ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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一度書いてみたかった回です。特に思いつかなかったので繋ぎとしてぶっこんでみました。

追記
ピクシーの使用技が5つになっていたと指摘されたため、一部技を削除し修正しました。
もうダメだ……おしまいだぁ……


親子対決!リーリエVSルザミーネ!

「さあ、リーリエ。準備はいい?」

「はい!いつでもいいです!お母さま!」

 

今、リーリエとルザミーネがオーキド研究所にあるバトルフィールドにて対面し立っている。見ての通り、彼女たちは今ポケモンバトルをしようとしているのだ。なぜ二人がバトルをするのかというと理由は単純。ルザミーネがリーリエの成長を確認したいとバトルを提案したからだ。母親として、旅の中で成長した娘の姿を見てみたいのだろう。

 

リーリエも母親の提案を受け入れバトルを承諾した。リーリエ自身も、心のどこかで母親に自分の成長を見て欲しいと考えていたため、寧ろ彼女にとっても好都合であった。

 

だが、ルザミーネの実力は本物である。そのバトルの腕は、かつてシンジと接戦をするほどのものだ。リーリエも実際に目の当たりにしているため母親の実力は知っている。だが、それでもルザミーネと戦う事は彼女にとっても大きな意味を持つことになるのは確かであろう。

 

リーリエは向かいに立っているルザミーネの眼を見つめる。ルザミーネも真剣な眼差しでリーリエを見返した。その姿は母と娘ではなく、明らかに戦う前のポケモントレーナーのそれであった。

 

「審判は僕が務めます。」

 

2人の戦う準備が整ったと確認したシンジが定位置につく。

 

「ルールは3対3の3本勝負!先に2本とった方が勝ちとなります!では両者ポケモンを!」

 

シンジの合図を確認し先にポケモンを繰り出したのはルザミーネであった。

 

「私の最初のポケモンはこの子よ!」

『ディア!』

 

ルザミーネが繰り出したのははなかざりポケモンのドレディアだ。そのお嬢様にも見える可憐な姿をしたポケモンは、ルザミーネの印象にも非常にあったポケモンであるだろう。

 

「お母様の一体目はドレディアさんですか。では私はこの子です!」

 

どのポケモンで戦うかを決めたリーリエは、そのポケモンが入ったモンスターボールをフィールドに投げる。

 

「お願いします!フシギソウさん!」

『ソウソウ!』

 

リーリエが繰り出したのはフシギソウだ。フシギソウもドレディアも共にくさタイプだが、どくタイプを持つフシギソウの方がタイプ相性的には有利だ。だがバトルの優劣がタイプ相性だけでないことを知っているリーリエは、決して油断しないようにとフシギソウに伝えた。

 

「それでは……バトル開始!」

 

シンジがバトル開始の合図をする。しかし、それと同時に動き出したのは意外にもルザミーネであった。

 

「ドレディア!ちょうのまい!」

『ディーアー!』

 

ドレディアは可憐な蝶のように美しく舞う。その姿はまるで舞踏会でダンスするお嬢様のようだ。

 

ちょうのまいの効果により、ドレディアの能力は飛躍的に上昇する。ちょうのまいは自身の素早さ、攻撃力、防御力を上げる効果がある。これで開始早々、ドレディアが優位に立ったと言えるだろう。

 

「ドレディア!エナジーボール!」

「フシギソウさん!こちらもエナジーボールです!」

 

ドレディアのエナジーボールに対し、フシギソウも同じくエナジーボールで対抗する。互いのエナジーボールが中央でぶつかるが、ちょうのまいで強化されたドレディアの攻撃に勝てるはずもなく簡単に打ち破られ、その攻撃はフシギソウに命中した。

 

フシギソウは吹き飛ばされ後ろに後退するも、倒れることを拒み耐えた。だが、それでもドレディアの攻撃はやまない。

 

「続けてはなびらのまい!」

 

