転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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番外編続き第2弾。

この話も2話です。

なので連投します。


白夜島 過去編①

 

 

あの事件が起きたのは大体七年前、俺達が小学4年生の時の話し。

 

俺と朱乃、イリナそれに朱璃さんと母さんで白夜島に訪れた時に起こった事件だった。

 

 

 

あの時も静音さんの神社に数日お世話になっており俺は静音さんに安綱の使い方のレクチャーを受けていた。

 

「自分の力だけじゃなく安綱の力も借りてそれと合わせて開放する感じね。」

 

静音さんは自然体で安綱を軽く振るっているが威圧感はハンパ無い。

 

「流石に正式な使い手だけあるわね~。イッセーはまだまだね~。」

 

母さんがそう言うが実際その通りなので反論できない。

 

「とはいえ静音は子供の頃からずっと鍛錬してきてるし代々受け継いできた家系だからな、しかたあるまい。」

 

朱璃さんがフォローしてくれるが、それはそれ、納得できないものもある。

 

「それにやっぱり霊力のコントロールの差よね~。私も使えるけどどっちかというと魔力の方がコントロールしやすいしイッセーの適正も魔力だから中々難しいわね。」

 

母さんがそんな事を言う。

 

「そうそれ!魔力と霊力の差がいまいち掴みにくいんだよ。」

 

「説明難しいのよね~。元は一緒なんだけど霊力はそのものを力に魔力はそれを媒体に色々な力を引き出すんだけど~割と感覚で覚えちゃったのよね~。」

 

母さんの言ってる事はなんとなく分かるんだけど所詮なんとなくでうまく扱えない。

 

「まだ使い出して2年でしょ?それで使いこなされたら私の立場無くなるわよ。体術じゃこの子達3人に敵わなくなっちゃってるし。ほんと、末恐ろしい子達よね~。」

 

「どう?イッセーちゃん。実際見て何か掴めた?」

 

「凄すぎてどうなってるかすらわかんないんだけど。」

 

「そうね~、対妖怪に対しては絶対的な力だものね~。人間の私達ですら凄さが感じられるくらいだものね~。」

 

ドオオオオオオオン!!

 

なんて話している時だった。

 

急激な妖力の開放と同時に遠くで爆発音が響いた。

 

「なんだ!?」

 

全員が爆発した方を見る。遠くに煙がモウモウと上がっているのが見えた。

 

「この方角は!?」

 

「一条戻り橋!しかもこの妖気はおやっさん、それに雅。」

 

静音さんが驚きの声を上げる。

 

『静音!これは尋常じゃないぞ!急いで向かうのじゃ!』

 

「ええ、みんなはここで待ってて。」

 

言うなり静音さんは走っていってしまった。

 

「母さん!」

 

「そうね~、朱璃、それにみんなも加勢しに行きましょう。それから念のため朱璃はアザゼルさんに連絡を。」

 

「ああ、わかった姉さん。みんなは先に行ってくれ。」

 

そうして俺達も向かう事にした。

 

 

 

現場に着いた時には酷い状態だった。

 

周囲の家屋は崩れ所々火も出ている。

 

静音さんがおやっさんと戦っているが妖怪に絶大な力があるとはいえおやっさんも最強の鬼なだけあって苦戦している。

 

雅さんも手伝おうとしているが静音さんがくるまでおやっさんを抑えていたせいか妖力も少なく大分疲弊しているらしく手を出せないでいる。

 

「とりあえず雅ちゃんを下がらせて。イッセーちゃん、朱乃ちゃん、イリナちゃんは静音ちゃんのフォローを。でも無理しちゃ駄目よ。」

 

『了解!』

 

俺達が行動を起こし雅さんを下がらせ加勢に入る。

 

「縛!」

 

母さんが呪を唱え一瞬だけおやっさんの動きが止まる。

 

おお、かあさんの全力すげ~。

 

「きゃあ!」

 

その一瞬を付き静音さんが攻撃を加えようとした瞬間母さんの呪が解け静音さんが吹き飛ばされる。

 

そのままおやっさんが静音さんに攻撃を加えようとしたが

 

『おらああああ!!』

 

俺といつの間にか駆けつけていた和登さんの攻撃でおやっさんを吹き飛ばした。

 

「いててて、かって~な。」

 

「和登!」

 

「和登さん!」

 

「間に合って良かったぜ~。とはいえまずいな、静音、動けるか?」

 

「ちょっと無理っぽい。足やられちゃった。」

 

見れば足から血を出している。

 

「おやっさん完全に暴走してるな。それに()の力も少しだけだけど感じる。」

 

「そんな!あれはもう・・・。」

 

「そうなんだけど・・・雅!」

 

和登さんが雅さんを呼び暴走した状況を聞く。

 

「もらい物のお酒を飲んだら急に苦しみだして・・・。」

 

そうこうしているうちにおやっさんが立ち上がってこちらに向かってくる。

 

凍結なる霊鳥(フリージング・アーキオプテリクス)!」

 

構える俺達の後ろから声が聞こえたと思ったら大きな氷の鳥がおやっさんに向かって飛んでいった。

 

キン!

