四葉のもう一人の後継者   作:fallere

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すいません、暫く投稿が遅れます。
と言うか今までが異常だったのですが・・・。
出来る限り早く投稿できるように頑張りますのでよろしくお願いします。


入学編 九節

さて、昨日は少し面倒ごとがあったけど毎日がそうではないだろう。

 

今日も風紀委員として面倒ごとの防止及び解決をしますか。

 

「まぁ、そう言う事だからエイミィたちを外まで送り届けてやるぞ」

 

「どういうこと?」

 

エイミィ、雫、ほのかは少し戸惑っている。

 

「いや、三人とも部活は決まったんだから早く帰りたいだろ?

だから、脱出を俺が手伝ってやるだけだ」

 

と言うのも、正門前は各部活の勧誘がひっきりなしだ。

 

「でもそれって風紀委員として大丈夫なの?」

 

「じゃあ聞くぞ。部活の強引な勧誘が起こる可能性がある。

まだ部活や委員会に所属してない人はともかく所属している人もだ。

なら、それらの人を問題がないよう送り届けるのは問題の防止にならないだろうか?」

 

「「「なるほど」」」

 

理解してもらえたようだ。と言う事なので早速仕事に移ろう。

 

俺はシェルター状に光学迷彩を発動した。

 

「じゃあ、校門前まで送り届けるぞ」

 

魔法の不適正使用? 無事に送り届けるという名目がある以上不適正ではないだろう。

 

「昼夜さん凄いですね・・・私も光波振動系は得意ですけどここまで精密には・・・」

 

「ほのかなら出来ると思うぞ。ほのかは出力より精密さよりだろ?」

 

「なんでわかったんですか⁉」

 

「あー、まぁ何となくと言うか想子を見るとそんな雰囲気と言うかな・・・」

 

「じゃあ私は?」

 

「雫は高出力の振動系統魔法が得意では? 精密な操作は苦手みたいだけど」

 

雫はその通りと、エイミィも聞いてきたので・・・

 

「エイミィは移動系統の中でも大質量物質の短期移動、砲撃魔法が得意みたいだな」

 

「うっわ・・・私も当たりだよ・・・なに? エスパー?」

 

「魔法は一応サイキックと言う意味ではエスパーが元型ではあるけど・・・」

 

まぁあれだ、家柄上いろんな魔法師を見てきたのと、

後は遺伝子が見えるのが理由なんだがな。

 

「おう?」

 

何やらもめごとが起こっている。まぁ、止める必要はなさそうだけど。

 

「そこの二人、掴んでいる手を離してください!」

 

「あの人って確か・・・」「深雪のお兄さん?」

 

達也が仲裁に入ったからこの場は放置でいいと思ったのだが・・・

 

「あっ!」

 

達也の後ろで『空気弾(エア・ブリッド)』が発動する。それを俺は対物障壁で防ぐ。

 

「やれやれ、流石のトラブル体質だ・・・」

 

「え? さっきの障壁魔法昼夜の?」

 

「そう言う事だが・・・悪い、少し追いかけないといけないみたいだ」

 

達也は揉み合っていた二人に足止めされている。

 

「光学迷彩は三分ほどエイミィを中心に発動しとくからそのうちに脱出してくれ」

 

「え! わ、わかった」

 

俺は達也の前に出る。

 

「達也、追跡は俺がやる」

 

「分かった、任せたぞ」

 

犯人が誰かは分からないが、取り合えず追う。

 

ヒット&アウェイのつもりか、自己加速魔法を感知する。

 

その犯人を追うために俺も加速魔法、そして眼を使う。

 

犯人が剣道部の部室に入っていくところを眼で捉える。

 

顔も見れなかったのは痛手だ。これでは中に入っても捕まえられない。

 

達也には悪いがここは見逃すことにしよう。次、俺の前であったら容赦しないが。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

さて、今日は4月9日(土)なのだ。そう、真由美さんの家にお邪魔する日だ。

 

とは言え、家の前にリムジンなんて止めてもらわれてはマスコミ殺到だろうし、

 

まぁ、最寄り駅までキャビネットに乗って行くのが一番だろう。

 

「ホロ、これ餌な。毎度毎度情報ありがとう」

 

餌やりも済んだ。スーツも着た。手土産も持った。

 

「水波? 準備は大丈夫か?」

 

「問題ありません」

 

さて、七草邸に向かうとしよう。

 

 

 

道中に何かあったわけでもなく、七草邸に到着した。

 

「あ、昼夜君、こんばんわ~。そっちの子は・・・この前一緒だった?」

 

出迎えてくれたのは真由美さんだった。

 

「昼夜様の護衛の桜井水波です。以後お見知りおきを」

 

「こちらこそよろしくね、水波ちゃん。じゃあ、案内するわ」

 

「お願いします」

 

俺たちは一つの今に案内された。それから、今日は兄二人はいないらしい。

 

「やあ、昼夜君。久しぶりだね」

 

「弘一さん・・・いえ、七草殿。本日はお招きいただきありがとうございます」

 

俺に続いて水波も頭を下げる。

 

「いや、気にしなくていいよ。

それから、外聞を気にする場でもないから弘一さんでいいよ」

 

「ありがとうございます。こちらは俺の護衛の・・・」

 

「桜井水波と申します」

 

「よろしくね・・・しかし、君、学年は?」

 

「俺の一つ下、香澄や泉美と同い年ですね」

 

「その年で護衛に任命されるということはそれだけ魔法の実力があるという事かい?」

 

「対物障壁に関しては類稀な才能を持っています」

 

