東方現幻夢   作:カミユ

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今回は紅魔館に住んでいる人(?)が全員出ます



第10話 紅魔館の主人と新しい魔法

 Side 夢華

 

「ようこそ紅魔館へ」

 

 咲夜さんが言う。

 

「お邪魔しま〜す」

「お邪魔します」

 

 咲夜さんの後に続き僕と早苗ちゃんが入る

 

「広い…」

 

 紅魔館のロビーがとても広い。

 そして外装も紅いけど内装も紅い。

 

「こちらです」

 

 周りを見回していると咲夜さんが二階へ続く階段まで歩こうとしている

 

「あ…はい」

 

 急いで咲夜さんの後に続く。

 

「そういえば紅魔館の主人は吸血鬼って本当ですか?」

「えぇ本当です。お嬢様は500年生きた立派な吸血鬼です」

「そうなんですか」

 

 吸血鬼は初めてだから楽しみだな〜。あれ?この感じどこかで…?

 咲夜さんについて行くと妖精のメイドさんが道の角からこちらを覗いているのが分かる

 しばらく歩いているとある部屋の前まで来た。

 

「こちらが客室です」

 

 どうやらここが客室のようだ。紅魔館の主人はどんな人なんだろう。吸血鬼を人と呼ぶかはよく分からないけどね

 咲夜さんがドアを三回ノックする。ノックが二回だとトイレとからしい。

 

「入って良いわよ」

 

 と部屋の中から幼い声が聞こえてくる。

 咲夜さんは扉を外側に開いて先に入ってドアの横に立つ。

 部屋の中は中央にテーブルがあり、椅子が8つある。

 

「ようこそ紅魔館へ。私は紅魔館の主人、レミリア・スカーレットよ」

 

 さっきの声と同じだ。僕と同じくらいの長さの紫髪で紅い瞳、背中から本で見たことのあるような吸血鬼の翼が生えている見た目10歳前後の女の子が椅子に座っていた。人を惹きつけるようなオーラ?を醸し出している。確かこういうのをカリスマって言うんだっけ?

 別の椅子にパジャマ姿で紫髪が腰くらいまで伸びている人(魔法使い?)が本を読んでいる

 

「椅子に座っていいわよ」

 

 レミリアちゃんに言われて部屋に入っていないのに気がつく。

 

「そうだった。忘れてた」

「夢華くん?どうしました?」

「大丈夫だよ」

 

 部屋の中に入って椅子に座る。隣に早苗ちゃんが座る

 

「自己紹介してなかったね。僕は上殊 夢華よろしく」

「私はパチュリー・ノーレッチよ。大図書館の管理者よ」

 

 パチュリーさん(パジャマ姿の人)は図書館の管理者か。だから本持っているのかな?

 

「貴方の事は聞いているわ。三年前に早苗含めた六人で魔界に行き、魔界の神様と戦った。そして突然幻想入りした外来人で、すぐに妹紅を倒した。魔界の神様とも知り合い。次の日に鬼の萃香を倒した」

 

 スラスラと僕の過去と幻想郷での行動を行っていくレミリアちゃん。いつのまにかテーブルに紅茶が人数分置いてある。咲夜さんが時を止めて用意したのかな?今はレミリアちゃんの後ろに居る

 レミリアちゃんの言葉に少し違和感があった

 

「待って、なんで魔界の事知ってるの?」

「それは…「パチュリー様〜終わりましたよ〜」」

「え?」

 

 早苗ちゃんの言葉の途中で誰かが部屋に入ってくる。この声は確か…

 

「あれ!?夢華くんですか!?お久しぶりですー!」

「あー!こあさん!久しぶり!」

 

 魔界に行った時に知り合った人…悪魔。本名は小悪魔だけど本人から「こあと呼んでください」て言われている

 というか魔界の人達とは多分全員知り合ってる。中で一番話したのが神綺。次に夢子。

 

「もしかしてさっきの音夢華くんですか?」

「多分そうだよ。咲夜さんと美鈴さんと戦ってたんだよ」

「え!?あの二人を相手に無事なんですか?」

「無事かどうかは分からないけど怪我はないよ。能力の反動で体が重いかな」

「何回使いましたか?」

「えっと…」

 

 骨折完治、一発入魂、重力操作、脚力強化、時間停止の計五回。スペカで四つの漢字が繋がっているのを使うと一回分にカウントされるみたい

 

「五回だね」

 

 僕が回数を言うとこあさんは驚いたように目を見開いた

 

