ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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今日が水曜日だと勘違いしていたヌシです。慌てて書き上げたため駄文注意

今回のモブ君は名無し君です。理由→めんどくさかったから
サブタイトルの理由→めんどくさかったから


準々決勝第二試合!圧倒する力と業!

リーリエ対ブルー。ライバル同士の激闘に終止符が打たれ決着がついた。

 

「カメックス戦闘不能!ハクリューの勝ち!よって勝者!リーリエ選手!」

 

審判の口からバトルの勝者の名が告げられる。長く続いたバトルの勝者はリーリエ。そして会場からは地響きが発生していると思わせるほどの大歓声が沸き上がった。

 

それほど息の詰まる攻防を繰り返した両者で、会場にいる全ての者たちを魅了させるには充分であった。しかし現在の彼女たちにはそんなことを気にするような余裕はなかった。

 

リーリエもブルーも、どちらも今起きている状況を把握できていない様子だ。バトルに熱くなりすぎ集中しすぎていたために、状況の理解が追い付いていないのだ。

 

そんな中先に動いたのはブルーだった。ブルーは負けた瞬間に目を見開き思考が一瞬停止してしまったが、ハッと気づくとすぐにカメックスをモンスターボールへと戻した。

 

「……ありがとね、カメックス。ゆっくり休みなさい。」

 

カメックスをモンスターボールへと戻したブルーはリーリエの方へと振り向く。その視線に気づいたリーリエも同じくハッとなり、今の状況をようやく呑み込むことができた。

 

「私たち……勝ったのですか?ブルーさんとカメックスさんに?」

『クリュー!』

 

状況を呑み込むことができても未だ夢なのではないかと唇が震えているリーリエ。しかしそんなリーリエにハクリューはボロボロの体で飛び込み、リーリエは驚きながらも咄嗟にハクリューを抱きしめ受け止める。その時にリーリエはこれが夢ではなく現実なのだとようやく気付く事ができ、喜びをあらわにした。

 

「ハクリューさん!私たち勝ったんですね!」

『ハクリュ!』

 

嬉しそうに微笑むハクリューにリーリエは感謝の言葉を伝える。ハクリューもその言葉を受け取り、再び大好きなリーリエと共に戦い抜くことができたこと、そして彼女の役に立つ事ができたことに心の底から喜びを感じる。

 

そうやってパートナーと共に喜びを分かち合っていると、ブルーがゆっくりと2人に近寄ってきた。

 

「リーリエ」

「!?ブルーさん……」

 

ブルーはリーリエの元まで近寄り口を開く。勝てたことが信じられず嬉しさを感じていたリーリエだが、近寄ってきたブルーの顔を見て少々気まずい空気を感じ取る。

 

勝者であるリーリエはその気まずさ故にブルーに対して声をかけることができない。その気まずさから俯くリーリエに、ブルーは呆れながら語り掛けた。

 

「なに湿っぽい顔してるのよ!」

「えっ?」

「このあたしに勝ったんだからしゃんとしなさい。これじゃあまるで負けたあたしが惨めみたいじゃない。」

「そ、そんなことは!?」

「だったら堂々と胸を張ることね。あたしに勝ったんだったらそれを誇りに思いなさい。」

「ブルーさん……」

 

リーリエに胸にブルーの言葉が重く突き刺さる。ブルーも負けて悔しくないわけがない。だが、それでもこの勝負に悔いも未練も微塵もない。

 

ブルーはこのバトルはリーリエだけでなく、自分に対しても大きな意味を持っているのだと考えている。これは決して敗北ではなく、自分がさらに強くなるための戦いだったのだと。

 

「今回のバトルは確かにあたしの負けよ。……でも次にバトルするときは負けないから。絶対に勝ち進みなさいよ!」

「!?は、はい!私ももっともっと強くなって見せます!ありがとうございました!」

 

ブルーは手を差し出し、リーリエはブルーの手を強く握り返す。昨日の敵は今日の友。彼女たちはこれからもライバルとして共に高みを目指し切磋琢磨することだろう。次に会った時はお互いに今以上に強くなっているのだと思いを馳せながら、今日の戦いを称賛し合う。

 

『激しいバトルを戦い抜いた両者が今!お互いの健闘を称え合っています!今一度激闘を繰り広げた両者に盛大な拍手を!』

 

