転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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暫く番外編です。

最初の方にだけ登場していたイッセーが使っていた刀『童子切安綱』の話になります。

元ネタは・・・エロゲです。

設定とか世界観が好きなので使わせてもらいました。


第6.5章 番外という名の伏線
白夜島 再会編①


 

 

朱乃と白夜島の街中でしばらくデートした後、知り合いに会うために商店街外れにある喫茶店「一条戻り橋」へ向かった。

 

「こんちは~。」

 

扉を開け声を掛ける。

 

「いらっしゃいませ~、あ!イッセー君に朱乃ちゃん?」

 

「ご無沙汰してます~。」

 

「お久しぶりです、雅さん。」

 

俺達を出迎えてくれたのはこのお店の従業員『伊吹 雅』さん。

 

頭に角がある以外は見た目は普通の綺麗な女性だ。

 

見た目に騙されると酷い目に会う。

 

普段は良い人なんだけどある人が絡むとものすごい力を発揮する。

 

「おお~、来たか。イッセーに朱乃ちゃん。」

 

奥から出てきたのはこのお店の店主『酒天童子』通称おやっさん。雅さんの父親で体長は2mを超える。

 

鬼族の長。妖怪でも最強クラスの力を持っているが娘に甘く奥さんの尻に敷かれている。

 

「おやっさん、お久しぶりです。」

 

「お久しぶりです。」

 

「二人とも大きくなったな~。何年ぶりだ?」

 

「高校入る前だから2年位ですね。」

 

おやっさんは俺達を見てうなっている。

 

「おやっさん?」

 

「おお、すまねぇな。二人とも悪魔になったのか?それに実力も段違いに上がっているな。」

 

「あははは。実は───」

 

俺は高校に入ってからのことを簡単に話した。

 

「なるほどな~。2年も経てばとは思うが変わりすぎだろ!わははははは!」

 

豪快に笑う。

 

相変わらずだな~。

 

「良かったね~、朱乃ちゃん。でもいいの?イリナちゃんと他にも2人と付き合ってるなんて。」

 

「ええ、納得してますしこうやって2人の時間も作ってくれますから。」

 

「何言ってんだ雅、和人だって似たようなもんじゃねぇか。」

 

「まあ、そうなんだけどね。普通だとそうじゃないでしょ?」

 

「そうだろうがイッセーなら大丈夫だろ。悪魔は一夫多妻だっていいんだろ?」

 

あはは~と笑って誤魔化す。この会話は分が悪い。

 

「酒天童子も相変わらず細かい事気にせんのう?」

 

そう言って安綱が人型モードで現れる。

 

「うるせえな!勢いで生きた方が楽しいだろうが!」

 

2人?がにらみ合う。

 

「あ~も~、続けるなら安綱は塩水の刑な。」

 

「おとうさんも続けるなら3日間口聞かないよ?それとお母さんに言うよ?」

 

俺と雅さんの言葉に

 

「わかったから、塩水は勘弁じゃ。」

 

「仕方無い、雅に免じて引いてやる。」

 

相変わらず仲が悪い。

 

まあ、ある意味仕方無いんだろうけど。

 

「静音さん達は神社ですか?」

 

「今なら蓮華ちゃんと美琴ちゃんもいるんじゃない?」

 

「ああ、そうだな。今日は泊まってくんだろ?俺達も店閉めたら行くからよろしく言っておいてくれ。」

 

それからしばらく話したり甘味をご馳走になって目的地である天城神社に向かうことにした。

 

 

 

天城神社───

 

普通の神社。は表向きで実際は妖怪退治を生業としていた。

 

元々は鬼族の住む近くにあったらしいが白夜島が出来て今の場所に移転したらしい。

 

代々『童子切安綱』を受け継いできた由緒正しい神社。

 

まあ、安綱は母さんがここの神主さんと知り合いで預かっていたのを俺が使わせてもらっている。

 

 

「相変わらず石段多いな。」

 

「そうね~、家の神社と同じ位かしら?」

 

そう言いながらも境内に着く。境内には1人の巫女さんが掃除をしていた。

 

向こうもこっちに気が付いたらしく近づいてくる。

 

「どうもお久しぶりです。」

 

「ご無沙汰してます、蓮華さん。」

 

「あ、大きくなったね~イッセー君に朱乃ちゃん。」

 

巫女服を着た俺達と同年代に見える『黒部 蓮華』さん。

 

パッと見人間と変わらないが妖怪座敷童。

 

ある程度育つとずっと見た目が変わらないらしい。

 

前に朱乃とイリナが羨ましがってたな。

 

「蓮華さんは変わらないですね~、羨ましい!」

 

・・・今もだった。わからんでもないけど。

 

