ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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今回は普段より少し短めですが、アローラであった話を少し書いて次章の準備をしたいと思います。アニメのグラジオは原作に比べればまだ大人しいきがします(言動的な意味で)

二次創作なので当然ながら(?)オリジナル設定を組み込んでおります。またなんか設定も無理やりすぎる気がしますが、その辺りもご了承願いたく思います。

(´・ω・`)「こいついつも読者様にお願いしてるな」


アローラの危機再び!迫り来る脅威の影!

アローラにおいて最も経済力を持ち支えとなっている組織、エーテル財団。かつてはとある事件にて信頼性が失いかけてしまったが、元代表を務めていたルザミーネ代表の息子であるグラジオが後継となりかつての繁栄を取り戻していた。

 

現在は裏で資金源としても利用していたポケモンの保護を真っ当に行う様になり、ポケモンに対する非道な実験も行わなくなった。

 

そして現在はある存在について詳しい研究を行っている。その存在とはこの世界に突如姿を現した謎の生命体、UBのことである。

 

UBはかつて人間の脅威となりえる存在であり、元代表のルザミーネもそのUBの一体であるウツロイドに魅了され理性を失ってしまったことがある。再びその悲劇が繰り返されないためにも、彼らの事詳しく知る必要があった。

 

あの事件以来UBの住む世界と繋がっている空間、ウルトラホールが開くことはないが、それでもまたいつUBがこの世界にやってこないとも限らない。いつ起こるか分からない非常事態のためにも、彼らのことを知っておくのはアローラにとっても必要なことだ。

 

そしてグラジオはウルトラホールの研究に協力してもらっているアーカラ島の空間研究所に勤めているバーネット博士の元を訪れていた。

 

「バーネット博士」

「来たわね、グラジオ」

 

グラジオを出迎えてくれたバーネットへと近寄り、2人は握手を交わす。空間研究所は元よりウルトラホールについての研究を進めていた。その中でも彼にとっても信頼のおける人物でもあるバーネットに協力を仰いだところ、彼女は快く承諾してくれた。

 

「研究の調子はどうですか?」

「そうね。まだ分からないことは多いけど、彼らについていくつか分かったことはあるね。」

 

そう言ってバーネットは研究の成果の一部をグラジオに伝えた。

 

まず第一に分かったことは、彼らは自分の意思からこの世界に来たわけではないという事だ。かつてルザミーネを精神支配してしまったウツロイドだが、彼らはその事件以降に姿を現そうとはしていない。それどころかウルトラオーラ――UB達から探知できるオーラの事――を感知できない。

 

もし彼らが意図的にアローラにやってきて人間たちに害を成そうとする存在であるのならば、彼らは頻繁にこの世界に姿を現しているだろう。なぜなら彼らは自らの力でウルトラホールを通ることのできる数少ない存在だ。そんな彼らがこの世界に危害を加えようとするならば、これまで何度もアローラを襲撃しているに違いない。

 

以前はアローラにウルトラホールが稀に開かれそこからUBがやってきていた。その際に島の守り神たちと激戦を繰り広げたという記録が残っている。激戦の結果決着は着かなかったものの、UBたちはそれ以上の危害を加えることなく自分たちの世界に戻っていったと伝えられている。目的は不明だが大人しく帰ったことを考えると、彼らはアローラへの侵略が目的ではなかったのかもしれない。

 

それらの記録も含め推測するに、彼らは自らの意思でこの世界にやってきたわけではないのだと考えられる。その辺りについてはこれからも詳しく調べていきたいとのことだった。

 

第二に、UBはポケモンの一種であるという事だ。

 

異質で異形な姿をしたUBたち。事件の際に彼らはウツロイドの他にもこちらの世界に突如として侵攻していた。

 

今回の目的も現在不明だが、彼らはアローラ各島のしまキングたちや守り神と激しい交戦を行っていた。その際に彼らの僅かに残したウルトラオーラや体の一部から、彼らの遺伝子を研究することが出来た。

 

そして彼らの遺伝子を研究し分かったことは、彼らも我々の知るポケモンと同一の存在であるという事だ。

 

厳密には我々の知るポケモンと全く同じ存在と言うわけではなく、別の世界に住むポケモンであるという事だ。

 

