ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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迷った挙句スマブラSP買いました。カムイちゃんが使いたかっただけですが、X振りの復帰なため腕が大分落ちててCPUで修練中。カムイ楽しすぎ。

ピカブイはやること無くなってきたので対戦に潜ってみたのですが、会う人全てが海外勢で制限無しだと断られるため対戦が中々成立しません。上手くマッチングは2回程しましたがなんとか勝てました。ステロプテラ率が異常に高いけど……。

元のシステム的に考えても対戦向きじゃないのは分かってたしマッチングの方法もちとあれだから、大人しく周回してイーブイとの冒険を楽しんだ方がいいかも。

制限ありでやればいい?正直ブイズだけの性能じゃ4vs6はキツイッスよ。アメで性能差付けてなんとか勝てるレベルなので(´・ω・`)

お友達さえいればねえ……


アザリアジム攻略の鍵!新たな力の兆し!

8つ目のジムバッジを手に入れるためアザリアジムに挑戦したリーリエであったが、ルナの持つメガチルタリスの前に成すすべもなく敗れてしまう。

 

だが、リーリエはその悔しさをバネに更に強くなろうと、シンジとの特訓を開始しようとしていた。

 

「じゃあ今回はバトルよりも、対策を練るための特訓にしようか。」

「対策……ですか?」

 

リーリエはシンジの言葉に疑問符を浮かべる。彼女が今までにやってきた特訓は精々バトルをして経験を積むことだけであった。よくてもシンジに仮想相手として戦ってもらい、イメージを掴む程度だ。そのため普通のバトル以外の特訓と言うのがどういうものか分からなかった。

 

シンジは未だに疑問を抱いているリーリエに答えるようにモンスターボールを投げあるポケモンを繰り出した。

 

「お願い!グレイシア!」

『グレイ!』

 

シンジが繰り出したのはグレイシアであった。シンジは今からグレイシアを相手に何をするのかをリーリエに説明する。

 

「一つ目の課題がチルタリスのコットンガード。僕のポケモンにはコットンガードを使えるポケモンはいないけど、グレイシアなら疑似的なバリアーが使える。グレイシアを相手にコットンガードに対しての対策を取ることで、チラーミィの立ち回りも変わってくると思うよ。」

 

リーリエはシンジの言葉になるほど、と答える。チラーミィはコットンガードにより物理技が防がれてしまったのが敗因の一つだ。コットンガードへの対処さえ分かれば前回のような結果になることはないだろう。

 

リーリエはモンスターボールを手にし、それを正面へと投げチラーミィを出す。

 

「お願いします!チラーミィさん!」

『チラミィ!』

 

早速特訓を始めようか、というシンジの言葉に従い、リーリエは頷いて答え動きだした。

 

「チラーミィさん!おうふくビンタです!」

『チラ!』

 

初めは正面から接近戦を仕掛けるスタイルで攻める。チラーミィはグレイシアに接近して得意の近接戦に持ち込もうとする。

 

チラーミィの素早さは以前にも増して早くなっており避けるのは厳しいであろう。しかし、今回の目的は攻撃を躱すことではないためそのことは問題ではない。

 

「グレイシア!バリアー!」

 

グレイシアは正面に頑丈な壁を張りチラーミィの攻撃を防ぐ。チラーミィはおうふくビンタを弾かれてしまい後退させられる。コットンガードに比べ効果は低いとはいえ、やはりこれを突破するのは難しい。

 

「やっぱり正面からでは簡単に防がれてしまい攻撃が届きませんね。」

 

リーリエはどう突破すべきかを考える。

 

正面から素直に近接戦を仕掛けるとコットンガードによって防がれる。スピードスターで遠距離戦を仕掛けようにもメガシンカをしたチルタリスに競り勝てるとは思えない。ならばどうすればいいのかと悩むリーリエに、シンジは一つアドバイスをした。

 

「1つ攻略のヒントを出すよ。」

「ヒントですか?」

「正面から素直に攻めるとバリアーやコットンガードであっさりと防がれてしまう。これはひかりのかべやリフレクターにも言えることだけど、その隙を突くのが1つの攻略の鍵だよ。」

「正面……隙……。技の隙?……そうです!」

 

リーリエはシンジの一言である作戦を思いつき行動に移す。

 

「チラーミィさん!まずはスピードスターです!」

「れいとうビーム!」

 

チラーミィはスピードスターで攻撃を仕掛けるが、その攻撃は見事にれいとうビームで撃ち落とされ貫通しチラーミィに接近する。だが、そうなることはリーリエも読めていた。

 

「あなをほるです!」

 

