ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
と言うわけで早速コウミVSハジメの試合です。今回は2話で終わらせる予定です。
最近Amazonプライムで昔のポケモンを見直していますが、今はDPを見てたりします。久しぶりに見てたらポッチャマとかミミロルとかニャルマーとかピンプクとか、やっぱり可愛いなと思いつつ、タケシのグレッグルの可愛さに気付きました。あいつ可愛すぎじゃね?有能で可愛いとかもうね……。
にしても久しぶりに見るとボルテッカーって本当に作画陣泣かせの技よね。あんな作画連発されたらそりゃエレキボールに変更されますわ。
「負けてしまいました。」
準決勝にてコウタと対戦し後一歩のところまで追い詰めるものの、僅かに届かず敗れてしまったリーリエ。ルザミーネ、ブルー、シンジはそんなリーリエの元を尋ね控室へとやってきていた。
「すいません……折角応援してくださったのに……」
「謝る必要なんてないわ。いいバトルだったわよ、リーリエ。」
頭を下げて謝るリーリエにルザミーネはそう言葉を返す。ルザミーネのその励ましの言葉にリーリエも一安心し表情を緩める。
「リーリエ」
「ブルーさん……すいません、ブルーさんに託されたのに負けてしまって……。」
一言呼びかけて近づいてくるブルーにリーリエは再び謝る。そんなリーリエにブルーは呆れたように溜息を吐き言葉を続けた。
「……はぁ、別に怒ったりなんてしてないわよ。」
「え?」
ブルーの予想外の返答にリーリエは戸惑いを隠せずキョトンとした表情を浮かべる。
「あんないいバトル見せられて、咎める事なんてできるわけないでしょ。ま、まあ、あんたも少しは出来るようになったんじゃない?」
「ブルーさん……」
「勘違いしないでよ!あくまでちょっとだけ!ちょっとだけ認めただけなんですからね!今に追いついて見せるから覚悟なさい!」
「は、はい!ありがとうございます!」
彼女なりの励ましの言葉を受け取り、リーリエは笑顔でお礼を言う。その後ブルーは“ふんっ”と頬を少し赤くしてそっぽを向いたのだった。
「リーリエ。」
「あっ、シンジさん。」
リーリエはブルーと立ち替わりリーリエの前に立った。リーリエはシンジに何を言われるのかと緊張しながら彼の言葉を待つ。すると彼から伝えられたのは至ってシンプルな質問であった。
「バトルは楽しめた?」
「!?はい!とても楽しかったです!」
「……そっか。」
リーリエはシンジの言葉に元気よくそう答えた。シンジもその解答に満足したのか、僅かに笑みを零した。
「だったら君はもう立派なポケモントレーナーだよ。」
「あ、ありがとうございます!」
リーリエはシンジに深く頭を下げて感謝の言葉を伝える。その言葉だけでシンジに認められたような、彼に少しでも近づくことができたような気がしたからだ。トレーナーとしての彼女にとって、これ以上嬉しい言葉はないだろう。
その時放送が流れ、会場全体に司会のアナウンスの声が響き渡った。
『それではこれより!カントーリーグ準決勝第二試合を開始したいと思います!』
その内容は休憩時間が終了し、準決勝を再開するというアナウンスであった。対戦カードはあのコウタの双子の妹であるコウミと、ロケット団の元用心棒ハジメだ。ポケモントレーナーとして、このような好カードを見逃せるわけがない。
「コウミさんとハジメさんの試合ですね……。」
リーリエはどちらとも対戦経験があるが、両者とも以前に比べ格段に強くなっている。どちらが勝つかなど予想できない。それゆえか2人の対戦が心の中でどんな試合になるのかとワクワクしている自分がいたのだった。
一行はこのバトルを一瞬たりとも見逃すわけにはいかないと、急いで会場に向かったのだった。
「お待たせいたしました!それでは只今より、コウミ選手VSハジメ選手による準決勝第二試合を行いたいと思います!」
