写真撮られたのか。まあ良いけど」

 

 僕は神奈子さんが持っていた文々。新聞を貸してもらい読んでいた。

 手負い?あーにとりの爆発の事かな?あれだったら回復魔法使ってたからあまり問題なかったんだけどね

 と、そんな事を思っていると外から霊夢の怒声と文さんの悲鳴、その後ピチューンと音が鳴る

 

「まあ自業自得…かな」

 

 新聞を畳み神奈子さんに返す

 

「できれば爆発にはもう巻き込まれたくないな〜」




霊夢とは引き分けで終わりました。何となく引き分けも良いなと思ったのでこうなりました
レイアとは後々分かります

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