チラーミィはあなをほるで地中に潜りれいとうビームを回避する。あなをほるで回避されれば、相手は一時的に戸惑い隙が生じる。

 

「今です!スピードスター!」

 

チラーミィはグレイシアの背後に飛び出し奇襲を狙う。そしてそのままスピードスターを素早く撃ち攻撃する。

 

「こおりのつぶて!」

 

すぐさまグレイシアは振り向きこおりのつぶてでスピードスターを撃ち落とす。そこですかさずチラーミィは追撃を仕掛ける。

 

「おうふくビンタ!」

 

チラーミィの素早く軽やかな身のこなしすぐにおうふくビンタへと行動を移す。グレイシアもこれには反応することができずに直撃を受ける。今の動きこそ、見事に相手の動きを封じ隙を突いた怒涛の攻めであった。

 

「今の動きは中々よかったね。」

「はい!ありがとうございます!」

「あなをほるは回避と攻撃が同時にできる便利な技だよ。使い方、用途も様々だから戦術も広がるし、色々試す価値はあると思うよ。」

 

シンジのアドバイスにリーリエは頷き答える。そしてコットンガードへの対策は大丈夫だと判断したシンジは次の特訓へと移ろうとグレイシアを戻す。

 

「次のポケモンはこの子だよ!シャワーズ!」

『シャワ!』

 

グレイシアを戻したシンジは続けてシャワーズを繰り出した。するとシンジは次にやるべきことをリーリエに伝える。

 

「次はルナと戦った時のマリルの戦いを再現するよ。」

「マリルさんの戦いですか?」

「マリルの敗因は一つだけ。その一つの弱点を補うことができればそれだけでだいぶ変わると思うよ。」

「分かりました!マリルさん!お願いします!」

『リル!』

 

リーリエはシンジの指示に従いマリルを繰り出す。だが今度は前回の弱点を見つけることにある。そのため、リーリエは前回の戦いと同じ戦術をとった。

 

「マリルさん!バブルこうせんです!」

「シャワーズ!ハイドロポンプ!」

 

マリルのバブルこうせんとハイドロポンプがぶつかり合う。しかし攻撃力の差は歴然で、バブルこうせんは簡単に押し返されハイドロポンプがマリルに命中する。

 

みずタイプのマリルに同じみずタイプのハイドロポンプはさすがにダメージが低い。そのためマリルも大したダメージを受けていない。

 

リーリエはてっきりパワー不足が欠点なのかと感じたが、シンジはなんの反応も示していない。恐らく弱点は別にあるのだろうと判断し、バトルを続行した。

 

「続いてころがるです!」

 

マリルは丸くなりころがるでシャワーズに接近する。ころがるは早く勢いもあるため簡単にとらえることは出来ないだろう。しかしシンジはルナがしたのと同じ方法でころがるを対処する。

 

「ハイドロポンプ!」

 

シャワーズはハイドロポンプでマリルの動きを止めようとする。その攻撃はマリルに直撃したのではなく、マリルの進行方向である地面に撃ったのだ。

 

そこには小さなくぼみができ、マリルはそこに引っ掛かり勢いよくくぼみを段差のようにして飛び上がった。それと同時にリーリエはハッとなりある事に気付いた。

 

「シャドーボール!」

 

シャドーボールが隙をさらしたマリルにヒットしてしまう。マリルは空中で撃墜されてしまいその場に墜落する。シャワーズが手加減したからかダメージは少なく、マリルもスクッと立ち上がった。

 

「気が付いた?」

「なんとなく……ですが」

 

シンジの言葉にリーリエはそう答えた。そしてリーリエは自分の気付いた弱点をシンジに説明した。

 

「ころがるの時、地面にくぼみをあけられてしまうと動きを止められてしまい反撃のチャンスとなってしまいます。前回もそれがキッカケで攻め込まれてしまい負けてしまいました。シンジさんの言っていた弱点は多分これかと……。」

 

シンジはリーリエの気付いたことに頷くことで答える。そしてもう一度やってみようかというシンジの言葉に、リーリエも頷いて答えマリルに指示を出した!

