追憶編、期間 約四か月。 入学編、期間 十一日。
どうしてこうなった・・・。
さて、九校戦編は出来れば二月末までに終わればいいと思っております。
年末年始は頑張りましたが、いつもそう言う訳にはいきませんから。
と言う事ですので、投稿が遅れるのはご了承ください。
(不定期更新つけておいて正解と思った。
これが定期的だとしたらなにを不定期というのか?)
九校戦編 一節
俺はテスト結果を見る。まぁ中間と同じだ。
文句はない。それは達也が努力した結果だからだ。
憤りはある。なければ諦めたことになる。それは魔法師が最もしてはいけないことだ。
「昼夜、流石だね」
「これでもショックは感じてるんだぞ」とでも答えれば嫌味だろう。
「まぁ、思ったよりはできたからな」
さて、一学期期末テストの結果はこうだ。
総合
一位 四葉昼夜 1-B
二位 司波深雪 1-A
三位 光井ほのか 1-A
四位 北山雫 1-A
五位 十三束鋼 1-B
一位と二位、三位から五位は僅差だ。他には駿が十位、エイミィが十二位。
続いて実技
一位 四葉昼夜 1-B
二位 司波深雪 1-A
三位 北山雫 1-A
四位 森崎駿 1-A
五位 光井ほのか 1-A
鋼、エイミィは惜しくも六位と七位だった。
さて、問題の理論だ。
一位 司波達也 1-E
二位 四葉昼夜 1-B
三位 司波深雪 1-A
四位 吉田幹比古 1-E
五位 光井ほのか 1-A
因みにだが僅差だ。あの、あの問題さえ正解できていればせめて同率一位だったのに。
他にも、十七位にE組の柴田美月、二十位にエリカの名前もある。
まあ俺はいい。鋼やエイミィも中々の成績を残している。
だがクラスメイトと来たら・・・。
「嘘だろ、ありえないだろ!」「絶対ズルしてやがる」
とまぁこんな感じである。普通は実技がある程度できないと魔法理論も理解できない。
だがそれは普通だ。当然例外も生じる。
「お前等さ、ズルとか言ってる暇があれば勉強したらいいじゃないか」
このクラスのほとんどの視線が俺に集まる。
「そうやって優秀な人をけなしたところで何も変わらない。
変わりたい、変えたいならまず努力をしろ。
直接指導の授業の機会がなかった二科生に負けたことは、
けなす前に自分の努力の足りなさを反省しろ。俺を含めてな」
クラスは静まる。これで黙るくらいならそんなこと言うな、っていうのが本音だが。
「でもさ、昼夜は悔しくないの?」
エイミィが尋ねてくる。
「悔しいに決まってる。だから次は負けないように努力するだけだ。
例え中間に続いて理論で二連敗でもな」
ホントに・・・達也を超えてやるからな。
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「さて、九校戦のメンバーだけど・・・昼夜君と深雪さんは期待してるわよ?」
「無論です」
「私でよければ務めさせていただきます」
ある日の昼休み、俺たちは生徒会室で九校戦の話をしていた。
放課後は風紀委員長引継ぎのための資料作りを達也と任せられている。
「で、今年の本命は一高とは言われてるけど、問題は三高ね」
「三高は今年、十師族の一条将輝選手と十八家の一色愛梨選手を確保しましたからね。
他にも
「と言うことで昼夜君、三人はどの競技に出ると思う?」
俺が呼ばれたのは主にこれが目的だろう。
「まあ将輝はピラーズ・ブレイクは確定、もう一つはモノリスだと思います。
爆裂はピラーズに適してますし、新人戦が点数半分とは言え、
三高が勝つには新人戦のモノリスは俺が出ることを推測しても出るべきでしょう」
「うんうん、それは私と同じね。で、一色さんは?」
「愛梨の『
「ちょっといいかしら、昼夜? 愛梨って、一色さんよね?」
因みに今部屋が氷点下ではないのは、俺がこっそり加熱魔法を使っているからだ。
「ああ、そうだけどさ。別に怒ることでもないだろう?」
「あら? そうかしら?」
「十師族の直系って言うのはいいもんじゃないよ。
家のしがらみは押し付けられるしね。だから子供の内は名前で呼んでるだけだ。
少しは家のしがらみを忘れられるようにね」
「・・・はぁ、そう言う事にしておきます」
しておくも何もそう言う事なんだけどな。
ついでに深雪も四葉の血を引いてるわけだが、それを言う訳にはいかない。
