転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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なんとか書けた。


テレビ出演・そして・・・

 

 

ヴァーリから話を聞いてから次の日の夜、俺は屋上でテレビ出演について考えていた。

 

何話せばいいんだろ?憂鬱だ。

 

冥界では俺が思うよりも俺達は有名になっていたらしく、雑誌とかではリアス・グレモリー姫特集!とか記事にされているらしい。

 

若手悪魔のレーティングゲームは冥界全土に放映されていたし、リアスは元々魔王の家族としても有名で、その上この間のゲームで更に有名になったらしい。

 

同じくゲームに出ていたメンバーも名前が売れみたいだ。元々コカビエルの事件でも注目を集めていた所にレーティングゲームの放映が相まって俺達グレモリー眷属は更に有名になった、ということみたいだ。

 

正直、あまり目立ちたくないんだけどな~。

 

なぜかゲームに出てなかった俺も違う意味で有名になっていた。曰く

 

『グレモリーの奥の手』

 

『グレモリーの隠し玉』

 

等々、他には最終兵器なんてものもあったな・・・。

 

「目立ちたくない~。なんて考えているのかしら?」

 

「心読まれた!!」

 

声に振り向いたらリアスがやって来た。

 

「大丈夫よ、質問は私が一番受けると思うし、イッセーは普通に受け答えしていればいいのよ。」

 

「そうなんだろうけど目立つのって苦手でさ。てか考えてる事よく分かったな。」

 

「最近のイッセーが憂鬱そうにしてる時はテレビの事かアーシアの事だもの。で、アーシアの方は作戦もあるし大分問題ない所まできてるから、そうなるとテレビの事しかないかな?なんて。」

 

合ってるだけに恥ずかしい!

 

「俺ってそんな分かり易いかな?」

 

「そうね、眷属のみんなは分かってるんじゃないかしら?」

 

「うげ~、バレバレとか恥ずかしい!」

 

「そんなに気にしなくてもいいんじゃないかしら?そんなイッセーをみんなが好きなんだから。」

 

そんな俺をおかしそうに笑いながら話す。

 

「すげー複雑な気分なんだけど!?」

 

そのまま雑談をしながら夜は更けていった。

 

 

 

そんなこんなでテレビ収録当日。

 

俺達は魔法陣で転移して冥界に来ていた。どこかのビルの地下に設けられた転移用魔法陣のスペースらしい。

 

そこにつくなり待機していたのかスタッフの人が声をかけてきた。

 

「お待ちしておりました、リアス・グレモリー様、そして眷属の皆様。こちらへどうぞ。」

 

プロデューサーの人に連れられてエレベータで上階へ。

 

廊下は人間界と同じような作りだが魔法で動いてるようなのもある。

 

廊下に張られているポスターにはリアスのものもあり、微笑みながら写っているポスターはアイドルさながらで、これを見て俺はこんな綺麗な人と付き合ってるんだな~と再認識したりしていた。

 

と、廊下の先から見知った顔が10人位引き連れて歩いてくる。

 

「サイラオーグ、あなたも来ていたのね。」

 

リアスが声を掛けたのはサイラオーグさんだった。

 

貴族服を肩に掛けワイルドな着こなしをしている。すげー似合ってる。

 

しかしだ、普通にしていても隙が無いとは、前会ったときよりも強くなってね?

 

「リアスか、そっちもインタビューか?」

 

「ええ。サイラオーグはもう終わったの?」

 

「いや、まだだ。リアスとは別のスタジオだろう。───試合、見たぞ。」

 

サイラオーグさんの言葉にリアスは一瞬顔をしかめた。

 

「お互い新人丸出し、素人くささが抜けないな。」

 

サイラオーグさんは苦笑する。

 

「そうね。勝てたのはみんなのおかげだもの。最後もイリナに助けられたし。」

 

「どんなに強い眷族がいてもそれを使いこなさなければ作戦ひとつで負けることもある。相手は一瞬の隙を狙って全力でくるわけだからな。とりわけ神器(セイクリッドギア)は未知の部分が多い。何が起こり何が起きるかわからない。ゲームは相性も大事だ。お前達とソーナ・シトリーの戦いは俺も学ばせてもらった。──だが」

 

パンッ!