これに勝った方が決勝進出を果たし、コウタと対戦する資格を得る。コウタの実力は勿論だが、会場全員が今までのバトルを見届けてきたためコウミとハジメ、両者の実力も知っている。誰もがこの試合に興味津々である。
観客たちの盛大な歓声を浴び、コウミとハジメが同時に登場し姿を現した。
「コウミさんとハジメさんです!」
「第2試合だからか、2人とも少しは落ち着いているみたいね。」
第2試合目ということもあるのか、バトルをする両者の顔は緊張の色を一切見せず、それどころか第三者から見てもすぐに分かるほど笑顔を浮かべている。このバトルが余程楽しみだったのか、勝つ自信があるのかは不明だが、間違いなく激闘になることは誰の目にも明らかであった。どちらの目にも勝利のビジョンしか映っていないのだろう。
「シンジさんはどちらに分があると思いますか?」
「……コウミもハジメさんも、互いにポケモンのスピードを活かした戦術をとるからね。この段階ではどちらが優勢かは分からないよ。」
「どちらにもチャンスはある……ってことね。」
リーリエの質問にシンジはそう答え、ルザミーネが呟いた。コウミとハジメ、両者の得意戦術はどちらも素早い動きにより相手を追い詰めるものだ。互いのバトルが似ているためこれだけの情報で優劣を決めるのは難しいだろう。
コウミとハジメは共にフィールドで向かい合い互いの顔を見据える。目を逸らした方が気持ち的に負けてしまう事を知っているからこそ相手の表情を伺っているのだ。すでに勝負は始まっているという事だ。
ルールは当然準決勝一回戦目と同様に6対6のフルバトルだ。どちらかのポケモンが全て戦闘不能となればバトル終了。互いに死力を尽くさなければ勝つことは出来ないだろう。だからこそ両者は……
(絶対に勝つ!)
心の奥で勝利に対する熱い思いを燃やしていたのだった。
そしてコウミとハジメは同時にモンスターボールを手にし、全く同じタイミングでフィールドに投げたのだった。
「それでは両者!ポケモンを!」
「行くよ!ライボルト!」
『ライボッ!』
「行くぞ!ハッサム!」
『ハッサム!』
コウミの先発はでんきタイプのライボルト、対してハジメの先発ははがね・むしタイプのハッサムだ。タイプ相性だけで勝敗は決しないが、どちらも十二分に鍛えられていることは見ただけですぐに分かった。
「それでは……はじめ!」
審判の合図によりバトルが開始される。それと同時に動いたのはコウミの方であった。
「先手必勝だよ!ライボルト!ワイルドボルト!」
『ライボ!』
ライボルトは初手から大技のワイルドボルトを使用し接近する。電気を纏ったその技は強力である分自身にも反動がある諸刃の剣ともいえる危険な技だ。そのような技をはじめから使ってくるとは相当の自身なのだろうか。
「こうそくいどうだ!」
『ハッサッ!』
ハッサムはこうそくいどうにより素早い動きで撹乱する。ライボルトもその動きに戸惑いワイルドボルトを中断し動きを止めてしまった。
「ハッサム!メタルクロー!」
『ラボッ!?』
ハッサムは動きを止めたライボルトにメタルクローを確実に決める。素早い動きから繰り出されたメタルクローはかなりのダメージで、ライボルトは大きく吹き飛ばされてしまう。
「ライボルト!大丈夫?」
『ライボッ!』
コウミの声にライボルトは“まだまだ行ける”と余裕の笑みを浮かべる。攻撃力が高いとは言えいまひとつのメタルクローであれば問題ないという事だろうか。
『開幕からハッサムのメタルクローがクリーンヒット!オープニングヒットを決めたのはハジメ選手だぁ!』
「ライボルト!10まんボルト!」
「ハッサム!もう一度こうそくいどうだ!」
ライボルトは10まんボルトにより遠距離攻撃を仕掛ける。しかしハッサムは再びこうそくいどうにより10まんボルトを躱しつつ距離を詰めていく。ライボルトの10まんボルトは間違いなく一流クラスであるがハッサムを捉える事ができない。
