ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
今のヌシはテンション高いです。理由は後で説明します。
と言う訳で注意事項
・開始早々2人がイチャイチャします
・ヌシのテンションがおかしいです
・相棒イーブイ可愛いです
次のジムがある町、アザリアタウンへと向かうシンジとリーリエ。カツラからジムリーダーは不在だと知らされていた彼らだが、念のためにトキワジムへと立ち寄った。
しかしジムリーダーは当然不在で、ジムリーダーは暫く留守にしていると伝えられた。どうやら別件の仕事で別地方に行っているそうだ。知っていたことではあるが、仕方がないと諦め一行はアザリアタウンへと向かうことにした。
アザリアタウンはトキワの森を抜けた先にある小さな町のようだ。ニビジムとは違う方角に開拓され、最近リーグ公認のジムが開設されたそうだ。その情報を聞いた2人は、トキワの森へと入っていった。
「そう言えばここだよね。僕とリーリエが再会したのって。」
「そうですね。あの時は旅に出たばかりの私がスピアーさんに追われていて……」
そう、ここトキワの森は2人がアローラで別れ、2年の時が経った日に再会したある意味思い出深い場所である。当時旅に出たばかりのリーリエは、右も左もわからずに戸惑っていた。うっかりと進入してしまったスピアーの巣。そこでスピアーの群れに襲われたが、そこを駆けつけたシンジとサンダースによって助けられたのだ。
2人はその日の出来事を懐かしみ思い出していた。
「あの時はビックリしましたが、でも同時に嬉しくもありました。」
「約束したからね。一緒に旅をするって。」
かつてナッシーアイランド、そしてアローラを発つ時に交わした約束。それを守るためにシンジはここまで来た。それがとても嬉しく感じたリーリエだが、それとはまた別にもう一つ、彼女にとって嬉しいことがあったのだ。
「それもですが、もう一つ嬉しかったと思えることがあったんです。」
「もう一つ?」
リーリエはその時の感情を眼を瞑って呟いた。
「……シンジさんの事を考えている時に、シンジさんが本当に来てくれたのが、とても嬉しかったんです。」
その言葉を聞いたシンジは顔を赤くして顔を逸らす。リーリエも自分の言葉を思い出し思わず顔を赤らめた。
そんなリーリエに、シンジは手を伸ばして彼女の手を握った。
「シンジさん?」
「僕もさ、別れてからリーリエの事、ずっと考えてたんだ。マサラタウンでルザミーネさんがいつも僕の話をしてくれているって聞いたとき、すごく嬉しかった。それにトキワの森で再会した時、あの時と変わってないんだなって思えて安心したんだ。」
「私もですよ。シンジさんが真っ先に私の元に駆けつけてくれて、私の事を思ってくれてるんだなって思えて嬉しかったんです。その後にき、キスされたのには驚きましたが///」
「ご、ごめんね///」
リーリエの最後の言葉で当時の光景を思い出し、さらに顔を赤くする2人。あの行動は軽率であったか、と思い反省するシンジに、リーリエは寧ろ嬉しかったのだと伝える。同じことを考えている辺り、やはり似た者同士の2人である。
2人はそんな会話をしながらトキワの森を進む。するとどこからか物音が聞こえる。なんの音だろうかと警戒しながら耳を澄ませる2人。それと同時に念のためにモンスターボールを構えるシンジ。トキワの森に出現するポケモンであれば、戦闘は避けれない場合もあるためだ。
「みーつけた♪」
だがそんな2人の前に現れたのは1人の少女である。少女は長いツインテールの黒髪で、気候の涼しいカントーでは珍しい水色のタンクトップに、白いハーフパンツだ。見た感じでは2人と同じくらいか少し若いくらいの年齢だろうか。
シンジたちを見つけた少女は、彼らの元へと走ってきて彼らの前にジャンプして着地する。その後、クルリと回りシンジたちの方へと振り向いた。シンジはその彼女の姿を見た瞬間、目を見開いた。
「久しぶり!シンちゃん♪」
「る、ルナ!?」
シンジの事を気軽にシンちゃんとよぶ少女。シンジはその少女のことをルナと呼んだ。詳しい関係は分からないが、その様子から2人は親しい関係なのだという事はリーリエにも分かった。
「その呼び方はやめてって言ってるでしょ……」
「シンちゃんはシンちゃんじゃん。」
少女、ルナにシンちゃんと呼ばれることをシンジは快く思っていないようだが、ルナはそんな彼の事をお構いなしにその愛称で呼ぶ。シンジはいつものことだから仕方ないかと諦めた。