 

サイラオーグさんは俺に軽く拳を放ち俺も受け止める。

 

「お前とは理屈無しのパワー勝負をしたいものだよ。」

 

この人は───

 

サイラオーグさんはそれだけ言って去って行った。

 

どこまでも真っ直ぐな人だな。

 

でも俺も真正面から戦ったら面白そうだと思ってしまった。

 

これは人のこと言えないなぁ。

 

サイラオーグさんと挨拶の後一度楽屋に通されそこに俺達は荷物を置いた。

 

アザゼルさんは他の番組に出演らしいのでついてきてない。

 

今回はあくまで俺達グレモリー眷属のみ。

 

その後、スタジオらしき場所に案内され中へ通される。まだ準備中で局のスタッフさん達が色々と準備をしていた。

 

先に来ていたらしいインタビュアーのお姉さんが部長に挨拶をする。

 

「お初にお目にかかります。冥界第一放送の局アナをしているものです。」

 

「こちらこそ、よろしくお願いしますわ。」

 

リアスも笑顔で握手に応じた。

 

「早速ですが、打ち合わせを───」

 

リアスと局アナさんと他のスタッフを交えて番組の打ち合わせを始めた。

 

スタジオには観客用の椅子も多く用意されている。お客さん有りで放送されるんだな。

 

部長メインで放送されるとはいえ流石に緊張するなぁ。

 

「ぼ、ぼぼぼぼぼぼぼぼ、僕帰りたいですぅぅぅぅぅ・・・。」

 

俺の背中でギャスパーは震えている。引き籠りにはきついだろうなぁ、俺も緊張してるし。

 

「眷属の皆さんにもいくつかインタビューがいくと思いますがあまり緊張せずに。」

 

スタッフの人が声をかけてくれる。

 

「えーと、木場祐斗さんと姫島朱乃さんと紫藤イリナさんはいらっしゃいますか?」

 

「あ、僕が木場祐斗です。」

 

「私が姫島朱乃です。」

 

「紫藤イリナよ。」

 

呼ばれた三人が返事をする。

 

「お三方に質問がそこそこいくと思います。お三方共人気急上昇中ですから。」

 

「マジか!」

 

俺が思わず声をあげると、スタッフは頷く。

 

「ええ、木場さんは女性ファンが、姫島さんには男性ファンが、紫藤さんには両方からのファンが増えてきているのですよ。」

 

イリナの両方からって言葉に吹きそうになった。

 

「イッセーなにか言いたそうね?」

 

「いやいや、女の人からにも人気があるとか冥界でも変わらないな~なんて思ってないぜ?」

 

「思ってるんじゃないの!まったくもう!」

 

「あはははは。」

 

イリナは学園でも女の子のファンが結構いたりする。クールな感じがいいとかなんとか。

 

「えっと、もう一方。兵藤一誠さんは?」

 

「あ、俺です。」

 

まさか俺も?

 

「・・・・えっと、あなたが?」

 

・・・・。

 

「ええと、俺が『兵士(ポーン)』の兵藤一誠です。今代の赤龍帝やってます。」

 

「あ!あなたが!いあぁ、鎧姿が印象的で素の兵藤さんがわかりませんでした。」

 

・・・あ!なるほど。ニュースやら新聞だと鎧姿しか出てなかったからな。

 

「兵藤さんには別スタジオで収録もあります。何せ『風龍帝(かぜりゅうてい)』として有名になってますから。」

 

「風龍帝って・・・?」

 

どゆこと?

 

「以前、会談の時の映像で風を操って白龍皇を倒した映像がニュースで流れまして、それを見た子供達が風龍帝と呼んでいまして、人気なんですよ。ウインドドラゴンなんて呼ばれてもいますよ。」

 

マジで!?ていうかあの時の戦い映像に残ってたのか!・・・アザゼルさん辺りだろうか?

 

エアロスラスト辺りが必殺技みたいで子供にうけたんだろうか?

 

『エアリィちゃんとセットの名前・・・いいじゃないか!』

 

ドライグ!?

 

『たまには他の呼び方も悪くないじゃないか・・・しかもエアリィちゃんとセットなんて。』

 

『私表に出てないんだけど?つまんな~い!』

 

まあまあ、エアリィが表に出たら大変な事になるんだし、ここは抑えてくれよ。

 

『わかってるけどさ~、むぅ~。』

 

あはははははは。

 

「では、兵藤さんは別のスタジオへ。ご案内します。」

 

スタッフに別の台本をもらった俺は移動しながらエアリィを宥めた。

 

 

 

「緊張した~。」

 

皆も緊張していたようで椅子に座ってぐったりしている。

 

番組自体は終始リアスへの質問でシトリー戦のこととか今後の事とか等だった。

 

流石にリアスは落ち着いた感じで受け答えしていた。以前にもここまでじゃないがインタビューとか受けた事があるとか言ってたしな。それに眷属や他の人に無様は見せられないというのもあったのだろう。

