次の日は授業参観で、朱璃さんの授業だった。
「今日は授業参観で親御さん達も来ているのでちょっと変わった授業でもしようか。」
後ろには父さんとアザゼルさんにトウジさん・セリカさんになぜか玲奈さんまでが見にきていた。
母さんは・・・アーシアの方か。
前も目立っていたが、今日もクラスのみんなや、他の親御さん達に注目されている。イケメンパパに美女だもんなぁ、さらにビデオカメラまで持ってるしそりゃ目立つよな。
「さて、最初に頭の運動でもするか、前にもやったな、命令ゲームだ。頭に命令とついたら必ず実行すること、つかなかったら実行しない。では、命令 ゲームをはじめよう。」
簡単にできそうだがこれがなかなか難しい。「命令」がつかない言葉に反応して動いてアウトになってしまうのだ。
「命令、起立。」
「命令、右腕を上げろ。」
・・・そこから幾つかの命令が続いた。
「上げた右腕疲れたろ、下ろしていいぞ。」
数人が右腕を下ろす。
「今右腕を下ろした者アウトな。」
生徒の悲嘆の声と親御さんの笑いが聞こえる。疲れて油断した所に罠を仕掛けてくる。さすが朱璃さん、こういう駆け引きはうまいなぁ。
「命令、一旦リセットだ。さて、次は親御さん達にも参加してもらいます。」
次は親御さん達も参加してゲームは続いた。親御さん達も結構楽しんでやっていたな。
「さてと、そろそろ頭も解れただろう。なのでここからは通常の授業・・・・と、言いたい所だが今ので時間食いすぎたな。」
親御さんもクラスのみんなも笑っている。こういう空気つくれるのはうまいなぁ。
「なので、なにも考えてない。そうだな、親御さん達から何か質問とか議題でもいいがないですか?」
朱璃さんの言葉に1人の親御さんが聞いた。
「いつもこんな感じで授業をしているのでしょうか?」
「ああ、こういうゲームはたまにやってますよ。教科書だけが勉強ではないですから。かといってこんなのばっかりやってたら授業が進まないので進捗と生徒の理解度を考えながらやっています。こんなのは不真面目だと思う人もいるでしょう、ですが私は新任の先生なものでねこういうスキンシップを図りながら進めていくのもいいんじゃないか?と思ってます。詰め込めるだけ詰め込むというのも一つの手だとは思いますが、押し付けばかりでは今度は反発が生まれて逆効果にもなりかねないですから。」
朱璃さん、そんなこと考えながら先生やってたんだな。他にもいくつか質問に答えながら授業は終わった。
その日の昼休み朱乃・イリナと昼食を食べ終え、校内を歩いていると体育館の方に向かう人達がいた。なんだろ?
「体育館の方で何かあったのかしら?」
「結構な人数行ってるわね。行ってみる?」
「そうだな、ちょっと気になるし。」
そう言って3人で体育館に移動する。するとステージでなにやらやっている。
「撮影会?」
「魔女っ子・・・・。」
ステージ上では魔女のコスプレをした美少女がポーズを決めておりそれを生徒がスマホやデジカメ等で撮影していた。
「なんかのイベント?・・・・なわけないか。なんだ?この状況。」
「おまえら散れ散れ~、あなたもこんな格好でうろつかないでください。」
匙がやってきて生徒を追い払っていた。
「え~と、この学園の生徒のご家族ですか?できればその格好と目立つようなことはやめてくれませんか?」
匙が注意している。大変だな生徒会も。
「匙、騒ぎはおさまりました・・・・か?ってお姉さま!」
「ソーた~ん、この子が邪魔するの~。」
「いえ、お姉さま!騒ぎを起こしてるのはお姉さまです!それと『たん』をつけて呼ばないでください!」
え・・・この人会長のお姉さんなのか!
「ははは、相変わらずだね、セラフォルーは。」
と、ここでザーゼクス様と部長達が現れた。後ろにいる紅髪のダンディな感じの人は誰だろう?
「え~と、部長?この人は・・・」
「この方はセラフォルー・レヴィアタン様で魔王様の1人でソーナのお姉さんよ。」
「「「ええ~・・・。」」」
部長の言葉に俺達3人は引いた。会長のお姉さんは良いとして、魔王って・・・いいのか冥界。
「ねぇ、サーゼクスちゃん、この子がドライグ君?」
「ああ、彼が今代の赤龍帝、兵藤一誠君だ。」
「あ、リアス・グレモリー様の兵士をやっています兵藤一誠といいます。」
「同じく女王をやっています姫島朱乃です。」
「騎士の紫藤イリナです。」
「はじめまして、セラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』て呼んでね☆」
魔王・・・軽い。
「セラフォルー様も授業参観に?」
「そうなのよ、リアスちゃん! ソーたんったら酷いのよ! 私に今日のこと黙ってたんだから! もう、お姉ちゃん悲しくて、天界に攻め込もうとしたんだから!」
いやいや、そんな理由で攻められたらたまらないだろ、天界。
「お姉さま・・・・もういやっ!」
「まって~、ソーた~ん。」
会長逃げる、魔王少女追う。ひどい情景だ・・・・。
「兵藤、俺会長のフォローしてくるわ。」
「おう、頑張れよ~。」
そこに俺に声を掛けてきた人がいた。
「初めまして、兵藤一誠君。リアスの父です。いつも娘がお世話になっているようだね」
やっぱり部長の父さんだったか。
「こちらこそ初めまして。兵藤一誠です。よろしくお願いします。」
「姫島朱乃です。」
「紫藤イリナです。」
「ああ、君たち3人がリアスの眷属になってくれてリアスも助かっているみたいだ。これからもよろしく頼むよ。」
物腰の柔らかい人だな、でも動きが洗練されている。
「よう、サーゼクス!」
アザゼルさんが母さん達とやってきた。
「やあ、アザゼル。授業参観どうだったかな?」
「朱璃の授業がうまかったな。なかなか良かったぞ。ビデオもばっちりだ。」
「うちもリアスの授業参観はビデオ撮ったよ。」
「お、それならこのあと鑑賞会でもしないか?」
「それはいいね、父上もどうですか?」
「ああ、いいね。私もお願いしようかな。」
その後家で夕食を食べて鑑賞会をして親達は盛り上がっていた。。
部長も来ていたのだが俺達子供全員顔を真っ赤にして終わるのを耐えた。
朱璃さんがやった授業は実際にあるみたいです。
粘土も考えましたが朱璃さんらしい授業にしたかったので。