転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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さてさて戦闘も終盤です。


解決

 

 

〜 朱乃 side 〜

 

アーシアがイッセーを追って転移した後、私はシャルバと戦っていた。

 

「小娘のくせにやるじゃないか。」

 

「そんな余裕にしてていいの?」

 

と言いつつ余裕が無いのは私の方だったりする。

 

流石に元魔王の一族なだけはある。それに加えオーフィスの蛇を使っているらしく実際私は押されている。

 

イリナがいればなんとかなりそうなんだけど・・・。

 

なんて弱音は吐けないわね~、あれだけの啖呵切ったんだし。

 

さて朱雀、もう少し私に力を貸して頂戴ね。

 

気合を入れなおした時イリナから通信が入る。

 

『黒歌がアーシアの気を見つけたわ。私はこれから黒歌のサポートで次空に裂け目を作るわ!だからみんな、もう少し耐えて頂戴。』

 

言い終わった瞬間イリナの力が膨れ上がる。

 

「何をしようとしているがわからんがさせんぞ!」

 

シャルバがイリナの元に向かおうとするが

 

「業炎!!」

 

ゴウッ

 

「行かせないわよ!あんたの相手は私なんだから!」

 

私の業炎を回避したシャルバは

 

「小娘が!貴様を倒してお前らの目論見潰してくれるわ!」

 

そうして暫くシャルバと撃ち合う。

 

そうしている内に空間が軋むような音が聞こえた。

 

「イリナ?!」

 

音の方を振り向けばイリナが剣を空間に突き刺していた。

 

「ふはははは!どうやら赤龍帝の小僧を救出しようとしたみたいだが充分な大きさの裂け目は出来なかったようだな!」

 

イリナも何とか裂け目を広げようとしているみたいだけど未完成の偽聖王剣(フェイク・コールブランド)ではこれ以上はきつそうだ。

 

その時通信機からイッセーの声が聞こえる。

 

『イリナ、裂け目大きくするから合図したら避けろ!皆も裂け目の直線上から退避させててくれ。』

 

イッセー!確かに微かに裂け目からイッセーの気を感じる。

 

でもこの気の感じって・・・そして私は直線上(・・・)にいる・・・・。

 

『よし!イリナ退避!』

 

イッセーの通信の声を聴いた瞬間私は全力で逃げ出した。

 

「今更逃がさんぞ!小娘!」

 

シャルバが私に攻撃を仕掛けようとした時

 

バリイイイイイイイイイン!!

 

空間を割って激しい音と共に極大の雷がフィールドを貫いた。シャルバとかなりの数の悪魔達を飲み込んで。

 

~ 朱乃 side out ~

 

 

 

トールハンマ(雷神の鎚)で裂け目を大きくして俺はみんなの元に帰還出来た。

 

が、出迎えてくれたのは朱乃の魔法の嵐だった。

 

「やりすぎよおおおおおおお!!」

 

「すまん!どれくらいやればいいか分からなかったからちょっと強めの魔法を・・・。」

 

「ちょっとじゃないわよ!もう少しで私も巻き込まれたのよ!」

 

「すまん!わかったから!今度の休みに二人でデートするから!それで勘弁してくれ!」

 

そう言った瞬間朱乃からの攻撃が止まった。

 

「昼食とデザートおごりね。」

 

「・・・わかった。」

 

「やった~!久々のデート!」

 

何とか機嫌を直してくれたみたいだ。

 

『イッセー!』

 

安心していたら何故か女性陣に囲まれていた。

 

「私達も頑張ったんだけど~。朱乃だけじゃ、な・い・わ・よ・ね?」

 

え~と・・・。

 

「わかった!順番な!それで許して!」

 

『絶対よ!』

 

・・・女の子は怒らすと怖い。

 

バジッ!

 

なんて考えていたら俺が張っていた結界に攻撃が当たり弾けた。

 

「赤龍帝!やってくれたなあああああああ!」

 

「・・・誰?」

 

イリナが教えてくれる。

 

「シャルバ・ベルゼブブよ。あんたを次元の狭間に送った張本人。」

 

なるほどなるほど。周囲を見れば他にも悪魔がいる。

 

俺が飛ばされた後こいつらに襲撃されたのか。

 

「ん、把握。残りは俺だけで倒す。みんなは結界で休んでていいぜ。」

 

そう言ってみんなを結界で覆い俺は前に出る。

 

「ふふ、イッセー君だけ戦わせるのは男としてかっこ悪いんでね。」

 