ライボルトの10まんボルトの攻撃を上手く躱しながら接近するハッサム。ハッサムの動きに翻弄されつつ、遂にハッサムの攻撃が届くほど距離を縮められた。
「メタルクロー!」
ライボルトの目の前まで接近し、メタルクローで再び攻勢に出るハジメ。しかし、コウミはその動きを読んでいたのか即座に動きを切り替えたのだった。
「ライボルト!ほのおのキバ!」
『ライボ!』
接近してくるメタルクローを、ライボルトは躱さずにほのおのキバで対抗した。ライボルトのキバが炎の力で燃え上がり、ハッサムのメタルクローを正面から抑えつける。
『ハッサッ!?』
ハッサムはむし・はがねタイプであるためほのお技は効果が抜群だ。ゆえにハッサムは苦い顔をし、ダメージを隠し切れず苦しんでいるのが見て取れる。
先ほどまでの有利な状況から一転、ライボルトの一撃により形成が逆転したのだった。
ライボルトのほのおのキバが炸裂し、ハッサムはその衝撃により大きく怯み後退した。ライボルトにとってこれは間違いなく反撃のチャンスであったためコウミは逃すことなく反撃の態勢に移った。
「今よ!ワイルドボルト!」
『ライボッ!』
『ハサッ!?』
「ハッサム!」
ライボルトは怯んだハッサムにすかさずワイルドボルトを決める。ワイルドボルトにより大きく吹き飛ぶハッサム。ワイルドボルトの反動がライボルトを襲うが、それ以上にハッサムのダメージは大きいのは明らかであった。
『ライボルトのワイルドボルトが直撃ィ!これは効いたか!?』
ハッサムは膝をつき隙を晒す。それを見たコウミはライボルトに追撃の指示を出す。
「これで決めるよ!ほのおのキバ!」
ライボルトは再びキバに炎を纏い、素早い動きで接近して近接攻撃を仕掛ける。先ほどと同様にほのおのキバが決まればハッサムは一溜りもないだろう。しかし、ハジメはこの瞬間を待っていたのだ。
「ハッサム!つじぎり!」
『ハサ!』
ハッサムは目を開き、瞬時に立ち上がって腕を構える。そして次の瞬間、接近してくるライボルトと目にも止まらぬ速さですれ違った。
何が起こったのか理解できなかったが、次の瞬間にライボルトはその場で力尽きたように倒れる。
「っ!?ライボルト!」
『ライボ……』
「ライボルト戦闘不能!ハッサムの勝ち!」
なんとライボルトが優勢かに思えた状況であったにも関わらず、一瞬の隙を突きハッサムが逆転をしライボルトを沈めたのだった。バトル前の予想通り、まさにスピード勝負に間違いのないバトルである。
「戻って、ライボルト。お疲れ様。」
『なんとライボルトが押していたかに思われた初戦はハッサムの逆転勝利という形で終了しました!さあ、コウミ選手の次のポケモンは?』
「行くわよ!ムクホーク!」
『ムクホー!』
次にコウミが繰り出したのはひこうタイプのムクホークだ。
「よくやったハッサム。戻って休んでくれ。」
『おっとハジメ選手!ここでハッサムを戻したぞぉ!コウミ選手のムクホークに対して、一体何を繰り出すのか?』
「行くぞ!ファイアロー!」
『ファロー!』
ハジメの2体目は同じくひこうタイプのファイアローだ。お互いにひこうタイプ同士であるため、熱い空中戦が見られると皆期待に胸を膨らませる。
「ムクホーク!でんこうせっか!」
「ファイアロー!ニトロチャージ!」
ムクホークは目にも止まらぬ速さで空を駆け、ファイアローはニトロチャージにより正面から対抗する。互いの技はフィールド中央でぶつかり合い、お互いに後退する。威力で言えば五分と五分のようだ。
しかしファイアローはニトロチャージの追加効果で自身の素早さが上昇する。これにより素早さだけで言えばファイアローに分があるだろうか。
「ムクホーク!空高く飛んで!」
「追いかけろ!ファイアロー!」
ムクホークは空高く舞い上がり、その後ろをファイアローがピッタリと追いかける。ニトロチャージで素早さが上がったとはいえスピードにそれほど差が開いたようには見られない。