そして、ルナはそれより、と言葉を続けた。
「手なんか繋いじゃって。もしかしてシンちゃんの彼女?」
『!?///』
ルナの言葉にシンジとリーリエは思い出し咄嗟に手を離した。2人きりであり、先ほどの会話中に手を繋いでいたのを忘れていた2人は顔を赤くして慌てて否定する。
「ち、ちちち違うよ!僕とリーリエはまだそんな関係じゃ!///」
「そ、そうです!私たちはまだ付き合ってません!///」
「まだってことはどうせ付き合うって事でしょ?」
しまった、と2人はさらに顔を赤くする。ルナはニヤニヤと笑みを浮かべながら満足したのか話題を変えることにした。
「っと、紹介が遅れたね。私はルナ!よろしくね♪」
「えっと、私はリーリエです。シンジさんと一緒に旅をしています。」
明るくポーズを決め自己紹介するルナ。そんなルナに対しリーリエは、顔の熱が冷めないまま自己紹介をする。その後、気になることをルナに問いかけたのだった。
「し、失礼ですがシンジさんとはどんな関係なんですか?」
「ああ、シンちゃんとは同じマサラタウンで育った幼馴染だよ。リーリエの思っている関係ではないから安心して!」
ルナの一言で安心するのと同時に、また顔が熱くなっていくのが分かるリーリエ。そんなリーリエを見て楽しんでいるルナは、続けてシンジに声をかけた。
「シンちゃん聞いたよ?アローラ地方のチャンピオンになったんだって?」
「知ってたの?」
「もちろん!」
どうやらルナもシンジがアローラ地方のチャンピオンになった事実を知っているようだ。ルナはそんなシンジにある提案をした。
「私もあれから色んな地方を旅して強くなったんだ!久しぶりにバトルしてよ!」
シンジにバトルを申し込むルナ。チャンピオンになったシンジと実力差が離れてしまったのか、それとも縮まったのか確かめたいのだろう。当然その申し出をシンジが断るはずもなく。
「分かった。その勝負受けるよ!」
シンジは快く承諾した。そんな2人の戦いを、リーリエは静かに見守ることにした。
「ルールは1対1の1本勝負でお願い!」
「分かった。じゃあ僕のポケモンはもちろん!」
1本勝負の1対1の戦いは単純に実力を測るにはもってこいのルールだ。シンジはそれを承諾しモンスターボールを手にする。そしてシンジが繰り出したのは……
『フィーア!』
相棒でもあるニンフィアであった。
「やっぱりニンフィアで来たね。でもそれは私が望んでいたこと!」
そう言ってルナは自分のモンスターボールを握り締めポケモンを繰り出す。
「行くよ!フラージェス!」
『ラジェ!』
ルナが繰り出したのは同じフェアリータイプのフラージェスだ。それをみたシンジは、やっぱりと確信した。
「相変わらずフェアリータイプのポケモンを使うんだね。」
「まあね。でもそれはシンちゃんも同じでしょ?」
シンジはルナの回答に微笑むことで答え、バトルを開始したのであった。
「こっちから行くよ!でんこうせっか!」
『フィア!』
あいさつ代わりにでんこうせっかで攻撃を仕掛けるニンフィア。だがそれは読めていたと、ルナはフラージェスに指示を出した。
「くさむすび!」
フラージェスはニンフィアの進行先を阻害するようにねんりきで文字通り地中から出した草を結ぶ。それに躓き転びそうになるニンフィアだが、咄嗟に受け身をとり転倒を拒絶する。そして態勢を整えるため、シンジはすぐさま指示を出す。
「シャドーボール!」
「めざめるパワー!」
シャドーボールを放つニンフィアに対し、フラージェスはめざめるパワーで対抗する。だがパワーではニンフィアの方が明らかに勝っており、シャドーボールはめざめるパワーを打ち破って貫通しフラージェスに命中する。
フラージェスは直撃を回避するために手を使って守るが、それでもダメージがあるのは明白だった。
「さすがにやるね……。でもこんなのはどう!」
ルナはそう言って、戦術をシフトする。
「めいそう!」
『ラージェ』
フラージェスは目を閉じ心を落ち着かせる。めいそうは自身の特殊攻撃と特殊防御を上げる技だ。先ほどの威力の差も充分に埋める事ができるだろう。それを見る限り、ルナは自身の弱点を知りそれを補う術を持っている。紛れもなく成長していると、シンジは心の中で実感する。
「もう一度めざめるパワー!」
「ようせいのかぜ!」
フラージェスのめざめるパワーをようせいのかぜによって防ぐ。しかし、威力の上がっているめざめるパワーを完全に防ぐことができず、ようせいのかぜを強引に押し切られてしまう。その際に発生した爆風にニンフィアは飛ばされ、微量ではあるがダメージを受けた。