ドレディアは力強くかつ美しく舞い踊る。花びらをまき散らし舞い踊るドレディアの攻撃に、フシギソウは成すすべもなく押されてしまう。ルザミーネのポケモンの戦術は間違いなく完成されていた。フシギソウは今の攻撃が大ダメージとなってしまい、ダウンしてしまう。

 

「フシギソウさん!?」

『ソウ……』

 

フシギソウは大きなダメージを受けてしまい立ち上がることができない状態だ。チャンスだとルザミーネは攻撃を止めることはなかった。

 

「もう一度はなびらのまい!」

 

はなびらのまいは強力な技であると同時に、一度発動すると少しの間連続で出さなくてはならない技だ。

 

ドレディアははなびらを纏いそれらを弾幕として周囲にまき散らす。無差別に放たれるその攻撃には一切の隙間がない。しかもちょうのまいによって威力だけでなくスピードも上がっている。並大抵の攻めでは突破できないだろう。

 

「フシギソウさん!」

 

リーリエの声も虚しく、その攻撃は無慈悲にもフシギソウを包み込んだ。はなびらのまいから解放されたフシギソウは、残念ながら目を回し戦闘不能状態となってしまう。

 

「フシギソウ戦闘不能!ドレディアの勝ち!」

「フシギソウさん……。お疲れさまでした。ゆっくり休んでいてください。」

 

リーリエはフシギソウの元へと駆け寄りモンスターボールへと戻す。ルザミーネも自身に笑みを浮かべるドレディアの頭を撫でモンスターボールへと戻した。

 

「フシギソウは中々いい目をしていたけど、まだまだ甘いわね。」

「甘いのはトレーナーである私自身に原因があります。ですが、戦いはまだまだこれからです!」

 

自分自身に油断があったために招いた結果だ、そう言い放ったリーリエは次のモンスターボールを手に取る。

 

「お願いします!チラーミィさん!」

『チラミッ!』

「私はこの子よ!ミロカロス!」

『ミロ~!』

 

チラーミィを出したリーリエに対し、ルザミーネが繰り出したのはいつくしみポケモンのミロカロスだ。世界一美しいポケモンと称されるミロカロスは、その名に恥じぬ煌びやかさを持っている。だがもちろんそれだけではなく、強さも侮れないものである。ましてやそのトレーナーがルザミーネであるならなおさらだ。

 

「今度はこっちから行きます!」

 

一戦目と違い、最初に動き出したのはリーリエであった。

 

「チラーミィさん!スピードスターです!」

 

チラーミィは尻尾を勢いよく振りスピードスターを放った。だがルザミーネは決して慌てることなく冷静に指示を出した。

 

「れいとうビーム!」

 

ミロカロスはれいとうビームにより向かってくる無数の弾幕をあっさりと撃ち落とした。スピードスターをれいとうビームによって撃ち落としたことによってキラキラと舞い落ちる輝きは、ミロカロスの美しさをより引き出しているように見える。

 

「ハイドロポンプ!」

 

最強クラスのみず技、ハイドロポンプがまるで鉄でも切り裂くかの如く勢いよくチラーミィに接近してくる。

 

「あなをほるです!」

 

チラーミィはあなをほるで地中に逃げる。それによりミロカロスのハイドロポンプは空を切った。例えどれだけ強力な攻撃であろうと当たらなければ意味をなさない。

 

「今です!おうふくビンタ!」

 

リーリエの合図と同時にミロカロスの足元から飛び出したチラーミィ。そしてそのままミロカロスの顔を捉えおうふくビンタが数回炸裂する。ミロカロスも不意打ちに近い攻撃を喰らってしまい怯んだ。小さく素早いチラーミィに比べ、ミロカロスはサイズが大きく鈍重だ。気付いてから反応するのは難しいだろう。

 

「ミロカロス!ドラゴンテール!」

「躱してもう一度おうふくビンタです!」

 

ミロカロスは緑色の鱗を纏った尻尾でチラーミィを振り払おうとする。しかし、チラーミィはそれを軽快な身のこなしで回避し、再びおうふくビンタで追加攻撃する。この攻撃には溜まらずミロカロスも怯みダウンする。

