ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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カキです

ではなくヌシです。黄昏ルガルガンかっこいいよね。前作のアニポケXYシリーズは神だったけど、サン&ムーンも個人的には面白いと思うの。

そんなことより続きです。残念ながら当小説にハウは出てきません。理由は書いてると喋り方が独特すぎて難しいです。ハウが出てこないことは注意書きにも書いたので知っているとは思いますが一応ね。

では本編どぞ!





あっ、どうでもいいけど今日はヌシの誕生日です


島巡り

僕はリーリエと共に坂道を下っていく。リリィタウンまで辿り着くと博士がいた。その隣に見覚えのない人がいた。

 

褐色肌で青い服に上から黄色と白の模様が入った上着を着用し、白の短パンを履いている。さらに腰にはしめ縄を付けており、見た目が関取のようにがっしりとしている。

 

(もしかしたらあの人がしまキングのハラさんかな?)

 

僕はあの人がしまキングかと思ったが、取り敢えずは遅れたことを謝ろうとする。

 

「すいませんでした博士、ちょっと色々ありまして……。」

 

「いや、大丈夫だったならいいさ。それよりもリーリエも一緒だったんだな。」

 

「あれ?博士とリーリエって知り合いだったんですか?」

 

「はい、実は私博士の家でお世話になっておりまして、その代わりとしまして博士の助手もやっているんです。」

 

前言ってたある人にお世話になっているって博士の事だったんだ。

 

「ところで博士、そちらの方は?」

 

リーリエが僕も疑問に思っていたことを尋ねてた。その問いに本人が答えてくれた。

 

「初めましてですな。私はメレメレ島のしまキング、ハラと言います。本日はそちらのシンジ君にお話がありましてな。ちょっとよろしいですかな?」

 

「あ、はい。いいですよ。」

 

なんか予想通りというかこの人がしまキングみたい。うん、博士が言ってた「如何にもしまキング!」っていうのはあながち間違ってなかったってことだね。

 

「では単刀直入にいいます。君は島巡りに興味はありませんかな?」

 

「島巡り……ですか?」

 

島巡り……あまり聞きなれない単語だけど一体何だろう。でもなんだか興味を惹かれる単語だね。

 

「ええ、このアローラ地方は4つの島でから成り立っているのは分かっているかな?」

 

「はい。」

 

「うむ、その4つの島ではそれぞれ試練と呼ばれるものがあってね。島巡りはその試練を乗り越えて、それぞれの島で最終的な大試練を乗り越えて島の守り神に認められることを島巡りというんだ。君の故郷であるカントーのジム巡りに似ていますかな?」

 

ハラさんは笑いながら島巡りのことを説明する。ジム巡り……多くの地方には色んな街にポケモンジムと呼ばれる施設が存在し、そこでのポケモンバトルに勝利することでバッジを手に入れ、合計8つのジムバッジを手に入れるとリーグに出場することができ多くのライバルがいる大会に参加する資格を得ることができる。

 

どうやらアローラ地方にはジムという概念が存在せず、代わりに数々の試練を乗り越えると大試練と呼ばれるものに挑戦することができるらしい。僕もいろんな地方を旅してきたけど、この地方みたいなのは初めてだから寧ろ想像できない分楽しみも倍になっている。

 

「私聞いたことがあります。確か大試練は各地方にいるしまキングやしまクイーンと戦い、勝利するとその証を貰えるのだとか。」

 

リーリエが大試練について説明を付け加えてくれた。とても分かりやすい説明ありがとうと内心に思う。

 

「よく知っていますな。シンジ君のことはククイ博士から聞いていますよ。なにやら腕の立つトレーナーだとか。君には是非島巡りに挑戦してもらいたいと思いましてね。私も君の実力には実に興味を示しましてな。どうでしょうか?」

 

ハラさんが僕に挑戦の意思を尋ねてくる。勿論僕の心は決まっている。

 

「もちろん挑戦させていただきます!」

 

