転生したら更にチートになりました   作:デンドロビウム

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この辺りから原作とは変わっていきます。


小猫ちゃんと黒歌さんの過去

 

 

そうして次の日の夜にみんなで話し合う事になった。

 

場所はオカルト研究部部室。一応大丈夫だろうという事で今日だけ外泊許可が出た。

 

「んで、集まってくれたのは嬉しいんだけどなんで人数増えてるの?」

 

昨日のメンバー+サーゼクス様と部長も参加していた。

 

「ああ、すまないね。アザゼルから話しを聞いて参加させてもらうように頼んだんだ。」

 

「私もお兄様から話を伺って参加させてもらったの。」

 

なるほどね。

 

「黒歌はSSランクのはぐれ悪魔でな、少し事情を聞きたくてサーゼクスにも連絡を取らせてもらった。」

 

「はぐれ悪魔なんですか?」

 

「ああ、自ら主を殺して逃げたということになっている。その時に保護したのが小猫だ。その時に黒歌の様になるかも知れないというだけで周りは小猫も殺そうとしたんだが、さすがにそれは忍びなくてね私が保護し、リアスに預けて眷族になったんだ。」

 

小猫ちゃんも辛い過去があるのか。

 

「まぁ、こちらも色々調べて黒歌の主だった悪魔がかなりあくどい事をしていたのも調べはついていてね、とはいえ主を殺した罪は残っている。なので指名手配は解く事が出来ないんだよ。」

 

理解はできても納得は出来ない話だな。

 

「そこで黒歌さんに聞きたいんだが、事件内容としては君が暴走して主を殺したとなっているが本当なのかな?出来れば辛い話になるとは思うが話してはくれないだろうか?」

 

黒歌さんは少し逡巡した後話し出した。

 

「最初は白音と2人で生活していたにゃ。楽じゃなかったけどなんとか2人で生きていたにゃん。でもある日とある悪魔が保護してくれて、最初は良くしてくれたにゃん。それで私が眷属になって力を着けて強くなったときに奴の仮面が剥がれたにゃん。奴は力のある眷属を集めるのに固執していて、そのうち白音にも手を出してきたにゃん。このままでは二人揃って利用されるだけと思ったから奴を殺して白音は魔王に預ける事にしたのにゃ・・・。」

 

話しには聞いたことがあったけど、そういう悪魔って結構多いらしい。でも、実際聞くと憤りを感じるな。部長の眷族になれたのは幸運かもしれない。

 

「ふむ、大体予想してた通りだね。それで君はどうしたいんだい?」

 

「都合のいい事だとわかってるけれど白音と話がしたい・・・。」

 

そうだろうな、理由があるとはいえ離れ離れになったままは辛いよな。

 

「それだけでいいの?」

 

母さんが黒歌さんに聞いた。

 

「どんな理由があったにしろ白音に辛い思いをさせてしまったことには変わらないにゃん。許してもらおうなんて思ってないにゃん。だから一言謝れればそれでいいにゃん・・・。」

 

「そんな寂しそうな顔言われてそれだけなんて思えない!一緒に居たいと思わないの?許して欲しいと思わないの?」

 

「そんな都合よくいくとは思わないにゃん!」

 

泣きながら母さんに反論してるけど・・・

 

「黒歌さん、俺にはそうは思えない。どんな理由があったにしろ姉妹じゃないか!一緒に居たくないなんて思わないと思う。すぐに和解できるとは思えないけど、駄目だったら和解できるまで諦めずに何回でも話し合えばその内気持ちは通じると思う。だって・・・家族ってそういうもんだよな?」

 

「でも・・・。」

 

「そうだな。小猫がどう考えているかは小猫にしか分からないだろう。だけど、お互いに1人しか居ない肉親の絆はそう簡単に無くなるとは私は思わない。」

 

朱璃さんも家族は大事にしてるからな。

 

「と、いうことなんだけど小猫はどうしたいのかしら?」

 

と、突然部長が言いながらドアを開ける。

 

『小猫(ちゃん)!』

 

開けられたドアの前には小猫ちゃんが立っていた。部長は最初から・・・さすがだな。

 

「で、どうなの?小猫。」

 

小猫ちゃんは何も言わずに黒歌さんの前まで歩いていった。

 

「どうして・・・どうして言ってくれなかったんですか!姉さまが力を暴走させてあの人を殺したと聞いて私も殺されそうになりました!それで私は仙術を忌み嫌いました!最初は姉さまも・・・。でも!それでもたった一人の私の姉様を嫌ったり恨んだりはできませんでした。」

 

小猫ちゃんは泣きながら叫ぶように黒歌さんに話し続ける。

 

「最近ではイッセー先輩や部長やみんなのおかげで少しずつ仙術も受け入れることも出来るようになって、姉様の事も気になっていました。でも、姉様は謝るだけでまた私の前からいなくなるんですか?そんなのは嫌です。もう1人になるのは嫌なんです!」

 

そう言って小猫ちゃんは黒歌さんに抱きつき泣き出してしまった。

 