 

この調子なら行けると感じるリーリエであったが、そう簡単には行かないとルザミーネが僅かに笑みを見せる。

 

「じこさいせいよ!」

「!?じこさいせい!?」

 

ミロカロスの体が薄緑色に一瞬輝き光に包まれる。じこさいせいは自身の体力を回復させる強力かつ厄介な技だ。長期戦になれば不利になってしまうのは確実だとリーリエも焦る。

 

「ハイドロポンプ!」

「!?あなをほる!」

 

じこさいせいをどう攻略するかを考えていたリーリエだが、ルザミーネは考える暇を与えず攻撃を続ける。咄嗟にあなをほるで先ほどと同じように回避するが、そう何度も同じ手が通じる相手ではない。

 

「地面にドラゴンテール!」

『ミロ!』

 

ミロカロスはその美しい尾を荒々しく地面に叩きつける。すると地面がひび割れ、潜っていたチラーミィがその衝撃によって引きずり出されてしまう。

 

「れいとうビーム!」

 

抵抗できないチラーミィをミロカロスのれいとうビームが襲う。

 

「チラーミィさん!大丈夫ですか!?」

『チラッ!』

 

チラーミィはれいとうビームによりダメージを受けてしまうも、ダメージはそこまでではかなかったようでスッと立ち上がることができた。チラーミィの体が柔軟だからこそであろう。

 

「やるわね。ミロカロス!もう一度れいとうビーム!」

「躱して接近してください!」

 

先ほどのダメージを感じさせない動きでミロカロスのれいとうビームを回避して接近するチラーミィ。

 

「ドラゴンテール!」

 

接近してきたチラーミィに対してドラゴンテールで迎え撃つ。遠距離攻撃のハイドロポンプやれいとうビームで畳みかけ、近づいてきた相手に対してはドラゴンテールで反撃。ルザミーネの得意戦法であるが、リーリエが狙っていたのはまさにその行動であった。

 

「あなをほるです!」

 

チラーミィはドラゴンテールが当たる直前に地中に姿を消した。長い間潜ってしまっては先ほどと同じ展開になってしまうため、すぐさま移動しミロカロスの背後に飛び出す。気付くのが遅れたわけではないが、技が外れてしまった勢いによってミロカロスは反応することができなかった。

 

「スピードスター!」

 

背後をとりスピードスターで奇襲を仕掛ける。背後からの攻撃はミロカロスの急所をキレイに捉え、確実なダメージと共に怯ませることにも成功する。

 

「おうふくビンタです!」

「っ!?」

 

衝撃によって動くことのできないミロカロスは防御の態勢に取ることができずにおうふくビンタによってダメージが重ねられる。

 

さすがのミロカロスも奇襲に加えこれだけのダメージを態勢が整っていない状態で受けてしまっては一溜りもなかったのであろう。今の攻撃で目を回し戦闘不能となったのだった。

 

『ミロ……』

「ミロカロス戦闘不能!チラーミィの勝ち!」

 

戦闘不能となったミロカロスを労い、ルザミーネはモンスターボールへと戻した。チラーミィも激しい動きをしていたためかどこかぐったりとした様子で座り込む。そんなチラーミィを労い、リーリエもモンスターボールへと戻した。

 

「スピードでの撹乱戦術、見事だったわ。これはしてやられたわね。」

「チラーミィさんが頑張ってくれたからです。」

 

これも誰かの影響か、とルザミーネはシンジの方を見る。シンジもそんなルザミーネに気付き返事をするかのように微笑んだ。

 

「私の最後のポケモンはこの子!ピクシー!出番よ!」

『ピィクシー!』

「ピクシーさん……」

 

ルザミーネが最後に出したのはようせいポケモンのピクシーだ。ようせいポケモンと言われている通りピクシーはフェアリータイプであり、リーリエの大好きなピッピの進化形である。そしてルザミーネの大切なパートナーでもある。

 