「やっぱりめいそうの差はでかいね。」
『フィア』
めいそうの能力の補助がかなり効いていると実感するシンジとニンフィア。だがそれでも突破できないわけではないと諦めることはなかった。
それを見ていたリーリエは思わず小さな声ですごいと呟いた。
「シンジさんが強いのはもちろん知っていました。ですが、ルナさんがこれほどとは思いませんでした。」
あのシンジと善戦しているどころか互角の戦いを繰り広げている。互いの手の内を知っているとは言え、それでも実力は別だ。相手の動きに対応できるかはトレーナーの判断力とポケモンの能力次第。それをルナは的確にこなしている。
ルナはシンジとニンフィアの行動に対応し、その場面に適した選択をしている。それはトレーナーとして優れている証拠だ。その上ポケモンもルナの期待に応えている。ポケモンとの絆も深い事がよく伝わってくる。
リーリエはそんな2人の高度な戦いを静かに見守るのであった。
「連続でめざめるパワー!」
「でんこうせっか!」
めざめるパワーを連続で放つフラージェス。だが、それをニンフィアはでんこうせっかで素早く回避しながら接近していく。
めいそうに疑似的な技でルザミーネのドレディアが使ってきたちょうのまいがあるが、ちょうのまいは素早さが上がるのに対しめいそうは素早さを補うことは出来ない。元々素早さの高くないフラージェスにとって、それは大きな穴でもある。
でんこうせっかで正面に接近することに成功したニンフィア。フラージェスは慌ててめざめるパワーで撃墜しようとするが間に合わず、でんこうせっかを腹部に直撃してしまう。
今の一撃で形勢逆転したニンフィアはダメージの抜け切れていないフラージェスにチャンスだと追撃を仕掛ける。
「シャドーボール!」
フラージェスは躱すことができずにシャドーボールの直撃を受け後退する。だがフラージェスの耐久力が元々高く、それに加えめいそうによる強化もあるためそれほど大きなダメージがあるようには見えない。フラージェスも顔をブルブルと振ることにより、ダメージを誤魔化した。
「まだまだ行けるよ!」
『ラッジェ!』
ルナの言葉に合わせてフラージェスも再び気合を入れる。
「ムーンフォース!」
「かわして!」
フラージェスが自身の大技、ムーンフォースを繰り出した。これが命中すれば流石にマズいと判断し、ニンフィアはジャンプして空中に回避する。だが、それこそがルナの狙いでもあったのだ。
「今よ!くさむすび!」
『フィア!?』
地面から生え、大きく伸びるくさむすびはニンフィアの足を捉える。これにはさすがのニンフィアも対応できず、そのまま地面に勢いよく叩きつけられる。立ち上がることはできるが、それでも今の攻撃はかなり効いたようで少し足にきているのが見られる。
「めざめるパワーで追撃!」
「ようせいのかぜ!」
チャンスと見たルナはめざめるパワーにより更なる追撃を仕掛ける。その攻撃は確実にニンフィアを捉えている。だが、シンジはそれでも自分たちのバトルスタイルを貫き通し、ようせいのかぜで対抗する。
先ほどは打ち破られてしまったようせいのかぜだが、今度はめざめるパワーを相殺することに成功する。ダメージが溜まり先ほどよりも威力が劣るかに思えた技も寧ろ逆に増していた。それは彼らの不屈の心が精神的な支えとなり、技の威力にあらわれたのだ。
その強い心と絆の力が彼らの最大の武器であり、相手にとっての脅威でもある。ルナはここはもう勝負に出るしかないと覚悟を決め、これ以上長引かせるのは危険だと感じ大技を放つのだった。
「フラージェス!ムーンフォース!」
『ラージェ!』
「ニンフィア!ムーンフォース!」
『フィーア!』
フラージェスはムーンフォースで一気に勝負を仕掛ける。ニンフィアもそれに応えるかのように同じく空中からムーンフォースを放った。
互いのムーンフォースは拮抗するも、互いの強力な力に耐え切れずに中央で爆発する。互いに視界が奪われるが、その時に一つの影が動き出す。
「でんこうせっか!」
『ラジェ!?』
ニンフィアは爆風の中をでんこうせっかで駆け抜ける。そのでんこうせっかは爆風によって発生した煙を突き破り、フラージェスを貫通する。結果、その一撃が決め手となり、大きな衝撃がフラージェスを貫き戦闘不能となり勝負が決まった。
「負けちゃったか。フラージェス、お疲れ様。」
ルナは悔しそうにしながらフラージェスをモンスターボールに戻す。対してニンフィアもシンジの元に駆け寄ると、彼にもたれかかるようにして倒れ込んだ。
「今回はかなり厳しかったね。」