 

「マリルさん!もう一度ころがるです!」

『リルル!』

「シャワーズ!こっちもハイドロポンプ!」

『シャワ!』

 

マリルは再びころがるで接近する。シンジもタイミングを見てハイドロポンプで先ほどと同じように進行を阻害する。しかし今度は先ほどの結果とは違った。

 

「避けてください!」

 

マリルは転がりながら避けに位置をずらすことで回避に成功する。ころがるの最中でも多少の小回り程度であれば融通が効く。そのため前もって知っていればこの程度の回避は問題ない。

 

そのままころがるが成功しシャワーズを捉える。だがシャワーズもそう来ることが分かっていたためまもるでダメージを防いだ。

 

「やりました!」

「上手く対処できたね。でも、完璧に対策できたわけではないよ?」

「え?それってどうゆう……」

 

リーリエはシンジの言っている意図が分からず首を傾げる。そんなリーリエに分かるよう、もう一度やってみてと頼む。

 

「ではもう一度ころがるです!」

 

シンジの指示通り三度ころがるで攻撃を仕掛ける。当然シンジも先ほどと同様にハイドロポンプで防ごうとする。だがその技は先ほどと少し違う点があったのだった。

 

「ハイドロポンプ!」

 

ハイドロポンプで先ほどのようにくぼみをあけマリルの進行を阻害しようとするシャワーズ。しかし先ほどと違うのは、その攻撃を一点に集中させるのではなく、薙ぎ払った点であった。

 

前回の小さなくぼみではなく、薙ぎ払い一直線につくられたくぼみを回避することができずにハマってしまい勢いあまって大きく飛び跳ねる。その隙を再びシャドーボールが捉え確実に攻撃を当てられる。

 

「今のは……」

「回避されるのであれば回避されないように工夫すればいいだけだからね。」

「ではどうすれば……」

 

あそこまで完璧に対処されてしまえばどうやって対応すればいいのか分からなくなってしまう。リーリエも悩み、思わずシンジに尋ねた。シンジは、そんなリーリエにこう説明した。

 

「どれだけ柔軟な対応をされても、分かっていれば対処は難しくないよ。」

「分かっていれば……。」

 

リーリエはシンジの遠回しの言葉に頭を悩ませる。暫く考えると、そうかとある考えが思いつく。

 

そのことに気付いたリーリエの姿を見たシンジは、マリルの特訓はここまでにしようと次のステップに移る。あまり深くやりすぎても逆効果だし、チーム戦である以上マリルだけに時間を費やしても勝つことは出来ない。

 

「次が最も重要なことだと僕は思っているよ。」

「最も重要なこと?」

 

シンジはそう言ってモンスターボールを取り出し、それを上空に投げる。

 

『フィーア!』

 

するとそこからは彼の相棒のニンフィアが出てきた。その姿を見たリーリエはその重要なことがなんとなく察しがついた。

 

シンジは近づいてくるニンフィアの頭を撫でよろしくねと言う。その言葉にニンフィアも笑みを浮かべる。

 

「ルナとの戦いで最も重要なこと。それはチルタリスのムーンフォースだよ。」

 

やっぱりとリーリエは心の中で思った。シンジはそのまま彼女に説明を続ける。

 

「チルタリスの切り札と言ってもいいムーンフォースはとても強力な技だ。ムーンフォースをどうにかしない限りはバトルに勝つことは難しいよ。」

 

リーリエはシンジの言葉に頷く。戦った時、そのことには気づいていたため別段驚くことはなかった。だが、シンジのその後の言葉にリーリエは驚かずにはいられなかった。

 

「ムーンフォースへの対処法。それはシロンのムーンフォースしかないよ。」

「!?シロンが……ムーンフォースを……」

 

シンジの考えた対策とはなんとムーンフォースで対抗するという事であった。しかしシロンは当然ムーンフォースを覚えていない。そこでリーリエは以前起こった出来事を思い出す。

 

以前シロンはシンジとの特訓中にある変化が起こった。成功こそしなかったが、シロンはムーンフォースを習得する片鱗を見せたのだ。シロンのバトルの素質と経験であればムーンフォースを覚えるのも時間の問題だろうとシンジは考えている。

 

「ですが……そう簡単に覚えられるでしょうか……。」

「確かに技を覚えることは簡単じゃ無いよ。でも、そのための努力を怠らなければ決して不可能じゃない。もしリーリエとシロンがやると言うのであれば、僕もニンフィアも2人の特訓に付き合うよ。」

『フィア!』

 

リーリエはシンジの言葉を聞きシロンのモンスターボールを手に取り見つめる。するとシロンのモンスターボールが小さく揺れる。

 

「やってみたい……のですか?」

 

リーリエの言葉に再びシロンのモンスターボールが揺れる。それはシロンがやるのだと意思表示を示しているようでもあった。リーリエはシロンの意思を受け取り、やってみようと強く頷いた。

 

「では行きますよ!シロン!」

『コォン!』

 

そしてリーリエはシロンを繰り出す。その後、シンジが出した課題は単純明快なものであった。

 

