四葉のもう一人の後継者   作:fallere

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さて、今週分も書きますか。
GWも年末年始みたく大乱投しますかね? 皆さんの反応と私の気分次第ですが。
まあそろそろ九校戦編を終わらせたいところもあるのでペース上げますかね。

真「うへへ・・・お仕事楽しいのぉ・・・」

えーと・・・皆さんが本文読んでる間に真夜さん元に戻してきますね・・・。



九校戦編 十四節

朝起き、ランニングをはじめ、水波に会う。ここまではいつも通り。

 

「調査の方はどうだ?」

 

「おおよその検討はついてます」

 

「なら良し。あと2日で徹底的に洗わせろ。新人戦が終わり次第仕掛ける」

 

「ではそのように手筈を整えておきます」

 

俺から直接連絡を入れてもいいが、俺も今そこまで余裕があるわけじゃない。

 

こういう時に頼れる部下がいるのは非常にうれしい限りだ。

 

「じゃあいつもみたいにランニングついてくるか?」

 

ここからはいつも通りだ。他愛のない話をしてランニングするだけ。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「さて、今日はピラーズの準々決勝から決勝か」

 

女子は三人とも決勝リーグに進出しているが、男子は俺と一人、

だが準々決勝で将輝と当たってるのでまあ負けだろう。

 

「昼夜君、調子はどうです?」

 

中条先輩の問いに答える。

 

「優勝以外、ありえません」

 

さあ、決勝リーグが始まるぞ。

 

 

 

まあ波乱もなく、決勝のカードは俺vs将輝となったわけだが・・・。

 

「昼夜君、本当に一条君あいてで大丈夫ですか?」

 

「そこまで心配ですか? 俺そこまで弱っちく見えますかね?」

 

先程から中条先輩は相当心配しているようで、何度も確認を取ってくる。

 

「だって、さっきまで相手を弄ぶような戦いしかしてないじゃないですか・・・」

 

「ははは・・・流石に将輝相手に手は抜けませんよ。

いえ、何処まで手を抜けさせてもらえるんですかね?」

 

「もー、そんなこと言ってひどい目見ても知りませんよ」

 

「それは困ります。ひどい目にあったときは中条先輩に泣きつこうと思ってたのに」

 

中条先輩は「え?」と言って顔が真っ赤になり、煙(?)を発していた。

 

「まあ、勝ち以外ありえないので冗談ですが」

 

中条先輩は再び「え?」と言い、頬を膨らませて・・・

 

「何を考えさせてくれてるんですか⁉」

 

「何を考えたんですか?」

 

「え・・・そ、それは・・・//(プシュー」

 

いや~、中条先輩のこういう反応は本当に面白い。小悪魔が楽しむのもよく分かる。

 

しかし本当に何を考えればあんなに顔を赤くするんだろうか?

 

「中条先輩のお陰でいつも通りで挑めそうです」

 

「むー、いいですよ・・・どうせ私はおもちゃなんですから・・・」

 

「この大会で俺が使ったCAD、全部試作品なのでよければ差し上げようかと・・・」

 

「え! いいんです・・・って、騙されませんよ⁉」

 

ありゃりゃ? 簡単に引っかからなくなった。ちょっといじり過ぎたか?

 

「ごめんなさい・・・これらのCAD大会終わったら上げるので許してください」

 

「うー・・・わかりました。許しますから、もう出番ですよ」

 

「みたいですね、じゃあ行ってきます」

 

ステージに上っていく。会場は全て観客で埋め尽くされていた。

 

『男子ピラーズブレイク! 矢張り決勝はこの二人になった!

 

 爆裂! 氷の花を咲かせるクリムゾンプリンス!

 紅いコートと特化型CADを身につけた一条の跡取り! 一条将輝選手‼

 

 対するは、様々な魔法で観客を見せ! いや魅せたトリックスター⁉

 無数の武器を携える天界の番人(ヘヴンキーパー)! 四葉の跡取り候補! 四葉昼夜選手‼

 

 二人の十師族の血を引く少年同士の闘い! 非常にハイレベルなものと予想されます‼

 それは今までの二人の試合を見ても明らか!

 

 一条選手は爆裂によりすぐさま敵の氷柱を砕き!

 四葉選手は余裕綽々と攻撃を無効化し残り時間が少なくなったところで打ち砕く!』

 

解説も終盤に近付き、頭の中で作戦を整理する。

 

俺に爆裂は通用しないとは伝えたが、将輝はどんな手を使ってくるだろうか?

 

俺の作戦はただ一つ、速攻などつまらん真似はしない。

 

しっかり爆裂を見て、その要素とノウハウを奪ってやる。

 

カウントダウンが始まった。10から0に近づいていく。

 

3・・・2・・・1・・・0!

