ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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カントーリーグ編(仮)突入!

そしてヌシは記念(?)としてUSUMのサブROMにてリーリエのパーティを厳選してみようと思います。実はひそかにサブROMデータ削除して名前と見た目をリーリエにして準備していたりしました。

予定として襷ベールキュウコン、メガバナ(特殊型)、鉢巻チラチーノ、チョッキマリルリ、輝石ピッピ、そして不意打ちの特殊型飛行Zカイリュー

……なにこのガチパ?


集うライバルたち!眠れない決戦前夜!

トレーナーたちが一度は夢見る舞台、カントーリーグの開かれるセキエイこうげんへと辿り着いたリーリエたち。セキエイこうげんに到着した彼女は、カントーリーグへの出場登録をしているところだ。

 

「ではこちらの画面にあなたのポケモン図鑑をかざしてください。」

「はい!」

 

リーリエはジョーイの誘導に従い示された機械の画面にポケモン図鑑をかざす。カントーリーグへの受付はジョーイが担当してくれている。これはトレーナーのみんなが余計な緊張をしないようにと全員が慣れ親しんだジョーイを配置した運営側の計らいだ。

 

『ポケモントレーナーリーリエ。ゲットしたバッジの数8個。カントーリーグへの出場資格あり。登録完了。優勝目指して頑張ってください。』

 

指示に従い図鑑をかざすと、その機械の画面にリーリエの詳細と所持バッジが表示され、出場選手として登録される。そしてその機械から激励の言葉が送られる。

 

「はい、これでカントーリーグへの登録は完了しました。頑張ってくださいね!」

「はい!ありがとうございます!」

 

リーリエはジョーイからの激励も受け取り、深く頭を下げて礼を言いその場を立ち去る。リーリエは外で待つシンジの元へと軽く駆け足で向かっていった。

 

「シンジさん!お待たせしました!」

「カントーリーグの登録はできた?」

「はい!ばっちりです!」

「そっか。じゃあいこっか。」

 

シンジとリーリエはそのまま受付エリアから別の場所へと向かう。受付が無事終わった後はどうすればいいのか分からないリーリエはシンジに次の目的を尋ねた。

 

「シンジさん。次は何をすればいいんですか?」

「午後から参加者全員が集まって顔合わせをするんだ。リーリエはそこに参加するといいよ。」

「シンジさんはどうするんですか?」

「僕は……」

 

シンジがリーリエの質問に答えようとするが、その時彼らの背後から予想外の人物が声をかけてきた。

 

「リーリエ!シンジ君!」

「る、ルザミーネさん!?」「お、お母様!?」

 

その人物とはリーリエの母、ルザミーネであった。突然のルザミーネの登場に驚く2人。ルザミーネは驚く2人に笑顔で手を振りながら近づいた来た。

 

「お、お母様。な、なんでここに?」

「なんでって、娘の折角の晴れ舞台なんだもの。私も母親なんだから娘の晴れ舞台ぐらいは見たいじゃない?」

「もう……それなら一言言って下さってもよかったのに///」

 

リーリエは母親の言葉に呆れたような言葉を口にする。しかし彼女の顔は少しばかり赤くなっており、どこか満更でもないようすであった。

 

「私は一旦自分の宿舎に戻るわね。ねえ、リーリエ。」

「なんでしょうか?お母様?」

「……頑張りなさいね。」

「!?はい!頑張ります!」

 

ルザミーネはそう笑顔で激励の言葉を送りその場を手を振って立ち去る。リーリエもこれには嬉しくなり笑顔で元気よく答えた。母親が見に来ていると知った以上、恥ずかしい戦いは出来ないとより一層気合を入れる。

 

「まさかルザミーネさんが来てるとはね。」

「はい。私も驚きました。シンジさんも知らなかったんですか?」

「うん。僕にも知らされてなかったよ。」

 

シンジはそう言い、先ほどの質問を思い出しその答えを口にした。

 

「そうそう。僕は少し挨拶したい人がいるから一緒には参加できないんだ。」

「挨拶したい人ですか?」

「うん。昔お世話になった人だよ。この会場にいると思うから探そうと思うんだ。」

「そうですか。少し残念ですが分かりました!私は1人でも大丈夫です!」

 

そう言ってシンジとリーリエはその場で分かれ、午後のイベントが終わってから再会しようと約束したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の親睦パーティが開かれる直前。ある場所にて男性が一人外を眺めていた。

 

「ワタル様。お客様がお見えになられています。」

「客?誰だ?」

 

スーツ服姿の男性が大きなガラス張りの窓際で外を眺めている男性に声をかける。

 

その男性はワタルと呼ばれ、赤いツンツンとした髪をしており紺色にオレンジのラインがいくつか入った服。そして背中には内側が赤く外側が黒色のマントを着用している。そしてワタルは、カントー地方のチャンピオンも務めている。

