ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
というわけで今回はいよいよリーグ戦開幕です!ただ前回のコラボで力尽きたのか少々頭の回転が……。日本語おかしかったらすいません。
なんとなくですが自分の使うメインのブイズパをQRレンタルとしてうpしておきました。ブイズパに興味がある人は使ってください。
詳細が知りたい人は個別にメッセージをば
ポケモンリーグ開幕式となるチャンピオン同士のバトルが終了し、参加者たちに緊張の瞬間が訪れる。
「それではこれより、第一試合の対戦カードを決めさせていただきます!」
そう、それは一回戦目の相手を決める抽選である。ある意味で参加者にとって一番緊張する瞬間であろう。
第一回戦の相手によって勝ち上がれるかどうかの確率が変わると言っても過言ではない。そして全ての参加者はポケモンリーグと言う大舞台に慣れてないトレーナーが殆どだ。第一回戦ともなれば全員が緊張していても不思議ではない。
トレーナーたちが緊張する中、一回戦の第一試合に選出されればさらに緊張感が増す。最悪実力を出し切れない場合もあるだろう。気になる一回戦目の相手、自分の戦う順番、それらが気になってしまい全員が落ち着かない様子である。
そしてみんなが巨大なバックスクリーンに注目する。バックスクリーンには参加者たちの正面から撮影した画像が映し出されており、それらがカード化してランダムで散らばり裏側になる。
対戦カードは機械が自動的に抽選で決める。リーリエやブルーたち、参加者全員が喉をゴクリと鳴らしバトル相手が決まる瞬間を待つ。
「気になる一回戦目の相手は……これだ!」
司会者の言葉と同時に、全てのカードが表側となり対戦カードが公開される。すると奇跡的にと言うべきか、リーリエたちライバルは見事にマッチングしていなかった。これにはライバル全員が喜んでいた。
一回戦目からライバル同士がぶつかり合ってしまえば、実力を出し切れないままどちらかが退場してしまう。この世界は勝者と敗者、どちらかしか存在できない残酷な世界だ。そうなれば彼らは後悔してもしきれないだろう。
しかし対戦カードが決まり、その結果を見ていたブルーが口を開いた。
「……私が初めの一戦目……ね。面白いじゃない!」
ブルーはそう言いながら手をグッと握り締める。開会式のさい緊張を隠し切れなかったブルーだが、今ではその緊張の様子は微塵も感じさせない。先ほどの熱いバトルを見せられて血が滾ったのか、その眼には炎が宿っている気さえ感じさえさせる。
「ブルーさん……初戦がんばってください!」
「頑張るじゃなくて勝つのよ!あんたもあたしと戦うまで負けるんじゃないわよ!」
リーリエの激励にそう答えるブルー。普段から強気なブルーだが、これは彼女なりのリーリエに対する激励の意味も込められている。
カントーリーグにて決着をつけると約束した2人。その約束を果たすために2人はこのバトルを勝ち続けることを誓い合う。リーリエも強く頷くことでブルーの言葉に答えた。
「それでは早速第一試合!ブルー選手対ハルト選手!」
司会者に呼ばれたブルーが余裕の表情でフィールドに立つ。向かいには対戦相手である若く小柄な少年、ハルトが立った。
そしてフィールドが割れ、今回の戦いのステージが姿を現す。そのステージは水。いくつかの丸い足場が水面に浮いており、それ以外は一面水場である。そのステージはハナダジムそっくりのフィールドだ。
「それでは両者、ポケモンを!」
「最初はもちろんあなたでいくわよ!カメックス!」
「お願い!ピジョット!」
『ガメェ!』
『ピジョットォ!』
ブルーは初手から相棒であるカメックス。対してハルトが繰り出したのはひこうタイプのピジョットだ。バックスクリーンにはカメックス、ピジョットに加え互いの不明な手持ち2体と、2人の手持ちポケモンが映し出される。
ひこうタイプのポケモンであれば水場のデメリットは殆ど少ない。ブルーのカメックスはみずタイプであるため影響は少ないが、カメックスほどの巨体であればあまり有利なフィールドではない。どちらかと言えばブルーの方が不利だろう。
このバトル、ブルーがどう戦うのかリーリエはじっくりと観察することにした。
「バトル……はじめ!」
審判の合図によりバトル開始が宣言される。最初のバトル、勝利するのはどちらなのか。どのようなバトルが展開されるのか。会場にいる全員が注目していた。
「ピジョット!エアスラッシュ!」