「ファイアロー!かえんほうしゃだ!」
『ファーイ!』
「躱して!」
ファイアローはかえんほうしゃを放つが、ムクホークはその攻撃は回避する。その後もファイアローは背後からかえんほうしゃで追撃するが、ことごとくムクホークに回避される。
『ムクホークとファイアロー!どちらも我々の遥か上空まで飛んでおります!どちらも素晴らしいスピードだ!』
「つばめがえし!」
『ムクホ!』
ムクホークは充分上空まで昇り詰めると、ファイアローのかえんほうしゃを回避しUターンしてつばめがえしにより反撃を決める。空を切るムクホークのつばめがえしは、ファイアローに直撃し押し返し遥か上空から下まで叩きおとされた。
「ファイアロー!立て直せ!」
『ファイ!』
ファイアローはなんとか空中で持ち直し地面に直撃する前に態勢を立て直す。これにより自身のダメージを最小限に抑える事ができた。
「ムクホーク!ブレイブバード!」
ムクホークはひこうタイプでも最強クラスの技、ブレイブバードで低空飛行をしファイアローを背後から追いかける。形勢が逆転し、一気にコウミが優勢に立ったかに思えた。しかしそう簡単にペースを握らせるほど、ハジメは甘くはなかった。
「ファイアロー!ムクホークの後ろをとれ!」
『アロー!』
ファイアローは空中を大きくターンし、再びムクホークの背後へと回る。ブレイブバードの勢いを止めることができないムクホークは、簡単にファイアローに背後をとられてしまった。
「ファイアロー!かえんほうしゃ!」
ファイアローはかえんほうしゃにより反撃する。ムクホークは回避が間に合わず、ファイアローのかえんほうしゃに捉えられる。その攻撃によるダメージでムクホークは上空まで吹き飛ばされてしまった。
「今だ!フレアドライブ!」
「負けないで!ブレイブバード!」
チャンスと見たファイアローはフレアドライブでとどめに入る。対するムクホークは即座に態勢を立て直しブレイブバードで反撃する。互いの大技がフィールド中央で激突し、会場を大きな衝撃が包み込んだ。
その大きな衝撃は両者の姿を隠してしまい全く見えない状態となる。2人は緊張から冷や汗が流れ喉をゴクリと鳴らしその時を待つ。
そして衝撃が晴れ姿が明らかになった時、そこには見えたのは倒れている両者の姿であった。
『ファイ……』
『ムクホ……』
「!?ファイアロー!」
「!?ムクホーク!」
「ファイアロー!ムクホーク!共に戦闘不能!」
『なんと!?両者ダブルノックダウンだ!』
ファイアロー、ムクホーク、どちらも戦闘不能となっていたのだ。ハジメとコウミは倒れたファイアローとムクホークをモンスターボールへと戻し労いの言葉をかける。
『これでコウミ選手は2体!ハジメ選手は1体のポケモンを失いました!さあ、両者の次のポケモンは?』
そして互いに同時にモンスターボールを手に取り、同じタイミングでフィールドに投げた。
「行くぞ!ハッサム!」
『ハッサ!』
「お願い!ドリュウズ!」
『ドリュ!』
ハジメは再びハッサムを、コウミはじめん・はがねタイプのドリュウズを繰り出した。序盤から熱いスピード勝負が繰り広げられているため、会場もこれでもかと言わんばかりに盛り上がっている。
「ハッサム!メタルクロー!」
「ドリュウズ!こっちもメタルクロー!」
『ハッサム!』
『ドリュウ!』
お互いにメタルクローで技を交える。しかし威力はほぼ互角であり、その衝撃により互いに再び同じ位置まで後退させられる。
「こうそくいどう!」
ハッサムはこうそくいどうによる素早い動きにより翻弄しつつ接近する。しかしそう同じ手が何度も通用するほどコウミも甘くはない。
「あなをほる!」
『ドリュウ!』
ドリュウズはあなをほるで地中に回避する。ハッサムは姿が見えなくなったドリュウズに困惑し、動きを止めた!