 

鳥がおやっさんに当たると同時に乾いた音を立てて凍りつく。

 

「遅れてすまなかったな・・・・・全力だったんだが・・・流石に最強の鬼、長くは持たんか。」

 

見れば氷にヒビが入っている。

 

「さて、どうするか。」

 

こうなったらやるっきゃないか!

 

「朱璃さん、おやっさんの足止めお願いします!」

 

「何する気だ?」

 

「俺が禁手化(バランス・ブレイク)して最大増幅して安綱を叩き込みます。」

 

「無茶よ!」

 

「時間そんな持たないじゃない!」

 

朱乃とイリナが止めに入る。

 

「でも静音さんが動けない以上俺しか安綱使えないし、とはいえ完全に扱える訳じゃないから増幅して使うしか方法無いないだろ?」

 

俺の言葉にみんなが黙る。

 

「仕方無い、どのみちこのままじゃこちらがやられるだろうしな。やれ、イッセー!フォローはこっちでやってやる。」

 

「はぁ~、仕方ないわね。」

 

「じゃあ、私達も全力でやりましょうか。」

 

朱璃さんの言葉で朱乃とイリナが同意してくれる。

 

「朱乃、イリナ、それから和登。すこし時間を稼いでくれ、全力で撃ち込むから力を貯める時間が欲しい。」

 

朱璃さんの言葉に3人が頷く。

 

そして3人が駆け出し氷からでたおやっさんと対峙する。

 

そして俺と朱璃さんは力を貯める。

 

「があああああああああああああああ!」

 

おやっさんが吼え和登さんが吹き飛ばされる。朱乃もイリナも攻撃しているが全く効いてない。

 

そしておやっさんが朱璃さんに迫るが

 

「させない!!はああああああ!!」

 

ドドドドドドドドドドドド!

 

複数の大きな火の玉が飛んできて再びおやっさんを吹き飛ばす。

 

「大丈夫?みんな。」

 

「ああ、助かったぜ美琴。」

 

「なんとか間に合ったわね。」

 

助けてくれたのは美琴さんだった。

 

「ナイスだ美琴!みんな離れろ!」

 

朱璃さんが叫ぶ!

 

禁手化(バランス・ブレイク)!」

 

声とともに朱璃さんの魔力が増大し同時に周囲の気温も下がる。

 

絶対零度の霊鳥(アブソリュートゼロ・アーキオプテリクス)!!」

 

さっき朱璃さんが放ったのとは桁違いの冷気と魔力が篭った氷の鳥がおやっさんに向かって飛んで行く。

 

ギイイイイイイン!

 

激しい音を立てておやっさんが再び凍りつく。

 

「イッセー!長くは持たん!決めろ!」

 

力を出し切ったのか方ひざを付いて朱璃さんが叫ぶ。

 

「行くぜ!ドライグ!安綱!」

 

『仕方無い!全力で行くぞ!』

 

『いこう!イッセー、頼むぞ!』

 

そして俺はおやっさんに向かって駆け出す。

 

「おおおおおおおおおおおお!」

 

禁手化(バランス・ブレイク)!!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

 

声と共に全身に龍の姿に似た鎧が装着される。

 

魔力消費がハンパ無い!だがここで倒れるわけにはいかない!

 

BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

声と共に力が増幅される。が

 

バキイイイイイイン!

 

氷が割れおやっさんが俺に向かってくる。

 

やばい!間に合わない!

 

「させるかああああああ!!」

 

ドドドドドドドドドドドド!!

 

声と共に降り注ぐ無数の光の槍。

 

その一瞬に出来た隙を突き俺は安綱に全力を篭め、おやっさんに振るう。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

ズバアアアアアアアアアアアアン!

 

振るった刀はおやっさんの妖力と混ざっていた血を吹き飛ばす!

 

「ぐあああああああああ!」

 

おやっさんは攻撃をくらって叫んだ後倒れた。

 

そして俺も全力でやったため力を使い果たし意識を失った。




朱璃さんの禁手化(バランス・ブレイク)!その名も絶対零度の霊鳥(アブソリュートゼロ・アーキオプテリクス)です。

割と好きな技なんですが、この先あんまり出ません。

なんせメインで戦うのがイッセー達なんで。

ではもう一話いきましょう。

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