魔法使いと無口な兵士   作:nobu0412

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おほぉおおおおお!!筆が進む進むぅ!!!


山岳での死闘、その先に

サシャたちは山を駆け抜けている。

セラを攫い現在はもう20名ほどしか残っていない部下を引き連れていた。

 

「貴方達3人はデールに届けて来なさい。 あとは私と露払いよ。」

 

「「「了解!!」」」

 

サシャは部下にセラを任せ自分を含む残りでラビットを迎え撃とうとした。

 

「さぁ、兎狩りよ。」

 

サシャがボウガンに矢を装填した。

それはまるで戦いを遊びと取るような、狂った言葉と笑顔を兼ねていた。

 

 

 

 

 

司令部や場内を動き回る状況にセナ達は混乱していた。

通訳であるラビットがいないためどうしようもない、しかしただ事ではないということがわかった。

 

「おい・・・おい!」

 

声をかけられそちらを向くとスタンプが陰でこちらを手招きしていた。

 

一瞬周りを見て3人がスタンプの元へ立ち寄るとスタンプがそのまま案内するようにそこを離れる。

そして着いた場所はサシャ達が潜り込んで来た際に使った穴だった。

スタンプが持っていたライフルケースをリーエに渡した。

 

「いいか、ラビットに渡して来い。 ラビットだ、わかるか? 俺らは、動けない。その頃にはラビットは死んじまう。」

 

身振り手振りでラビットに渡すように伝えると3人も理解できたのか頷いた。

 

「これはお前らが使え。」

 

スタンプはAN/PRC152を渡した。

使い方は見て学んだのかセナがありがとうと言いヘッドセットをつけ装備した。

 

「頼むぞ!」

 

去って行く彼女達を見送りスタンプもその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラビットは暗視装置を使い辺りを見回す。

敵が4名前方に広がるように待ち伏せをしているのを見つける。

風に乗った衣擦れの音、僅かに潰れた植物、周囲に溶け込めきれていない偽装。

確かに普通の人間に比べれば場数が違うのかも知れないが所詮素人技のようだった。

 

ラビットが先制攻撃に1人Mk18を向けて射殺しようとした時だった。

突如横から放物線を描きながら飛んで来た矢がMk18に勢いよく刺さった。

射たれた方向を見るが誰も見えない。

Mk18をスリングで吊るし一度その場を離れるように避難した。

 

「さぁ、遊びましょ?」

 

サシャが合図すると息を潜めていた数十名が立ち上がりラビットを追った。

 

 

 

 

 

 

 

「リーエ、待て。」

 

セナが前を進むリーエを止め屈むと数メートル先に数十人の男達と1人のボウガンを持った女がいた。

 

 

山の奥に進みながら周囲を確認すると足音が僅かに聞こえる。

どうやら追っ手がいるようだ。

 

「結構いますね・・・」

 

「リーエ、それは私が持とう。 ここじゃ私はあまり役に立ちそうにない。」

 

フィリスがガンケースをリーエから受け取りリーエがボウガンに矢を装填する。

 

「セナ、ラビットと話せるか?」

 

「やってみよう。」

 

セナヘッドセットのPTTスイッチを押して声をかけてラビットを呼び出すとラビットから返事が帰ってきた。

どうやら追っ手が多く動きが取りずらいようだ。

 

「わかった、私たちは背面から仕掛ける。 待っていてくれ。」

 

PTTスイッチを切りセナ達はラビットの救援のため山を登り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなかやってくれるじゃない。 楽しいわぁ・・・!」

 

先程から罠や不意打ちで仲間がどんどんやられていく。

置き去りにされたMk18を囮に手榴弾を繋げておくブービートラップやMk25の銃撃、接近攻撃など様々な方法で数が減らされていく。

やはりこの男は只者などではない。

 

「さぁ、もっと楽しませてちょうだい?」

 

不気味に笑いながらサシャは魔法でその姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

ラビットはMk25をプレスチェック、チャンバーに弾が入っているか確認した。

先ほどの戦闘でサプレッサーが壊れ、マガジンもあと入っているのを含め二本と数発あるだけだ。

手榴弾もあと一つだけ残り装備はライフルを無くした時点で非常に劣勢だった。

 

