魔法使いと無口な兵士   作:nobu0412

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申し訳ない。
色々書き直して満足してたらあげるの忘れてました。


試験

彼と出会って数週間が経った。

話してわかったことはあんまりないけど、どうやら喋るのが苦手で話す時も片言が多かった。

きっと地方か他の国から来たんだと思う。

 

私は王都ギルド所属の冒険者だから城下町ギルドで依頼が受けられない。

だから城下町ギルド所属の彼とは頻繁には会えない。

だからあったときはお買い物や食事を楽しむ。

そして少しずつ言葉を教えていった。

 

もう会わない方がいいかもしれないとみんなが言うけどどうしても放って置けなかった。

 

どこか私と似てたから。

 

彼もきっと独りだから。

 

 

「セラ。」

 

今日も彼を探しに城下町へと行こうとした。

最近暇さえあれば日課のように彼を探す。

 

そんな私に声をかけたのは正直顔も見たくない、城下町で私たちに言い寄って来た男達となんら変わらない男。

 

デール・チャーチルだった。

 

「何かしら?」

 

露骨に不機嫌な態度を取って返事をした。

それほど私はこの男が嫌い。

生理的に受け付けないとはこのことね。

 

「最近城下町へ行くのが多いな? 仕事ではないだろう。」

 

高圧的に、こっちを下に見るような態度、どうしても気に入らない。

 

「別に私の勝手じゃないかしら? 別にあなたとはそういう関係じゃないし、ましてや許嫁とかでもないでしょ?」

 

「随分な物言いだな? 俺が貴族、チャーチル家の人間だとわかっているのだろう?」

 

デールは私にしつこく付きまとう特に厄介な男だった。

 

貴族の地位を盾に好き放題に振舞ってる。

遊び人気質で女に手を出しては問題を起こす。

そして問題は親のコネと地位で揉み消す。

最低な奴。

 

「セラ、俺は君が欲しい。 その美しい美貌を持つ君が。 それに俺たちはきっと相性がいい。 戦いも体もな。」

 

本当に、男はみんな一緒。

結局、顔と体が目当て。

それが全部。

 

「そうね、貴方が丸々全部変わったら考えてあげる。」

 

「はははっ! 面白い冗談だ!」

 

どういう思考回路してるのかしら。

私は構わず城下町へと向かう。

 

門を過ぎれば彼は来ない。

すごくくだらない理由だけど彼は城下町が嫌いだから。

 

「セラ、今にわかるよ。 君と俺の身分ってやつがな。」

 

 

城下町ギルドではラビットに会えず結局今日は何もないしデールにあうわで運がないわ。

 

 

仕方なく依頼を受けようと王都ギルドに行くとセナがいた。

 

「む、セラ。 ちょうどよかった。」

 

セナに連れられ席に座った。

何事かと思って話を聞いてみたら、どうやら配属試験がついに来たとのことだった。

依頼の内容はゴブリンのコロニーの襲撃だった。

 

ゴブリン自体はそれほど強くないけど、コロニーを襲撃すれとなれば話は変わる。

基本的には5人以上、から10人の数でいかなければならないが、ギルドの指定では3人で行くとのことだった。

 

「それで、他の条件はなにかしら?」

 

「それが・・・」

 

条件の欄を見るとこう書かれていた。

 

『人員は3名までとする。 ただし、人員の1名は必ず城下町ギルドの人間を選定する事。』

 

「・・・どうして城下町ギルドからなのかしら?」

 

「あぁ、聞いてみたが。 少人数で、かつスキルが弱いものを取り入れることで指揮の方面も見るということだ。」

 

なるほど。・・・それなら。

 

「ねぇ、セナ? お願いがあるんだけど・・・」

 

 

 

 

「今日はよろしくね。ラビット。」

 

王都を出て集合地点に私と当事者のセナ、そして城下町ギルドからラビットが集まった。

前日にギルドに指名でラビットを選択したおかげでようやく彼に会えた。

 

一度彼とクエストをこなして見たかった。

それと同時に実力も見た見たかった

 

「・・・セラ、本当に大丈夫なのか?」

 

「大丈夫よ。 彼が盗賊に囲まれてもみんな倒しちゃったのは話したでしょ? 安心して?」

 

小声でセナが心配そうに聞いてくるけど私は心配ない。

彼の実力は間違いなく本物だから。

 

「それじゃ打ち合わせ通り、お願いね?」

 

打ち合わせとは陣形のとこである。

ラビットが前衛、中衛に私、後衛にはセナをつけた。

 

これはセナが考えたものであり、彼女の魔法は支援系が多く、指揮をとるために後衛。

 

セラは攻撃系の魔法が多いため援護に回す。

 

そしてラビットは唯一の前衛で進むと言う、基本的な動きだった。

 

 

 

門を出てしばらく歩くと森に入り、ゴブリンのコロニーと思しき洞窟を見つけた。

遠くから監視してたけどゴブリンたちの出入りが多い。

日が傾く頃には多くのゴブリンが集まった。

 

「・・・よし、待機は終わりだ。」

 

セナの合図でようやく始まった。

 

「それで、どう攻め込むの?」

 

洞窟の前には焚き火を囲い暖をとる3体ゴブリンたちのがいる。

おそらく見張りだろう。

 

「・・・まずはあの見張りたちの始末をしよう。 隠密にな。」

 

「どうやって?」

 

「・・・ふむ・・・。」

 

顎に手を当て考える。

そういえば・・・

 

「ねぇ、ラビット。」

 

ゴブリンを監視しているラビットに声をかけると首だけことらを向いた。

 

「あなた、私を助けてくれた時に使った魔道具で静かに倒せない?」

 

そう言うとあの時の、杖のようなものをローブの中から取り出した。

 

近くで見るとやはり異質なものだった。

 

ゴツゴツしていて、鉄の塊のような、とにかく変わっている物だ。

 

「おい、なんだそれは・・・」

 

セナが疑問に思うのも仕方ない。

正直私も不思議でしょうがないから。

 

 

ラビットがゴブリンたちにゆっくり静かに近寄る。

その行動の速さは正確でまさに人間離れした動きだった。

 

そして、少しの離れたためかあの時のくぐもった音も聞こえず、側から見れば突然ゴブリンが血を吹き出し死んで行ったのだ。

 

3体のゴブリンは動き出す前に殺された。

 

それもおそらく、殺されたゴブリンたちも気づかず死んで行ったのだろう。

 

見張りの他にも敵がいないか確認するとラビットは私たちに合図で来るように手を動かした。

 

 

そしてこの後、私はこの後彼の本当の実力を知ることになる。




今回まで使用してきたラビットの使用武器を置いておきますね・・・

Mk18 MOD1
EoTech EXPS3−2
KAC QD サイレンサー
PEQ15a
Sure Fire M952
Magpul RVG

Mk25
ACE1 オスプレイサプレッサー

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