『フィア……』
ニンフィアはシンジに微笑む。シンジはそんなニンフィアにオボンのみを与えて体力を回復させる。後は休ませるためにニンフィアをモンスターボールへと戻した。
「結構いいところまで行ったと思ったんだけどなー。」
「僕も少し冷や冷やしたけど、そう易々と負けるわけには行かないからね。」
「悔しいけど、次にやる時は負けないから!いつかチャンピオンの座を奪うくらい強くなるよ!」
「僕だって同じだよ。簡単にチャンピオンの座は譲るつもりはないけどね。」
シンジとルナはお互いに意気込みを話したのち握手を交わす。その光景を見ていたリーリエは、シンジたちに一つ気になることを尋ねることにした。
「シンジさんとルナさんって、昔からのライバルだったんですか?」
「うん。私たちは幼馴染で、同時にライバルとして競い合ってたんだ。」
「昔はお互いに勝ち負けを繰り返して切磋琢磨してたけど、旅に出た時にお互い別々の道を歩むことにしてね。それ以降、偶に出会ったらバトルしてたんだ。」
旅に出て以降は出会う事の少なかった二人だが、それでも交わった際には全力でバトルをして実力を確かめ合ったそうだ。そのたびに互いの実力差はあまりなく、拮抗するバトルが繰り返されたのだと言う。
「そう言えばシンちゃんたちはどこに向かっているところだったの?」
「僕たちはアザリアタウンに行くところなんだ。」
「はい。最初はトキワジムに挑戦するつもりだったのですが留守のようで。そこで話で聞いたアザリアジムに挑戦しようと思ってアザリアタウンへと向かっているところです。」
「そうだったんだ!実は私もアザリアタウンに行くところだったんだよね♪」
ルナは意味深な笑みを浮かべて2人にある提案をした。
「じゃあ一緒に行こうよ!どうせもうすぐ着くところだし、少しでもお話ししたいからさ!」
2人はルナの提案に賛同し、頷いて快く承諾した。こうして3人は一緒にアザリアタウンへと向かうことにした。
アザリアタウンへと向かう道中、シンジとリーリエはこれまでの経緯を軽く説明していた。リーリエがカントーリーグを挑戦するために努力していると聞いたルナはニヤニヤとしてどこか感情を隠しきれていない様子であった。
そうこうしている内に、トキワの森を抜ける。するとそこに小さな町、アザリアタウンが見えた。開拓して間もないと言うだけあり、マサラタウンよりも小さな町であった。どちらかと言うと村に近いと言った方がいいかもしれない。
だが、それでもそこに住む人たちはみな笑顔で、ポケモンたちと共に畑を耕したりと協力して暮らしている。やはりどのような場所でも、人とポケモンは切れない絆で結ばれているのは変わりないようだ。
その時、1人のおばあさんがルナを見かけると作業をやめ声をかけてきたのだった。
「やあルナちゃんおかえり!そちらはお友達?」
「うん!ただいま!私の幼馴染と、さっき知り合ったお友達!暫くは私もここにいるからよろしくね!」
「そうなの?それじゃあこれからまたよろしくね。アザリアタウンが誇る可愛らしいジムリーダーさん!」
おばちゃんの言葉にてへへと照れるルナ。そんな彼女とは別に、シンジとリーリエは驚きを隠せない様子でルナに問いかけた。
「えっと……ルナさん?ジムリーダーって……」
「あっ、ごめん。言ってなかったね。」
ルナはドヤ顔でリーリエたちの方を振り向き胸を張って答えた。
「私はアザリアタウンのジムリーダー、フェアリータイプ使いのルナだよ!」
その時、アザリアタウンに2名の驚きの声が響いたのであった。
そんなこんなで唐突な後付け設定+オリジムリーダーでした。こうやって強引な設定でも付けないとシンジのバトルが書けないので。一応主人公なのでちょくちょく書いていきたいです。
どうでもいい事ですがヌシのテンションがおかしい理由です
・色違いのブースター、サンダース、シャワーズの厳選に成功
・コーディネートをレッツゴー未登場の各ブイズ服で組み合わせた
・イーブイとブイズ御三家の能力をアメで最大まで上げた
・リーリエの可変式フィギュアが届いた
・イーブイがかわいすぎる
以上です。ただそれだけ
それと他作品を書いている読者様とコラボをすることになりました!ワー!(セルフ拍手888888
コラボすることは大分前に決まっていましたが、詳細については追々お知らせしたいと思います。
暫くはヌシも本編を進めるつもりです。最近番外編ばかり書いてサボってたので少しは進めなくてはと……。なので詳細はしばしお待ちくだされ。
ではではまた次回お会いしましょう!