「最後は僕とニンフィアを相手に戦ってもらうよ。」

「普通のバトルってことですか?」

「うん。だけどただバトルするだけじゃないよ。今回の目的はムーンフォースを覚えること。だからなるべくムーンフォースを意識して戦ってみて。」

 

シンジが最後に提示したことはニンフィアとバトルすることであった。シロンにはそれが一番最適だと言うシンジ。リーリエもシンジの出した内容に頷いて納得し承諾した。

 

そしてシンジの攻撃指示がバトル開始の合図となり最後の特訓が始まった。

 

「ニンフィア!シャドーボール!」

「躱してください!」

 

開幕のシャドーボールをシロンはジャンプして回避する。パワーで勝つことは出来ないと理解しているからこそ回避行動を取ったのだ。

 

回避後、シロンはすかさず反撃をとる。

 

「シロン!れいとうビームです!」

『コォン!』

 

れいとうビームで流れるように反撃をするシロン。その動きからは今までのバトル経験で確実にバトル慣れをしているのが分かる。

 

「ようせいのかぜ!」

『フィーアー!』

 

ニンフィアはようせいのかぜで確実にれいとうビームを防ぐ。着地したシロンにチャンスだと見たシンジはあの技の指示を出した。

 

「ムーンフォース!」

 

自身の大技であるムーンフォースを放つニンフィア。タイミングよく着地を狙われたことで回避することができずムーンフォースが直撃する。

 

「シロン!大丈夫ですか?」

『コォン!』

 

リーリエの問いかけにシロンも元気に答える。直撃は受けたがダメージは浅くまだまだ行けるようだ。

 

「もう一度ムーンフォース!」

 

ニンフィアは繰り返しムーンフォースを放つ。

 

シンジがムーンフォースを乱発するのは珍しいことだ。普段は確実なチャンスにしか撃つことはないが、今回に限っては連続で撃っている。理由はシロンにムーンフォースを扱うコツを掴ませるためであろう。

 

そう考えたリーリエはシロンに次の指示を出した。

 

「シロン!よく観察しながら躱してください!」

 

シロンはリーリエの言葉に小さく頷く。そしてシロンはムーンフォースをじっくりと観察し、引き付けたうえで回避する。

 

自身がポケモンのように技を使えないためシロンに助言をすることができない。それゆえどこかもどかしさを感じるリーリエ。だがそれならば自分ができる事はシロンを信じることだ。そう思ったリーリエはあの技の指示を出してみる。

 

「シロン!ムーンフォースです!」

『コン!』

 

シロンは飛び上がりムーンフォースの態勢に入る。シンジも遂に来たかと身構える。

 

だが使ったことの無いフェアリー技。それも強力なムーンフォースであるため上手く発動することができない。いい線までは行くが集中力が続かずせき込み技が中断されてしまう。

 

「っ!?まだだめですか……」

 

だがこれだけで諦めてしまっては確実にルナに勝つことは出来ない。それだけ彼女は強大な壁なのだ。リーリエは覚悟を捨てることなくバトルを継続する。

 

「こおりのつぶてです!」

「ムーンフォース!」

 

こおりのつぶてを貫通しムーンフォースを三度放つニンフィア。シロンはもう一度ムーンフォースをよく観察して回避する。そこで一つリーリエは疑問に思うことがあった。

 

(ニンフィアさんはムーンフォースを連続で使用しているのにもかかわらず疲労の色を全く見せません……)

 

対してシロンは一度目で疲労している様子であった。慣れているからだと言ってしまえばそれだけで終わりだが、リーリエにはそうは感じなかった。

 

(シンジさんが普段多用しないのは隙が大きく、力の消耗もあるからだと思います。ですがもしかしたらそこにヒントが……)

「ニンフィア!もう一度ムーンフォース!」

 

そうこう考えている内にニンフィアのムーンフォースが放たれる。シロンはムーンフォースを冷静に回避するが、それを見たリーリエはふと感じることがあった。

 

(!?もしかしたら……)

「シロン!」

『コォン?』

 

合っているかどうかは分からないが試してみる価値はあるかもしれないとシロンを自分の元へと呼び寄せる。リーリエはその場でしゃがみ、自身の気付いたことをシロンに伝える。シンジはそんな2人の様子をじっと観察していた。

 

「似てるよね。昔の僕たちに……」

『フィア』

 

シンジの言葉にニンフィアも頷く。リーリエ達の姿を見ていると昔の自分を見ているような感覚になるのだ。まるでかつて同じように悩んでいた過去の自分たちのようだと。

 