「お、来たわね。元気だった?」

 

蓮華さんと話していたら2人の女性が現れる。

 

「はい。静音さんも。」

 

「やあ、久しぶりだね。」

 

「お久しぶりです、美琴さん。」

 

2人のうち1人『赤城(旧姓天城) 静音』さん。

 

ここの神社の巫女さんで安綱の本来の持ち主、「童子切の巫女」

 

お金に目が無い。

 

もう1人が『聖 美琴』さん。

 

狐耳と尻尾がモフモフしてて気持ちよさそう。

 

妖怪でも妖術に関してはトップだろう妖狐。その中でも名門と言われる「聖」家の出。

 

更にその中でも才能は高いらしく尻尾の数は最大の九尾。普段は一尾で残りは隠してるらしい。

 

「ふ~ん・・・・イッセー君。」

 

美琴さんに呼ばれて振り向いたら炎の玉が数個飛んできた。

 

「ちょ!あぶっ、この!」

 

なんとか避けたり弾いたりする。

 

「いきなり何するんですか!」

 

「いや~、強くなってるみたいだからちょっと試してみようかと。」

 

「いやいやいや!ちょっとの威力じゃなかったですよ!下級悪魔だったら黒こげです!」

 

「そうなんだが、それを簡単に防ぐのも大概じゃないかい?」

 

そういえば前もやられたな~・・・お茶目!とか言われた覚えが。

 

「美琴さん、やり過ぎです。とはいえイッセー君もだけど朱乃ちゃんも随分強くなったんじゃない?」

 

「そうですね、やっと朱雀も制御できるようになりましたし。」

 

「おお~、おめでとう!苦労してたもんね~。」

 

「ありがとうございます。」

 

ふむ、俺だけ見せるのもつまんないな。

 

「朱乃、結界張るから見せてみれば?」

 

「え、イッセー・・・。」

 

何か言おうとしていたが静音さんと美琴さんの目が爛々としている。

 

「わかったわよ。ちょっと離れててくださいね。」

 

そう言って俺は周囲に結界を張り朱乃は魔力を集中する。

 

「はあああああ、朱雀!」

 

ドン!

 

朱乃の周囲の空気が振動し朱乃の姿が変わる。

 

『え!』

 

静音さんも美琴さんも驚いているな。

 

「イッセー・・・オーバードライブ。」

 

「ばか言うな!境内吹っ飛ぶわ!」

 

「私だけ見せるのってどうなの?」

 

「いやいやいや、言いたいことはわかるけどオーバードライブはシャレになんないって!」

 

じーっと俺を見てくる。

 

「わかった、俺が悪かった!後で何か奢る!」

 

「ふぅ、仕方ないわね~。」

 

息を吐き元に戻る。

 

「ちょっと!何?今の!初めて見たわよ!朱音さんも朱璃さんもあんな風にならなかったし。」

 

静音さんが朱乃に詰め寄ってくる。

 

「ああ、えっと、あれが本来の使い方というか姿なんです。」

 

そう言って説明する。

 

「前から才能あると思ってたけどそこまでとはね~。」

 

静音さんが感嘆の声をあげる。そして

 

「イッセー君、さっき朱乃ちゃんが言ってたオーバードライブってなにかな?」

 

俺には美琴さんが詰め寄って来ていた。

 

「え~とですね、禁手化(バランスブレイク)の上位版・・・というか精霊の力の上乗せですね。」

 

「え!禁手化(バランスブレイク)よりも強くなるの!?」

 

「そうですね、数倍は・・・。」

 

・・・・・・絶句。という感じかな?

 

「山破壊して次元にも亀裂入れてたもんね~。」

 

「そこでバラすかな!?」

 

「仕返しよ仕返し。」

 

くそう。

 

「もしかしてイリナちゃんも強くなってるの?」

 

静音さんが聞いてくる。

 

「ええ、俺達とは違う方向ですが強いですよ。」

 

「九尾だって事を誇ってきたけどまだまだね~。」

 

美琴さんが溜め息をつく。

 

「ああ、そういえば聞きたいことがあってこっち来たんだっけ?」

 

静音さんが話題を変える。

 

「あっと、そうでした。この小太刀に封印が掛かってるんですが解除の方法が無いかってのと、安綱をメンテ・・・ではないですが見てもらおうかと思いまして。」

 

そう言って安綱を出す。

 

「静音、久しぶりじゃな。」

 

「元気そうで安心したわ。」

 

安綱は静音さんの肩に乗り静音さんに撫でられている。

 

「とりあえずここじゃなんだから中に入りましょう。」

 

静音さんの言葉でみんな中に入ることにした。




キリが悪いのでもう一話。

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