今年初投稿です。
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翌日。体育祭の練習をみんなでしようということになった。
他学年混合二人三脚の俺のペアはアーシアになった。
ちなみに裕斗と小猫ちゃんもペアで二人三脚だ。
「目立たない競技と思ったんだけどまさか小猫ちゃんとはね。」
裕斗が苦笑いしながら言ってくる。
「気をつけろよ、去年の俺みたくならないように。」
「ははは、確かにそうだね。リレーで最下位からごぼう抜きして1位になるとかさすがにひどかったね。」
「先輩やり過ぎです。」
「途中で転んだ奴が可哀想で、ついな〜。」
遠い目をする。
「まあ、気持ちはわかるけどね。」
「それで、アーシアはなんで二人三脚にしたんだ?」
「小猫ちゃんに巻き込まれました。」
「なんで?」
「裕斗先輩と一緒で目立たないなら一緒にと思って。」
なるほどね。
「イッセー君はなんで?」
みんなに経緯を話す。
「ははは、でも結果的には良かったんじゃないかい?」
「そうだな。アーシアとなら楽しそうだし、そこは桐生に感謝かな。」
「私もお兄ちゃんと一緒でよかったです〜。」
う〜ん、アーシアはやっぱ癒されるな〜。
アーシアを見てほっこりしていると
「イッセー、顔緩んでる。」
朱乃とイリナも会話に入って来た。
「アーシアに癒やされてた。」
「気持ちは分かるけどだらしないわよ。」
アーシアは顔を真っ赤にして照れている。
「さて、そろそろ練習しようぜ。」
俺の言葉にみんなも動き出す。
俺の足とアーシアの足を紐で結ぶ。
「まずは歩くことから始めようか。」
「はい〜。」
それから暫くして。
「いちに〜、いちに〜。」
「歩くのは大分慣れてきたな。」
「はい〜。それにしても木場先輩と小猫ちゃんは凄いです〜。」
アーシアの言葉の通りあの2人はもう軽く走っている。
「あの2人は俺達より付き合い長いし修行の時も組んで戦ったりしてるからな〜。息を合わせるのは慣れてるだろうからな。俺達は俺達のペースでやろうぜ。焦ったって良い結果は出ないよ。」
「はい!頑張りましょう!」
俺の言葉でアーシアに気合いが入ったみたいだ。
それから暫く練習して休憩を取っていると
「よう、やってるな。」
匙がやって来た。
「おう、匙か。その腕どうした?」
見れば右腕に包帯を巻いている。
「ああ、この間の姫島さんの戦闘の影響でな。」
そう言って包帯を少し外して見せてくる。
「なんだそれ!?」
腕には蛇が巻き付いた様な痣のような物があった。
「アザゼル先生が言うには朱雀の力を取り込んだ影響じゃないかって言ってた。暫くしたら消えるみたいだ。」
「呪われたんじゃね?」
「おま!人が気にしてる事言うなよ。ただでさえヴリトラって良い噂聞かないんだからよ。」
「アザゼルさんに診てもらって特に何も言ってこないんだったら大丈夫じゃね?」
俺の言葉に匙はほっとしている。
「匙、何をしているのです。テントの設置箇所をチェックをするのですから、早く来なさい。」
「ただでさえ生徒会は男子が少ないのですから働いてくださいな。」
ソーナ会長と真羅副会長が匙を呼びに来た。
「はい!会長、副会長!兵藤悪い、仕事だ。」
「お〜、頑張れよ〜。」
匙はソーナ会長達の所に走って行った。生徒会も大変そうだな。
『ヴリトラか。』
ん?ドライグどうした?
『ああ、気にするな。複数のドラゴンとの接触に加え先の朱雀との戦闘で急激に早めたようだ。魂を幾重にも切り刻まれているとはいえ、切っ掛けがあれば別か。今代は色々面白い事が起きるな。』
おい、1人で勝手に納得しないで欲しいんだけど。
ドライグは自分の世界に旅立ったようだ。
エアリィはなんかわかるか?
『ん〜、あのドラゴンが変化してきてるのはわかるんだけどね〜。』
変化ねぇ〜。やっぱ呪われてるんじゃね?
