転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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すません!1話とばしてしまいました。


イッセー救出作戦

 

 

〜 朱乃 side 〜

 

「はははははは!小娘ではなく赤龍帝が消えたか!」

 

イッセーがアーシアを付き飛ばし庇って光と共に消えた後、上から声が聞こえた。

 

「あなたは、シャルバ・ベルゼブブ!!」

 

リアスが見上げながら叫ぶ。

 

「これはこれはグレモリーの姫ではないですか。」

 

芝居がかった口調でシャルバは答える。

 

「あなたまで『禍の団(カオス・ブリーゲード)』に?!イッセーをどうしたの!」

 

怒りと困惑混じりで叫ぶ。

 

「本来ならそこにいるアスタロトの小僧がその小娘を攫い貴様等を罠に掛けて殲滅する予定だったんだがな、失敗したようなので我が自ら出て来てやったのだ。本当は赤龍帝に仲間を失う苦しみを与えるつもりだったのだが赤龍帝自らが消えてくれたわ!今頃次元の狭間で彷徨っているだろうよ。」

 

次元の狭間に飛ばされた!

 

死んではいないのね。それなら───

 

「おそらくは赤龍帝は死んではいないだろう。ならば戻って来た時に絶望してもらう為に貴様等を殺しておこうじゃないか。」

 

言い終わると同時に周囲に複数の魔法陣が現れシャルバの仲間らしき悪魔が出て来る。

 

まずいわね、強さはそうでもないけど数は千を超えてるんじゃないかしら?

 

「リアス、どうする?」

 

「イッセーが戻って来るまでなんとかしたいけれどこの人数はまずいわね。」

 

リアスも同意見みたいね。

 

「お姉様方、私に考えがあります!」

 

珍しくアーシアが強い言葉で言って来た。

 

皆でアーシアの考えを聞く。

 

「─────────────。」

 

!!

 

なんて事を思い着くのかしら。

 

私は少し笑いながら

 

「いいわよ、その作戦乗ったわ。」

 

「朱乃!!」

 

私の言葉にリアスが反応する。

 

「イリナ、黒歌。いけるのよね?」

 

「出来るけど、その間私とイリナはこれ以外何もできないにゃ。」

 

黒歌が困惑しながら答える。

 

「それならイッセーが戻る迄耐え切ればいいのよね?」

 

「絶対成功出来るという保障は出来ないにゃ。偽装術式でそこそこ魔力も消耗してるし、こんなの初めてだからぶっつけ本番だし。」

 

「そうね、私も透明(トランスペアレンシー)と偽装術式で結構消耗してるからアレ(・・)をきちんと使えるかどうかちょっと自身無いわ。」

 

私の問いに黒歌とイリナがすまなそうに答える。

 

「とはいえこのままだとどの道全滅の可能性だってあるわ、それにアーシアの覚悟を無駄にはしたくないわ。」

 

「ええ、黒歌、イリナ。やってくれる?失敗しても恨んだりしないから大丈夫よ。」

 

「先輩、やりましょう。」

 

「そうだね、何もしないでこのまま戻ってくるの待って策も無しに戦うのは僕たちらしくないしね。」

 

リアスに小猫ちゃん、祐斗も乗り気みたいね。

 

「イッセーなら自力で戻ってくる可能性もあるけど、いつもいつもイッセーに頼ってばかりじゃね。たまにはこっちから迎えに行くってのもいいんじゃない?」

 

「わかったにゃ。」

 

「しゃうがないわね、失敗しても文句言うんじゃ無いわよ?」

 

黒歌もイリナも皆の言葉でやる気になってくれたみたい。

 

「それじゃあ、アーシア、イリナ、黒歌、頼んだわよ。みんなもイッセーが戻ってくるまで耐えるわよ!」

 

『はい!部長。』

 

リアスの言葉に全員が返事をする。

 

「作戦会議は終わったかな?」

 

シャルバが言ってくる。

 

「ええ、おかげさまで。」

 

「それでは、始めよう!」

 

シャルバの言葉で周りの悪魔達も動き出す。

 

「いくわよ!みんな。」

 

リアスの言葉に私達も応戦を始める。

 

絶対にみんなで生き残る!

