ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
ポケモン世界の引っ越しやって名前なんなんだろうね?ヌシが思いついたのはアイアントマーkゲフンゲフン……。
ちょい一部原作とは違ったりするところもあるけどそこは勘弁です。サンムーン合わせて二週しかしてないから詳しくは覚えていませんので。
「さてここが新しい家よ!」
僕たちは引っ越しの手続きが終わり、新しい家にたどり着いた。新しい家はさっきまでいたハウオリシティのはずれで簡単には言えばすぐ隣だ。そこには引っ越し屋さんのトラックが止まっていた。家の中にはゴーリキーが3体ほど引っ越しの整理を手伝ってくれているようだ。
「ありがと皆。荷物の整理がはかどるわ。」
『リッキ!』
ゴーリキーたちは自慢の筋肉をアピールしながらか母さんに返事をする。みんなは働き者で、どうやら気にしなくていい、と言っているように僕には感じた。
ピンポーン
「あら?こんな早くに誰かしら?」
僕がそんなことを考えていると突然インターホンが鳴った。どうやらだれかお客さんが来たらしいがいったい誰だろうか。こっちに来てから僕が話したことあるのはあの女の子だけだけど、あの子にはこの住所は一度も言っていない。ということはこの家の住所を知っているのは……。
「はいはい!今出ます。」
母さんは慌てて家のドアを開ける。そこにはお腹を露出して上から白衣を羽織っている褐色肌の男性が立っていた。
「アローラ!引っ越しはどうだいシンジ?」
僕は知っている。この人の名前は……
「あらククイ博士!アローラ!わざわざ出向いていただいてありがとうございます!」
そう、この人はククイ博士。アローラ地方のポケモン研究家で主にポケモンの技について研究しているらしい。例えばポケモンの技の組み合わせや応用法など、いろいろな場面で使う技を詳しく自分なりに研究しているらしい。
「シンジのお母さん、新しい家はどうですか?」
「はい、過ごしやすそうな雰囲気で気に入りました。本日はシンジをアローラ地方に誘っていただいて感謝しています。」
そうだ、僕がここに来た理由はこのククイ博士に誘われたからだ。僕は元々カントー地方に暮らしていたが、僕は自分のポケモンと共に各地方を旅していた。しかしある地方の旅が終わってカントーに帰ったとき、ククイ博士にアローラ地方に来てみないかと誘われたんだ。ただアローラ地方はカントーとは遠く、まさに正反対にある。別に僕はここまで一人で来てもよかったんだけど、母さんが「私も一緒に行ってもいい?」と言い出して急きょ引っ越すこととなった。気まぐれな母さんのことだから驚くことはないと思っていたが、今回は結構驚かされた。どうやら一度アローラに来たかったらしく、泊まって帰るのも嫌だから引っ越しを決意したのだとか。うん、我が母親ながら何とも言えないね。
「いえいえ、シンジは元々腕の立つトレーナーだと聞いていたので興味が湧きまして……アローラ地方に来たらこの地方になにかいい影響をもたらしてくれるのではないかと直感して誘ってみたんですよ。」
「僕もククイ博士に誘っていただいて感謝してます。その時までアローラ地方のこと知らなかったので、新しいポケモンにも会えると思えばとても嬉しいです!」
「ハハハ、ほんとシンジはポケモンが好きみたいだな!フラッシュのように明るい笑顔をこっちにいるポケモンたちにも見せてあげてくれよ。」
ククイ博士はよくポケモンの技で色々なことを表現する癖がある。どうやら技の研究をしている間にポケモンの技を口にするのが癖になったみたい。なんだか研究者の間ではこういったことはよくあるらしい。
「はい!ところで博士は今回どういった要件でいらしたんですか?」
「ああそうだった、今からシンジのことを借りてもいいですか?ちょっと案内したいことがあるんだ。」
「え?僕を案内したいところですか?」
「ああ、ここから少し行ったところにリリィタウンってところがあるんだが、そこにしまキングがいるからその人が会いたいって言ってたんだ。」
「しまキング?」
僕は聞きなれないしまキングという単語が気になったのでククイ博士に尋ねた。
「ああ、彼はこの島、メレメレ島で一番強いポケモントレーナーなんだ。どうやら彼が君に興味を持ったようで相談したいことがあるみたいなんだ。付いてきてくれるか?」
ククイ博士は緑色のサングラスを外して頼んでくる。
