始業式後、黒歌達は転校生の洗礼を受けた。
「玲奈さんの髪って綺麗ね。」
「黒歌さんの猫語って狙ってる?」
「ゼノヴィアさんて教会でずっと生活してたの?」
3人共囲まれて質問攻めに合っている。
うちのクラスは悪い奴は居ないのでフォローしなくても大丈夫だろう。
「まさかゼノヴィアまでなんてね〜。」
「しかも全員同じクラスで母さんまで担任になるなんてどう考えても何かの力が働いたとしか思えないわね。」
「それで間違いないんじゃね?このクラスに集まり過ぎだろ。色々と。」
3大勢力全部集まってるし。このクラスが3大勢力の縮図みたいになってるし。
「いいの?放っておいて。」
「大丈夫だろ。みんな良い奴だし、転校生の宿命だと思って受け入れてもらおう。」
見た感じ3人共なんとか対応出来ているみたいだし問題無いだろう。クラスに溶け込むにはこの方が良いとも思うしな。
そんなことがありつつ放課後。
「天界から派遣されて来たゼノヴィア・クアルタだ。これからよろしく頼む。」
「堕天使として、あとアザゼル様のサポートとして転入してきましたレイナーレです。改めてよろしくお願いします。学園では兵藤玲奈と呼んで下さいね。」
「塔城黒歌にゃん。白・・・小猫の姉で、リアスちんの眷属になったにゃん。これからよろしくにゃん。」
オカ研メンバーにアザゼルさん、朱璃さん、生徒会からソーナ会長、椿姫副会長、それから匙も来てるので改めて自己紹介することになった。
「それでまあ、俺もこの学園の教師になった。それで早速だがゼノヴィア、お前は天界からの派遣て事でいいんだな?」
アザゼルさん改めアザゼル先生がゼノヴィアに聞く。
「そうです。ミカエル様の命によりこの学園に派遣されて来ました。」
「まったく、俺は要らないって言ったんだかな。ただでさえ必要以上のバックアップしてくれてるっていうのに。どうせ重要拠点にスタッフがいないのは問題だとかそんな所だろう?」
「はい。有事の際に力を貸せないのは心苦しいからと仰有っていました。」
「律儀なこって。所でゼノヴィア、お前天使に転生したのか?」
あ、やっぱりそうなんだ。気配が前と違ってたからそんな気はしてたんだけど。
「はい。悪魔の転生システムと天使、堕天使の技術を応用して作ったそうです。
そう言ってゼノヴィアは祈るポーズを取り、光りとともに背中から羽を出す。
おお!天使化とかあるのか。とはいえ、似合わない気がするのはなんでだろう?
「現在、4大セラフをあわせたセラフの方々10名が、
「
アザゼルさんの解析は続く。こういう時のアザゼルさんは楽しそうだ。
「この分だとジョーカーとかもいそうだな。12名も12使徒に倣った形だろう。ミカエルも楽しい事考えるじゃねぇか!」
アザゼルさんの目が爛々と輝いている。こういう所だけ見ると堕天使の総督には見えないよな。
「それで、ゼノヴィアはどのカードなんだ?」
「私か?ふふふふふ、私はミカエル様の
おお、ゼノヴィア嬉しそうだな!神の不在を知ってすげー落ち込んでたみたいだったけどこれなら大丈夫そうだな。
「更にミカエル様は
天使との異種戦か〜。これはこれで面白そうだな。
「同盟に反対してる奴らも各組織にはいるからな、そういう鬱憤を晴らす場としても異種戦というのはなかなかいい発想だな。ワールドカップとかオリンピックみたいな感じだろう。」
天使側も色々考えているみたいだ。確かに反対の声も上がってると聞いていたからこういうのは良いのかもしれない。
「俺達も戦う可能性もあるんですか?」
「そうだな。将来的にはあるだろう。とはいえ早くても10年、それか20年先になるかもしれないがな。」
その頃にはリアスもプロデビューしてるだろうから俺達も参戦の可能性は充分にあるってことか。
「悪魔だけじゃなくて天使とゲーム出来るなんて楽しみが増えたわね。」
リアスは既にやる気だな。
「そうね、楽しそうね。」
「異種戦とは面白そうだね。」
ソーナさんも裕斗もやる気だな。
「教会は怖いです〜。」
ギャスパーは吸血鬼だからな〜。
とはいえ教会も表向きは今迄と同じだけど、裏では悪魔や堕天使と協力して不穏な動きをしている輩を取り締まったりしてるらしい。
俺達やソーナさんの眷属にもその権限はあり、独断で不審な輩を捕縛する事が出来る。
人間が2人いれば争いが起きるとは言うけれどだからといって平和の為に協調する事も大切だと思う。
俺は出来るだけ平和に楽しく生きられればそれでいい。
「その辺の話はここ迄にして、新しくっ加わった皆さんの歓迎会にしましょう。」
ソーナさんの言葉で歓迎会が開かれ放課後の残りの時間はみんなで楽しんだ。
それから数日後、ホームルームで体育祭についてのメンバー決めが行なわれていた。
去年は力加減間違えてやらかしたからな〜。今年は目立たない種目にしないとな〜。
「イッセー、今年は気をつけなさいよ?」
「ああ、目立たない種目選ぶよ。」
「でも私達も気をつけないとね~。腕輪つけて力抑制してても抑えきれてないもの。」
「夏休みの合宿で更に力増したからな。腕輪有りでも100メートル軽く走って7秒とか。」
新しく腕輪作り直すってアザゼルさんが言ってたけど、そこそこ時間かかりそうだしな。
他のみんなも体育の授業で周りに合わせるのに結構苦労してるしな。
「イッセー、脇破れてる。」
桐生の言葉に俺は腕を上げて確認する。
「はい、イッセーは他学年混合二人三脚ね~。」
「ちょ!桐生、騙したな!てか何その競技?」
「今年から他学年交流しようってことでいくつか競技が変更されたのよ。」
「相手は?」
「私達だと1年か3年の人とランダムで決まるみたいよ?」
桐生め~!・・・でも相手がいればそっちに合わせられるから目立たなくていいかも?
「私達もこういうほうが目立たないかしら?」
「でもリレーとかだと変わらないわね。」
なんて話しながら出場種目は決まりホームルームは終わった。
二人三脚か~相手誰になるんだろ?
強引に二人三脚に・・・アーシアを後輩にしたのが裏目に。