ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
多くのプレイヤーを襲ったリーリエロス、リーリエショック、ポリゴンショックに対抗するための自己満足ssですので気ままに書いていきます。
駄文ですがどうかドラ○もんのような温かい目で見守ってください。ではどぞ!
出会い
「・・・・・・」
一人の男の子が手元にあるチケットを見て考え込む。今まであったことを思い返しているのだ。
「大体2年ぶり……かな?手紙では元気そうにしていたけど……会ってみてからのお楽しみだよね。」
彼はある人のことを考えながらそうつぶやく。
「出会ってからは色々なことを体験したよね。でもそんな中でも君は変わることのない笑顔を僕に見せてくれた。だからこそ僕は……」
彼はそこで言葉を止める。それから先の言葉は“彼女”に会ってから言おうと思っているからだ。彼が誰よりも大切だと思っている、彼女に出会ってから……。
「今でも昨日のことのように思い出せるよ。君と出会ってからの事……。」
彼は眼を閉じて彼女と出会った時のことを思い出す。彼女と出会ってからの物語を……。
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「よっしゃ!やっと着いた!アローラ地方!」
一人の男の子が飛び跳ねながら船から降りる。彼はとある地方から長旅を続けて、今ようやくこのアローラ地方へ辿り着いたのだ。
「ちょっとシンジ、はしゃぎすぎよ。荷物運ぶの手伝って。」
今シンジと呼ばれた少年は頭を押さえながら謝る。
「あはは、ごめんなさい。ちょっと新しい地方についたからテンションあがっちゃって。」
「気持ちは分かるけど先ずは引っ越しの手続きと荷物の整理もやらなきゃいけないのよ?」
「うん、分かってるよ、母さん。」
シンジと呼んだ女性は彼の母親。彼らはカントー地方から遥々とこのアローラ地方へと引っ越してきたのだ。実はカントー地方はアローラ地方とは正反対の場所にある。カントー地方からここまで長い旅をしてきたため、彼は今までの我慢してきた思いが破裂したかのようにはしゃいでしまったのだ。
「さてと、荷物は持ったわね?じゃあ早速引っ越しの手続きをしに役所に行くわよ。」
「うん!」
シンジは母親と共にキャリーバックを転がしながら役所に向かう。
「お!見たことのないポケモンがいっぱいいる!あれも見たことがない!」
シンジの言ったポケモンとはこの世界共通に存在している謎の多い生き物である。多くのポケモンは人間と共に生存している。時にポケモン同士でバトルをし、時にポケモンの技を観客に披露したり、時に力を合わせて苦難を乗り越えたりなど、様々な姿で過ごしている。
「アローラ!ハウオリシティの役所にようこそ!」
「アローラ!引っ越しの手続きをお願いしたいのですが。」
このアローラとは、アローラ地方特有の挨拶である。このアローラ地方では他の地方とは文化が少々異なり、ライドポケモンと呼ばれるポケモンに乗って移動したり、道を塞ぐ岩などを壊したりするなど、多くの場面でポケモンの力を借り過ごしている少々特殊な地方である。
「かしこまりました。ではこちらの用紙にお名前と以前過ごしていた住所、引っ越し先などを書いてこちらに提出してください。」
「分かりました。」
シンジの母親は引っ越し手続きの申請書を受け取りそれに情報を書いていく。
「そうだシンジ。この間に外の歩いて回ったらどう?手続きはお母さんがやっておくからさ。」
「え?いいの?」
「ええ、だってあなたさっきからソワソワしてるもの。この地方にいるポケモンたちとかも気になってるんでしょ?」
「母さん……ありがとう!じゃあ行ってくるね!」
「ええ、行ってらっしゃい。」
シンジは母親に手を振りながら外に走って出ていく。その瞬間に人とぶつかりそうになるが、なんとかぶつからずに謝りながら走っていく。シンジは周りの見たことのないポケモンだけでなく、見たことのあるポケモンも見かけたのに驚きと感動を同時に感じ、またワクワクした気持ちも感じている。
「あれ?あの人……」
しばらく走っていると一人の女の子が海を眺めてカバンに話しかけている……ように見える。一体何をしているんだろうかと気になったシンジはその女の子に声をかけた。
「綺麗な海ですね。この風景をあなたにも見せてあげたいです。ちょっと!今出たらだめですよ!人に見られたらどうするんですか?」
「ねえ君!なにしてるの?」
「ふぇ!?」
シンジが声をかけると女の子は驚いた顔をする。女の子は純白のノースリーブの服に透明なフリルのついたスカートを着ていて、金髪の長い髪にお嬢様を思わせるようなつばの広い服と同じく白い帽子をかぶっている。シンジの姿を見た女の子は驚いた顔を慌てて元の顔に戻す。
「え、えっとどちら様ですか?」
「ああ、ごめんごめん。僕はシンジ、今日この近くに引っ越してきたばかりなんだ。君はこの街の人?」
「いえ、でもこの近くである人にお世話になっています。」
「そっか。何か悲しいことでもあったの?なんだか浮かない顔してたけど。」
シンジは疑問に思っていたことを女の子に尋ねた。シンジは彼女を見たときになんだか彼女が悩んでいるように思えたのだ。
「い、いえ!なんでもありません!」
女の子は首を振りカバンを押さえながら否定する。なんだかおかしいとは思ったがシンジはあまり深く追求しないことにした。
「そう?ならいいけど、ここで会ったのも何かの縁だし何か困ったことでもあれば言ってね!なんでも手伝うから!」
「はい、ありがとうございます。」
彼女は笑顔を見せてシンジに感謝する。
「あ、今はダメですよ!少し我慢してください!」
彼女は小声でカバン?に声をかける。まるで何かを抑制しているようだ。
「ん?どうかした?」
「い、いえ!なんでもありません!ちょっと私急用がありますのでこれで失礼いたします。」
彼女は急ぎ足でハウオリシティの外へと向かう。シンジは小走りする彼女を心配そうな顔をしながら静かに見届ける。
「あっ、あの子の名前聞くのわすてれたな。また会えるかな……。」
シンジはまた会えないかと期待を胸に母親の元に戻る。またあの女の子と会えるのではないかと……。それが彼らの運命的な出会いだと知らずに……。
何故主人公名がシンジかって?ゲームで毎回使用する男主人公名を使ってるだけです。他意はないです。ホントダヨ?