司会の言葉と同時に、観客の皆が立ち上がり2人に再び拍手の雨を降らせる。2人もようやく周囲の熱気に気が付いたのか、少し照れくさくなり頬を染める。

 

「まあともかく次のバトル、負けたら承知しないわよ!」

「はい!」

 

リーリエとブルーはもう一度必ずバトルすると約束を交わしフィールドを後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見ごたえのあるバトルでしたね。」

「そうね。リーリエの成長が見れて嬉しいわ。」

 

シンジとルザミーネは今のリーリエとブルーの戦いを見てそう感想を漏らす。2人にとってもこのバトルは少々予想外だったようで、終始驚きの連続であった。その分駆け出しだった頃に比べて成長振りが明らかであったため感慨深く感じた。

 

「リーリエのところには行かなくていいの?」

「……やめておきます。今のリーリエにはその必要はないと思いますので。それに……」

「それに?」

「……いえ、なんでもありません。」

「……そう。」

 

どこか思うところがあったのか俯いたシンジ。ルザミーネはどうしたのか尋ねようとするが、話をはぐらかしたシンジに無用だろうとこれ以上問いかけることはなかった。

 

『さあ盛り上がってきたところで、準々決勝第二試合を開始したいと思います!』

 

司会者の言葉に続いて姿を現したのはコウタだ。コウタはこれまでリザードンによる圧倒的な力で相手をねじ伏せてきた。リーリエやシンジと違い、豪快なパワーファイターと言えるバトルスタイルだ。

 

当然力だけではここまで勝ち上がることは困難だ。彼はその上に努力と言う最強の武器も兼ね備えている。誰よりも努力家な彼はそれを知られることを嫌っているが、ポケモンたちと共に高みを目指すため、憧れの人に追いつくために日々努力を重ねてここまで上り詰めてきた。そう真似できることではない。

 

コウタは正面に立つ対戦相手と対峙する。コウタの表情は自身に満ち溢れ、威圧感さえ覚える。対戦相手もそのプレッシャーを感じたのか少し怯んでしまう。

 

「それではこれより!準々決勝第二試合を開始します!それでは両者!ポケモンを!」

 

審判の言葉に両者同時にモンスターボールを手に取り投げる。

 

「行け!バクフーン!」

『バッフ!』

 

対戦相手が繰り出したのはほのおタイプのバクフーンだ。バクフーンはジョウト地方の初心者用ポケモンの一体として知られているが、その体つきを見るによく育てられていることはすぐに分かる。

 

そのバクフーンに対してコウタが繰り出すのはリザードン、かに思えたがモンスターボールから解放されたポケモンは……。

 

「行くぞ!ヘラクロス!」

『ヘラクロ!』

 

なんとむし・かくとうタイプのヘラクロスだ。同時にポケモンを繰り出したため選出する余地はないが、それでもリザードン一体で勝ち上がってきたことを考えると意外な選出だった。

 

コウタがなぜリザードン以外を選出したのか。それは他のポケモンたちもこの舞台に慣らすためだ。

 

確かに彼のリザードンは頭一つ抜きんでて強い。しかし次に戦う相手は間違いなくリーリエ、コウミ、ハジメの3人の内誰かだろうとコウタは考えている。そんな3人を相手にリザードン一匹で勝てるはずがない。であればここで別のポケモンのウォーミングアップも必要だろうと考えたのだ。

 

この際に一つデメリットがあるとすれば手持ちポケモンの情報源を他のライバルたちにも与えてしまうことだろうか。しかしライバルたちは手持ちを温存しておいたからと言って勝てるほど甘い相手ではないのは彼も理解している。ここまで来たら出し惜しみなど必要はない。

 

対戦相手の少年もコウタの意思を感じ取ったのか、真剣な表情に変わる。今までリザードンだけで戦ってきたため他のポケモンがあまり強くないという可能性もないわけではないが、ここまで勝ち上がったトレーナーが一体のポケモンを育てていることなどまず有り得ない。であれば今対面しているヘラクロスやその他のポケモンも強敵であることに違いない。

 

少年は相性がいいからと言って決して油断するなと自分のパートナーであるバクフーンとともに気合を入れる。

 

「バクフーン!かえんほうしゃ!」

 