「シンジ、行って来たら?」
「え?でも引っ越しの手伝いは?」
「こっちは大丈夫よ。ゴーリキーちゃんたちが手伝ってくれるし、期待してくれてる人がいるならその人たちの期待に応えようとするのがあなたでしょ?あなたはあなたの道を進みなさい。」
「母さん……ありがとう!じゃあ行ってきます!」
「ええ、行ってらっしゃい!そうだ、その前に……。」
母さんは持ってきた荷物の中から一つの帽子を取り出し僕の頭に被せた。全体が黒色になっていて、前の部分にはモンスターボール型の青色のマークついている。
「母さん……これは。」
「あなたの事だからこっちでも冒険をすると思っていたの。だからそのためにちょっと作ってみたのよ。お母さんからの餞別みたいなものよ。楽しんできなさい。」
「ありがとう!この帽子大切にするよ!」
そう言って僕は手を振りながら母さんに見送られてククイ博士と一緒にリリィタウンへと向かう。博士はその時僕に対して「いいお母さんだね」と言ってくれた。少し恥ずかしかったが、それでも母さんのことを言われるのはどことなく嬉しい感じがする。確かに振り回されることも多いけど、それでもいつも面倒をよく見てくれて頼りになる母親には変わりないから。
「それで博士、リリィタウンってどっちにあるんですか?」
僕は照れ隠しも含めて博士にリリィタウンの場所を尋ねた。博士は笑いながらその質問に答えてくれた。
「この坂を上っていった先にリリィタウンがあるんだ。小さな村だがそこには守り神のカプ・コケコが祭られている祭壇があってな。気まぐれな守り神だが、そのカプ・コケコのおかげもあってこの島の住人は平和に暮らせているんだ。」
「カプ・コケコ……か……」
なんだが不思議な響きだな……。一度でもいいから会ってみたいって気が湧いてくる。
「おっと見えたぞ。あれがそのリリィタウンだ。」
しばらく歩いていると『ようこそリリィタウンへ』と書かれた門があり、それを潜ると一つの集落が見えた。
「しまキングが見当たらないな。俺はあっちの方を探してくるからシンジは向こうを探してくれないか」
「分かりました」
ククイ博士は北の方を指さして僕にしまキングを探してくるように促す。僕はそれに頷きながら答える。
「そういえば、しまキングってどんな人なんですか?」
とはいえ情報なしに人探しなんか出来るわけがないのでしまキングの特徴をククイ博士に尋ねる。
「名前はハラさんっていうんだけど、如何にもしまキング!って感じの人だから分かると思うよ。」
え~、それじゃあ分からないような気がするんですが……。でもこれ以上有益な情報を貰えそうにもなかったので、取り敢えずそれらしき人物を見かけたら声を掛けようと判断する。
そして僕は博士と別れて博士に言われた方向(多分北)を探しに行くすると見かけたことのあるような人の姿を見かけた……。
「この先にいらっしゃっるのですね。……よし、行きましょう。」
あの子には覚えがある。それはそうだ。さっきハウオリシティで出会った女の子だ。もう少し話したい気もするし、なんだか深い事情もありそうだし追いかけてみよう。
僕は女の子を少し離れた位置からついていく。ストーカーみたいかもしれないけど違うからね?決して違うからね?取り敢えず彼女についていくと、一つの長いつり橋に辿り着いた。すると何やらつり橋の真ん中あたりで一つのポケモンらしい影がオニスズメ3匹に襲われている。女の子も戸惑っているみたいで中々助けに行けずにいる。
(こんなことしてる場合じゃない!あの子を助けないと!?)
僕は何も考えずに飛び出してつり橋に向かい走ってゆく。女の子も「えっ!?」と驚きの声をあげる。僕は目の前に困っている人やポケモンがいると後先考えずに行動してしまう癖がある。今回も考える前に体が先に動いてしまったのだ。
「くっ!?」
僕は虐められていたポケモンを覆うように庇う。オニスズメはそれに気が立ち僕のことを引っ搔いてくる。
「大丈夫だよ……僕が守ってあげるから。」
この子の不安を無くすように声をかける。すると後ろの方でミシミシと音がする。
「えっ?これってまさか……」
なにか嫌な予感がした……というのも束の間、突然つり橋が崩れ落ちて僕と庇っていたポケモンも一緒に下の川に向かって落ち始める。僕はその子を抱えて川に落ちた時のその子にかかる衝撃を小さくしようとする。
(仕方がない!こうなったら!)