色々仮説を立てると全く別の独自の進化をしたポケモン、誤った方向へと進化してしまったポケモン、別の世界線を辿り環境の異なる場所で進化したポケモンなどが挙げられるが、詳しい事は未だ不明だ。これからも彼らの事を研究する必要が大いにあるだろう。

 

彼らは我々にとって脅威となりえる対象ではある。しかし少なくとも彼らも我々人類やポケモンと同じように考え、生きている生き物なのだ。一概に敵として認識するのは間違いなのかもしれない。

 

そしてもう一つ重要なことがあるとバーネットが説明する。

 

UBの存在について追っていると、かつてアローラにて起きたある伝説の文献に辿り着いたのだ。バーネットはその文献に書かれていたことをグラジオに伝えた。

 

 

 

―――

 

 

 

かつてアローラと対となる世界にかがやきさまと呼ばれる光の神が存在していた

 

そのかがやきさまの放つ光はウルトラホールを通じアローラ全土にもその光をもたらし生きとし生けるものに更なる力を与えていた

 

しかし先人たちの犯した過ちによりかがやきさまから光は失われて荒神となってしまった

 

その世界の住人たちは自分たちの持つ科学力によりかがやきさまの力を抑え沈静化するも闇の世界となり長い時を光のない世界で過ごすこととなった

 

それ以降アローラは光の世界として存在することとなり、知られざる闇の世界が存在することは誰にも知られることはなかった

 

 

 

―――

 

 

 

残された伝承にはこの様な内容が記述されていたようだ。

 

UB達が守り神たちに匹敵する力を得ているのは、もしかするとそのかがやきさまの力が関係しているのではないかとバーネットは推測している。もしそうであるならば、再びアローラに2年前の悲劇が訪れる可能性は十分ある。今の内にUBたちの対策を練る必要があるだろう。

 

「グラジオ。エーテル財団の例の開発はどうなってるの?」

「あの開発はもう間もなく完成です。お望みであるならばお見せしますが」

 

バーネットはグラジオの言葉に頷きエーテル財団へと赴くことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってエーテル財団が活動しているエーテルパラダイス。そしてここはエーテルパラダイスの地下だ。

 

グラジオに案内され、バーネットは例の開発が行われているという地下のある部屋に向かう。何度かエーテルパラダイスには顔を出している彼女だが、ここの開発に立ち入るのは今回が初めてである。本来関係者以外の立ち入りを禁じているため仕方のない事だ。

 

「ここです。」

 

グラジオは案内した部屋の扉に近づく。するとその部屋の扉が自動で開き、中には複雑な機械と資料が乱雑に置かれていた。その部屋の様子から誰しもが研究室と見て分かる部屋であった。

 

「これが例のものね」

「はい」

 

バーネットが見つけたのはモンスターボールにも似た球体のカプセルであった。しかしそのボールがモンスターボールと違うのは、青くネットのような模様が描かれていた。それはまるで、UBたちの世界に繋がっていると言われているウルトラホールのようでもあった。

 

「これがUBたちを捕まえるために開発した新型のモンスターボール。名づけるならウルトラボールです。」

 

そう、これこそがUBたちを唯一制御することのできるアイテム、ウルトラボールである。エーテル財団が開発していた例のものとは、このウルトラボールのことだったのだ。

 

ウルトラボールは通常のポケモンを捕まえるには向かず、モンスターボールに比べ捕獲が難しい。しかしその分、UBたちの遺伝子などを解析し、彼らの構造をボール内部に組み込みUBを捕らえることにのみ特化した最新のモンスターボールだ。

 

UBはとてつもなく強力な存在だ。彼らに悪意はないとしても、この世界に害を及ぼしてしまう可能性は否定できない。であればUBによる被害が拡大する前に、彼らの力を制御する必要があったのだ。その回答こそこのウルトラボールなのである。

 

「大量生産することは出来る?」

「可能です。ただ、一つだけ問題点があります。」

 

バーネットの質問に肯定で答えるものの、グラジオは難しい顔をし唯一の問題点を挙げた。

 

「UBは未だ謎の多い未知の存在です。しかも俺たちには想像がつかないほどの驚異的な力があります。」

 