「あとどれくらいで良くなりますか?」

 

 咲夜さんと美鈴さんの治療で30分くらいで、客室まで来るのに5分くらいだから…

 

「あと25分くらいかな?」

「そうですか。それまでは能力を使わないようにしてくださいね」

「そうするよ」

「こあ座りなさい」

「分かりました」

 

 パチュリーさんに言われてこあさんはパチュリーさんの隣に座る

 

「で、夢華。ここには図書館に用があるみたいだけどなんの本を読みたいの?」

 

 パチュリーさんに問われる

 

「その前に図書館に魔導書ってありますか?」

「大体の魔導書はあるわよ」

 

 良かった。無かったらどうしようかと思ったよ

 

「じゃあ『お酒に強くなる魔導書』ありますか?」

「「「「は?」」」」

 

 この場(咲夜さん除く)の全員が口が開いていた。少し面白い。

 

「いやさ、この前の僕の歓迎会の時にさ、僕すぐにダウンしちゃったからさ、もっと楽しみたいから……ってどうしたの?みんな鳩が豆鉄砲を食らったような顔してさ…」

 

 みんながポカンとしている

 

「え?そんな理由なんですか?」

 

 早苗ちゃんが控えめに問いかけて来る

 

「まああとはどんな本があるかとかもあるんだけどね」

「そ…そうなのね。じゃあ後で一緒に行きましょう」

「お願いします」

 

 パチュリーさんが苦笑いをしている。

 

「それじゃあそれまで夢華の事でも話してもらおうかしら」

 

 レミリアちゃんに言われて何を話そうか少し迷う

 

「レミリアちゃんは「待ちなさい!」…え?」

「え?じゃないわよ!私は気高き吸血鬼よ!」

「じゃあレミちゃん?」

「違うわよ!」

「え?リアちゃん?」

「わざとやっているでしょ!『ちゃん』付けしないで!レミリアで、呼び捨てで良いわよ!」

「分かったよレミリア」

「うー☆じゃあ…」

 

 さっきまでのカリスマはどこに行ったのやら、大声で叫ぶ。後にこれを『カリスマブレイク』だと早苗ちゃんから教えてもらった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レミリア

 

 今は私、夢華、早苗、パチェ、咲夜、こあが座っている(咲夜はさっきの戦闘で疲れていると思ったから)。

 さっきは驚いたわ。お酒に強くなる魔法を覚えるために来るなんて。確かに夢華の歓迎会の時に私たちが遅れて参加した時には酔いつぶれていたけれど…このことは置いておいて夢華に質問する

 

「夢華は外の世界ではどんな人だったの?」

「え?う〜ん…一般人?」

「は?嘘でしょ…」

 

 魔界の神様と戦って生き残っていたり、咲夜と美鈴と戦って息切れしていないし、桁違いの量の魔力を持っている人が一般人?何を言っているのかしら?

 

「何言っているんですか?神綺さんと同じくらい強い人が一般人なわけないじゃないですか…」

 

 早苗は私と同じ様なこと思っているわね

 

「ひどい言われようだな〜」

「それに夢華の周りには危ない人がたくさんいたんですから…」

「それは気になるわね」

 

 パチェが問う。私もだけど

 

「だって夢華くん数え切れないほど誘拐されそうになりましたよね?」

「え?いつだっけ?」

「私と一緒に出かけた時ですよ」

「そうだっけ?」

 

 二人は外でも仲が良いみたいね。というか…

 

「二人っていつもいますよね。魔界の時もそうでしたし。も、もしかして付き合っていますか?」

 

 ナイスこあ!私も思っていたのよ。何故か夢華の運命がモヤがかかっている様に分からないのよね…

 

「ち、ちちち違いますよ!私たちはまだそんな…(ボソボソ)」

「付き合うって何?」

「「「「え?」」」」

 

 早苗は明らかに混乱している。夢華のことが好きなのね。

 でも、夢華と早苗を除いて私たち四人がポカンとしている。

 

「付き合うって知らないの?」

「どういう意味?」

「そ…そうね…まあ…いずれ知るわよ」

「そうなんだ〜」

 

 マジか…これは早苗や神綺、あとこあが大変そうね…

 

「はっ!私は一体!」

「なんか小声で何か言っていたよ」

「そうなんですか…」

「夢華って見た目が女の子って言われない?」

「よく言われたよ〜」

 

 確かにこあから夢華のことを話していたから男だということは知っていたけれど、女の子にしか見えない。

 