 

ホルスターからリボルバー式CADを抜き氷柱全てに魔法をかける。

 

俺の前列左端の氷柱に将輝の爆裂が発動。

 

氷柱を気化させるエネルギーは、将輝の前列右端の氷柱に転移された。

 

「な⁉」

 

誰もが驚く。爆裂は一条の代名詞であり情報強化では防げない。

 

その爆裂を防いだうえで、将輝の氷柱には爆裂と同じ結果が残る。

 

永光熱線(グロリアス・レイ)》を局所的に発動する魔法、《極光膜(オーロラコート)》。

 

爆裂は熱を用いないが、個体を気体にするからにはエネルギーが発生する。

 

そして、エネルギーである限り俺の魔法でそれを飛ばすことは可能だ。

 

「言ったろ? 俺に爆裂は効かないと」

 

将輝は爆裂を再び発動する。しかし、それは返される。

 

それほどのエネルギーを転移しようとすると空間がゆがむのか一瞬虹色が発生する。

 

ゆえにオーロラの膜。永光熱線ならすぐさま爆発が起こるのでこの現象は見れなかった。

 

将輝は魔法を切り替えた。爆裂は分が悪いと判断し範囲加熱魔法で俺の場を焼こうとする。

 

しかし、それは情報強化に阻まれる。

 

「工夫はそれまでか? あっけないものだ」

 

事前に忠告してやったのに・・・これでは興ざめではないか。

 

箱に手をかけ刀を取り出す。予選一回戦で使ったものだ。

 

そしてここで、将輝は守りに転じてしまった。

 

俺が武器を握ったのを見て情報強化を発動してしまった。

 

俺の切り札を知っていながら、別の札に目が向いてしまった。

 

刀はブラフ、本命は右手に握るリボルバー式CADから繰り出される。

 

「さあ、幕引きと行こう」

 

世界は夜に包まれる。無数に光る星は将輝の氷柱目掛け落ちていく。

 

流星群(ミーティアライン)》を防ぐすべないのに、防御に回った。

 

将輝は俺に光の分布率に対する干渉度で勝つことはできない。

 

光に対する反射、遮断、屈折のそのどれもが意味をなさない。

 

俺が持つ最高の攻撃手段はやすやすと将輝の氷柱に穴をあけていく。

 

残ったのは俺の氷柱12本だけだった。

 

「そんな・・・!」

 

「将輝、言っただろ? あっと驚く奇策がないと俺には勝てないって」

 

圧倒的であった。見ていたものにはそれしか伝わらなかったのかもしれない。

 

だが将輝だって弱くなく、むしろ強いことを知っているものがここにいるからか、

それゆえに試合終了の合図もなく、実況も止まり、観客の反応もない。

 

「ここまであっさり行くと思ってなかったが、お前もこの程度だったのか」

 

それは俺から送る『失望』の念であり、ある意味親友としての『応援』のつもりであった。

 

こいつがこの程度で終わるわけがない。

 

モノリスには間に合わないかもしれないが、来年は楽しめるやもしれない。

 

その程度には将輝の実力も人間性も理解しているつもりだ。

 

将輝の闘い方まさには『王道』であり、王道を倒すためのものが『邪道』。

 

速攻を防ぎ、フェイントかけた攻撃で一気に切り崩す。

 

まさに将輝の性格を考慮したうえでの手であり『邪道』である。

 

将輝ももう少し柔軟な考え方が出来ればいいものを・・・。

 

優勝はもらったが、あまりいい気分ではない。

 

(拍子抜けが過ぎる・・・)

 

エンジニアとして参加の方がよかったかもしれないと後悔しつつ、

次からは雫とエイミィのエンジニアを務めないといけない。

 

まあこれで楽しめたらそれはそれでいいか。

 

所詮高校生同士の競技など、四葉昼夜からすれば遊びに過ぎないのだから・・・。

 




真「ハッ! 私は何を⁉」

あ、真夜様がもとに戻った。

真「えーと・・・頭がずきずきして何が何やら・・・」

いやあ凄いですねぇ。まさか一日足らずで残ってた仕事全て終わらせるなんて・・・。

真「え! 仕事終わったの⁉ じゃあ今からでもまた会場に・・・ヴッ、頭が痛い」

深「しょうがないわねぇ」

真「深夜姉さん? ・・・どうするの?」

深「あなたが頭痛なのは仕方ないから私は行ってくるわ。穂波ちゃん、準備出来てる?」

穂「何時でも行けますよ~」

深「じゃあ葉山さん、妹をよろしくね」

葉「畏まりました。真夜様、頭痛がするなら早くベットに・・・」

真「いやだ! 昼夜の活躍を生でみr・・・(ムグ zzz・・・」

作者印の睡眠薬の効果、相手は寝る。
深夜様、行ってらっしゃいです。

深「ありがとね。達也、深雪、直接は会えないけど楽しみにしてるわよ♡」

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