グラジオの物言いに、バーネットもその問題点がなんとなく察しがつき彼より先に答える。

 

「つまりウルトラボールの能力を検証するにはUBと戦うしかなく、実際に機能するかどうか試すことができない。そういいたいのね?」

 

バーネットの回答にグラジオも頷くことで答える。だがその事であれば心配はいらないとバーネットは明るく答えた。

 

「その点であれば心配いらないわ。」

「バーネット博士?」

「これはあくまでUB出現時の緊急手段にしかすぎない。一時的にでもUBを無力化できれば私たちにも猶予が生まれる。必要なことはUBの力量を把握し、UBたちの脅威を抑えること。」

 

バーネットはその後「それに」と言葉をグラジオを見つめた。

 

「私たちには、頼りになるポケモンたちがいてくれるでしょう?」

「……ふっ、そうですね」

 

グラジオはバーネットの言葉で悩みが吹っ切れいつものキザなポーズをとり自分の相棒が入ったモンスターボールを取り出し見つめた。悩むなどいつもの自分らしくないなと感じ、相棒と共に強くなるために歩んでいたかつての自分を思い出した。

 

そんな時、エーテルパラダイスに警報が鳴り響く。

 

「!?一体なんだ!」

「大変です!グラジオ代表!」

 

慌てた様子を見せるグラジオの元に無線が届く。グラジオがその無線を出ると、無線から出た相手は秘書のビッケであった。

 

グラジオがビッケに何があったのか尋ねると、彼女の口から驚きの事実が告げられた。

 

「ウルトラオーラの反応を検知!ウルトラホールの出現を確認しました!」

「何だと!?」

 

いつかは来るかも知れないと不安を抱いていた事態が最悪のタイミングで起きてしまった。予期していたとはいえ、まさかUBの対策をとっている間にこの様な事態が起きるとは思わなかった。

 

グラジオは緊急の事態に対応するため、ビッケにそのウルトラホールがどこに現れたのかと尋ねる。

 

「場所はアーカラ島!ハウオリシティの上空です!」

 

グラジオとバーネットは、急ぎエーテルパラダイスを出立しハウオリシティの空間研究所へと帰還するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如ハウオリシティへと出現してしまったウルトラホール。グラジオとバーネットは状況を確認するためにハウオリシティの空間研究所に戻った。

 

「状況は?」

「バーネット博士!出現したウルトラホールに未だ動きはありません。ウルトラオーラにも動きはなく一定数を保ったままです。」

 

ハウオリシティにウルトラホールが出現してしまい焦ったバーネットであったが、研究員のその報告を聞き一先ずは安心する。

 

ウルトラオーラは大きくなればなるほどUBに近づいているという証明になる。その数値が大きくなればそれはUBがこの世界へとやってくる前兆となる。

 

しかし現在そのような動きは見えない。であるならば少しでも対策する時間はとれるだろう。

 

だが当然ながらウルトラホールが現れた以上油断することは出来ない。ウルトラホールの出現=UBの襲来にも繋がる。いつ彼らがこの世界に姿を現すかは予想できない。彼らの脅威を身をもって知っているため、なにが起きてもいいように今の内にすぐにでも手を打つべきであろう。

 

「……背に腹は変えられないわね。グラジオ、すぐに彼らに連絡して。」

「……あいつの力を借りるんですか?」

「この際仕方ないわ。彼らには悪いけど、アローラに再び危機が訪れているなら最善の策をとるべきよ。」

 

バーネットの言葉にグラジオは不本意ながらも同意する。アローラ全土に関わる危機ともなれば自分の感情だけで物事を判断するのは愚かだ。強力なUBに立ち向かうためには1人でも強いトレーナーがいる方がいいだろう。

 

特に彼はこのアローラ地方最強と言われるトレーナー、チャンピオンである。多くの人が目標としている彼がいれば、戦力だけでなくトレーナーたちの士気も自然と高まるだろう。UBとのバトル経験もある彼や現在の四天王たちがいれば戦力として充分すぎるぐらいだ。

 

「……分かりました。今すぐあいつらに連絡をとります。」

「お願い。私はククイ君や四天王、しまキングたちに協力を要請しておくわ。一度対策を練りましょう。」

 