先に動いたのはバクフーンだ。バクフーンは堅実にかつセオリー通りにかえんほうしゃで牽制の意味も込めたかえんほうしゃを放つ。態勢を低く構えたバクフーンが放ったかえんほうしゃがヘラクロスに接近する。

 

むしタイプのヘラクロスにかえんほうしゃは致命的なダメージとなってしまう。だが躱せない攻撃ではないため問題ないだろうと皆が思う。しかしコウタのとった行動は驚くべきものであった。

 

「受け止めろ!」

『クロッ!』

 

『ヘラクロスにバクフーンのかえんほうしゃが直撃!これは効果抜群だぞ!』

 

ヘラクロスにかえんほうしゃが直撃するが、明らかにヘラクロスは回避できるはずの攻撃を回避しようとしなかった。それどころか自らかえんほうしゃを正面から受け止める態勢に入っていた。

 

当然かえんほうしゃはヘラクロスに効果抜群であるためただでは済まない。たとえ受け身に入っていたとしてもダメージは甚大なものだ。

 

『ヘラクロッ!』

『!?なんとヘラクロス!バクフーンのかえんほうしゃを耐えきったぞ!』

 

しかし驚くべきことにヘラクロスはバクフーンの攻撃を耐えきる。それどころかヘラクロスはそのかえんほうしゃを受け流し完全に打ち消したのだ。ダメージこそ見られるものの、弱点であるほのお技をかき消すのは並大抵のことではない。

 

「くっ!なら今度はかえんぐるまだ!」

『バクッ!』

 

続いてバクフーンはかえんぐるまで近接戦に移行する。バクフーンのかえんぐるまはキレもスピードも抜群でヘラクロスを捉えるには充分であった。だがそれでもコウタとヘラクロスは受け止める姿勢をやめることはなかった。

 

「今だ!カウンター!」

『ヘラッ!』

 

ヘラクロスはギリギリの距離までバクフーンを引き付け僅かに横に移動し回避する。そしてバクフーンが手の届く位置に入った瞬間、ヘラクロスの拳がバクフーンを逆に捉え弾き返し吹き飛ばした。

 

カウンターは相手の攻撃を利用して、倍の威力で相手にダメージを与える技だ。バクフーンはヘラクロスのたった一撃のカウンターにより大きく宙に浮かび上がり地面に叩きつけられ戦闘不能となった。

 

「バクフーン!?」

『バク……』

「バクフーン!戦闘不能!ヘラクロスの勝ち!」

 

ヘラクロスの強力なカウンターは想像を絶する威力だった。鍛え上げられたであろうバクフーンを一撃で仕留める程の攻撃力はまさに驚異的と言わざるおえない。

 

「あのヘラクロス、凄いパワーだ。」

「ええ。バクフーンのパワーを物ともせずに跳ね返すなんて、簡単に出来ることではないわね。」

 

シンジとルザミーネもそのヘラクロスの強さに驚愕する。相性の差を覆したのももちろんだが、それ以上にバクフーンのパワーを上回り正面から打ち勝ったことも一つの要因だ

 

「戻れ、ヘラクロス!」

 

『おっとここでコウタ選手、ヘラクロスを戻したぞ!次はどんなポケモンを出すのか?』

 

ここで一度ヘラクロスを手元に戻すコウタ。そして次に出すポケモンは決めているようで、迷う事なくそのポケモンの入ったモンスターボールを取り出した。

 

「次はこいつだ!エレキブル!」

『エッキ!』

 

コウタが次に繰り出したのはエレキブルだ。エレキブルはエレブーの進化形で見た目に違わずパワフルな戦術をとることが多い。コウタのバトルスタイルにはピッタリのポケモンだろう。

 

「頼む!ハガネール!」

『ガッネール!』

 

対して少年が繰り出したのははがね・じめんタイプのハガネールだ。ハガネールは動きが鈍足である分かなりの耐久力を誇っている頑丈なポケモンだ。エレキブルの攻撃力が上回るか、ハガネールの耐久力が上回るか見ものである。

 

しかしハガネールはじめんタイプを有しているためでんきタイプのエレキブルでは相性が最悪だ。しかし先ほどの圧倒的な勝利を見ているためそれだけでは判断材料にならないのは明白。このバトルがどう転ぶかは誰にも予想できない。

 

「ハガネール!がんせきふうじ!」

 