 

「シンジと名乗る少年です。」

「!?そうか。構わない。通してくれ。」

 

ワタルのその言葉にスーツの男性は一礼し客として訪ねてきた人物を部屋の中に入れる。ワタルはその少年、シンジの姿を見るとすぐに笑顔で声をかけたのだった。

 

「久しぶりだね、シンジ君。」

「お久しぶりです。ワタルさん。」

 

ワタルの言葉にすぐに頭を下げて挨拶を交わすシンジ。そんなシンジにワタルはゆっくりと近付いた。

 

「そうかしこまることはないよ。本当に久しぶりだね。」

「はい。3年ぶりくらいでしょうか?」

「ああそうだったね。あの時はまだ君が駆け出しのトレーナーだった時だね。」

 

彼らが出会ったのは3年前、かつてシンジが旅に出たばかりで右も左も分からないときであった。偶然にも出会ったワタルに色々と基礎的なことを教わったのだ。シンジにとって、ワタルはもう一人の兄的な存在だ。ワタルにとっても大切な弟のような存在である。

 

「今ではアローラ地方のチャンピオンになったんだろう?風の噂で聞いているよ。」

「知っていたんですか?」

「もちろんだよ。それで今日はどうしたんだい?アローラチャンピオンとしての仕事……ってわけでもなさそうだが。」

「はい、ただ折角なのでワタルさんに挨拶しようと訪ねてきただけです。今はある人とカントーをもう一度見て回っているところなので。」

 

ワタルはシンジがなぜ自分の元を訪れたのかを尋ねる。シンジはワタルに挨拶に来ただけだと伝えると、ある事を思いつきそれをシンジに尋ねてみた。

 

「一つ君に頼みごとをしてもいいかな?」

「?なんでしょうか?」

「明日の開会式のことなのだが……」

 

シンジはワタルの頼みごとを聞き、内容を理解して快く承諾する。その心意気にワタルは感謝し、当日に会おうと約束を交わしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとか迷うことなくたどり着けました……。」

 

リーリエは親睦パーティの行われる会場へと辿り着く。シンジがいないため迷うかと不安になった彼女だが、リーグ会場が大きいこともありあちらこちらに案内標識があったためパーティの会場に辿り着くことが出来たのだ。

 

その場には多くのトレーナーたちが集まっており、食事をしている人、他のトレーナーと会話している人、ポケモンの管理をしている人と様々だ。中にはリーリエの見知った顔もあり、彼女を見つけたあるトレーナーが手を振って駆け足で近づいてきた。

 

「リーリエー!」

「ブルーさん!」

 

その人物はリーリエ最大のライバルと言ってもいいブルーであった。

 

「やっぱりあなたも来たのね。」

「はい!ジムバッジを8個集める事ができました!」

「そう来なくちゃ面白くないわ。張り合いがなくなっちゃうからね。」

 

ブルーはそう言った後、ある事に気付きそれをリーリエに尋ねた。

 

「あれ?シンジさんは?いつも一緒にいるのに珍しいわね。」

「シンジさんは昔お世話になった人に挨拶がしたいと言って一度別れました。後でまた合流する予定です。」

「ふ~ん、そうなの。」

 

ブルーはそう言ってリーリエの言葉に納得する。するとその後、リーリエに気付いたトレーナーたちが続々と彼女の元に集結していった。

 

「よ!リーリエ!」

「久しぶり!リーリエ!」

「コウタさん!コウミさん!」

 

その人物は双子の兄妹であるコウタとコウミであった。コウタとコウミはお互いに軽く手をあげリーリエと再会の挨拶を交わす。

 

「なに?リーリエの知り合い。」

「ああ。俺はコウタ!そしてこっちが双子の妹の……」

「コウミです!」

「そうなの。あたしはブルー!みんないいライバルになりそうね。」

 

すでに勝負が始まっているとばかりに彼らの熱い視線が交じり合う。彼らも厳しい試練を勝ち抜いてきた猛者たちだ。簡単に勝ち進むことは出来ないだろう。

 

リーリエがそう思っている時、彼女の肩を軽く叩き呼びかける人物がいた。リーリエはその人物の方へと振り向くと、その人物は彼女も知っている男性であった。

 

「久しぶりだな、リーリエ。」

「!?ハジメさん!」

 

その男はなんと以前リーリエと戦った元ロケット団用心棒のハジメであった。予想外の人物の姿に思わずリーリエも驚きの声をあげる。

 

「ハジメさんもカントーリーグに参加してたんですね!」

「ああ。強い奴が集まるんだ。参加しない理由がない。」

 

久しぶりに再会したハジメとも挨拶を交わすリーリエ。今まで出会ったライバルたちに加え、これだけ多くのトレーナーたちがいれば、リーリエにも自然と緊張が走る。

 

