スラ太郎は残念ながら出ないです。
家がリフォームされてから数日、俺は退院して家に帰って来ていた。
「やっと帰って来れたぜ~。」
「おかえり、イッセー。」
「体はもう大丈夫なの?」
「ああ、ただいま。全快したぜ。」
帰ってきた俺を朱乃とイリナが出迎えてくれた。
「お兄ちゃんが居なくて寂しかったです〜。」
アーシアも俺が帰ってきたのに気付いてやってきた。
「心配してくれてありがとうな、アーシア。」
そのままリビングに行きみんなにも全快したことを伝える。
「ねぇイッセー、もう動いても問題ないのよね?」
部長が俺に聞いてきた。
「はい、問題ないですよ。体なまっちゃったんで少しずつ慣らしていかないといけないですけど。」
「それなら今夜イリナとアーシアの使い魔を捕まえに行こうと思うんだけど一緒にいかない?」
「戦闘とか無いなら。」
「それなら問題ないわ。アドバイザーがいるから。」
「それならご一緒します。俺も使い魔欲しいんで。」
「じゃあ、メンバーはイッセー、イリナ、アーシアでいいかしら?」
「私も面白そうだから着いて行くにゃん。」
「じゃあ、黒歌も参加ね。」
そうして夜に部長達と使い魔を捕まえに行く事になった。
みんなと話したり昼寝したりして夜になり、とある森に俺達は転移して来た。
「ここが使い魔の森よ。」
薄暗くてちょっと不気味な感じだ。アーシアは不安なのか俺と手を繋いでいる。
「ゲットだぜい!」
「きゃ!」
アーシアは驚いて俺の後ろにかくれてしまった。
言葉と共にでてきたのは某モンスターを集めるゲームに出てくる主人公に似た格好をしたおっさんだった。
「この人がアドバイザーのザトゥージさんよ。」
「俺はマダラタウンのザトゥージ!使い魔マスターだぜ!」
使い魔マスターとか・・・・うさんくさいな。
「ザトゥージさん今日はよろしくお願いしますね。みんな、今日はアドバイスをもらっていい使い魔を手に入れなさい。」
『はい!部長。』
その後色々見せてもらったのだが、マッスルウェンディーネとか今までのイメージが覆るようなものばかりだった・・・今日捕まえられるのだろうか?
「あの、お勧めとかってありますか?」
「ああ、これなんてどうだい?」
といって図鑑らしき物を開いて指差した。
「青いドラゴン・・・。」
「こいつは龍王の一角
「いやいや、龍王の一角を使い魔とか無理でしょ。」
何考えてるんだこのおっさん!
『ティアマットか・・・。』
ああ、ドライグにはこの名前は感慨深いか。
『そうだな・・・まぁ、過去の事だ。今までの宿主の時は会ったら即戦闘だったからな・・・あの時の事は覚えてないか、気にはしていまい。』
ドライグはいいのか?
『今となってはこんな状態だからな。どうにもならんさ。』
まぁ、確かにそうかもしれないけど・・・あ!あれならどうにかならないかな?
『ああ、前にアザゼルが作っていた奴か。』
そうそう、それ。とは言ってもそう都合よく出会ったりはしないか。
『そうだ・・・・相棒!』
ドライグの警戒の声に俺も気付く。なんかすごい強い気を持った奴が近づいてくる!
「みんな!何かやばいのが来る!気をつけろ!」
『え?』
咄嗟の事にみんな反応出来ないでいる。
俺は気配に向かってみんなを置いて飛んでいく。
近づいてきた時に気づいた・・・あれ、ティアマットじゃね?
『ああ、間違いないな。』
それでこっちにものすごいスピードでこっちに向かって飛んできてない?
『ああ、油断するなよ!相棒。』
ドライグの言葉で構える。
が、ティアマットはスピードを緩めることなく向かってくる。
「え?」
ガシィ!