 

祐斗や、朱乃、イリナに質問がいくと観客が沸いていた。ホントに人気あるんだな。

 

祐斗はポーカーフェイスを発揮してうまく受け答えしていたし、朱乃は対人スキルが高いのできちんと受け答えしてたんだけど、イリナはな~・・・あいつも目立つの嫌いだからな、必要最低限しか言葉発さないんだもんな~。

 

おかげで更にクールな印象を与えたらしく男より女性のほうが盛り上がってた。

 

俺は子供の声援が多かった。『かぜりゅうてい~』とか『えあろすらすと~』とか歓声を浴びた。

 

なんというか、あの映像だけのせいで熱い漢みたいな印象をもたれているみたいだし・・・そんなか?俺。

 

鎧姿も人気があるらしく変身して~とかも言われたな。子供が可愛くて思わず鎧姿になったのはご愛嬌だ。

 

「イッセー、禁手化(バランスブレイク)はやりすぎよ?」

 

「あははは、子供に応えたくてつい。」

 

「まあ、気持ちはわかるけど。スタッフの人達焦ってたわよ?」

 

「戻る前に謝ってきたよ。」

 

「ならいいけど・・・・ところでイッセー、別のスタジオで何を撮ったの?」

 

みんなも気になるのかこっちに注目している。

 

「え~と、内緒です。スタッフの人にも口止めされてるのと・・・何より俺が言いたくない。」

 

とはいってもしばらくしたら放映されるんだけども・・・・はぁ~。

 

「ふふふ、そんな憂鬱そうな顔しちゃだめよ?子供達の前ではね。内容は放映まで楽しみに待ってましょう。」

 

そろそろ戻ろうかとういう時にドアがノックされた。

 

入ってきたのは金髪縦ロールの髪型をした女の子だ。

 

「イッセーさまはいらっしゃいますか?」

 

やってきたのは焼き鳥の妹

 

「レイヴェル・フェニックスか。どうした?」

 

声を掛けたら嬉しそうに笑顔になったが、ハッとなり不機嫌顔になった・・・ツンデレ?

 

手に持っていたバスケットを俺に突き出し

 

「こ、これ!ケーキですわ!次兄の番組があるものですからついでですわ!」

 

勢いに押されて受け取り中を見る。

 

おお!すげーうまそうなチョコケーキだ!なんで恥ずかしそうに渡すんだろ?

 

「レイヴェルが作ったのか?」

 

「ええ、そうですわ!ケーキには自信がありますのよ!そ、それにケーキをご馳走すると約束しましたし!」

 

「ありがとう。でもさ、わざわざここまで来なくても。お茶の約束の時でよかったのに。」

 

「ぶ、無粋な事はしませんわ。アスタロト家との一戦が控えているのでしょう?お時間は取らせませんわよ。ただ、ケーキだけでもと思っただけです。あ、ありがたく思ってくださいな!」

 

強引なのか謙虚なのか・・・・この子なりの誠意と受け取っておこう。

 

「で、では、私はこれで───」

 

レイヴェルは用事は済んだとばかりに帰ろうとするが

 

「ちょっと待った!イリナ!」

 

レイヴェルを引き止めてイリナに小型のナイフを作ってもらう・・・フォークまで・・・なんて器用な。

 

ケーキを少しだけ斬りそのまま食べる。

 

おお、これうまいな。甘さ控えめで男の俺でも食べやすい。

 

「美味しいなこれ。レイヴェルありがとな。あとでゆっくり食べさせてもらうよ。感想今言わないと何時言えるかわかんないからさ。お茶も別で今度するからさ。」

 

『当然ですわ!』とかかえってくるかと思ったがレイヴェルは瞳を潤ませて顔を紅潮させていた。

 

うお、予想外の反応・・・どうすれば?

 

「・・・イッセーさま!今度の試合応援していますわ!」

 

そういうと俺達に一礼して足早に去って言った。

 

悪寒を感じて振り向くと───

 

『イッセ~』

 

リアス、朱乃、イリナが俺名前を言いながら睨んでいた・・・・。

 

「天然。」

 

「ジゴロよね。」

 

「そうね。」

 

リアス、朱乃、イリナが順に言う・・・・・・またやっちまった?

 

 

 

後日、テレビ局から撮影した映像が届いた。

 

中を確認して俺は頭を抱えた・・・死にてぇ。

 

 

 

そしてディオドラとの試合の当日───

 

決戦の時間が迫っていた。




風龍帝!・・・は置いといて。

次回からディドラフルボッコ開始です!

超ご都合主義展開予定です!

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