祐斗も俺の隣に並んで言う。

 

「わかった。じゃあ俺がシャルバを倒すから他の悪魔の相手頼む。」

 

「わかったよ。じゃあ、行こうかイッセー君。」

 

俺と祐斗は拳を軽く合わせ同時に駆け出した。

 

俺はシャルバに向かう。

 

俺に攻撃を仕掛けてくるシャルバに

 

「シャルバ・・・だっけ?アレ食らって生きてるなんて頑丈だな!」

 

「真の魔王のこの私がやられるわけがあるまい!」

 

「そういう割にはボロボロじゃね~か!無理しないで帰ってもいいんだぜ?」

 

シャルバの攻撃を捌きつつ言う。

 

「ふざけるなああああ!」

 

おしおし、乗ってきたな。とはいえあんまり時間も無いことだし一気に決めますか。

 

『相棒、トールハンマ(雷神の鎚)はもう無理だぞ。』

 

わかってるよ。

 

エアリィ、こんなのどうだ?

 

エアリィにイメージを送る。

 

『出来ると思うよ~。』

 

おし、いくぜ!

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

増幅した魔力を左手に集める。

 

そして籠手からアスカロンを引き抜き、集めた魔力を刀身に纏わせる。

 

「死ね!赤龍帝!!」

 

シャルバは巨大な魔力の塊をこっちに放つ。

 

俺は居合いの構えをする。

 

「エアロ・ストラッシュ!!」

 

剣を一気に抜き放ち魔力と聖剣のオーラを合わせ刃状にして放った。

 

ズバンッ!

 

飛ばした刃は魔力の塊を切り裂き貫通し、シャルバも切り裂いた。

 

「ぐあああああああああああああ!!」

 

胴体を切られたシャルバは断末魔の叫びをあげ気を失って地面に倒れた。

 

俺も周囲を確認し鎧を解除する。

 

「祐斗も終わったみたいだな。」

 

「なんとかね。イッセー君が戻ってくるときに放った魔法で大分数が減っていたからなんとかなったよ。」

 

「イッセー君、最後の技って普通の聖剣のオーラも混ざってたね。」

 

「ああ、龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)とはいえ聖剣には変わりないから魔を滅する力もあるだろ?その分を俺の魔力に上乗せしたんだよ。悪魔相手なら覿面だろ?」

 

「その発想は・・・無かったね。」

 

そうだろうな~と思う。

 

「祐斗やイリナだとそれぞれ特化した聖剣や魔剣創れるから必要ないだろ?」

 

「ん~、でもなるほどと思ったよ。逆も出来るってね。」

 

切り離す事ができれば合わせる事も出来るか。

 

なんて話しているとアザゼルさんやサーゼクス様がやってきた。

 

「おお、イッセー無事だったか。」

 

「さっきの大きな魔力がイッセー君の修行の成果かい?」

 

「はい。1回次元の狭間に飛ばされましたがみんなのおかげで戻って来れました。」

 

で、もう2つ気配が

 

「ヴァーリ!」

 

「ああ、兵藤一誠。更に強くなってるな。」

 

「こんなとこいていいのかよ?それからあいつは?」

 

「ああ、俺は彼女の付き添いだ。無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィス。のな。」

 

ぶ!あれが禍の団(カオス・ブリーゲード)の親玉かよ!

 

「アザゼルさんとサーゼクス様が何もしないって事は戦うことはないってことでいいんだよな?」

 

「ああ、彼女は今回は見学しに来ただけだからな。」

 

見学?と思っていると俺がトールハンマー(雷神の鎚)で開けた穴が更に大きく音を立てながら割れていった。

 

そして中から大きなドラゴンが現れる。

 

でけぇ!タンニーンのおっさんより遥かにでかい。

 

「オーフィスと俺はこれを見学しに来た。黙示録に記されし赤いドラゴン。『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッド。『真龍』と称される偉大なるドラゴンだ。自ら次元の狭間に住み永遠にそこを飛び続けている。」

 

「あんなとこを飛び続けているのか。」

 

さっきまでいた次元の狭間を思い出す。

 

「あれがオーフィスの目的であり俺が倒したい目標だ。」

 

目標か。俺もそろそろ具体的な目標持たないとな~。ヴァーリがちょっと羨ましいかな。

 

とはいえあんなのを倒すのを目標にはしたくないが。

 

