授業参観の次の日の放課後、俺達は旧校舎奥にある開かずの部屋の前に集まっていた。
「KEEP OUT」と書かれたテープが貼られており術式で封印もされている。
「ここには、私のもう一人の眷属・僧侶がいるの。私の力だと制御しきれないからと封印されているのよ。朱乃は何回か会ってるわよね。」
「そうですね。女王っていうのと簡単なお世話というか差し入れで何回か会って話したりしてますね。」
「そういえば前に言ってたな。」
「それでね、先日お兄様からそろそろ力もついてきたし制御出来るんじゃないかと言われて封印を解いてもいいんじゃないか?と言われたのよ。」
もう一人の眷属か。部長が制御出来ない程ってのは気になるな。そろそろライザーに手が届く位強くなってきてるんだけどな。
「それでこれから封印を解くからみんなには顔合わせとちょっと協力して欲しいのよ。」
「顔合わせはいいですけど、協力ってなんですか?」
「あははは、会えば分かると思うよ。」
朱乃が苦笑いをしている。まぁ、会ってから考えるか。
「それじゃあ、封印を解くわね。」
部長の足元に魔法陣が展開され封印は解かれた。
そして朱乃が扉を開けた瞬間
「イヤああああ!なんですかああぁぁ!」
中から絶叫が響いた。
「ギャスパー君、もう封印も解かれたから外に出よ。」
「イヤですうぅぅ。このままでいいですぅ。お外怖いですうぅぅ!」
なんていう拒絶反応!なんというか制御云々だけじゃなさそうだな。
「・・・引きこもり悪魔。」
小猫ちゃんがジト目で言った。相変わらず毒舌だね!
「部長、これどういうことですか?」
「ギャスパーは重度の対人恐怖症なの。」
「え〜と、それを克服させろと?」
「そうなるわね。ギャスパー、もう封印は無いからここからでましょう?」
部長がギャスパーの手を引いて部屋から出そうとする。
「イヤですうぅ、しかも人が増えてますうぅ。」
「ギャスパー紹介するわね、新しく眷属になったイッセーにイリナにアーシアよ。」
部長に連れられてギャスパーが出てくる。おお、金髪美少女?ん?あれ?
「部長、男?で合ってますか?」
「ええ、そうよ。彼は女装が趣味なの。」
「「ええ!」」
イリナとアーシアが驚いている。俺も何となくだったしな〜。引きこもりで女装趣味って誰得なんだろ?おっと、自己紹介がまだだったな。
「俺は兵藤一誠。部長の兵士だ。イッセーでいいぜ、よろしくな。」
「騎士の紫藤イリナよ。よろしくね。」
「アーシア・アルジェントです。ギャスパー君と同じ僧侶です。よろしくお願いしますぅ。」
「あわわ、こんなに増えたんですね、よろしくお願いしますぅ。」
「とりあえず少しでもいいから、外に出てみようぜ。」
と、ギャスパーの腕を掴んで外に出そうとしたら景色がモノクロになり、俺と朱乃とイリナとギャスパー以外の動きがとまっていた。
「おお、なんだこれ!」
「時間停止よ。」
「そんな能力が?」
「え!なんで先輩達も動けるんですか!」
「なんでって言われても・・・これギャスパーの能力か?」
と話していたら景色が元に戻った。
「あら、イッセーは動けたのね。力の差があると効かないみたいなの。」
「え〜と、いまの何ですか?」
「
「朱乃は知ってたんだな。」
「そうね、初めて来た時に使われて驚いたわよ。」
「えと、何かあったんですか?」
アーシアが何があったかわからずに戸惑っている。小猫ちゃんと祐斗は知ってるみたいだな。
「ギャスパー、そんなに外が嫌か?」
「嫌です~、外に出てもみんなに迷惑掛けてお互い嫌な思いするくらいならずっとここにいますぅぅ!」
なるほどねぇ。力を制御できないから迷惑をかけてお互い嫌な思いするくらいなら・・・か。
「申し訳ないんだけど、みんな、ギャスパーを頼めるかしら?これから朱乃と会談の打ち合わせにいかないといけないのよ。祐斗も聖魔剣を調べたいとお兄様がおっしゃっていたから一緒に来て頂戴ね。」
「わかりました、部長。」
「それじゃぁ、お願いね。」
そう言って3人は魔方陣で転移して行った。
昨日投稿してから気付いたんですが、1話飛ばしました。進行に問題ないのでこのままいこうと思います。そのうち番外で乗せようと思います。