「夢華くん、学校のコスプレ大会で優勝しましたよ。これが証拠写真です」

 

 早苗はポケットから長方形の機械(っていうんだっけ?)を少し操作してみんなに見える様にした。そこにはメイドの衣装を着た夢華がトロフィーを持っている姿がある

 

「懐かしいね〜」

「「「「………」」」」

 

 私たち四人が言葉が出ていない。何故か負けた様な気がしたわ…

 

「そうだ!美鈴さんも呼んでみんなで写真撮らない?」

 

 写真か…

 

「そうだ。兄弟いますか?」

「いるわよ。でも」

 

 最近落ち着いてきたのにまた不安定になってきた私の妹の顔が浮かぶ。

 

「今はダメよ」

「そうですか」

 

 夢華は少し残念そうにする

 

「夢華。一時間経ったんじゃない?」

 

 パチュリーが言うように、咲夜たちとの戦闘からもう一時間が経った。その証拠にさっきまで黒かった左目が青くなっている

 

「そうですね。じゃあ図書館に行きます」

「じゃあ私についてきてください!」

「え?ちょ!こあさん引っ張らないでー!」

 

 こあが夢華の手を引っ張り図書館まで走っていく

 

「待ってください〜」

 

 早苗も急いで走っていく

 

「じゃあ私も行くわ」

「そうね。私も行こうかしら」

「珍しいわね。レミィが来るなんて」

「フランが暴れないか見るためよ」

「そう」

 

 パチェは短く返すと歩き出す。私もパチェについていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「ここが大図書館ですよ!」

「大きい…」

 

 こあさんに引っ張られた先は大きな扉だった。

 

「この中が大図書館です!もっと大きいですよ!」

「やっと追いつきましたよ。早いですよ〜」

「すみません」

 

 少し遅れて早苗ちゃんが走って来る。室内は走ってはダメなんだけどね。僕も走ったから何も言わない

 

「失礼しま〜す」

 

 挨拶をしながら図書館に入る

 

「………」

 

 多分他の人が僕を見たら目が輝いているというと思う。これは凄い。見渡す限り本棚と本、中央あたりには長椅子と長机、あとは図書当番と人がいるような机と椅子がある。机にはたくさんの本がある。

 

「で、夢華くんはお酒に強くなる魔法でしたよね?」

「そうだよ」

「取って来るので椅子に座っていてください」

「ありがとう」

 

 こあさんが飛んで行った

 

「じゃあ座るか早苗ちゃん」

「そうですね」

 

 椅子に座ってからもう一度周りを見回す

 

「多いな〜」

「まあ外の世界ではこんなに大きい図書館なんてありませんよゆね」

「だね」

 

 早苗ちゃんと話しているとパチュリーさんとレミリアがこちらに歩いてきた

 

「あら?こあはどこにいるの?」

「本を取りに行ってくれましたよ」

「そう」

 

 パチュリーさんはゆっくりと歩いて僕の向かい側に座る。レミリアはパチュリーさんの隣

 

「夢華の魔導書見てみたいわ。少し貸して」

 

 レミリアが唐突に言ってくる

 

「私も気になるわね」

 

 パチュリーさんも便乗する

 

「良いよ。……はい」

 

 魔法陣から魔導書を取り出し、二人に渡す

 

「ありがとう…………パチェわかる?」

「凄いわね。初級魔法から上級魔法まであるわ。夢華が作ったの?」

 

 レミリアはわからないらしい。パチュリーさんはアリスと同じような反応をしている

 

「違うよ。僕のお母さんが作ったよ」

「貴方のお母さん凄い魔法使いでしょう?」

「う〜んどうかな〜。お母さんが魔法使ったことがあまりなかったし、あまり魔法に詳しくないからな〜」

「そうなのね。ていうか魔法のことあまり知らないのに覚えようとしたのね」

「まあ……頑張るよ」

「なら私と一緒にやりましょう?そうすればミスをすることは多分ないから」

「ありがとう!」

 

 パチュリーさんに魔法を教えてもらうことになった。その時にこあさんが本を持ってこちらに来た

 

「夢華くん持ってきましたよ〜あ、パチュリー様達も来ていたのですね」

「ありがとうこあさん」

「今から夢華に魔法教えるわ」

「じゃあ私は見ていますね!」

 

 それからパチュリーさんに色々教えてもらった。パチュリーさんの教え方が上手で分かりやすかった。あとは教えてもらったことを実行するだけ

 