 

だからイッセー、早く帰ってきなさい!

 

~ 朱乃 side out ~

 

 

 

~ アザゼル side ~

 

急にイッセーの気配が無くなった。

 

俺は試合開始から旧魔王派の悪魔共を倒していた。

 

途中、禍の団(カオス・ブリーゲード)の親玉であるオーフィスが現たが見学だと言って何もしてこなかった。

 

正直内心では安堵していた。こいつに勝てるのはグレートレッドくらいのもんだろう。

 

その後旧魔王派のクルゼレイ・アルモデウスが現れたがサーゼクスがやってきてあっという間に倒してしまった。

 

それからそう時間も経たない内にイッセーの気配が唐突に消えた。

 

少し前に通信した時は作戦は問題無く進んでいたと言っていたのに。

 

「アザゼル!」

 

「ああ、イッセーの気配がここから消えた。」

 

「それにみんなの居る方向から大きな魔力を感じるな。」

 

俺もそれは感じていた。

 

「とはいえ、イッセーならこれ位の奴には負けることは無いはずだ。」

 

「とにかく我々も向かおう、他にもかなりの悪魔の気配がする。いくらリアス達が強くてもこの数相手だと厳しいだろう。」

 

サーゼクスの言葉に頷く俺とタンニーン。

 

だが

 

「まだいやがんのかよ!」

 

旧魔王派の悪魔が複数現れた。

 

「サーゼクス、アザゼル、ここは俺が引き受けよう。お前等は先へ行け。」

 

「助かる、あとで良い酒でも持ってくから一杯やろうぜ。」

 

「タンニーンここは任せた。」

 

タンニーンは極大の炎を吐きながら悪魔達に突っ込んでいった。

 

俺とサーゼクスも頷きあいイッセー達の元に向かった。

 

くそ!一体何が起きてやがる!

 

~ アザゼル side out ~

 

 

 

俺は不思議な空間にいた。

 

景色がころころ変わったり虹色に輝いたり万華鏡のようになったり。

 

アーシアを庇って光に包まれたと思ったらここにいた。

 

「ここ、どこだ?」

 

『面白い場所だね~。』

 

エアリィも興味津々と言った感じで周囲を見ている。

 

『次元の狭間だな。様々な世界の隙間に存在し世界と世界を分け隔てる境界。何も存在しない「無の世界」だ。色々な物が見えるのはここがその境界だからだ。生身だったら無にあてられて短時間で消滅してしまうだろうな。今は鎧を纏っているから大丈夫だが。』

 

『私の結界でも防げると思うよ~。』

 

なるほど。

 

「・・・で、戻る方法は?」

 

『特別な術式で通常は転移するのだが・・・。』

 

「そんなのしらね~よ!!他に無いのか?早く戻らないとみんなが!」

 

『そうだな、あとは強い力で空間に穴を開けるくらいだが・・・正直どこにつながるかわからん。』

 

空間に穴って・・・。

 

「どんだけ力必要なんだよ?」

 

『オーバードライブで全力で撃ったら開くんじゃないか?』

 

それだと戻ってからまともに戦えないとかになりそうだけど戻らない事にはな~。

 

なんて考えていると近くに転移の魔法陣が展開される。

 

この紋様は!

 

「お兄ちゃん!!」

 

魔法陣からアーシアが出てきて抱きついてきた。

 

「アーシア!どうして!」

 

「お兄ちゃんが次元の狭間に飛ばされたって聞いてこれ(・・)使って飛んできました。」

 

アーシアが腕輪を見せながら説明する。

 

「いやいやいや!アーシアまでここに来てどうするんだよ?」

 

『相棒』

 

「なんだよ!」

 

ドライグの声に荒々しく答える。

 

『とりあえずその娘を結界で覆わないと消滅してしまうぞ。』

 

!!!