ピジョットはエアスラッシュで先制攻撃を仕掛ける。さすがはカントーリーグに出場するトレーナーだけはあり、技の精度はかなりのものであった。だが逆に言えばそれは分かっていたことであり、ブルーもここまで戦い抜いてきたトレーナーだ。そう易々とやられるわけがなかった。
「カメックス!こうそくスピン!」
カメックスは甲羅の中に身を隠し、こうそくスピンでピジョットのエアスラッシュを容易く掻き消した。まるでパフォーマンスのような芸当に会場から歓声が沸く。
『なんとブルー選手!カメックスの特徴を活かした見事な防御だ!ここからどのようなバトルが展開されるのか!?』
「カメックス!ハイドロポンプ!」
「躱して!」
カメックスはハイドロポンプを連続で放つも、ピジョットのスピードに追い付けず中々とらえることができない。
「ピジョット!でんこうせっか!」
ピジョットはでんこうせっかで接近しカメックスとの距離を詰める。カメックスはその攻撃の直撃を受けない様に腕をクロスさせて咄嗟に防御する。
小さいがダメージを貰ってしまったカメックス。だがそれでもブルーの表情に変化はない。それどころか彼女の口角が僅かに上がり、先ほどよりも余裕の笑みを浮かべていた。
「続けてはがねのつばさ!」
ピジョットの翼が文字通り鋼のように硬くなりカメックス目掛けて降下してくる。スピードも申し分なく、攻めるチャンスであったため判断としては正しいだろう。だが、それこそがブルーの狙いであった。
「カメックス!ピジョットを受け止めなさい!」
『ガメ!』
カメックスは受け身の態勢で身構える。ピジョットのはがねのつばさが直撃したかに思えたが、それをカメックスは後ろに下がりながら難なく受け止める。それにはハルトとピジョットも驚かずにはいられない。
「どれだけ素早くても、捕まえればこっちのものよ!そのまま投げ飛ばして!」
『カメックス!ピジョットを上手く捕まえそのまま投げ飛ばしたぞ!』
カメックスは捕らえたピジョットを後ろに投げ飛ばす。そのチャンスを逃すことなく、ブルーはピジョットに追撃を加えた。
「今よ!ハイドロポンプ!」
「ピジョット!?」
カメックスは背中の砲台を構え、正確にピジョットを狙い撃つ。ピジョットも急いで態勢を整えるが、その時には既に遅くハイドロポンプが目の前まで迫っていた。
当然ピジョットは回避することができず、ハイドロポンプの直撃を浴びてしまう。あまりに強力な一撃であったため、堪らずピジョットは水面に落ちる。そしてそのまま浮かび上がり、そこには目を回して戦闘不能となっているピジョットの姿があった。
そしてバックスクリーンに映っていたピジョットの映像が黒くなり戦闘不能を現す表記となったのだった。
「ピジョット!戦闘不能!カメックスの勝ち!」
「ピジョット!戻れ!」
『カメックス、まさかの一撃でピジョットを倒してしまいました!まず一勝をあげたのはブルー選手!さあ、ハルト選手の次のポケモンは!?』
その時リーリエは、ブルーの戦いを見て感想を呟いていた。
「ブルーさん……以前戦った時より確実に強くなってます。」
以前リーリエと戦った時もブルーは確かに強かった。しかし、今のブルーにはハルトとの戦いに圧倒的な余裕が感じられる。絶対に勝つのだと言う強い意思。それは強いトレーナーから自然と放たれるオーラのようなものだ。
それを感じ取ったリーリエは、ブルーは間違いなくこの大会のトップクラスの実力者だろうと考える。それだけ彼女は力をつけ、リーリエにとってもライバル以上の存在、勝たなくてはならない存在にまで成りあがっていた。彼女もリーリエとの約束を守った、という事だ。
「だったら……私も……。」
強くなったのはブルーだけじゃない。今度は自分が彼女に成長を見せつける番だと拳を強く握りしめる。自身の目指す最大のライバルの姿を目に焼き付けながら。
その後もブルーはハルトの繰り出す2体のポケモンを、カメックス一体のみでストレート勝ちをしてしまう。これには司会者も驚き感嘆の声をあげる。
一回戦目から対戦者に力の差を見せつけるブルー。そして二回戦、三回戦とバトルが続き次々と勝者が決して行く。数多の強者がいるため、様々な戦術をとるトレーナーがおり見ていて飽きることはなく、他のトレーナーにとってもよい勉強になる。
そして遂に、待ちに待ったリーリエの出番がやってきたのだった。
「続きまして、リーリエ選手対ワルター選手!」
名前を呼ばれ、スタンバイしていたリーリエが緊張した様子でフィールドに立った。しかし向かいに立っている人物は、彼女にとってどこかで見た顔であった。
「やあリーリエさん!私はこの時をずっと待っていました!」
「あなたは!?…………えっと……どちら様でしたっけ?」