「今よ!ドリルライナー!」
『ドリュ!』
ドリュウズはハッサムの背後から飛び出し、ドリル形態に変形しドリルライナーで不意打ちを仕掛ける。
「ハッサム!メタルクロー!」
『ハッサッ!』
ハッサムは両手を硬化させたメタルクローで正面からドリルライナーを防ぐために対抗する。しかし次第に力の差があらわれてしまい、ハッサムは押し負け飛ばされてしまった。
「ハッサム!?」
『ハッサ……』
「ハッサム戦闘不能!ドリュウズの勝ち!」
『蓄積したダメージに堪えきれずここでハッサムダウンだぁ!』
先ほどの戦いでのダメージが溜まっていたこともあり、ドリュウズに力負けしてしまいハッサムは戦闘不能となった。これで両者の手持ちの数は同じであるため振出しに戻ったことになる。
ハジメはハッサムをモンスターボールへと戻す。そしてハジメはドリュウズに対抗すべく、3体目のポケモンが入ったモンスターボールを手にし、フィールドに繰り出したのだった。
「いくぞ!メタグロス!」
『メッタァ!』
ハジメが3体目に選出したのははがね・エスパータイプのメタグロスだ。ほぼ無傷に近い状態のドリュウズにどう立ち回るのか、観客たちも目が離せない。
「ドリュウズ!メタルクロー!」
『ドリュ!』
「メタグロス!コメットパンチ!」
『メタ!』
ドリュウズは早速メタルクローによる近接戦闘を仕掛ける。それに対しメタグロスは彗星のような勢いから繰り出されるコメットパンチで正面から対抗する。僅かにメタグロスの方が威力は上のようで、ドリュウズはメタルクローを弾き返され大きく吹き飛ばされてしまう。
「あなをほる!」
続いてあなをほるにより地中に潜ることで先ほどの攻撃による反動を最小限に抑えると同時に攻撃の態勢を整える。しかしハジメはそのことをよんでおり、あなをほるに対し冷静に対処した。
「アームハンマー!」
『メッタ!』
メタグロスを大きく腕を振り上げ地面に叩きつける。その際に発生した衝撃波凄まじく、地面に姿を隠れていたドリュウズもその衝撃により思わず外に飛び出してしまった。
「しまった!?」
「メタグロス!ラスターカノン!」
続いて空中に飛び出したドリュウズをラスターカノンによって狙い撃つ。その攻撃の威力は当然凄まじく、ドリュウズもラスターカノンにより迎撃され地面に思い切り叩きつけられた。
「コメットパンチ!」
「っ!?ドリルライナー!」
メタグロスはコメットパンチにより追撃を仕掛ける。ドリュウズはドリルライナーで正面から迎え撃つ。フィールド中央でお互いにぶつかり合うが、ダメージの差も明確にあらわれてしまいドリュウズは次第に押し負けてしまい弾き返される。
「ドリュウズ!?」
『ドリュウ……』
「ドリュウズ戦闘不能!メタグロスの勝ち!」
『ドリュウズダウンだぁ!メタグロスの猛攻に成すすべ無し!』
メタグロスの怒涛の攻撃に成すすべなく倒されてしまったドリュウズ。まさに力の差が影響を受けてしまったバトルとなった。
しかしメタグロスは最後のドリュウズとのぶつかり合いにより少なからずダメージはある様子だ。ドリュウズのドリルライナーの威力も相当であるため、互いの技による衝撃によるダメージはただでは済まないものだろう。
コウミはドリュウズを戻し、次に繰り出すポケモンに思いを託しそのポケモンをフィールドに繰り出した。
「行くわよ!ミミロップ!」
『ミミロ!』
次にコウミが繰り出したのはミミロップだ。ミミロップはノーマルタイプであるためメタグロスに対する有効打は少ない。コウミはそんなミミロップでどうメタグロスに対抗するのだろうか。
「メタグロス!コメットパンチ!」