「じゃあ夢華やってみて」

「うん」

 

 僕の魔導書の白紙のページを開いて魔法陣を書いていく。

 しばらくしてようやく魔法陣を書き終えた

 

「これで大丈夫かな?」

「えぇ大丈夫よ」

「やった!」

「夢華くん終わりましたか?」

「うん終わったよ」

 

 隣で静かにしていた早苗ちゃんに終わったことを教える

 テレッテレ〜

 上殊 夢華はお酒に強くなる魔法を覚えた▼

 

「他に覚えたい魔法とかある?」

「う〜んないかな〜僕は魔導書の他に何かないかみてくるよ」

「そう。何かあったら私かこあに言ってね」

「うん。わかったよ」

 

 僕は立ち上がり歩いていく。早苗ちゃんも一緒に

 

 しばらく本を見ていたらライトノベル…略してラノベがあった。

 

「えーと…禁書にシャナ、その他諸々…」

 

 なんで幻想郷にあるんだろう?幻想入りしたのかな?まあでも、全部読んであるからな〜新刊が幻想入りするのを待とうかな…

 

「ん?あそこは…」

 

 他の所を歩いていると結界だろうか?変な違和感がある

 

「中になんの本があるのかな?」

 

 その結界に触れようとした瞬間にバンッという音が響く。

 多分図書館の扉あたりかな?

 

「パチュリー!また本を借りに来たぜー」

「また来たわね!今日こそ本を返してもらうわよ!」

「やれるならばやってみろ!」

 

 この声は魔理沙かな。パチュリーさんとの会話からして魔理沙が本を借りに来たという名目で奪っているのかな?

 

「火符 アグニシャイン」

「魔符 ミルキーウェイ」

 

 パチュリーさんと魔理沙が周りに弾幕を張る。

 

「綺麗だな〜」

 

 弾幕ごっこはやるよりも見ている方が楽しい気がする。

 

「夢華くーん。危ないですよ」

「早苗ちゃんどうしたの?っておおっと」

 

 二人の弾幕がこちらまで飛んで来た。身をかがめ回避する。確かに危ない。

 

「ってたくさんくるね!早苗ちゃんこっちに来て」

 

 早苗ちゃんも入れて魔法陣で弾幕を防ぐ。

 

「ゴホッゴホッ!」

「ここまでだな!じゃあ本を借りてくぜー」

 

 パチュリーさんって嘆息持ちだったんだ。体調が悪いみたいだし急いで行かないと

 

「パチュリーさん大丈夫ですか?」

「えぇ薬を飲めば良くなるわ」

「おー夢華じゃないか!どうしたんだ?」

 

 パチュリーさんに近づき治癒魔法をかける。その時に魔理沙が放棄に乗りながら上から話しかけてきた

 

「お酒に強くなる魔法を覚えるたもに来たんだよ〜」

「あ…うん歓迎会の時は悪かったな…」

「良いよ〜気にしないで〜」

「そうか。せっかくここに来たんだ。弾幕ごっこやろうぜ!再戦だ!」

「………うん良いよ」

「なんだぜその間は」

 

 弾幕ごっこは見るものだと思う。まあ断る理由は納得しなさそうだしこのままだと魔理沙が本を盗みそうだし

 

「スペカの数は3枚まで、一回撃沈、もしくは全てのスペカをブレイクされたら負けで良いな?」

「良いよー」

 

 魔法陣に乗り、空中まで移動する。

 

「行くぜ!恋符 ノンディレクションレーザー」

「こっちも!氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 魔理沙から三方向+周りに弾幕を張る。対して僕は魔理沙の周りに網のように弾幕を張る

 

「前の同じじゃあ私には勝てないぜ〜」

「ん〜どうしようかな〜」

 

 魔理沙さんは余裕そうに避ける。僕もだけど。

 

「次は…」

 

 魔理沙が次のスペカを使おうとした時にドガンッという大音量とともに魔理沙の弾幕とは別の弾幕がこっちに飛んでくる

 

「よっと…危ない危ない」

 

 魔法陣の上でバックステップで回避する

 

「私も遊びに入れて」

 

 音がした方を見ると金髪で背はレミリアと同じくらい。背中から木のような翼?があり、翼?に宝石のようなものが垂れ下がっている目が紅くなっている女の子が立っていた

 




カリスマはブレイクするものです。皆さまはう〜☆するレミリアとカリスマ全開のレミリアどっちが好きですか?僕はどっちも好きです

次回はフランとのバトルです

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