僕は腰にかかっているモンスターボールを手にする。しかしその時に一つの光が僕の方に近づいてくるのが見えた。すると突然僕はその光に包まれ、気が付いたらつり橋の手前のところに座っていた。
「大丈夫でしたか!?」
「あ、うん、僕は大丈夫。それよりこの子は無事だったよ。」
僕は女の子に大丈夫だと伝えこの子の無事を伝える。するとこの子は僕の元を飛び出し女の子の元に飛びつく。女の子は飛びかかってきた子を抱きかかえる。
「よかったほしぐもちゃん……あなたが無事で……。あの、ありがとうございました。」
女の子は僕に頭を下げてお礼をする。ほしぐもちゃんと呼ばれた子は女の子に抱えられ安心したような顔をする。
「もう……勝手に飛び出しちゃダメじゃないですか。これからは気を付けてくださいね?」
ほしぐもちゃんは申し訳なさそうな顔をして、反省しているようだ。
「あれ?あなたはあの時の……。」
「あはは……君のことが少し気になって追いかけてきたんだ、ごめんね?」
その時女の子は僕のことに気付いたようで少し恥ずかしさに僕は頭をかきながら謝る。どうやらあの時カバンと話していたように見えたのはほしぐもちゃんに声をかけていたみたいだね。
「そういえばさっきの光は一体何だったんだろう?」
「あれは多分守り神のカプ・コケコさんです。」
あれがカプ・コケコ……すごい速さだったな……。
「そういえばここになんだか光っている石があったのですが、これはあなたのですか?」
「え?」
女の子はそう言い僕にその石を差し出してくる。なんだろこれ?少なくとも僕には見覚えがないな……。
「う~ん、僕のではないな……。もしかしたらカプ・コケコが落としていったのかな?」
「そうかもしれませんね。カプ・コケコさんは気まぐれな守り神だと聞いています。もしかしたらあなたに何かを感じたからかもしれません。」
「そうかな?」
僕は女の子の言葉に納得する。その後僕は立ち上がろうとするが……。
「いつっ!?」
僕は立ち上がろうとしたが足に痛みを感じ、中々力が入らなかった。
「だ、大丈夫ですか!?足を怪我してるじゃないですか!?すみません気が付かなくて。」
女の子は謝りながら怪我をしている足を見る。するとカバンからキズぐすりを取り出して僕の足にかけてくれる。
「あっ、ごめん、ありがとう。」
「いえ、こちらこそすみません。ほしぐもちゃんを助けてくれたのに真っ先に気付かなくて……。」
女の子は傷口に絆創膏を貼ってくれる。僕の足の痛みは引いてきたので立ち上がる。女の子は申し訳なさそうに謝った。僕は全然気にしなくていいと答える。
「取り敢えずここから降りようか。」
「はい!あ、そういえば名前を伺うのを忘れていました。」
「ああ、僕はシンジって言うんだ。」
「シンジさんですね?私はリーリエです。よろしくお願いします!」
「うん、これからよろしく!」
リーリエと名乗った少女と僕は挨拶をしここから降りようと判断する。リーリエはほしぐもちゃんを再びカバンに入れ僕の後ろをついてくる。
この時は誰も思わなかった。まさかこの出会いがある冒険の鍵になるとは……。そして二人が運命の出会いを果たしていることも。でも、なんだかシンジにとっては、これから楽しいことが起こるのではないかと少しワクワクした気持ちになっているのは言うまでもなかった。
リーリエも可愛いけどほしぐもちゃんも可愛いよね。あの『ぴゅう』って鳴き声がまた高ポイント。
「ポイント制!?」by面白き盾
メレメレ島での冒険は普通に書きます。つうか最悪メレメレ島は書かないと人物像が分からないですしお寿司……。
取り敢えず今度の土曜日は仕事有給取って名古屋のポケセン行ってきます。ブイズのすやすやぬいぐるみが発売すると聞いて居ても立っても居られないので。ブイズがいてくれれば永遠に生きていけそう。
じゃあ続きは次回ということで。感想を書いていただける場合は、お手柔らかにお願いします。ではでは!