転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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4.5章ラストです。


番外 ティアマットの心

 

 

俺は一旦みんなのもとに戻って事情を説明した。

 

「大丈夫なの?」

 

「ドライグの話とティアマットのあの感じだと大丈夫だと思うよ。あの時の続きみたいだし。」

 

「うまくいくといいわね。」

 

「そうだな。ドライグには世話になってるし、うまくいってほしいな。」

 

「でも、うまくいったとしてその後どうしたら良いんでしょう?」

 

アーシアが今言った事が最大の難関。

 

そこだよな〜。一応の案はあるんだけどティアマットがそれを受け入れるかどうか・・・ま、流れに任せるしかないか。

 

 

 

〜 ドライグ side 〜

 

俺は相棒から離れてティアマットと改めて話しをする為に相対していた。

 

「すまんな、わざわざそのような格好で来てもらって。」

 

「かまわんさ、あの時の続き、だろ?」

 

「ああそうだ。あの時私はお前の言葉から逃げてしまった事を後悔していた。」

 

「後悔?」

 

「そうだな、後悔だ。あの時ドライグに告白(・・)されて嬉しかったんだよ。だが、あの時の私は弱かった。心も力も・・・私はドライグと共に並び立てる存在になりたかったんだよ。」

 

「弱い・・・か。俺からすればそんな事はなかったがな。どんなに倒しても向かってくる、何度でもな。俺はそんなお前に惚れたのさ。ただ綺麗だからとかだけで俺は惚れたりしない。天龍と呼ばれた俺が外見だけ見て好きになる訳ないだろうが。」

 

そうだ、俺は見た目よりも彼女のひたむきさに惚れたのだ。

 

「そう思ってくれていたのか。なら私もはっきり答えよう。私もドライグが好きだ。今でもな。」

 

「ありがとう。だか今はこんなナリだからな。ティアマットの言葉は嬉しいんだが・・・どうしたもんかな?」

 

『ドライグ〜、方法無くはないぞ。』

 

相棒か。

 

いい方法あるのか?

 

『これで納得できるかは分からないけど。ティアマットに俺の使い魔になってもらうのってどうかな?』

 

それは難しいと思うが・・・そうだな、聞いてみるか。

 

「ティアマット、相棒からの提案なんだが。」

 

「何かいい案でもあるのか?」

 

「相棒の使い魔にならないか?」

 

「それは・・・そうだな、私を従えるに相応しい力を示したならばその話のってやろう。」

 

「やはりそうなるか。今の相棒は病み上がりなのでな、あまり無茶は出来んがかまわないか?」

 

「ああ、いいぞ。」

 

ということだそうだ、相棒。

 

『やっぱそうなったか。分かった、今からそっちに向かうよ。』

 

すまないな。

 

『気にすんな。こうなるだろうと思ってたし。良いリハビリになるんじゃね?』

 

そう言ってもらうと助かるよ。

 

じゃあ、相棒!我等の力存分に見せ付けてやろうじゃないか!

 

〜 side out 〜

 

 

 

部長達に訳を話しドライグの元に向かった。

 

みんなには心配されたがドライグの為だ。それと体を動かしたかったからというのもある。

 

ドライグと合流してティアマットと対峙する。

 

「さて、ティアマットさんのお眼鏡に叶うかいってみますかね。」

 

「ティアマットでいい。私を従える力があるか試してみろ。」

 

とりあえず身体強化60でいってみますか。

 

強化と同時に篭手を出し倍加を開始する。

 

『Boost!!』

 

「ほう、力が跳ね上がったな。」

 

楽しそうにしてますね!ティアマットもバトルマニアですか!

 

『ティアマットも龍王だからな、戦いは好きだぞ?それと強い。』

 

マジですか。というか元々ドライグに並び立とうとする位だもんな〜。

 

おし!考えていても仕方無い!突っ込む!

 

「面白い、ドラゴン相手に突っ込んでくるか!」

 

「おらあぁぁ!」

 

バシィ!

 

「いいパンチだがまだまだだな。」

 

渾身のパンチを片手で受け止められる。禁手(バランスブレイク)と倍加無しだとやっぱ無理か。

 

強化を70まで上げて連続で攻撃を入れるが全て受けるか流される。

 

「赤龍帝、そんなもんか?」

 

「まだまだこんなもんじゃねぇよ。ドライグ!」

 

『explosion!!』

 

篭手の力も解放して上乗せする。

 

「いくぜぇぇぇ!」

 

ドドドドドドドドドド!!