バーネットはそう言ってすぐに研究所のみんなに指示を出した。自分も早くしなくてはと彼らに連絡をとるために行動するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラジオはすぐにカントー地方にいるシンジ、リーリエに連絡をとった。グラジオから伝えられた事実に2人は冷や汗を出し慌てた様子を見せる。

 

「グラジオ!それって本当!?」

『ああ。今のところ奴らは姿を見せていないが、ウルトラホールが消えないことを考えると恐らく遠くない内に現れるだろう。』

「そ、そんな……。またウツロイドさんたちが?」

 

リーリエは過去にトラウマとなってしまった悲劇を思い出す。再びウツロイドたちUBが現れてしまえば彼の神経毒にやられかつての母みたいに自らの欲望に囚われるものも出てきてしまう可能性がある。状況によっては一刻の猶予もないだろう。

 

グラジオは自分たちが想定していた周期よりも早いと語る。昔彼らが襲撃してきた時からは大分年月が経過している。ウルトラホールの奥で何か良からぬ事態が発生しているのか、それともアローラに大きな何かが起きようとしているのか。

 

いずれにしても今回の事態を放置しておくのはあまりにも危険すぎる。すぐにこの状況を打破するための戦線を整える必要がある。

 

「分かった。。僕たちもすぐにアローラに戻るよ。」

『すまない。頼んだぞ。』

「はい!任せてください!お兄様!」

『……ふっ。逞しくなったな、リーリエ。』

 

グラジオはビシッとポーズを決め、どこか嬉しそうにビデオ電話を切った。状況はどうあれ親友や妹に久しぶりに会えるからか、それとも妹の成長が嬉しいからか。彼の場合恐らくその両者であろう。

 

「僕たちもすぐアローラに向かおう!」

「はい!」

 

想定とは違う形ではあるものの、彼らは自分たちが出会った土地、アローラに再び帰還することにしたのだった。




バーネット博士は原作だとダーリンとか言っていた気がしますが、ここではアニメのように基本的にはククイ君やククイ博士呼びで行きたいと思います。グラジオは年上に対しては割と敬語使うようなイメージ。

それにしてもまさかシャワーズが対面で苦手なアマージョとバックの珠フェローチェに勝てるとは思いませんでした。熱湯の火傷率3割は絶対7割から9割よね。外す鬼火より信頼できます。

個人的にはスカーフエーフィの素晴らしさを皆さんに伝えていきたいです。
ブイズの苦手なメガバシャやメガミミロップ、フェローチェ(襷は知らん)に対面で勝て、臆病最速にすることで初手竜舞で甘えてきたメガリザXや意地っ張りメガマンダに勝てます。少なくともヌシが相手したメガマンダは6体中5体がノータイムで初手竜舞してきたうえに全て準速でした。

くさむすびを持たせると初手脳死竜舞のメガギャラやカバも2ターン使って倒せますし、稀にスぺレで見るメガスピアーの上をとれる貴重なポケモンです。当然スカーフヘラクロスやメガゲンガーも上から叩けて、ジャラランガもマジカルシャインでD無振りジャラランガを高乱数1発で持っていけます。多分ニンフィア見てるので無暗にZは撃てないのではないかと思いますので万一耐えられても自ターンで返り討ちにできます。交代されたり惜しまずZ撃たれてもニンフィアの石火で縛れます。いざ最速スカーフエーフィは使ってみるとハマりますのでオススメです。技スペースが厳しいですが、トリックを採用するとラッキーやハピナスにも有利になれます。ヌシは挑発ブラッキーに任せてエーフィはフルアタにしてますが。

最近やっているスぺレでは初手カプ・ブルル(鉢巻や草Zブルルのウッドハンマーは物理特化ブラッキーでも受けきれません)で詰むので大半はスカーフブースターで採用してます。もしピンクのピースしてる変態ブイズ使いに出会ったらお手柔らかにお願いします。ヌシは意図的な切断は絶対しませんが、長考することは多いのでその辺はお許しください。

ブイズのことになると遂熱く語ってしまうヌシですが、これからもよろしくしていただけると幸いです。

次回はハウ、ヨウの登場を予定しております。いつぞやも言ったようにまた後付け設定ですが楽しみにしていただけると嬉しいです。

ではでは!ノシ

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