僕は自分の意思をハッキリと伝える。その答えにハラさんは笑顔で頷き答えてくれる。

 

「そうか!では島巡りの証を君に授けよう!」

 

そう言って黄色のキーホルダーを僕に差し出してくる。それを僕はお礼を言いながらカバンの横に付ける。

 

「そのキーホルダーに4つの色が付いていると思うが、それはそれぞれの守り神に象った色が描いてあるんだ。」

 

博士がキーホルダーのことを指摘する。僕は再度キーホルダーを確認してみる。そこには左から順に黄、赤、ピンク、紫と描かれている。それがなんの意味を持つのか分からなかったが、博士がそのことについて続けて補足してくれた。

 

「その色にはそれぞれ意味があってな。黄色はメレメレ島の守り神カプ・コケコ、赤色はウラウラ島の守り神カプ・ブルル、ピンク色はアーカラ島の守り神カプ・テテフ、紫色はポニ島の守り神カプ・レヒレだ。」

 

それぞれの島にはこのメレメレ島にいるカプ・コケコみたいな守り神は各島に存在するみたいだね。あっ、カプ・コケコと言えば……。

 

「そういえばハラさん、さっきカプ・コケコに助けられてこの石を貰ったのですが……」

 

僕はさっきカプ・コケコから貰ったかがやく石をハラさんに渡した。

 

「なんと!?すでにカプ・コケコに会っていたのですか!?」

 

「やはり君はどこか不思議な人間だな。カプ・コケコはめったに人前には出ないことで有名なんだ。彼は速すぎるゆえに目撃した人もかなり少ないといわれている。そんなカプ・コケコに出会った君は幸運だよ。」

 

ハラさんが驚いた顔をし、博士がカプ・コケコの存在を軽く説明する。

 

「ふむ……これは……」

 

ハラさんが僕の渡した石をじっくりと見る。

 

「これを少し借りてもいいかな?なに、すぐにお返ししますよ。」

 

「はい構いませんよ。」

 

僕はハラさんが少し預かりたいというのでそれに了承し、石を上着のポケットに入れる。

 

「では島巡りに挑戦するにあたり、このポケモンたちを授けたいと思います。」

 

ハラさんはそう言い懐から3つのモンスターボールを取り出す。これはおそらく各地方でももらえる初心者用のポケモンかな?でも僕は……

 

「君ならわかっていると思うがこれは初心者用のポケモンだ。この中から一体だけ選んで旅に連れて行ってくれ。」

 

「……折角のご行為は嬉しいのですが、僕は既にポケモンたちを持っています。今まで旅を共にしてきた大切な仲間たちです。僕はこのポケモンたちと島巡りに挑戦したいと思っています。ですからこのポケモンたちは……。」

 

僕は申し訳なさそうに頭を下げる。ハラさんはそんな僕の肩に手を置き口を開く。

 

「……君ならそう言うと思っていたよ。」

 

「え?」

 

ハラさんは僕が言うことを想像していた?今日が初対面なのになぜそんな風に思ったのだろうか。

 

「君のことは博士から聞いたと言いましたよね?そして君の旅の話も少しばかり聞いていたんだ。その話から君がどのような人間なのか会うのを楽しみにしていた。そして今日会って分かったんだ。」

 

ハラさんは肩から手を放し僕の眼を見て更に言葉を続ける。

 

「君はとっても真っ直ぐな眼をしている。一点の曇りもない綺麗な眼だ。そのような人は自分の信じるものをとことんまでに信じ、前だけを見て生きていく人だと私は思っている。」

 

「ハラさん……」

 

ハラさんは僕の眼を見て僕の性格を判断したのか。流石はしまキングというだけのことはある、といったところかな?確かに僕はいつも前だけを見て生きているような自覚もしているし間違ってないかもしれない。

 

「そうだ、君に紹介したい子がいましてね。最近トレーナーになった子で、もうすぐ帰ってくると思うのですが……。」

 

最近トレーナーになった子?いったい誰だろう。

 