 

「ははははは、すごいな!いいラッシュだ。」

 

とか言いながら余裕で捌いてんじゃね〜よ!

 

一旦攻撃を止め距離を取る。

 

禁手(バランスブレイク)しなくてもここまで出来るか。」

 

「リハビリ中なもんでね、最初から全力ってのはさすがに無理なんで肩慣らししててさ、これから本気でいかせてもらうぜ!」

 

「ああ、かかってこい!」

 

ドライグいこうか!

 

『おう!だが、無茶するなよ!』

 

禁手(バランスブレイク)!」

 

言葉と共に鎧が展開される。あれ?力上がってね?

 

「ふふふ、いい波動だ。楽しめそうだな!」

 

ティアマットはそう言うとこちらに向かってくる!

 

ゴガアァァン!

 

俺とティアマットのパンチがぶつかり、辺りに派手な音と衝撃をまき散らす。

 

一旦離れて距離を取り今のパンチの威力に驚く・・・俺の。

 

『おそらくだが、ヴァーリとの戦闘で神器(セイクリッドギア)が反応して強化されたようだ。』

 

どういうこと!?

 

『あの最後に放った一撃が強すぎて神器(セイクリッドギア)がオーバーフローしかけていたからな、その影響で調整されたのかもしれん。』

 

宿主の想いによって強さも変わるんだっけ?

 

『ああ、だがこんなことは今まで無かったからな、あまり無茶するなよ?』

 

ああ、わかってるよ。

 

と言いつつ、いくぜ、ドライグ!

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

倍加をかけてティアマットと打ち合う。

 

「うおおおおおおお!」

 

「はあああああああ!」

 

拳を打ち合う度に周囲に衝撃が広がる。

 

ドドドドドドドドドド!!

 

俺は一瞬のスキを狙いティアマットにカウンターを打つ。

 

「おらあ!」

 

「くっ!」

 

吹き飛ばしたティアマットに向けて両手を突き出し

 

「エアハンマー!!」

 

ティアマットに向けて空気の塊を撃つ!

 

トガアアアアアアアアアン!!!

 

ティアマットはエアハンマーをくらいそのまま地面に落下した。

 

直撃だったっぽいからダメージはそこそこ入ってるはずなんだけど。

 

『直前で障壁を張っていたな。』

 

あのタイミングで障壁張ったのか!

 

土煙が晴れた後から出て来たティアマットには少しだけしか傷がついてなかった。

 

「今のは少し危なかったな。障壁が間に合わなかったらかなりダメージを受けていただろう。」

 

そう言って俺の前まで来て改めて対峙する。

 

龍王の名は伊達じゃないってことか。

 

『当然だ。龍王の中でも数少ない現役なんだ、そう簡単にはいかんさ。』

 

「ははは、ここまで楽しめるとは思わなかったぞ。だがそろそろ決着を着けようじゃないか。」

 

そう言ってティアマットは自分の周囲に複数の魔法陣を展開していく。

 

俺も魔力を解放し、力を溜める。

 

最終局面だな。ドライグ!エアリィ!

 

『おう!』

 

『ガッテン!』

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

ティアマットが先に仕掛けてきた。

 

魔法陣から色々な属性の膨大な数の攻撃魔法がとんでくる。

 

俺は右手を横に払い風の衝撃波で魔法を相殺する。

 

ドガアアアアアアアアアアン!!!

 

爆煙を突き抜けてティアマットが俺に向かってくる!

 

「おおおおおおおおおおお!」

 

「はああああああああああ!」

 

ゴガアアアアアアン!

 

拳同士がぶつかり合い大きな音と衝撃が辺りに広がる。

 

お、押される・・・。

 

「これで終わりだ!」

 

ティアマットが更に力をかけ、俺は押し負け吹っ飛ばされる。

 

ドゴオオオオオオン!

 

俺は地面に叩きつけられる。

 

いてええええええ、防御に咄嗟に強化振ったのにこんなダメージ食らうのか。

 

俺は何とか立ち上がり土煙を突っ切ってティアマットに突撃する。

 

「まだ来るか!なかなかタフじゃないか!」

 

・・・そろそろ限界です、病み上がりだし。

 

そしてティアマットの直前で真上に進路変更する。

 

「なに!」

 

予想してなかったのか体勢が崩れた!この一撃に懸ける!