リーリエは幼い頃に当時ピッピだったピクシーと共に遊んでいた記憶がある。だからこそ、やはり来たという予感と、あまり戦いたくないという感情が出てきてしまう。

 

だが、ポケモントレーナーとしては正面から対峙しなければいけないだろうとピクシーを見据えた。そしてこちらもと、リーリエは自分のパートナーが入ったモンスターボールを投げた。

 

「お願いします!シロン!」

『コォン!』

 

リーリエが選出したのはパートナーであるシロンだ。ルザミーネもやはりと心の中で感じていた。そして再びバトルが再開される。それと同時にリーリエが動き出したのだった。

 

「シロン!こなゆきです!」

 

シロンはこなゆきによって牽制する。初めて戦う相手であるため、いつも通り堅実に攻めていくスタイルをとる。

 

「ピクシー!まねっこよ!」

『ピィ!』

 

ピクシーはまねっこを発動する。まねっこは相手が最後に使った技を真似して出す変わった技だ。まねっこにより

ピクシーはシロンの放ったこなゆきをそっくりそのまま使った。これにはリーリエもシロンも驚かずにはいられない。

 

ピクシーとシロンの放ったこなゆきは中央でぶつかり合う。驚くべきことに、互いの技は威力まで同じであった。それだけでピクシーがどれだけ育てられているのかがよく分かる。

 

「今度はれいとうビームです!」

「もう一度まねっこ!」

 

続けてれいとうビームを放つシロン。しかし、ピクシーも再びまねっこによりれいとうビームを返した。やはり互いの威力は互角であり、あっさりと相殺されてしまった。

 

「まるで自分自身と戦っている気分ですね……。」

 

リーリエはそう感じた。全く同じ技を同じタイミングで正面から撃たれれば誰でもそう思ってしまうだろう。だが、だからこそこの上ない練習になり自分を見つめ直すいい機会でもある。

 

「マジカルシャイン!」

「!?躱してください!」

 

次に動き出したのはピクシーであった。ピクシーの体が光り輝き、無数の光がシロンに降り注ぐ。リーリエの指示が間に合い、シロンはジャンプすることで回避に成功した。

 

「こおりのつぶてです!」

『コン!』

 

こおりのつぶてがピクシーの隙をつき見事決まる。ピクシーも今の一撃でダメージを負うが、それでも微量なようで大したダメージを見せていない。さすがの耐久力といったところだろうか。

 

「やるわね。でもまだまだこれからよ。」

「望むところです!シロン!こなゆきです!」

『コォン!』

 

シロンはこなゆきで攻撃を仕掛け。先ほどよりも距離を詰めている現状ではまねっこでの反撃は間に合いそうもない。そう判断したルザミーネは別の行動へと移った。

 

「ピクシー!かえんほうしゃ!」

『ピッシィ!』

 

ピクシーが放ったのはなんとほのお技の代名詞であるかえんほうしゃであった。こおりタイプのこなゆきでは相手にならず、正面から溶かされシロンに直撃する。

 

「シロン!?」

 

流石にこおりタイプのシロンにはほのおタイプの技は良く効いたようだ。立ち上がることは出来るものの、ダメージを隠し切れない様子だ。

 

ピクシーはかえんほうしゃの他にも多彩な種類の技を覚える珍しいポケモンだ。リーリエにとってもこれはさすがに予想外であった。ルザミーネもこれには軽く笑みを浮かべるほかない。

 

「まだまだです!シロン!れいとうビームです!」

『コォン!』

 

シロンはれいとうビームで更に攻撃を加えた。先ほどのダメージは残っているが、技の勢いは衰えていない。ルザミーネはそのことに感心しながら、次なる一手を打つ。

 

「ひかりのかべ!」

 

ピクシーはひかりのかべでれいとうビームのダメージを抑える。動きの遅いピクシーにとっては最良の技と言えるだろう。だが、リーリエもピクシーの技の一部は見たことがあるため、この展開は読んでいた。

 

「走ってかく乱しながら接近してください!」

 

