四葉のもう一人の後継者   作:fallere

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さぁ、森崎君! リベンジさせてもらう!
森「主、あんたまた懲りずに喧嘩を売りに来たのか」
フフフ、前回は戦闘が描写されなかったが今回は!
森「うるさい」
森崎は空気弾を打つが、主は軽々と躱し・・・グホッ!
昼「主、大丈夫か?」
クソ、地の分書いてる間に攻撃されては意味がない・・・!
森「なら諦めろ」
いいや、こんなことはしたくなかったが仕方ない。
主は森崎をフルボ・・・グヘァ!
森「そんなことさせるわけがないだろう?」
そんな・・・俺の魔法が通じないなんて・・・。
昼「こいつらはどうでもいいが、本編をどうぞ」


入学編 十二節

昨日のうちに、八雲さんに聞いてみたが何も聞けなかったらしい。

 

うちの地下室でやった拷問にしても同じだ。

 

「後はこの討論会でどうなるかだな・・・」

 

講堂の壇上に立つのは真由美さん一人だ。変に意見が割れなくていい。

 

尚、放課後にやっているので一部の生徒は部活に行っている。

 

ほとんどの部活で今日は参加自由だ。雫たちは普通に部活を行っている。

 

さて、一応今回ペアを組むのは森崎君だ。

 

「・・・駿でいいか?」

 

「ああ、別にいいが・・・そんな深刻そうに言う事か?」

 

「いや~、少し君をぼっこぼこにしすぎたかな~って。

あ、それと俺のことは昼夜と呼べ、じゃないとあの悪夢を思い出す」

 

「何かわからんが、お前も大変なんだな・・・」

 

きっと夏休みに帰ったらまた山ほど書類が残っているのだろうか?

 

『昼夜が気になってまともな仕事にならないわ!』って・・・。

 

 

 

その頃、四葉本邸では・・・

 

 

 

真「昼夜が気になってまともな仕事にならないわ・・・

  葉山さんには悪いけど、昼夜分を回収しに東京に・・・」

葉「真夜様、どちらへ行くつもりでございますか?」

真「ンギャァァァァァ‼」

 

想像の斜め上を行っていた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

討論会が始まった。ここまでは問題なしだ。

 

「生徒会長、今季のクラブ別の予算配分について質問します。

この資料によりますと一科生の比率の高い魔法競技系クラブは、

二科生の比率が高い非魔法競技系クラブより手厚く予算が配分されています。

これは一科生の優遇が課外活動でもまかり通ってる証ではないのですか!」

 

「クラブ別の予算配分は在籍人数や活動実績を考慮した予算案をもとに、

各クラブの部長も参加する会議で決定されます。

魔法競技系のクラブが予算が手厚く配分されているように見えるのは、

それらの部活が実績を残しているからであり、また非魔法競技系のクラブでも、

全国大会などで優秀な成績を収めているレッグボール部などは、

魔法競技系のクラブに見劣りしない額の予算が配分されています。

クラブの予算配分が一科生優遇の結果と言うのは誤解です」

 

まぁこのように、同盟が勝手に言ってそれを真由美さんが論破する形だ。

 

まさにワンサイドゲーム、初めから勝負は決まってたみたいなものだけど。

 

「二科生はあらゆる面で一科生より劣る差別的扱いを受けている。

生徒会はそれを誤魔化そうとしているだけではないか!」

 

挙句の果てには詳細も何もない一方的な言いがかりをつけてくるサクラまで出る始末。

 

「只今、あらゆる、とのご指摘がありましたが、

具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか。

施設の利用や備品の配布はA組からH組まで等しく行われていますが」

 

まぁそんなもの、真由美さんの前では無力だよなぁ。

 

「なあ昼夜、この討論会どう思う?」

 

「それはこの討論会自体か?」

 

「? それ以外に何があるんだ?」

 

・・・疑い過ぎるのも悪い癖かもな。

 

「なら簡単だ。問題は差別じゃなくて差別意識だ。

花冠は雑草を見下す。雑草は花冠と比べて自分を卑下する。

正直、そんな奴らと付き合うつもりはないね。少し前の駿みたいにね」

 

駿は頭を背ける。それなり自覚はあるようだ。

 

「まあ、今はましになったな。それでだ、この意識をなくさない限り差別と言われる。

だが実際、差別を助長しているのは二科生でもある。

さっきも言ったが、自分が一科生に劣っていると思い努力を諦めることが問題だ。

学校が一科と二科を残しているのは魔法を教えられる教員が少ないことともう一つ、

それぞれが高め合うためでもあるのに、やれ弱いだのやれ強いだの言って、

努力しないから一科生だけが力を持つ結果につながったんだ」

 