『メッタ!』
「ミミロップ!とびひざげり!」
『ミッロ!』
メタグロスは開幕コメットパンチによる強気に攻め込む。しかしミミロップはその攻撃をジャンプして躱し、その状態からとびひざげりに移行し上空からメタグロスに向かって降下した。
「もう一度コメットパンチ!」
『メタ!』
メタグロスは勢いよく向かってくるミミロップに再びコメットパンチを放って対抗する。
両者の大技が空中でぶつかるが、ミミロップのとびひざげりは空から下に向かって放っている。重力も味方し、メタグロスはミミロップにパワー負けをして弾き返されてしまう。
『メッタァ!?』
メタグロスは地面に叩きつけられ大きくダメージを負ってしまう。ミミロップは地面に華麗に着地し髪をかき上げ優雅さを見せる。
『ミミロップのとびひざげりが炸裂ぅ!これは凄まじい威力だ!』
ダメージの少なかったメタグロスだが、今の一撃によりダメージの色は隠せない。間違いなくこの一撃はメタグロスにとってかなりの痛手となっただろう。
「ラスターカノン!」
「れいとうビーム!」
続けてラスターカノンとれいとうビームが中央で炸裂する。その威力はほぼ互角で、互いの技による衝撃がフィールド全体を包み込み互いの視界を奪う。
「ミミロップ!シャドーボール!」
『ミミロ!』
ミミロップはシャドーボールを放ち煙ごと吹き飛ばす。しかしその場にメタグロスはおらず、シャドーボールが地面に着弾しただけで終わってしまった。
コウミが即座に上を見上げると、そこには既に技の態勢に入っていたメタグロスの姿があった。
「メタグロス!コメットパンチ!」
『メタ!』
メタグロスはコメットパンチで空中からミミロップ目掛けて狙い撃つ。空中からの攻撃であればとびひざげりによる回避も難しくなる。その一瞬の隙を突いた判断による攻撃だ。
だがその行動はコウミも充分読んでおり、ニヤリと笑みを浮かべミミロップに指示を出した。
「ミミロップ!かげぶんしん!」
『ミロ!』
『メタッ!?』
「なっ!?かげぶんしん!?」
ミミロップはかげぶんしんにより自分にそっくりの分身を無数に作り出す。その動きに困惑したメタグロスには一瞬の迷いが生じ、判断が遅れ地面に衝突してしまう。
メタグロスは自らの攻撃で地面に激突してしまったためダメージを負ってしまう。その隙を逃さずに追撃を仕掛けた。
「今よ!とびひざげり!」
『ミミロ!』
ミミロップはかげぶんしんを1つに纏め元の状態に戻り、空中から渾身のとびひざげりを繰り出した。とびひざげりがメタグロスにクリーンヒットする。
ミミロップの強力なとびひざげりが見事炸裂し、メタグロスは遂に耐え切れずに力尽き戦闘不能となった。
「メタグロス!」
『メ……タァ……』
「メタグロス戦闘不能!ミミロップの勝ち!」
『ミミロップの巧みな戦術にメタグロス堪らずダウンだぁ!これで再び戦況は五分になり、勝敗の行方がますますわからなくなりました!』
メタグロスが負けてしまい再び戦況を戻されたハジメ。互いに一歩も譲らないバトルが繰り広げられており、観客たちの熱もどんどん熱くなっていく。
カントーリーグ準決勝第二試合。コウミ対ハジメのバトルは序盤からクライマックスと言わんばかりに互いの実力が拮抗している。
お互いの手持ちはこれで3対3。最後に決勝の舞台に上がるのはどちらなのだろうか?
ライバルたちの手持ちは世代毎で一覧を見て割と感覚で選んでます。時間ある時にキャラ設定資料を更新する予定です。
感想や意見などはいつでもお待ちしているのでどうぞお気軽に。ではではまた次回お会いしましょう!
来週こそ間に合わせなければ(使命感