それから暫く練習して、放課後部室に行くと先に来ていたリアス達が苦い顔をしていた。
「なんかあったのか?」
リアスは苦い顔をしながら
「次の若手悪魔のゲームの相手が決まったのよ。」
次の相手か〜。前回俺と黒歌は出れなかったからな。とはいえ決めるのはリアスだ。相手によってはまた出れないと考えておいた方がいいかもしれない。
「相手は?」
更にリアスは不機嫌な顔をして言う。
「──ディオドラ・アスタロトよ。」
そういう事か。不機嫌にもなるよな。
アーシアもリアスの言葉を聞いて複雑な表情をしている。
奴が相手なら直接倒してやりたい所だが・・・。
次の日の朝、俺達は体育祭の練習をしていた。
「いっちに〜、いっちに〜。」
大分息も合うようになってきて駆け足位は出来るようになってきた。
「慣れてきたからもう少しペース上げてみようか。」
「・・・。」
俺の言葉には反応せず、アーシアは思い悩んでいる様な表情をしている。昨日、試合が決まってからというもの、時折こんな表情をしている。
「アーシアアアァァ!」
俺は言葉と共にアーシアをくすぐる。
「きゃあ!あはははは、ちょっと、お兄ちゃん、何するんですか!」
「言いたいことがあったら言えよ。俺達家族なんだぜ?そんな暗い顔はアーシアには似合わないよ。」
アーシアは俺の言葉にちょっと困った顔をして
「──私は、彼を救った事後悔してません。」
アーシアは過去に傷ついた悪魔を救い教会を追放され、その力を堕天使に利用されそうになった所を偶然別件で倒した俺達に保護された。
だが、たまに思う。もし追放されずに教会に残っていたら、聖女のままだったら今よりも幸せに暮らしていたんじゃないか?と。
アーシアは今の生活が楽しいと言っているし幸せだとも言ってくれている。毎日楽しそうに生活しているアーシアを見ると心からの言葉だとも思うが、俺達に関わっていなければ今迄の争いに巻き込まれる事も無かった筈だ。今更だとは思うけれども。
「お兄ちゃん?」
考え込んでしまった俺に心配そうにアーシアが声を掛けてくる。
「なあ、アーシア。もし教会に戻れるとしたら──」
「戻りません。」
俺の言葉に被せるようにアーシアは即答した。
「私は今の生活に満足してます。お兄ちゃんやお母さん、お父さんには家族にしてもらって家族の暖かさを教えてもらいました。それからお姉ちゃんや眷属のみなさんには友達になってくれて、普通の生活の楽しさを教えてもらいました。それは教会にいたら恐らく望んでも手に入れられなかった物ばかりです。なので私は戻りません。」
──っ!
「馬鹿なこと聞いちまったな。アーシアが毎日楽しそうに生活してるの見てるのに、馬鹿な兄ちゃんだったな。ディオドラが何を言ってきても俺達が必ず守ってやる。嫌なら嫌って言えば良い。だから安心しろ。」
そう言って頭を撫でてあげる。
「はい!お兄ちゃん、ありがとうございます。」
アーシアに笑顔が戻ったな。やっぱりアーシアには笑っていて貰いたい。となると目下の問題はやっぱりディオドラか〜。なんて考えていると
「お兄ちゃん大好きです!」
──っ!
いいながらアーシアが抱きついてきた。
「お母さんもお父さんもお姉ちゃん達も眷属のみんなも学園の皆さんも大好きです。何時までも一緒にいたいです。」
「ああ!俺達は家族だからな!何時までも一緒だ。」
「出来れば違う形の家族で・・・ごにょごにょ。」
?
よく聞こえなかったが・・・。
とはいえこれからやる事は決まったな。ディオドラをぶっ飛ばしてアーシアを諦めさせる!
ディオドラになんてアーシアは渡さない!
異世界チート魔術師の7巻読んだんですが・・・キャラが変わって増えてる上にミューラに新しい設定が・・・。
今後次第ですがこっちも変えないといけないのかなぁ。