彼女たちがそんな話をしていると、一人の男性が舞台に上がりマイクを持った。その男性こそこのカントーリーグの主催者であり、ポケモンリーグの最高責任者である。

 

「みなさん!長い旅の中で様々なことを学び、成長し、この場に集まってくれたこと、私は嬉しく思います!」

 

主催者の言葉と同時に会場のみんなが静まり返る。この場にいる全員が覚悟を持ってこのカントーリーグへと目指してきたのかがよく分かる光景だ。

 

「今日はこの場に集まったトレーナー全員が悔いのない良きバトルができるよう、親睦会としてこの会場に集まっていただきました。明日のリーグ開催に備え、今日は思う存分語り合って下さい!」

『おー!』

 

主催者のありがたい言葉を聞いた参加者のトレーナーたちは一斉に雄叫びに近い声をあげる。

 

リーリエたちも親睦会であるため、今日はライバルといった関係であることを忘れ楽しく語り合ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夜。外は暗く綺麗な星と満月が暗闇を明るく照らしている時間帯だ。

 

そんな中、リーリエは眠ることができずにベランダで外を眺めていた。

 

「明日は遂にカントーリーグが開催されます。私……上手く戦えるでしょうか……。」

 

初めての大舞台で緊張の色を隠せないリーリエ。そんな彼女の元に、彼女のポケモンたちが近づいてきたのだった。

 

『コォン!』

『チラチチラ!』

『ソウ!』

『リル!』

『ピィ?』

「あっ、みなさん。すいません。起こしてしまいましたか?」

 

起こしてしまったかと謝るリーリエに、彼女のポケモンたちは首を横に振って否定する。どうやら眠れないのは彼女たちだけでなく、ポケモンたちも同じようだ。もしかしたら参加者のトレーナーたちも同じ気持ちなのかもしれないとリーリエはふと思った。

 

そんな時、1人の少年が彼女に静かに声をかけた。

 

「眠れないの?」

「!?シンジさん……」

 

リーリエはシンジの言葉に小さく頷き答える。シンジもそんな彼女の横に立ち一緒に外を眺める。

 

「僕もね、リーグに参加するときの夜は毎回眠れなかったんだ。」

「え?シンジさんもですか?」

 

シンジが緊張で眠れなかったと言うのは意外だと感じるリーリエ。シンジは彼女に自分が当時思っていたことを少し語った。

 

「リーグの前日、いつも不安でいっぱいだったんだ。上手く戦えるかなとか、勝てるかなとか。でも、戦ってるたびに不思議な感覚になって気付いたんだ。自分は1人で戦ってるんじゃない。自分には今まで戦ってきたポケモンがいるんだって。それになにより……」

 

シンジはリーリエの方へと振り向き、その言葉の続きを告げた。

 

「ジム戦であってもリーグ戦であっても、自分らしく楽しく戦うのが一番だって思ったんだ。」

「自分らしく……楽しく……。」

 

リーリエはシンジの言葉を聞き頭の中で考える。彼女の髪を静かな夜の風がなびかせる。リーリエは今の自分の考えをシンジに伝えた。

 

「正直、私は今でもポケモンさんが傷つくのを見るのは心苦しいです。」

 

リーリエは自分の感じている感情をシンジに打ち明けていく。

 

「ですが、ポケモンさんたちが私のために戦ってくれて、負けることもあるけど、勝った時の凄い充実感を感じられて。なにより……」

 

リーリエはそう言ってシンジの方へと振り向き笑顔で答えた。

 

「なによりバトルがすごい楽しいって思えるようになれたんです!」

「……そっか。」

 

リーリエは再び外を眺め、笑みを浮かべながら言葉の続きを口にした。

 

「間違いなく明日から戦うトレーナーは全員強敵です。ですが……シンジさんの言ったように、私は私らしく、全力でぶつかります!」

「うん。がんばリーリエ!だよ!」

「はい!がんばリーリエ!です!」

 

リーリエはそうして明日から始まるリーグ戦の覚悟を決めた。

 

彼女の言う通り、リーグに参加するトレーナーたちは全員が強豪ぞろいだろう。だが彼女も8個のジムバッジを集めたトレーナーだ。例え未熟な部分があろうとも、それは参加者全員にも言えることだ。

 

シンジの助言で多少気が楽になったリーリエは、明日に疲れを残さないために今日は休むことにしたのだった。

 

明日からのリーグ戦。リーリエはどんなトレーナーと、どんな戦いを繰り広げるのか。激戦を勝ち抜き、優勝を手にするのは誰なのか?がんばれ!リーリエ!いや、がんばリーリエ!




実はリーリエが一番書きやすくて楽しかったりする

よーし!厳選するぞー!

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