ハガネールはがんせきふうじでエレキブルの四方八方を防ぎ行く手を阻む。そして逃げ場がなくなったエレキブルに頭上から最後の一発が降り注ぐ。

 

「エレキブル!かみなりだ!」

『ブル!』

 

エレキブルは肩まで伸びた二本の尻尾から強力なかみなりを放つ。そのかみなりはいとも容易くがんせきふうじを破砕し抜け出した。

 

「今度はこちらから行くぜ!かみなりパンチ!地面に叩きつけろ!」

 

エレキブルはハガネールに効果のないかみなりパンチを地面に叩きつける。エレキブルの剛腕から放たれるかみなりパンチはすさまじい衝撃を発生させ地面を揺らす。そしてその攻撃によって発生した衝撃波がハガネールに向かっていった。

 

「ジャイロボールで防ぐんだ!」

 

ハガネールは負けじとその場でジャイロボールをし衝撃波を打ち消した。

 

「エレキブル!かわらわりだ!」

『エッブ!』

 

エレキブルは攻撃後の隙を見て接近しかわらわりを仕掛ける。かわらわりはかくとうタイプの技であるためハガネールの弱点を突くことができる。

 

「アイアンテールで迎え撃て!」

『ハッガネ!』

 

ハガネールは正面からかわらかりで攻めてくるエレキブルに対し、アイアンテールで真っ向から迎え撃つ。互いの技は交じり合い威力も互角であるため微動だにしない。しかし、これこそがコウタの狙いであった。

 

「エレキブルにはもう片方の腕がある!ほのおのパンチ!」

『キッブ!』

 

エレキブルはかわらわりとは反対の腕でほのおのパンチを放ちハガネールに強襲する。ハガネールもこの攻撃には溜まらずダウンし大きく怯んだ。

 

手数で圧倒的に勝っているエレキブルが優位に立ち、更に攻撃のチャンスが生まれる。このチャンスを逃す手はなく、エレキブルは迷わず追撃を放った。

 

「もう一度かわらわり!」

『エッキ!』

 

エレキブルはすかさずかわらわりをハガネールに向かって振り下ろす。鈍足なハガネールではエレキブルのスピードに対応が追いつかず受け身をとることすら許されぬままかわらわりの直撃を受けてしまう。

 

その際に発生した衝撃が晴れると、そこには戦闘不能となっていたハガネールの姿があった。ハガネールの耐久力は相当なものだが、それすらものともしない攻撃力を持っているエレキブルには驚愕を禁じ得ない。

 

「ハガネール戦闘不能!エレキブルの勝ち!」

 

少年慌ててハガネールをモンスターボールへと戻す。タイプ相性など関係ないと言わんばかりに正面からの力押しで勝っているコウタだが、細かいところをチェックすると力押しだけでないのが分かる。

 

先ほどの攻防、エレキブルのかわらわりをアイアンテールで防いだハガネールだが、コウタは相手がそう来ることを読んでかわらわりを選択した。その上かわらわりが防がれてもアイアンテールで他に防ぐ手段がなくなってしまったハガネールに対し、エレキブルはもう片方の腕でほのおのパンチを当てるのはたやすい。コウタはその隙を狙ったに他ならない。

 

この一連の流れは相手の行動を先読みする、対抗手段を用意しておくと言った一見簡単なようで高度なテクニックが使われているのだ。これらの行動は前もって対策を準備し、日々努力をしているものにしか熟せない芸当だろう。それを熟すコウタがパワーだけのトレーナーでないことはすぐに分かることだ。

 

「よくやったな。エレキブル、戻って休んでいてくれ。」

 

『コウタ選手、再びエレキブルをボールへと戻したぞ!』

 

コウタはヘラクロスと同様にモンスターボールへとエレキブルを戻す。そしてそろそろいいかとある判断を下し、あるポケモンの入ったモンスターボールを手にしたのだった。

 

「行くぞ!リザードン!」

『リザァ!』

 

コウタが次に出したのは彼の相棒であるリザードンだ。ウォーミングアップを済ませたのか、遂にリザードンで一気に決める態勢へとシフトしたようだ。

 

「行け!プテラ!」

『テェラ!』

 