「ぎゃあああああああ!」
俺は問答無用でティアマットに捕まりそのまま連れて行かれた。
・・・しばらく飛んだ後に急に止まり開放された。
「え~と、どういう状況?」
『俺もこんなのは初めてだな。』
俺を連れてきたティアマットは俺を解放した後こちらを見たまま何もしてくる気配が無い。
どういうこと?
『ドライグ、久しぶりだな。それとお前が今代の赤龍帝か。』
「ああ、そうだけど・・・。」
反射的に返したけど、話しかけてきた!なにかあるのか!?
『ああ、久しいなティアマット。戦闘仕掛けてこないなんて珍しいじゃないか。』
『そうだな。今代の赤龍帝は好戦的じゃなさそうなんでな、ゆっくり話が出来ると思ったんだ。』
そうなの?ドライグ。
『ああ、向こうから仕掛けてくる事もあったがそう言われるとこっちから向かっていった方が多かったな。』
・・・歴代の所有者って。
『それでどういうことだ?話しをしたいとは。』
『お前が
あの時って・・・前にドライグが話してくれたのじゃね~の?
『かもしれんが・・・。』
「あの~、ティアマットさん。前にドライグに聞いたんだけどそれって
『・・・・・・。』
俺の言葉にティアマットは顔を赤くしている。てか顔が鱗あっても赤くなるんだな。
とはいえこれは間違いなさそうだな。で、ドライグはどうするんだ?
『どう、と言われてもな。この状態じゃな・・・・。』
う~ん、・・・そうだ!
「ティアマットさん、ドライグと一対一なら話せます?」
『そんなことできるのか?』
『相棒!それは!』
「まぁ、前の状態って訳じゃないけど精神は切り離す事が出来る方法があるんで戦闘・・・にはならないか。とりあえず話しだけは出来るかな。」
『本当か!』
「ただ・・・俺は離れますが一応モニターというか、勝手に俺に会話が聞こえるようになってるんで正式には一対一ではないんですけど・・・それでもいいです?」
『・・・まぁ、仕方ないか。目の前で聞かれるのは恥ずかしいのでな。それに話しの内容も分かってるようだしそれくらいは譲歩しよう。』
「ということなんだけどいいか?ドライグ。」
『ああ、すまないな。』
「じゃぁ、ちょっと待っててもらっていいです?」
『ああ、よろしく頼む。』
俺はティアマットさんから離れてからアザゼルさんに連絡を入れる。
「おお、使い魔手に入れられたか?」
「いえ、まだなんですけど、前に作ってもらったミニドライグここに転送して欲しいんですけどいいですか?」
「ん?いいが、何に使うんだ?」
「ちょっと込み入った事情がありまして、お願いします。」
「ああ、分かった。今から送るからちょっと待ってろ。」
そういって連絡を切ってから数分、俺の近くに魔法陣が展開され、デフォルメされた小型のドライグが送ってこられた。
俺は早速ミニドライグに手を当てて同調する。
そうしてしばらくするとミニドライグが赤く輝き、ドライグの精神が移動した。
『相棒、すまないな。』
「ああ、それはいいんだけどドライグはどうするんだ?」
『ティアマットの言葉次第だが出来れば受け入れたい。相棒には迷惑がかかるかもしれんがな。』
「それは気にしないでいいよ。いつもお世話になってるのはこっちだからな。」
『ああ、すまんな。じゃあ行ってくる。』
そう言ってドライグはティアマットさんの所に飛んでいった。
あれ可愛いな、ミニドラゴンて感じで。
『相棒、可愛いはやめろ。』
ああ、向こうもわかるんだっけか。
とりあえず、心配してるだろうから部長達の所に行くか。
本題は次回です。
悩んだ末使い魔はティアマットに。ただ、普通に戦闘して使い間にするよりドライグと絡ませたら面白いかな~?と思って書きました。
詳細は次回!(大体想像つくでしょうが。割とベタな展開です。)