弘一さんはなるほどと頷いた。

 

「ところで香澄と泉美は?」

 

「ああ、二人ならそろそろ・・・」

 

弘一さんがそう言った矢先・・・

 

「あ、昼夜兄ぃ!」

 

「あ、ちょっと香澄ちゃん⁉」

 

「おう、香澄に泉美、お邪魔させてもらってるぞ」

 

七草の双子が部屋の奥からやってきた。

 

因みに何故か香澄には昼夜兄ぃと、泉美には昼夜お兄様と呼ばれている。

 

「? 昼夜お兄様、そちらの女性は?」

 

「フフフ、泉美ちゃん、なんとこの子はね・・・昼夜君の彼女よ!」

 

「「「え‼」」」

 

驚いたのは香澄と泉美と何故か顔を赤くした水波。

 

と言うか真由美さん、そう言う冗談いいですから。

 

「昼夜お兄様! どういうことですか‼」

 

「ホントだよ昼夜兄ぃ! それならせめて何か声かけてくれたって・・・‼」

 

「あー、二人とも、驚いてるところ悪いが今の真由美さんの冗談だぞ」

 

「「え‼」」

 

再び驚く二人。水波は何やらぶつぶつ言っている。

 

「お姉ちゃん(様)‼」

 

こういう声が重なるところとかは本当に双子なんだなと思う。

 

「自己紹介はするべきだな、水波」

 

「・・・あ、はい、昼夜様の護衛を務めさせていただいております、桜井水波です」

 

二人は水波を値踏みするようなまなざしで見る。俺も初対面の時はそうだった。

 

「なるほど、どうやらそれなりに実力はあるようですね」「だね」

 

「・・・?」

 

「水波気にするな。二人なりの洗礼だ」

 

というか泉美、水波でそれなりじゃほとんどの魔法師が使えない判定だぞ。

 

「じゃあ挨拶も終わったところだし、食事にしようか」

 

と言うことで、部屋に食事が運び込まれてきた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「まぁ、でしたら水波さんと昼夜お兄様は同棲しているのですか?」

 

「同さッ・・・!」

 

「一緒に住んでいるという意味ではそうなるね」

 

まあ、特に問題になるようなことは起こってないが。

 

「ていうかなんで一高にしたの? 別に昼夜兄ぃなら他の学校でもよかったんじゃ?」

 

まあ最悪行かないという選択肢まであったけどな。

 

実際、達也を目立たなくするのが目的ではあったのだが・・・

 

お母様、叔母様、達也のトラブル体質は俺の隠蔽を高跳びしていきそうだよ。

 

「うーん、一つは今の状況かな?七草家や十文字家との交友関係もあるだろうね。

後は・・・俺の正体のお披露目?マスコミに捕まると時間とられるから避けてるけど」

 

「昼夜お兄様は日本で二人しかいない戦略級魔法師ですからね」

 

実際は三人目がいるのだが・・・使った順番だと俺が三人目か。

 

「戦略級って言われても、俺も一人の高校生なんだがな・・・」

 

「いや、昼夜君。君の魔法の知識やCADのカスタマイズ技術は、

高校生レベルをはるかに超えてると思うわ・・・」

 

「あ、そうだ昼夜兄ぃ! 後でボクのCADを調整してよ!」

 

「ん? まぁそれくらい別にいいが・・・

七草家にだって優秀なエンジニアはいるだろう?」

 

「いや、いるけどさぁ~・・・」

 

これはあれか?

 

俺にお願いしたいが七草の面子を壊すようなことは言えないという感じか?

 

「・・・予備のCADなら引き受けてもいいぞ」

 

「え! ホントに⁉」

 

「まぁな。ただ、悪魔でも予備のだからな?」

 

「うん! ありがとう昼夜兄ぃ!」

 

「あの! でしたら私のCADもお願いできますか⁉」

 

「別に一つ二つ増えたところで問題ないぞ」

 

真由美さんは言ってこないが、

聞くのはエンジニアを雇っている弘一さんに失礼だろう。

 

「あ、そう言えば手土産を用意していました」

 

俺は、来る際に素材を買っておいた『生クリーム大福(巨峰入り)』を差し出した。

 

「おや? お店の商品ではないのかい? あ、嫌味じゃないんだけど」

 

「ああ、俺のお手製です。皮は白玉粉から作りました。

中の巨峰も最高品質品を選びましたし。あ、生ものなので早めに食べてくださいね」

 

「「「・・・・・・」」」

 

「いや~、流石だね昼夜君」

 

弘一さんと三人娘の反応が違う。何か悪いことをしただろうか?

 

(昼夜様、そんなものを手作りで用意されてしまうと、

女性のプライドと言うものがですね・・・)

 

・・・あ、そう言う事か。もしかしてこれは失敗してしまったか?

 

「・・・昼夜お兄様はこんなものまで作れるのですね!」

 

「え」

 

あれ、何か泉美の反応が思ってたのと違う。

 

「流石です、戦略級や四葉などと言われても、

自分を極めることを忘れないのはものすごい美点だと思います‼」

 

この後も泉美からは飽きることなく褒められて、

香澄には少し羨望の混じった目で見られて、

 

真由美さんは『なんで私よりも昼夜君が・・・』と小声が聞こえてきた。

 

そんなこんなで食事は終わり、香澄たちのCADをメンテして帰った。

 

明日も午後からこの周辺の十師族の家にお邪魔しないといけない。

 

他家との挨拶はこういう時にはしっかりとしないといけないんだよなぁ。

 

 


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