 

ドライグ!エアリィ!これでラストだ!

 

『思いっきりやれ!』

 

『病み上がりなのに仕方無いなぁ。』

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

倍加と同時に右手を振り下ろす!

 

「ダウンバーストオオオオォォォ!」!

 

ゴバアアアアアアアアアアアン!!

 

ティアマットを地面に叩きつけ押し潰す!!

 

これで駄目ならドライグ諦めて・・・・。

 

『ここまでやっても無理なら仕方あるまい。というか病み上がりでやりすぎだ。』

 

あははは、俺も人のこと言えないな・・・。

 

さてさてティアマットはどうなったかな?

 

土煙が晴れ次第に様子が見えてくる。

 

全身に細かい傷とかつているが・・・割と平気そうなんだけど・・・。

 

「ここまで戦えるとはな。いいぞ、合格だ!お前の使い魔になってやろう。」

 

おお、やった!

 

鎧と強化を解除してティアマットの所まで降りる。

 

近くに着いた時ティアマットの体が光り出し綺麗な女の人の姿になった。

 

変身魔法?

 

『ああ、ある程度力を力をつけて魔法が使えればこれくらいは出来る。』

 

ドラゴンてやっぱ凄いんだな。

 

「これからよろしく頼むぞ、赤龍帝。」

 

「ああ、こちらこそよろしく頼むぜ。イッセーって呼んでくれ。」

 

そして俺はティアマットと使い魔の契約をして部長達の元に戻った。

 

 

 

「やりすぎよ、イッセー。」

 

「病み上がりって忘れてたわけじゃないでしょうね?」

 

「ここまで振動とか力が伝わってきたにゃん。」

 

「お兄ちゃん、怪我とかないですか?」

 

あちゃ~、まあこうなるか。

 

「みんなごめんな、心配かけた。」

 

「朱乃やみんなにも報告するわよ?ほんとにもう!・・・それで、後ろに居る人が?」

 

「ああ、使い魔になってくれたティアマットだ。」

 

「本当に使い魔にできたのね・・・。」

 

部長が唖然としている。

 

「イッセーの使い魔になったティアマットだ。よろしく頼む。」

 

みんながティアマットに挨拶している時ふとアーシアに抱きかかえられている生き物に目が行く

 

「アーシア、腕に抱きかかえているのって。」

 

蒼雷龍(スプライトドラゴン)の子供だな。清い心の持ち主にしか懐かないはずなんだがな。」

 

ティアマットが説明してくれる。清い心か、アーシアにぴったりだな。

 

「はい~。なんかお兄ちゃん達の戦闘に怯えたらしくて私に抱きついてきたんです。」

 

あははは、結構派手にやったからなぁ。

 

蒼雷龍(スプライトドラゴン)もそうだがティアマットを使い魔に出来るなんてあんたら何者だい?」

 

「そうね、あなた達は眷属の誇りよ。」

 

「イリナと黒歌は使い魔はどうだったんだ?」

 

「出来なかったわよ。」

 

「イッセー達が戦ったおかげで周辺の魔物は逃げるか隠れちゃったにゃん。」

 

二人がジト目で睨んでくる。

 

「あはははは・・・・すまん。」

 

「イリナと黒歌はまたの機会になりそうね。」

 

「さっきの戦闘のせいでしばらくはみんな警戒するだろうからしばらく間空けたほうがいいな。」

 

ザトゥージさんが呆れた口調で言ってくる。

 

「そうね、もうしばらくしたら夏休みだからその後にまた来ましょうか。今日はイッセーとアーシアに使い魔が出来ただけでも充分だと思いましょう。」

 

そうして俺達は使い魔の森を後にした。




使い魔はティアマットに!

ドライグが告白→ティアマットがそれに答える

というのはもしティアマットを使い魔にするならこうしよう!とか結構前から考えていたネタです。

次回から第5章です。冥界合宿のアロウザルパーソン!ちょと長いですね。

アロウザルパーソンは覚醒者です。

ア パーソン オブ アウェークニングか迷ったんですが長いのでこっちに。

ちなみに覚醒するのはイッセーじゃないですよ。

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