「一つ貴女に試してみてほしいことがあるんです。」

『コォン?』

「ニンフィアさんのムーンフォース。あれを見て思ったんです。ただ想像や思い付きなどでは撃てないんだって。」

 

シロンはリーリエの言葉に首を傾げながらも彼女の言葉に耳を傾ける。

 

「まず大事なのは集中力です。集中力を切らさず、体の中心に力を込めて下さい。慌てなくていいです。ゆっくりと力を溜め、最大になったタイミングで放ってください。」

 

シロンはリーリエの言葉に強く頷いた。彼女が考えたのはムーンフォースに関してではなくもっと重要なこと。それはいたって単純で基礎的な事だ。

 

彼女が言ったことは冷静に最後まで集中力を保つこと。焦って撃とうとすればどうしても集中力が続かずに不発に終わってしまう。

 

シンジのニンフィアを見て思ったことは、ムーンフォースを撃つ際に例えチャンスだろうとピンチだろうと冷静に撃っていたことが不思議に感じたのだ。それだけでムーンフォースが完成するとは思えないが、それでもなにも試さないよりは遥かにいいだろうとリーリエはこの手にかけることにした。

 

「行きますよ!シロン!ムーンフォース!」

『コォン!』

 

シロンは覚悟を決め飛び上がる。そしてリーリエに言われた通り、集中して力をゆっくりと溜めていく。シロンも小さなオーラを纏い、そのオーラが少しずつだが大きくなっていく。

 

シロンの様子をじっと見守るリーリエ。その緊張が解放され、遂にシロンは力を解き放とうとしていた。

 

シロンが力を解き放つと、そこには小さくも月の力を感じられる球が放たれていた。その球は小さく、力強さは感じられるものではないがムーンフォースそっくりであった。

 

ニンフィアはそのムーンフォースを回避することなくリボンを盾にして受け止める。威力も大きくはないが、ニンフィアとシンジも確かに自分たちの使うムーンフォースと同じ力を感じた。

 

「……うん。今のは確かにムーンフォースだったね。」

「で、ではシロンは!」

「覚えた……と言う訳ではないけど充分やれるところまではやったと思うよ。」

『コォン!』

 

シンジの言葉にリーリエは嬉しさを覚え自分の元へと駆けてくるシロンを抱きしめる。強力なムーンフォースのコツをこの短期間で掴めたのは充分すぎるくらいだ。

 

「僕ができるのはこれまでだよ。後は、実戦で感覚を体に染み込ませていけば自然とできるようになる。」

「実戦でですか?」

「うん。ルナたちは確かに強いけど、つけ入る隙は必ずあるよ。」

 

シンジはそれに、と付け加えて言葉を続けた。

 

「リーリエ達は気付いていないかもしれないけど、シロンは実戦を重ねるごとに確実に強くなっているよ。」

「え?それは本当ですか?」

 

シンジに言われたことにリーリエはあまり実感がわかない。それはシロンも同じだ。実際、自身の成長は自分たちで気づくことはない。シンジたちも同じ経験をしているためよくわかる。他のトレーナーたちもきっと同じであろう。

 

リーリエ達は本当に実戦で上手くいくのか不安を感じるが、シンジの言葉を信じて覚悟を決めた。

 

「明日、ルナさんに再戦を挑んでみます!勝てるかどうか……いえ、必ず勝ってバッジをゲットして見せます。」

 

リーリエのその心意気にシンジも小さく頷いた。勝てるかどうかではなく、必ず勝つと言い放ったリーリエは確実に実力だけでなく心も成長している証だ。

 

こうして明日ルナとの再戦を決意する。正直勝算で言えば低いかもしれないが、それを覆すほどの可能性をリーリエ達は持っている。本人たちは自覚していないが、それを実戦でどれだけ発揮できるかが勝敗の鍵だ。

 

そうしてリーリエのアザリアジム攻略のための特訓は良い結果となって終了し、明日の再戦を迎えるだけとなった。リーリエたちの挑戦はまだまだ続く!




次回再戦なり!上手く描けるか不安ですが、最後のジムなので納得できるように仕上げたいですね。余り期待を持つとガッカリするかも?(;-ω-)

とりあえず他作品様とのコラボについての詳細を一部公開いたします!

本日コラボさせていただくのはパラドファンさんの書かれている“ポケットモンスターもう一つのサン&ムーン”です!コラボを書くのが今から楽しみです。

ただ恐らく書くタイミングとしてはカントーリーグ開催直前辺りになると思います。それまでサボっていた分本編進めて行きたいかと思っております。どうかご了承くださいm(__)m

ではではまた次回お会いしましょう!ノシ

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