戦争によって激減した悪魔を増やす為と数を限定することにより少数精鋭を創る事を目的に作られた悪魔に転生するためのアイテム。王を除き15個1セットでチェスに見立ててそれぞれ駒に特性も付与されているらしい。そのシステムを使った実戦形式のゲームの大会も行われているらしい。転生時に条件があり王とかけ離れた実力差があると転生できない仕組みになっている。
というのが凡そアザゼルさんから聞いたところだ。
「で、どうして堕天使ではなく悪魔なのか?という点だが堕天使としてはこういうシステムで人数増やしたり戦力強化をするつもりが無いことだな。天使が堕天してきたり自然に増える分にはかまわないがな。」
「今の話だと俺達が悪魔に転生するには相手はそこそこ強い悪魔じゃないといけないことになりますよね。」
今の俺達の実力だと上級悪魔を倒せるだけの実力はあるとか言ってたからそれ以上か最低でも同等の相手になるってことになるのか。
「そうだな。現状でお前らを眷属に出来るのはかなり実力のある悪魔に限定されるだろう。だが、それくらいのクラスになるとほとんど眷属が揃っていてな、なかなか難しいところではある。・・・普通ならな。」
普通じゃない方法もあるのか?それって大丈夫なんだろうな?とはいえアザゼルさんがそこを考えてないことはないか。話しは続く。
「それでだ、実は今候補がいるんだが、実力差を埋めるのに修行してもらっている。が、それでもそう簡単にはいかないだろうからこちらの技術と向こうの技術を使ってちょっと裏技みたいになるがなんとか眷属になる方法を考えている。」
アザゼルさんが一旦言葉を切って続ける。
「まぁ、そこらへんはまずお前らに転生の意思がないと動けないから3人で話し合って決めてくれ。それ以外にも時間が欲しくなるだろうからな。それについては朱璃、朱音から聞いてくれ、俺からの話しは以上だ。」
それ以外ってなんだろう?すると母さんと朱璃さんがこちらにきて話しだした。
「アザゼルちゃんの話は終わったみたいね〜。それじゃあ、今度はお母さん達からの話しね。」
「お前らには言ってなかったが3人には実はある封印がかけてある。まぁ簡単にいうと魔力の出力リミッターだな。」
「「「え!?」」」
「あなた達は生まれた時から膨大な魔力をもっていてね、そのままだと暴走しかねなかったのよ。それでね、朱璃と相談して魔力に耐えられる体と制御力がつくまで封印することにしたの。」
「それでまぁ、高校生になって体もある程度育ってきたし、制御力もついたからな、朱音姉さんと相談して封印を解くことにした。丁度いい節目でもあるしな。」
まじか〜、今の状態でも普通じゃない量だと思うんだけど、更に増えるのか。マジでチートじみてきたな。
「封印解除する前に言っておくがお前らの魔力操作の技術は世界でもトップクラスだ、それでも解放された魔力を制御できるまではそれなりに時間がかかると思ってくれ。」
「あとここで解除すると危険だから場所移すわね〜、アザゼルちゃんよろしく〜。」
「え、いまから!?心の準備は?」
「問答無用だ、じゃあいくぞ。」
「「「え、ちょ」」」
アザゼルさんは聞く耳もたず、俺達は転送された。
続けてもう1話。