シロンはピクシー目掛けてジグザグに走る。シロンの素早い動きを捉えることは中々難しい。ピクシーが戸惑っているなか、シロンはピクシーに接近することに成功する。

 

「マジカルシャイン!」

「躱してください!」

 

近付いてきたシロンに対し、ピクシーはマジカルシャインで反撃する。しかし、シロンの軽やかなジャンプであっさりと躱され背後をとられてしまった。

 

「こおりのつぶてです!」

 

背後からこおりのつぶてが放たれピクシーに直撃する。先ほどのミロカロス戦が活きたのか、リーリエは接近することで相手の攻撃を誘発し直前で回避し反撃することを狙っていた。

 

ピクシーも今の攻撃で動きが鈍る。チャンスだと感じたリーリエも続けざまに攻撃した。

 

「こなゆきです!」

 

こおりのつぶてに続きこなゆきも炸裂する。ピクシーは腕を前でクロスさせることで急所への直撃を防いでいた。

 

「今です!れいとうビーム!」

 

こなゆきでダメージを与え続けたシロンは攻撃を中断し、れいとうビームへと切り替えた。リーリエはその瞬間に勝利を確信したが、これこそがルザミーネの狙いであった。

 

「体を逸らして躱すのよ!」

 

ピクシーは体は左の逸らすことでれいとうビームを回避する。それにはシロンとリーリエも驚いていた。

 

ルザミーネが狙っていたのは反撃のチャンスだ。ピクシーの耐久力を活かし、シロンの動きを観察することで反撃する僅かなスキを伺っていたのだ。

 

ポケモンの動作にはどうしても癖と言うものがある。それを意識して変えることは非常に困難だ。ルザミーネとピクシーはシロンの動きを数回見てそれぞれの動きの癖を把握していたのだ。それによりれいとうビームの僅かなスキをついて回避した。

 

範囲技であるこなゆきと違い、れいとうビームは直線的な攻撃だ。その上強力であるため、こなゆきに比べて僅かではあるが発射までの時間が違う。タイミングを掴みさえすれば回避することも容易という事だ。

 

「ピクシー!かえんほうしゃ!」

 

ピクシーのかえんほうしゃが、躱されてしまった衝撃で隙をさらしてしまったシロンに直撃する。二度目の弱点となるかえんほうしゃが直撃してしまったことにより、ダメージが蓄積しシロンは吹き飛ばされてダウンした。

 

「シロン!?」

 

立ち上がろうとするシロンだが、ダメージが大きいためか立ち上がることができない。相手のかっこうの的となってしまっている。

 

「これで最後よ。まねっこ!」

 

最後はまねっこによりシロンの放ったれいとうビームがそっくりと返される。立ち上がれないシロンに直撃してしまい、その強力なれいとうビームによって健闘も虚しくシロンは遂に戦闘不能となってしまった。

 

『コォン……』

「シロン戦闘不能!ピクシーの勝ち!2対1によりルザミーネさんの勝利!」

 

シンジの宣言によりこの戦いに決着がついた。リーリエはシロンの身を案じ、すぐに駆け寄った。

 

「シロン、お疲れさまでした。ゆっくり休んでください。」

 

シロンをモンスターボールへと戻したリーリエ。そんなリーリエの元にルザミーネがピクシーと共にゆっくりと歩み寄った。

 

「リーリエもお疲れ様。やっぱり以前に比べて成長しているわね。」

「お母様……」

 

自身の母親に成長していると言われ、どこか嬉しそうな笑みを浮かべるリーリエ。だが、心の中ではいいところまで追い詰めたのにと悔しい気持ちを感じていた。これもトレーナーとしての成長の一つなのかもしれない。

 

「今回の負けた理由は分かってる?」

「はい。私は最後の最後で勝利を確信してしまいました。私の油断が招いてしまった結果ですね。」

「そうね。分かっているなら、これからあなたはもっと強くなれると思うわ。応援してるわ。」

 