不意に、後ろから剣を振り下ろされ反応して避けようとするが剣戟がラビットの着ていたプレートキャリアを切り裂き中のバリスティックプレートがむき出しになる。

 

Mk25で胴体付近に3発撃ち込むが相手が興奮状態のせいか9mmではストッピングパワーが劣るせいで止められず、再び剣が振り下ろされ切られかけるが瞬時に出したトマホークで防ぎトドメに頭に2発撃ち込んだ。

 

弾が切れホールドオープンした時だった。2人の敵が襲いかかって来た。

Mk25を装填していたら間に合わない。

トマホークで防いでも捌き切れない。

そんな絶望とも取れる状況だった、しかし突如ボウガンの矢が1人を射抜く。

驚きのあまりラビットから目を離しボウガンの射撃位置を探った一瞬が命取りだった。

ラビットがトマホークを投げ見事心臓を貫いた。

 

無事助かりMk25をリロードしトマホークを回収した。

すると少し離れたところからセナ達がやってきた。

 

「危なかったな、ラビット。」

 

借りを作ったと言わんばかりの表情でいうセナとボウガンで助けてくれたリーエ、そして代わりのライフルを持って来たフィリスと合流し撤退を決意した時だった。

 

ラビットがセナを庇い押し倒すと気がつけば近くに木にボウガンが刺さっていた。

フィリスは急いで身をかがめるとリーエがボウガンを装填し反撃した。

 

リーエが放った一本の矢は放物線を描きサシャの頰を掠めた。

そしてサシャが放った矢はリーエのボウガンの弦を切り裂き地面に刺さった。

 

「なかなかやるじゃない・・・!」

 

頰から垂れる血を手で拭いボウガンを再装填した。

 

「ラビット! これを!」

 

フィリスから投げ渡されたガンケースにはMk12 MOD1 SPRが納められおり急いで装填しその方向に数発撃ち返した。

すると一瞬女の叫び声が聞こえた、サシャが脇腹と足に銃弾を受けたが反撃に再び矢が飛んでくるとラビットの腕に刺さってしまう。

 

勢い余ってライフルを飛ばしてしまった。

するとセナのエネミーサーチに敵が4名かかった。

残りの取り巻き、そして魔法が解け姿を現したサシャだった。

 

「3方向からくる! フィリス! ラビット!」

 

フィリスが剣で1人を倒し、ラビットが2人をMk25で殺した。

そして敵のサシャがボウガンに矢を装填し始める、爆裂の魔法石を付与した特製の弓だった。

 

「じゃあね・・・楽しかったわよ!!!」

 

「リーエ!!」

 

ラビットがMk12をリーエに投げ渡し慌ててリーエがキャッチした。

 

「狙いを合わせて引き金を絞れッ!!!」

 

「終わりよ!!!」

 

サシャが装填を終わらせトドメを刺そうとした時だった。

 

鬱蒼とした風が無くなった山奥の森に星の灯りが差し込むとリーエが覗く光学照準器によって映し出される高倍率の光景の先にサシャがいた。

長年培って来たボウガンの腕、夜目が効く目、スナイパー向けの正しい姿勢、正しい引きつけ、そして引き金を絞り、銃弾は放たれた。

 

弾丸は高速で銃口から飛び出してまっすぐ狙い通りにサシャの頭を貫く。

頭を弾丸で貫かれ脳漿が飛び散りサシャは仰け反り倒れ込もうとしたが、ボウガンの引き金が、引かれた。

 

ボウガンの射線が真下を向き爆裂の魔法石が付与された弓が地面に向かって放たれる。

何重にも付与を施された魔法石の矢の威力はサシャの死体をも消しとばし、周りの木々をなぎ倒すほど強い勢いの爆風にラビット達は

襲われた。

 

爆風に見舞われながらも全員立ち上がり月もない空を見上げた。

腕のケガを押さえるラビット。

土埃を払いながら立ち上がるセナとフィリス。

そして泥や血、土埃も払わずに力強くMk12を握りしめて立っているリーエ。

 

勝ったのだ。

 

ラビット達はあの激闘の中闘い、ついにサシャ率いる暗殺部隊を全滅させ、勝った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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