姫島神社でのことから翌日、三大勢力の会談が始まろうとしていた。
「ギャスパー、会談の間はここで大人しくしてて頂戴ね。」
部長がギャスパーに話しをしていた。まだ力をちゃんと制御できないギャスパーを連れて行くわけにはいかないからだ。
「子猫ちゃんとイリナ、留守番よろしく頼むぜ。」
「はい先輩。」
「イッセーもヘマするんじゃないわよ?」
「信用ないなぁ、そんなことしねーよ。」
「イッセーたまにポカやらかすじゃない。」
「そうね、私がちゃんと見張っておくから問題ないわ。」
「おまえらひどいな!」
朱乃までそういう事言うのか!
「いつまでも遊んでないで、行くわよみんな。」
部長まで~。
とりあえずみんなで会議室に移動することになった。
「失礼します。」
部長がそう言い会議室に入る。
会議室にはアザゼルさん、サーゼクスさん・セラフォルーさん、ミカエルさんが席についていた。
アザゼルさんの後ろにはヴァーリ、サーゼクスさんの後ろにはグレイフィアさんと会長と副会長、、ミカエルさんの後ろにはゼノヴィアが控えている。
外には警備の為に堕天使、天使、悪魔が待機している。
「私の妹とその眷属だ。先日のコカビエルの件で説明役として来てもらった。」
「ええ、話しは聞いています。先日の件ではご苦労様でした。」
「こちらの不手際とはいえ悪かったな。コカビエルが迷惑をかけた。」
サーゼクスさんが俺達を紹介し、ミカエルさんとアザゼルさんがそれに答えた。
「さて、会談を始めますがいいですか?」
サーゼクスさんの言葉に全員が頷いた。
「まず、会談の前提条件としてここに居る全員が、神の不在を知っている。」
アーシアとゼノヴィアが複雑な表情をしている。まぁ、仕方ないか。
・・・会談が始まったんだけど、話が難しすぎて理解できん。
周りを見てみる。ヴァーリは目を閉じて聞いているのか無いのかわかんねーな。興味ないだけかもしれないが。バトルマニアだし。部長は先日のコカビエルの件を説明していてみんなも真面目に聞いている。
「──以上が私達眷属が関与した事件の内容です。」
部長の説明が終わった。
「さて、アザゼル。今の説明を聞いての意見を聞きたい。」
アザゼルさんに注目が集まる。
「今回の件に関しては堕天使幹部のコカビエルが独断で起こしたものだ。これについては弁明もないよ。こちらでも探りは入れていたが間に合わなくてリアス達眷属には迷惑をかけた、すまん。コカビエルは主にイッセー・・・『赤龍帝』が倒してくれた。その後、組織の軍法会議でコカビエルの刑は執行された。『
「はぁ、最低限の説明で済ませるとは。相変わらずですね。それではアザゼルとしては我々と事を構えたくないと判断してもよろしいのですか?」
ミカエルさんがアザゼルさんに問う。
「ああ、いいぜ。元々戦争なんてものには興味はなかったからな。」
「悪魔としてもこれ以上戦争する気はないです。ですが気になる事が一つあります。イッセー君先日の戦いで赤龍帝とも通常の魔法とも違う力でコカビエルに止めを刺したと聞いたのですがそれはどんな力で、それはどこで手に入れた力ですか?」
っ!・・・まぁ、バレるわな。とはいえどうしよう?と考えていたら
「その力についてなんだが詮索はしないでやってくれ。そうだな、生まれ持ったスキルとでも思ってくれ。」
アザゼルさんがフォローを!でもそれで納得してくれるかどうか・・・。
「アザゼルは知っているのですか?」
「ああ、知っているからこそこの場では気軽に話す事は出来ない。それでも調べようとするならここからは家族として全力で阻止させてもらう。」
「はぁ、そこまで言うのならば仕方ありませんね。」
「ああ、すまない。妹の眷属で不明な力を使うものがいるのが不安だったものでね。兄として。だが、アザゼルがそこまで言うのならこれ以上の詮索はしないようにしよう。イッセー君すまなかったね。」
「いえ、こちらこそすいません。」
アザゼルさんありがとう。
「さて、イッセーの件についてはサーゼクスとミカエルには今度機会を見て説明はさせてもらう。いいか?イッセー。」
「はい、その辺の判断はアザゼルさんにお任せします。」
まぁ、アザゼルさんの判断なら問題ないだろう。問題は部長達だよな~、今度イリナと朱乃とどうするか相談しないとな。
「それじゃぁ、話しを戻そうか。これ以上めんどくさい話しをしてても仕方ないからな。とっとと和平結んでしまおうぜ。お前らもその気だったんだろ?」
『!!』
アザゼルさんらいしいといえばらしいんだけど・・・。
「そうですね。こちらも和平を結ぶつもりでいました。」
「神も魔王もすでにいません。それなら争う必要もないですからね。私もその気でいましたよ。」
サーゼクスさんとミカエルさんもそれに同意する。
「さて、それじゃぁ、神をも倒せる力を持つ力の権化ともいえる赤龍帝と白龍皇の意見も聞いておこうか。」
俺達かい!
「俺は強い奴と戦えればそれでいい。」
バトルマニアめ!相変わらずだな、ヴァーリも。
「それで、赤龍帝は?」
「俺は和平を望んでますし、できるだけみんなで平和に暮らしたい。それだけですよ。」
戦争とか勘弁してくれって感じだな。前世で体験したけどあんな想いなんて二度としたくないからな。
「話が纏まった所で私の仕事もしないといけませんね。アーシア・アルジェントさん。」
「ひゃい!」
アーシアが突然ミカエルさんに呼ばれて驚いてる。それを可愛いと思うのはシスコンの証拠だろうか?
「私の力不足で大変辛い思いをさせてしまい本当に申し訳ありませんでした。」
そういって頭を下げる。おお、マジか!そこまでしてくれるなんて。
「ミ、ミカエル様、頭をあげて下さい。孤児として教会で育ててくださった恩は忘れていません。それに今の生活にとても満足していますし悪魔になったのは私の意志でなったので後悔はしていません。」
アーシアはしっかりとした口調で話していた。うんうん、成長したなぁ。
「貴女の寛大な心に感謝します。」
とりあえずこれでわだかまりはとれたかな?と、ここでサーゼクスさんが
「ところでアザゼル、あなたは
「ああ、それは俺の趣味だからな。まぁ、教会の違法組織にいた奴らも含めて保護もしているが。」
「それはどうしてですか?」
「ああ、それはとある存在から保護と利用されるのを防ぐためだ。」
「──とある存在?」
「ああ、それは──」
アザゼルさんが言いかけたときそれは起こった。
次回から戦闘回です。