リーリエの言葉にルザミーネも満足そうに微笑みリーリエの頭を撫でた。娘の成長が見れて母親としてはこれ以上喜ばしい事はないだろう。リーリエも母親に頭を撫でられ、恥ずかしそうにしてはいるもののどこか嬉しそうであった。

 

そんな二人の様子を見て、本当の意味での親子になれたのだなと心の中で思うシンジであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~翌日~~~

 

「そろそろ出発するのね?」

「はい!次のジム戦もありますから。」

 

がんばってねと激励の言葉をかけると同時に、そうだと思い出したようにリーリエに声をかけるルザミーネは一つのモンスターボールを取り出した。

 

「あなたにプレゼントがあるのよ。」

「プレゼント……ですか?」

 

ルザミーネはそう言ってモンスターボールの中からポケモンを出した。そしてモンスターボールから出てきたポケモンは……

 

『ピッピ!』

「!?このポケモンさんって……」

「ええ。あなたの大好きなピッピよ。」

 

そこにいたのはリーリエがかつて大事にしていた人形と同じピッピであった。

 

「あなた、以前ピッピのまま育てたかったって言ってたでしょう?だからあなたのために用意したのよ。」

「お母様……」

 

どうやらこれはルザミーネからのサプライズプレゼントだそうだ。リーリエは母親から初めて貰った素敵なプレゼントに感動し、涙をこぼした。

 

「ありがとうございますお母様!一生大切にします!」

「あなたに喜んでもらえてよかったわ。」

 

ルザミーネに感謝したリーリエは、ピッピの目線に合わせて屈む。

 

「ピッピさん。」

『ピィ?』

「私と一緒に来てくれますか?」

『ピィ……ピッピ!』

 

リーリエの言葉にピッピは頷き、リーリエの足に抱き着いた。どうやらピッピもリーリエの目をみて彼女の事を気に入ったようだ。リーリエはルザミーネから受け取ったモンスターボールを手に取った。

 

「これからよろしくお願いします。ピッピさん!」

『ピッ!』

 

元々ゲットされていたポケモンであるため、数回揺れることはなくモンスターボールへと入った。

 

「ピッピさん!ゲットです!」

「おめでとう、リーリエ!」

「ありがとうございます!シンジさん!」

 

祝福してくれるシンジに、リーリエは笑顔で感謝する。それほどピッピのゲットが嬉しかったのだろう。

 

「それではルザミーネさん。色々とお世話になりました。」

「ええ。リーリエの事よろしくお願いするわね。」

「はい!」

 

シンジはルザミーネに返事を返す。第三者から見れば親に見送られる夫婦だが、2人はそのことに気付いてないであろう。ルザミーネも彼らの様子にクスクスと微笑み見送った。

 

シンジたちもルザミーネに見送られマサラタウンを後にした。次に目指すは最後のジムがあるアザリアタウンだ。2人の冒険はまだまだ続く!




親子対決の結果はルザミーネさんの勝利に終わりました。未だにバトル描写は難しいです。書いてて楽しいのは事実ですけど。

というわけでプロデューサーさん!来週はいよいよあれの発売日ですよ!発売日!すでに待ちきれずに興奮状態がやみませぬ。

それとアニポケに出てた前髪イーブイ(仮)可愛すぎてもうヤバいんですが。膝の上に乗せたいです。

そんなわけでこの間の質問返しです

ヌシにブイズ以外に好きなポケモンはいるのかと聞かれました。ブイズが一番好きなのは揺るぎありませんが、他にも好きなポケモンは当然います。定番ですがルカリオとか凄い大好きですね。
後全体的にむしタイプとかも好きです。スピアーとかハッサムとかカッコいいですよね。グソクムシャとかドストライクです。リアル虫は超絶嫌いですけど虫ポケモンなら触れる気しかしない。
他にもサーナイトとかチラチーノとかクチートとかかわいい系も大好きです。それでもヌシの一番は断トツでニンフィアですが。もう嫁ポケどころか嫁ですよ。これだけは譲れません(真顔

熱く語ったところで今日はこの辺りで失礼いたします。ではではノシ

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