「俺が最も倒したい相手『D×D(ドラゴン・オブ・ドラゴン)』と呼ばれし『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッド。───俺は『真なる白龍神皇』になりたいんだ。赤の最上位がいるのに、白だけ一歩前止まりでは格好がつかないだろう?だから俺はそれになる。いつかグレートレッドを倒してな。」

 

壮大な目標というか夢だ。とはいえこいつなら叶うまで戦い続け強くなり続けようとするだろう。

 

「グレートレッド、久しい。」

 

オーフィスがそう言う。なんというか害意を感じない。

 

本当にテロリストの親玉か?と思ってしまう。

 

バサッという音と共にタンニーンのおっさんもやってくる。

 

「イッセー、無事だったか。」

 

「ああ、なんとかな。」

 

「懐かしい、グレートレッドか。」

 

みあげながらおっさんが言う。

 

「タンニーンも戦ったことあるのか?」

 

アザゼルさんの問いにおっさんは首を横に振り

 

「俺なぞ歯牙にもかけてくれなかったよ。」

 

確かに、あの力は尋常じゃない。何もしていなくても勝てる気がしない。

 

「オーフィス、各地で暴れまわっていた旧魔王派の連中は退却及び降伏した。事実上纏めていた末裔を失った旧魔王派は壊滅状態だ。」

 

「そう、それもまたひとつの結末。」

 

アザゼルさんの言葉にオーフィスは動揺すらしなかった。

 

まだ戦力があるからなのか・・・興味無いのか。

 

「お前等の中であとヴァーリ以外に大きな勢力は人間の英雄や勇者の末裔、神器(セイクリッド・ギア)所有者で集まった『英雄派』だけか。」

 

英雄なのにテロとかどうなんだ?矛盾しか感じないんだけど・・・。

 

「オーフィス、やるか?」

 

アザゼルさんが光の槍をオーフィスに向ける。

 

「我は帰る。」

 

オーフィスはあっさり言い、きびすを返す。

 

「待て!オーフィス!」

 

タンニーンのおっさんが呼び止める。

 

「タンニーン。龍王が再び集まりつつある。───楽しくなるぞ。」

 

ヒュッという音共にオーフィスは消え去っていた。

 

ん~、なんだろう?悪者っぽくない。

 

アザゼルさんもおっさんも嘆息していた。

 

「さて、俺達も退散しよう。」

 

いつの間にかアーサーと美猴もいた。

 

「兵藤一誠、いつか再戦を希望する。俺の目標にはお前も入っているからな。とはいえさっきの戦闘見た感じだとまだまだお前には勝てないようだ。それに他にも戦いたい奴ややりたい事もあるからな、暫くは預かっておいてくれ。」

 

「相変わらずだな~。まあいいさ、再戦は預かっておいてやるよ。ただしこの間みたいのは勘弁な、それと殺し合いにも興味ないからそういうの無しだったらいいぜ。」

 

「ああ、わかった。」

 

ふと見ると美猴が黒歌に話しかけていた。

 

「へへ、いい顔するようになったじゃねぃかい。」

 

「そうかにゃ?そうかもにゃ。今の生活は楽しいにゃ。」

 

「ま、立場柄また会うだろうしそん時はまたよろしくな。」

 

「もちろんにゃ。」

 

美猴も結構言い奴なんだな。

 

祐斗とイリナの所にはアーサーが話しかけている。

 

「木場祐斗君、紫藤イリナさん。私は聖王剣の所有者であり、アーサー・ペンドラゴンの末裔。アーサーと呼んでください。いつか聖剣をめぐる戦いをしましょう。」

 

「アーサーね。この間のメモは助かったわ。まだまだ未完成だけれどね。」

 

「いえいえ、こちらは万全の状態で極限の戦いをしたいだけなので。」

 

そういうとアーサーは剣を抜き空間を切り裂いて次元の裂け目へと消えていった。

 

「ふふ、堂々と手の内見せて帰るんだから。」

 

俺はイリナに近づき

 

「勝てそうか?」

 

「今は無理ね。剣の制御もだけど動きに全く隙がなかったわ。でもいつか必ず・・・ね。」

 

そんな俺達にリアスが近づき

 

「そうね、私達はまだまだ強くならないといけないわね。イッセーばかりに頼っていられないもの。」

 

みんな充分強いと思うけどな~・・・って言ったら怒られそうだ。

 

「とはいえ今日は帰って休みましょう。」

 

『はい!部長。』




この章もあとはエピローグで終わりです。

展開ちょっと変わります。

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