転送された場所はなにもない頑丈な感じの部屋だった。
「ここは、厳重に幾重にも魔法がかけられた特別な部屋でな、周りに魔法が漏れることはないだろう。」
「これから封印解除するがどれだけの魔力が解放されるか私達にも予測がつかんから全力で制御しろ。」
「え、それってどういうこと?」
イリナも少し不安そうだ。
「この封印術式は最大出力にリミッターをかけるものだから実際の魔力量はわからないの。」
「リミッターをかけて現状の力だからな、正直最大魔力がどれだけあるかわからん。だが、お前達なら大丈夫だと思っている」
そこまで言われたらやるしかないよな〜。二人もそんな感じだな。
「それじゃあ、始めるわよ〜。」
そう言って母さんと朱璃さんは呪文を唱え始めた。
俺達3人の足元に魔法陣が浮かび上がる、
「解放するわよ〜。準備はいい?」
「オッケー」「ええ」「いいわよ」
「「封印解除!」」
言葉と共に俺達3人から嵐のような魔力が溢れ出す。そして耐えられなくなったのか部屋の壁にヒビが入る。
ぐおおおお、え、これはちょっと・・・ぐぬぬぬ。
「これはまずいな。朱璃、朱音、結界の強化を!」
「これはちょっと」
「予想以上ね」
3人で結界を強化してるがこのままじゃまずいな。
しかしこの魔力量は・・・魔力、魔力・・・あ!そうか!そうだな。
俺は息を吐き目を閉じ気持ちを落ち着かせる。かつてレミーアさんに言われた言葉を思い出した。魔力は魔力・・・か。徐々に抑えられていく。
俺は魔力をなんとか完全に抑制できた。ふぅ、なんとかなったな、しかし二人はまだ制御できておらず焦っている感じだ。とりあえず、
「エアリィ!結界強化!」
「はいよ〜」
これでしばらくは持つな。あとは二人をなんとかしないとな。
二人の肩に手を乗せ俺は声をかける。
かつてレミーアさんに言われた言葉を。
「朱乃!イリナ!よく聞け!魔力量が多かろうが少なかろうが、扱うのは魔力。何も問題ない!」
「「!!」」
二人は俺の言葉を理解したのか次第に魔力を抑えていた。とりあえず暴走ってことにはならなかったな。
「しかしこの魔力量は完全に制御するのに時間かかりそうだな。」
「そうね、抑制はできても制御は別ね。」
「イッセーの言葉がなかったら私達危なかったわね。」
「ああ、あれは昔レミーアさんに言われた言葉だよ。」
そう、あれは修行し始めて最初の頃に言われた言葉。
俺と入れ替わっても問題なく制御できると。
「ふははは、よく覚えていたな。」
「俺達は朱璃さんの弟子ですからね、まぁ、俺もあの言葉を思い出さなかったら危なかったですけど。」
「まぁ、あの魔力量をいきなり与えられたら冷静じゃいられなくなるさ。」
「さすがにあの魔力量は想像できなかったわねぇ〜。」
「暫くは私が付いて魔力操作を中心にした修行になるな。」
「それとなんだが、魔力量が想像以上だったせいでな、いままで使ってた腕輪では対応出来そうも無い。なのでしばらくは腕輪無しでなんとかしてくれ。こっちでも早めに用意する。」
「まぁ、明日は入学式だからよっぽどのことがなければ大丈夫じゃないかしら〜。」
「今日は疲れただろうから明日の為にゆっくりするといい。あと、アザゼルの話も考えておけよ。」
「あ、一応聞いておきたいんですが、王の候補って誰なんでしょう?」
「ああ、言っているなかったな。駒王学園高等部2年になる リアス・グレモリーだ。」
先に言っておきます。本編はチート発揮していくので短いです。
なので内容はサクサク進みます。