「む、噂をしたら帰ってきましたぞ。」

 

ハラさんはそう言いながら指をさす。僕たちはハラさんの指のさした方を確認すると一人の女の子が走って近づいてくる。

 

黒いショートヘアーに赤のニット帽を被り、緑色のホットパンツを履いている。そしてピンクの花柄が描かれた黄色の半袖のTシャツを着ている。

 

「はあ……はあ……。ごめんおじいちゃん、遅れちゃったよ……。」

 

女の子は急いで走ってきたようで息切れをしながら謝る。ハラさんのことをおじいちゃんと呼んだってことは、ハラさんのお孫さんってことかな?

 

「おお、きたかミヅキ。遅かったじゃないか。」

 

「ごめんごめん。ちょっとさっきポケモンを見つけて捕まえてたらちょっとね……。」

 

ミヅキと呼ばれた女の子は頭を搔きながら再び謝る。どうやらハラさんが紹介したいというのは彼女の事らしい。

 

「紹介します、彼女はミヅキといって私の孫です。」

 

「あっ、おじいちゃんの孫のミヅキです!初めまして!」

 

「こちらこそ初めまして、僕はシンジです。」

 

「あっ、えっと、私はリーリエと言います。よろしくお願いします。」

 

僕に続いてリーリエがミヅキに自己紹介をする。ミヅキも改めてお辞儀をしながら挨拶をする。

 

「君がシンジ君なんだ!おじいちゃんとククイ博士から話は聞いてるよ!もしよければ今からポケモンバトルをしない?」

 

「ポケモンバトルを?」

 

ミヅキの突然の提案に僕は首をかしげる。だけどこの世界では何もおかしなことではないかな?目と目が合ったらポケモンバトルって話を誰かが言ってた気がする。

 

「いいよ!じゃあやろう!僕もこのポケモンの戦わせてあげたいと思っていたし!」

 

僕はそう言って一つのモンスターボールを取り出す。そしてミヅキもモンスターボールを取り出し準備する。

 

「お、二人ともオーバーヒートのように熱くなってるな!なら審判は俺がしよう。お互いに1対1のシングルバトルでいいな?」

 

『はい!』

 

博士の提案に俺とミヅキは返事をして確認する。

 

「私は正直ポケモンさんたちが傷付くのはあまり見たくありませんが、お二人とも頑張ってください!応援しています!」

 

リーリエは後ろに下がって応援してくれるようだ。本音ではポケモンを傷つけるのが余り見たくないようだ。リーリエは優しい子なんだな。

 

「よし!じゃあ始めようか!私はこの子で行くよ!」

 

そう言ってミヅキはモンスターボールを投げる。そしてモンスターボールから出てきたのは……

 

『アウアウッ!』

 

アシカに似たような見たことのないポケモンだった。体は青色で見た感じ水タイプのポケモンのようにも思える。もしかしてこのポケモン……。

 

「シンジは初めて見るんだな。あれはアシマリ、水タイプのポケモンでアローラ地方の初心者用ポケモンの一体だよ。」

 

博士がミヅキの繰り出したポケモンに関して説明をしてくれた。やっぱり僕の予想通り水タイプのポケモンだったみたいだね。

 

「さあ、君の初めてのバトルだ。初めてのポケモンとのバトルだが……楽しいバトルにしよう!」

 

僕の言葉にモンスターボールが答える様に縦に揺れる。

 

「お願い!僕のポケモン!」

 

そして僕はモンスターボールを上に向けて投げる。すると中から出てきたのは……。

 

『イブイ!』

 

通常の色とは違う、白色のイーブイだ。

 




本来はハウを原作通りライバルにして、ミヅキをリーリエのライバルにでもしようかと思ってたりしました。ライバルたちはオリキャラにでもしようかと思ってますが、オリキャラの案に困ったら歴代ゲームの主人公たちから選抜したりするかもしれません。決してオリキャラを考えるのが面倒だとかそんな理由ではない。……タブンネ

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