 

「エアリィ、頼む」

 

『はいよ~。』

 

そう言って俺とアーシアを包むように結界が張られる。

 

「お兄ちゃん、今黒歌さんとイリナお姉様に戻れるように頼んできました。場所の特定は黒歌さんが、ここが特定されたらイリナさんの力で戻れるようにしてもらってます。ですが、もしかしたらそれも失敗するかもしれません。」

 

なるほど、ただ無策に飛んで来た訳じゃないのか。とはいえ無謀すぎる!

 

「作戦はわかったけど無茶がすぎる。」

 

そう言ってアーシアの頭を撫でる。

 

「お兄ちゃんは人の事言えないと思います!たまには心配する側に立つのもいいと思います!」

 

『言われちゃったね。』

 

「あはは、・・・今迄すまん!」

 

「本当に、です。これからはこういうことも考えて行動してくださいね。」

 

妹に説教とかかっこ悪いな~。まぁ、反省しておこう。

 

と、話していたら唐突に空間に裂け目が出来る。

 

イリナか!

 

だが

 

「裂け目が・・・。」

 

アーシアが言いたい事はすぐにわかった。

 

切れ目が小さいのだ。子供が通れるか通れないかくらいのサイズだ。

 

どうする?!

 

『相棒これだけあれば充分だ。オーバードライブを使えば大きくするのは問題無い。消耗も抑えられるだろう。』

 

「本当か!」

 

『ああ、空間に裂け目を入れるのに一番力を使うからな。開いていれば手助けするだけで大きく出来る。』

 

「エアリィ、アーシアを守りながら出来るか?」

 

『ちょっと厳しいかも~。』

 

そうだよな。とはいえ時間をかける訳にもいかないし────

 

『仕方無い、僕達がこのお嬢さんを守ってあげるよ。』

 

え?誰?と思っているとアーシアの懐から光が溢れている。

 

アーシアも慌てて懐を探りそれ(・・)を取り出す。

 

取り出し、輝いているのは以前に依頼でもらった謎の小太刀だった。

 

そういえばゲーム前にお守り代わりに持たせたんだった。

 

『時間ないんだろ?向こう側のお嬢ちゃんも限界近そうだし。』

 

「お前が何なのかあとできっちり聞かせてもらうからな!」

 

『まあ、仕方ないか。ほらほら時間無いんだから急いだ方がいいよ。このお嬢さんはきちんと守ると約束するよ。』

 

「信用するからな!出来なかったらバラバラにしてやる!ドライグ!エアリィ!いくぜ!!」

 

『おう!』

 

『ガッテン!』

 

「はああああああああああ!」

 

俺は一気に力を解放する。

 

「いくぜ!赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)mode(モード)Aerial overdrive(エアリアルオーバードライブ)』!!」

 

そして俺は裂け目に向かって叫ぶ。

 

「イリナ、裂け目大きくするから合図したら避けろ!皆も裂け目の直線上から退避させててくれ。」

 

声が届いたみたいだ、気配が遠ざかっていく。

 

久々にアレ(・・)やるか!

 

そして俺は力を溜める。

 

「よし!イリナ退避!」

 

声と共にイリナの気配が遠ざかる。

 

「いくぜ!ドライグ!エアリィ!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

俺の言葉に呼応して力が増幅される。

 

『イッセー!今!』

 

エアリィの言葉で力を言葉と共に解放する。

 

トールハンマ(雷神の鎚)ァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

声と共に極太の雷が放出され、裂け目がバリィィィィンという音と共に広がっていく。

 

「アーシア!、帰るぜ!」

 

「はい!お兄ちゃん!」

 

俺はアーシアの手を引き裂け目に向かって飛ぶ。

 

小太刀もちゃんとアーシアを守ってくれていたみたいだ。

 

さて、戻ったらきっちり落とし前つけてもらうぜ。




番号で管理してるんですが・・・間違ってました。

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