リーリエの予想外の反応にワルターはずっこける。気を取り直し立ち上がったワルターは髪をかき上げ、改めて自己紹介をしたのだった。
「お、おやおや……でしたら思い出していただきましょう。私はワルターですよ。以前グレンタウンでお会いしたでしょう?」
「……あ、あの時の方ですか。」
その言葉でリーリエは思い出すことができた。
皆は覚えているだろうか?かつてリーリエが参加したカツラ主催のグレンタウンで行われたクイズ大会。その時のリーリエと決勝を争ったワルターである。一度しか会っておらず、彼女にとってもそれほど印象に残る人物でもなかったため残念ながら記憶になかったのだ。
ある意味では印象に残りやすいかもしれないが、心の中ではリーリエもあまり彼に対してよい印象を持っていなかったのかもしれない。だから彼女の記憶から除かれていた可能性もあるのだが……。
だがそんなことはお構いなしに、ワルターは一方的にリーリエに話しかけていた。
「あの時確かに私は負けてしまった。だが不思議と屈辱的な気分にはならなかった。何故ならあなたが私の屈辱が霞むほど美しいから!」
「は、はあ……。」
どこからともなく赤い薔薇を取り出しまるで告白のように熱く語るワルターだが、どう反応していいか困るリーリエはただただ彼を見ているしかない。そもそも彼女は恋愛自体に少々疎いところがあるため告白されても理解していない可能性すらある。
「あなたともう一度バトルすることをどれだけ待ち望んでいたことか。この勝負に勝てば、私とどうかお付き合い願います!」
「すいません。お断りいたします。」
容赦なくワルターの告白をバッサリと切り捨てるリーリエ。当然の結果ではあるが、予想外だと感じていたのかワルターはその場でガクッと落ち込む。だがすぐにすくっと立ち上がり口を開いた。
「ふ、ふふふ、このバトルが終わればあなたも気が変わると思いますよ?」
「はあ……」
まるでデジャブのような展開だが、どう反応すればいいか分からないリーリエは困惑のあまり同じ反応しか返すことができない。彼女的には、グイグイとせめてくる相手は苦手なのだろう。
だがここまで来たという事は実力があるのは確かであろう。リーリエにとっても大舞台での初陣。困惑したとはいえ、ワルターの言動で程よく緊張が解けたリーリエ。そして彼女はシンジの語ったある言葉を思い出したのだった。
――『ジム戦であってもリーグ戦であっても、自分らしく楽しく戦うのが一番だって思ったんだ』
(そうです。例え誰が相手でも、どんな舞台であっても私は私です。私は私自身のバトルをするだけです!)
リーリエが覚悟を決めると、リーリエたちの戦うフィールドが姿を現す。今回のフィールドは木々が生い茂っているフィールド、森であった。だったら自分はこのポケモンしかいないとモンスターボールを握り締める。
「お願いします!フシギソウさん!」
『ソウ!』
「優雅に行きますよ!キングドラ!」
『ドォラ!』
リーリエが出したのはフシギソウだ。くさタイプのフシギソウであれば森のフィールドとも相性はいいだろう。対してワルターの繰り出したのはキングドラだ。
『キングドラ、ドラゴンポケモン。タッツーの最終進化形。生物のいない深い海底に住んでいる。うず潮はキングドラの欠伸が原因で発生しているのではないかと言われている。』
みずタイプに加えドラゴンタイプを併せ持つキングドラ。現在水場ではないため宙に浮いた状態となっており、本来の力を発揮しきることができない。だがそれでも油断できないことに変わりはなく、強敵であることに間違いはないだろう。
「それでは……はじめ!」
「キングドラ!ハイドロポンプ!」
「躱してください!」
キングドラは最初から大技であるハイドロポンプを放つ。フシギソウはその攻撃をジャンプして難なく回避する。しかしそのことはワルター自身も読めていた。
「続けてりゅうのはどう!」
すかさずキングドラはりゅうのはどうで狙いを定め的確にフシギソウを射抜いた。その様はまるでスナイパーと呼ぶに相応しい精度であり、威力も申し分なかった。
「フシギソウさん!」
『おぉっとワルター選手!見事フシギソウの行動を読みりゅうのはどうを決めてきた!リーリエ選手はどう対抗するのか!』
フシギソウはダメージを受けるも受け身を取りダメージを最小限に抑える。だがその後も絶え間なくキングドラの攻撃は続いた。
「もう一度りゅうのはどう!」
「とっしんです!」
『ソウ!』
りゅうのはどうで怒涛のラッシュをかけ攻めるワルター。その攻撃にリーリエは自ら突っ込む形で対応した。
本来であればこれだけ強力な攻撃に自ら向かっていくのは嵐の中に身を投げ出すようなものだ。しかし一部の者にはリーリエの考えが分かった。