「カーディナル・ジョージ、吉祥寺真紅郎はスピード・シューティング。
後は、将輝と組んでモノリスだと思います」
「それが順当でしょうね。
で、出来ればその三人を抑えたいのだけど・・・」
「将輝は俺が相手をします。ピラーズは魔法の制限がないですから。
モノリスもメンバーを選ばせてもらえればカーディナルが出ても勝てます」
「じゃあ一条君は昼夜君に丸投げするとして、
後は一色さんと吉祥寺君だけど・・・」
「愛梨はミラージなら深雪が相手でしょうが、クラウドは厳しいですね・・・。
俺も稲妻の正体は分かりませんし・・・加速系統なら可能性があるのは・・・
Dクラスの里美スバルさんなら可能性ありですね」
生徒のデータを見て選手の算段を立てる。
「で、吉祥寺君は?」
「俺が補助すれば駿が勝つかと。射撃なら駿自体それなりに適性がありますから」
まあ、本線に出る可能性も無きにしも非ずだが。
「じゃあ新人戦の方はそれで十文字君に提案してみるわね」
真由美さんも生徒会長の仕事は忙しいのだろう。
「で、選手はそうとしてしてエンジニアはどうするんですか?」
「あ゙・・・」
どうやら三高対策を考えていたら忘れていたようだ。
「そうなのよね、うちは実技方面に優秀な人材が偏っちゃてるからね・・・
特に今年の世代は・・・二年生はあーちゃんや五十里君がいるんだけど・・・」
五十里・・・確か刻印魔法の権威だったか。
「私と十文字君がカバーすると言っても限度があるしなぁ」
「お前たちは主力選手だろ。自分の試合がおろそかになっては笑えんぞ」
「せめて摩利が自分のCAD位調整できればな・・・」
「いや・・・本当に深刻な事態だな」
どうやら委員長はCADメンテがあまり得意ではないみたいだ。
「昼夜君はどうなの?」
「自分のを除いて5、6人分くらいはできるかと」
「へぇ~、5、r・・・って5,6人⁉」
「一応自分のCAD複数を管理して余りあるくらいですからそれくらいは」
「もういっそのこと昼夜君をエンジニアに・・・」
「血迷うな真由美! 昼夜君はうちの主力選手だぞ⁉」
どうやら計算高い小悪魔が悩むほどエンジニア問題は深刻らしい。
「あの、だったら司波君がいいんじゃないでしょうか?」
そう声をかけたのは中条先輩。
「深雪さんのCADは司波君が調整しているようですし、
一度見せてもらいましたが、一流メーカーのクラフトマンにも負けず劣らずでした」
「盲点だったわ・・・!」
「・・・一年生がエンジニアに指名されるのは前例がないのでは?」
達也は諦め気味に会長たちに聞く。
「なんでも最初は初めてよ」「前例は覆すためにあるんだ」
それから俺に目で助けを呼ぶが・・・。
(達也、これを引き受けることはお前にメリットがある)
(・・・それはなんだ?)
(まず、無料で深雪の九校戦を観戦できる。
次に、それを理由にFLTの命令をある程度スルーすることができる。
最後に、深雪のCADを誰にも触れさせない事が出来る)
(・・・それだけか?)
むむむ、これではまだ押し切れないか? 最後のは決定的だと思ったのだが。
(なら仕方がない、九校戦後俺が深雪のミラージ衣装のぬいぐるみを・・・)
「引き受けましょう」
おい! まだ最後まで言ってないぞ! 作ってやるとは一言も・・・
まぁ、消されるのは嫌だから作るしかないのだが。
「あ、ああ、そうか・・・?」
委員長も突然の掌返しに困惑している。
このシスコンある限り、深雪は恋愛すら自由にできないのではないだろうか?
さて、教室に戻ってまずはスカウトだ。
「鋼、頼みがある」
「なんだい?」
「お前にモノリスのメンバーを頼みたい」
「え、僕?」
「この学校にお前以外鋼の名前を持つ生徒はいないぞ」
鋼は結構悩んでいる。
「僕の魔法特性は知っているよね?
モノリスは物理攻撃禁止だから大きすぎる欠点だと思うけど・・・」
「安心しろ、その点は考慮している。武器は俺が用意する」
「・・・わかった、引き受けるよ」
因みに駿は簡単に引き受けてくれた。
達也のエンジニア入りも一波乱あったが、
意外にも服部先輩の援護(言葉の刺々しさから必死に認めているのが分かる)があり、
克人さんの決定でエンジニア入りは決まった。
さて、今日はできる限り投稿できたらいいな・・・。
では、頑張りますので今日中に会えることを祈ります。