少年の繰り出したポケモンはプテラ。立て続けに有利な相性のポケモンを繰り出してくるため少年はセオリー通りの戦術をとってくる。だが相手はあのコウタとリザードン。果たして彼はどこまでついて行くことができるのだろうか。

 

「リザードン!ドラゴンクロー!」

 

今度はリザードンがドラゴンクローで先手をとる。どちらもひこうタイプであるため激しい空中戦が余儀なくされる。

 

「プテラ!こっちもドラゴンクロー!」

『プテェ!』

 

プテラも同じくドラゴンクローで対抗する。フィールド上空で何度も交じり合いぶつかるが、次第に力の差が現れプテラが押し負ける結果となった。

 

「くっ!プテラ!アイアンヘッド!」

 

プテラは頭部を硬化させアイアンヘッドで再び接近する。しかし……

 

「リザードン!受け止めろ!」

『ザァド!』

 

リザードンはがっしりと正面からプテラの翼を抑え込み受け止めてみせた。その光景には少年も目を見開き絶句する。何故ならプテラがピクリとも動く気配がないのだ。

 

「リザードン!ちきゅうなげだ!」

 

リザードンはプテラを抱え空中を数回周り勢いをつける。その勢いを利用し地上まで急降下し、抱えたプテラを地面に叩きおとした。

 

その破壊力はすさまじく、プテラを戦闘不能に追い込むには充分すぎる一撃であった。

 

「プテラ戦闘不能!リザードンの勝ち!」

 

リザードンは勝利の雄叫びをあげ炎を吐く。まだまだこれからだと言わんばかりの気迫に少年は気圧される。

 

それからはこれまで以上に力の差が明確にあらわれた試合運びで、リザードンはほぼ無傷の状態で少年のポケモンを全て倒してしまった。そのリザードンの気迫は見るもの全てに伝わるほど凄まじいものであった。

 

その試合を見ていたリーリエも一言凄いと呟く。正直言ってそれ以上の言葉が出てこない。

 

殆ど回避を行わず、真っ向からの撃ち合いを好むコウタの戦術は他で類を見ないと言ってもいい戦い方だ。少なくともシンジやリーリエとは真逆で、ブルー以上に力でグイグイと押してくるタイプだ。小手先の技ほど彼には通用しないかもしれない。

 

準々決勝第二試合は当然と言うべきかコウタが圧倒的な力の差を見せつけ勝利した。続く第三試合、第四試合もコウミ、ハジメが勝ち準決勝進出を決める。

 

そして遂に、運命の準決勝の対戦相手を決める抽選の時間がやってきた。

 

『それではただいまより、準決勝の第一試合、第二試合の対戦カードを決めたいと思います!』

 

ここまで勝ち上がったのはリーリエに加えコウタ、コウミ、そしてハジメの4人だ。彼女たち今大会のベスト4として勝ち残り、優勝を目指して争うと考えると会場全体が緊張に包まれる。どのトレーナーも驚くべき戦果を挙げているため無理もない

 

『それでは発表します!準決勝、第一試合は!』

 

司会者のその言葉と同時にバックスクリーンに映る参加者のカードが裏側となりシャッフルされる。リーリエにも緊張が走るが、誰と戦うかを考える間もなく対戦カードが決定した。

 

『決定いたしました!準決勝、第一試合は!』

 

準決勝第一試合、その対戦カードを確認するためにリーリエはバックスクリーンに目を向ける。するとそこに映っていたのは。

 

自分とコウタの姿が映ったカードであった。

 

こうして準決勝はリーリエ対コウタ、コウミ対ハジメで争われることが決定したのだった。




本来バトルシーンは書かない予定でしたがあまりに短くなってしまったため繋ぎのために追加で書きました。まあコウタがこんな戦い方しますよ程度の紹介に。強敵の次に更なる強敵が出てくるのはアニメでもよくあることですから(適当

使用率低いからどうかと思いながら格闘Zブースター作ってみましたけど意外とハマってヤバいんですけど。仮想敵のバンギ、ドランを一撃で粉砕できた時の気持ちよさよぉ。

そういえば新たなデュエルディスクがプレミアムバンダイにて予約受付中ですぞ。決闘者なら買うしかない!

と言うわけで次回またお会いしましょう。仕事忙しくてもこの作品は続けていければと思っているので投稿が遅れてでも書いて行きます。ではでは!ノシ

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