「っ!?こうそくいどう!」
フシギソウ突進力に焦り、ワルターはこうそくいどうで距離を離そうとする。しかし、そうなることはリーリエにとっても好都合だった。
たとえ怒涛の攻めを見せ有利に見えても、ポケモンによって有利な状況、得意な距離というものがある。キングドラの場合、遠距離で射撃がそれにあたる。
だがフシギソウはどちらでも対応が可能であるため融通が利く。キングドラの攻撃を避け接近することで、立場だけでなく精神的にも追い詰めることに成功したのだ。
「追い詰めますよ!連続でエナジーボールです!」
エナジーボールで連続攻撃を仕掛け反撃に出るフシギソウ。先ほどの状況から形勢逆転し、今度はリーリエが優勢となる。こうなってしまえば状況を覆すことは一気に難しくなる。
こうそくいどうを使い距離を離すキングドラ。しかしいつまでも逃げきることは出来ず、木々が邪魔となってしまい最終的にはエナジーボールを浴びてダメージを受けてしまった。フィールドが狭い事も相まってキングドラの素早さを活かしきれていないのだ。これがこのリーグでの難しい部分であり、一つの醍醐味でもある。
『ここでフシギソウのエナジーボールが炸裂!キングドラ、これは相当効いているようだぞ!』
「くっ、こうなったら攻撃あるのみ!キングドラ!ハイドロポンプ!」
「フシギソウさん!はっぱカッターで木を切り倒してください!」
ワルターは焦りからハイドロポンプで早々にケリをつけようとする。優雅さとは全くかけ離れてしまっているが、リーリエは一切慌てることがなかった。
パワーで言えばキングドラの方が上であるためハイドロポンプを正面から止めることは出来ないだろう。そのためリーリエは自身の得意な戦法であるフィールドを利用しようと考えたのだ。フシギソウははっぱカッターで木を切り倒す。するとキングドラのハイドロポンプは切り倒された木にあっさりと阻まれてしまう。
「なっ!?」
『なんとリーリエ選手!フィールドの木を切り倒してキングドラのハイドロポンプを防いだ!気転の利いた見事な戦術だ!』
その予想外の現象に驚くワルター。だがそんな隙も与えず、リーリエは攻撃の手を緩めない。
「今です!つるのムチ!」
『ソウ!』
フシギソウは切り倒した木から飛び出し、つるのムチでキングドラを叩き伏せる。キングドラは今の一撃に耐え切れず戦闘不能となった。
「キングドラ!戦闘不能!フシギソウの勝ち!」
キングドラとの力の差を見事埋めたリーリエとフシギソウ。これには客も盛り上がり司会者も大絶賛だ。
その初勝利に勢いづいたリーリエ。ワルターも必至の抵抗を見せるがリーリエの臨機応変な対応について行くことができず防戦一方の状態が続く。
力に差があっても様々な戦術で戦えば差を埋める事ができる。その証明となるバトルを見せつけ、リーリエはワルターにフシギソウのみで見事完全勝利をした。
一瞬落ち込むワルターであったが、すぐに立ち直り逆にリーリエにますます惚れ込んでいる様子であった。当の本人は全く気付いていないため一方的に届かぬ愛なのだが。
だがその様子を見ていたブルーは……
「ふぅん。やるじゃないの。でも、そうでなくては面白くないわ。」
ライバルの成長を見届け、ブルーはその場を後にする。そしていずれ来るであろうバトルの時を、うずうずと楽しみにしながら待つことにしたのだった。
(リーリエ……あなたには絶対に負けられないわ。待ってなさい。勝つのはこのあたしよ!)
こうしてリーリエは無事一回戦を突破し、次のバトルへと弾みをつけたのであった。強者たちが集うカントーリーグ。彼女たちの戦いはまだ始まったばかりだ。次に待ち受けるのはどんなトレーナーたちなのか。リーリエの戦いはまだまだ続く!
ハルトオオオオオオオ!!
はい、結構はしょりました。一回戦目からグダグダ戦っても仕方ないからね(適当
この小説もなんだかんだ言いながら長く続いています。これも読者の皆様のお陰であるのは言うまでもありませんが、皆さん的にお気に入りの話ってあるんですかね?別に質問とかアンケートって訳ではないので答える必要はありませんが、ただ気になったのでちょっと呟いただけです。
因みに感想欄にはアンケートの回答、内容の改変や強要などは書いてはいけないそうです。リクエストはどうかは分かりませんが、それらは全て活動報告の意見箱にて書いていただけるといいかと思われます。一応小説情報のあらすじに載せといた方がいいですかね?気が向いたら更新しておきます。
それよりこの前僕のニンフィアが伝説ポケモンを3タテして、さらに(ry
※嫁自慢が長く続くためカット