「そ・・・そうか・・・」

 

さて、真由美さんの話も大詰めだ。

 

「私の任期はまだ半分を過ぎたばかりで少々早い公約になりますが、

私は生徒会役員に関する制限を改善するため取り組んでいくつもりです」

 

満場の拍手が起こる。生徒が同盟ではなく会長の意見を認めた証。

 

差別ではなく差別意識の撤廃。同盟の行動は差別をなくす方向への足掛かりとなった。

 

だが、革新派と言うのは常々目標の達成だけでは満足しない。

 

それに加え、自分の考えたやり方で達成することを望む。

 

――まあもとより、手を出さないなどと言う考えはなかったのだろう。

 

 

 

外から爆音が聞こえる。

 

と同時に、待機していた風紀委員が、動き出した同盟のメンバーをとらえる。

 

「はっはっは! こりゃ傑作だ! たかが高校に爆弾を使うか!」

 

「昼夜! 笑ってる場合か!」

 

俺たちは新入りなので捕獲は任されてない。さて、次は何が来るかな?

 

そう思ったとき、窓から紡錘形の物体が飛び込んできた。

 

床に落ちると白い煙を発生させたが、拡散させることなく窓から放り出される。

 

続いて入ってきたガスマスクとサブマシンガンで武装した三人は、突如倒れた。

 

「え! 僕たち出番なし⁉」

 

「まだだ、行くぞ駿。雑魚狩りだ」

 

駿の襟首を引っ張りながら、委員長たちにはこの体育館の防衛をお願いして、

 

俺は校内に隠しておいた無数の人形を起動した。

 

 

 

雫side

 

 

 

バイアスロン部の活動中、突如轟音が聞こえた。

 

先輩の話によると、どうやらテロ組織が侵入したらしい。

 

私たちは部活用のCADを護身用に持たされた。

 

「見つけたぞ! やれ!」

 

数人の男がナイフを持って私たちに襲い掛かってきた。

 

その一人が、ほのかにナイフを向ける。ほのかは足がすくんで動けなかった。

 

かく言う私も、かなり怯えててうまく照準が会わない。

 

ナイフがほのかに当たる直前、何やら小さなものがテロリストの顔を横から殴った。

 

他のテロリストは先輩たちが倒したみたい。

 

私とほのかは、テロリストを殴ったものを見てみた。

 

「ぬいぐるみ・・・だよね?」

 

「うん、それも昼夜のデフォルメされた?」

 

「おーい、無事だったか?」

 

その時、ちょうど本人の声が聞こえてきた。

 

折角なので本人に聞くとしよう。

 

 

 

昼夜side

 

 

 

「おーい、無事だったか?」

 

雫たちが部活をやっていた現場に駿と駆け付ける。

 

「うん、このぬいぐるみのお陰で」

 

「うんうん、予定通り作動してるね」

 

「昼夜さん、このぬいぐるみは何なんですか?」

 

まぁ聞かれるよな。別に大した魔法ではないし。

 

「俺が作った遅延発動式魔法『目的を持つ人形(プレパス・マリオネット)』。

この前あったことで敵に俺に対する敵対心を植え付けて、

俺に対する敵対心を持つ相手を想子波によって感知、突撃する半自動人形。

想子は認識などを記録するから、敵対心が記録された想子をもつ敵を攻撃する」

 

実際に反応するようにしたのは殺意だが・・・。

 

因みに二百個ほど用意していたが、既に半分ほどが起動している。

 

「「「すごい(ですね)(な)・・・」」」

 

「まあこんなにも簡単にかかってくれるとはな・・・」

 

「ところで、講堂はどうだった?」

 

すると駿は目をキラキラさせて、

 

「それがな、講堂はサブマシンガンを持ったテロリストに襲撃されたんだが、

撃ち込まれたガス弾は服部副会長がガスを圧縮して窓に放り返したんだ。

その後、ガスマスクにサブマシンガンのテロリストが入って来たんだが、

渡辺委員長が魔法を使った途端バタバタと倒れていったんだ!