「白音ごめんにゃ、本当にごめんにゃ・・・。」

 

黒歌さんも小猫ちゃんを抱きしめて泣いている。

 

俺達は2人だけにする為に部屋を出た。

 

「ザーゼクス様、小猫ちゃんと黒歌さんの2人を何とかできませんか?また離れ離れにするのは・・・。」

 

「そうだね・・・個人的にはどうにかしてあげたいんだが主を殺した事実は無くならない。情状酌量の余地はあるけれど・・・。」

 

魔王としては・・・か。

 

「じゃあ、リアスちゃんの眷属にするってのはどう?保護観察とか監視みたいな感じで。」

 

母さんが突然案を出した!おお、それいいんじゃないか?

 

「それなら離れ離れにならないし、一石二鳥じゃない?今のリアスちゃんなら黒歌ちゃん眷属にできるんじゃない?」

 

さすが母さん。だがサーゼクスさんが悩んでいる。やっぱり難しいのだろうか?

 

「いい案だとは思うのだが・・・リアスはどうなんだい?事情はあれども犯罪者だ。経歴に傷がつくかもしれない。」

 

そういえばサーゼクス様はシスコンだったな。気持ちはわかるけども・・・でも部長なら

 

「構わないわよ。私の経歴よりも眷属みんなが幸せになってくれればそれくらい構わないわ。」

 

さすが部長!そう言ってくれると思った。

 

「ふふ、リアスもいいこと言うじゃないか。それにさっき感じたが黒歌はかなりの使い手だな。戦力としても、小猫のいい先生になれるんじゃないか?まぁ、それ抜きにしても私も賛成だな。」

 

朱璃さんも同意。分析が朱璃さんらしいね。

 

「あとはザーゼクスと黒歌と小猫の気持ち次第だな。」

 

「あはは、そう言うと思ってたよ。それなら私も問題はないよ。魔王としても悪魔の方にはフォローするよ。文句は言わせないさ。」

 

さすが魔王様。権力で押しますか!

 

と、話が纏まってきた所で小猫ちゃんと黒歌さんが部屋から出てきた。

 

「2人とも納得できる話しはできたかい?」

 

「はい。全部では無いですが、問題ないです。」

 

「みんなありがとにゃん。感謝してもし足りないにゃん。」

 

2人ともいい顔しているな。

 

「それでね黒歌、あなた私の眷属にならない?」

 

「にゃ!!」

 

「部長!それって・・・。」

 

部長の突然の提案に驚いている。

 

「私は小猫と黒歌の幸せの為だけじゃなく、あなたの強さも含めて眷族にしたいのよ。過去の事は気にしなくていいわ。」

 

「でも、それは・・・。」

 

和解できた上にこの話しだからなぁ、そりゃ戸惑うよな。

 

「小猫ちゃんはどう思う?俺はいい案だと思うんだけど。」

 

う~ん、この質問は答えが分かってるだけに黒歌さんにはちょっと卑怯な手だったかな~。でもこれくらいはいいよな。2人には笑顔でいてもらいたいし。

 

「私は眷属になってくれたら嬉しいです。もう離れ離れにはなりたくないですし。部長が迷惑じゃなければ。」

 

「そんなこと考えてたら眷族にスカウトなんてしないわよ。それで黒歌はどうする?」

 

「赤龍帝!白音に聞くのは卑怯にゃ!それ言われたら断れないにゃ!」

 

「それじゃぁ、黒歌は私の眷属になってくれるってことでいいのかしら?」

 

部長も追い詰めていく。さすが上級悪魔・・・なんて。

 

「にゃ!」

 

「姉様は私と一緒にいるのが嫌なんですね・・・しくしく。」

 

小猫ちゃんが嘘泣きで止めを!この状況を楽しんでるね。

 

「わ、わかったにゃ!白音とも一緒に居たいしリアスの眷属になってやるにゃ!」

 

「それじゃあ、アジュカに頼んで黒歌さんがリアスの眷属になれるよう手続きしておこうか。」

 

「お兄様、お願いします。」

 

「ところで黒歌さんは住むところってどうするの?」

 

「赤龍帝、黒歌でいいにゃ。」

 

「オッケー黒歌。俺もイッセーでいいぜ。」

 

「そうね、どうしようかしら?小猫の部屋はワンルームだから2人だと狭いわね。」

 

「ああ、それなら問題ないぞ。」

 

「ああ、そうだな。アザゼルにサーゼクス、明日あたりよろしく頼む。」

 

「ああ、そうだったね。それはこちらで手配しておくよ。」

 

手配?なにするんだ?

 

「今日は姉様は私の部屋に泊まって下さい。」

 

「わかったにゃ。」

 

「それで黒歌の住む所はどうするの?」

 

「ふふふ~、明日教えるわよ~。」

 

親達がなにか企んでいる!すっごい気になるんですけど・・・。




リアス最後の眷属は黒歌になりました。ロスヴァイセどうしようかな~?

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