凄いだろ!十人くらいいたのを何の魔法かわからないけど「MIDフィールド」え?」

 

「委員長が使った魔法、恐らく『MIDフィールド』だ。

収束系魔法で窒素を操る魔法の一つ。ガスマスク内に窒素を充満させ酸欠にしたんだ。

それから、レディ相手にそう言うのはどうかと思うぞ?」

 

「あ・・・///」

 

言われて気づいたのか、顔を赤くする森崎。何気に可愛いところはあるみたいだな。

 

まあ、そう思える中で育ったからか。

 

「とりあえず、雫とほのかは向こうに行くと良い。

かつ・・・十文字会頭が守ってるからこんなチンピラ如きじゃ突破できない」

 

「うん、分かった。昼夜たちは?」

 

「俺たちは非難しそこなった生徒の誘導があるからな、んじゃまた後で。行くぞ」

 

再び、駿の襟をつか・・・めずに普通についてきた。

 

さて、次は乗馬部まで行くか。馬の脱出とか言うかもしれんし。

 

 

 

「おーい、エイミィ、無事か?」

 

「え? あぁ、なんかやってきた傍からこのぬいぐるみにやられて・・・

このぬいぐるみ、モデルは昼夜だよね?」

 

「そりゃ俺が作ったからな、魔法の媒体として何気に便利だ」

 

自由が利くからそのまま操り人形(マリオネット)として使ってもいい。

 

八雲さん相手の時はそっちだったし。

 

「馬も非難させた方がいいな。テロリストは最終的に国力を削ぐのが目的だから、

馬を殺して金かけさせれば雀の涙ほどだが負担になる。

エイミィ、また光学迷彩やるから向こうまで行け」

 

「あっちには十文字会頭がいるから重武装隊でも突破できないぞ」

 

「ありがとう、昼夜と・・・「森崎だ」森崎君」

 

俺は前のより大きな光学迷彩を発動して、乗馬部の部員全員を隠した。

 

「よし、駿」「次だな?」

 

段々慣れて来やがった。

 

やって来たのは第一体育館、まぁ敵は全てマジック・アーツ部が倒してました。

 

「鋼、こっちは無事みたいだな」

 

「うん、先輩方も勇敢に戦ってくれて助かったよ」

 

ここはもう籠城していた方が有利な気がする。

 

「じゃあ警戒装置三つほどサービスしてやる」

 

「え? これは・・・ぬいぐるみだよね?」

 

「魔法がかかっていて俺に対する敵対心に反応する。

分け合って敵対心を埋め込む事が出来たから敵が来たら突撃するはずだ」

 

「うん、多分発動するのを見た方が早いと思う」

 

「なら敵に近寄るか敵が来るのを祈ればいい」

 

「昼夜、次だな?」

 

もう俺が一言も言えなくなったぞ。

 

 

 

「まあ、あとの問題は図書室は達也と深雪がやってくれるか」

 

「な、司波さんも出ているのか⁉」

 

「心配する必要はないぞ。達也が近くにいる限り誰も深雪に傷はつけられない」

 

言い方が悪いが、達也はそう言う風にできている。

 

「んで、俺等も最後の仕事に向かうとするか」

 

「最後って?」

 

俺は後ろから飛んできたスパークを絶縁障壁で防いだ。

 

「うーん、中の上かな?」

 

駿も後ろを向く。そこにいるのは拳銃型CADを持った男だった。

 

「放出系に適性を強化された強化サイキックだね。

エレクトロキネシスってやつか。駿、後衛お願い」

 

「え? あ、おい!」

 

加速魔法で接近する。スパークはすでに絶縁障壁で見切っている。

 

拳を入れて終わりにしようと思ったのだが・・・男は意外と素早く攻撃をかわした。

 

「・・・成程、生体電流をエレクトロキネシスで操作したか」

 

人体強化をそのよう手でするとは興味深い。

 

そこに駿が発動した複数の空気弾が襲う。おあつらえ向きに回避ルート制限して。

 

「ナイスアシスト!」

 

回避ルートを先読みして、振動魔法をかけた掌底を食らわす。これで男は気絶した。

 

「流石だな、テクニックは十分で発動速度も十分。

規模と干渉力は少し物足りないがそれを補うには十分だ」

 

「それ、褒められてる気がしないんだが・・・」

 

「これでも褒めてるぞ」

 

「ところで、なんでこいつは魔法師なのにこいつらに加担していたんだ?」

 

「すべての魔法師が優遇されているわけではないってことさ」

 

「?」

 

兎に角、表向きこの事件は解決した。後は裏の仕事だ。

 

俺の仲間に手を出した罰、ただで済むと思うなよ。

 




          ライターズ・コントローラー
主、及び同類の魔法『  創 造 者 の 筆  』(筆者により名称は異なる)
地の分を書くことにより場面を決定づける魔法。
また、ほかにもキャラクターが言ってはだめなことを言ったとき伏字する機能もある。
ただ、書くまでに時間がかかるため、戦闘では奇襲にしかまともに使えない。
前書きでは、決闘のつもりなので奇襲しなかった。それで負けたけど。
(特に何でもない。本編とかかわりあるわけでもないから気にしないでください)


ギリギリ一月七日だった。これでも頑張ったんですよ。

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