ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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今日はちょっと短め(?)です。バトルが無いので仕方ないですね。
とりあえず2人がいちゃつく回です。///をつければ大体いちゃついている感出せるかなという甘い考えの元作りました。

そう言えばアニポケの新OPは映像も歌も神でした。岡崎体育とサン&ムーンのマッチ感は最高。OPでハウ君がフクスローと一緒に一瞬登場していたので本編にも期待です!

こちらでもハウ君はいずれヨウ君と共に登場させる予定ですが。


帰ってきたマサラタウン!しばしの休息!

大切な仲間、ハクリューとの別れを告げたシンジとリーリエ。ラプラスの背に乗り海を渡りきった彼らは、その先で待機していたお姉さんにラプラスを預けたのだった。

 

「ありがと、ラプラス。」

「またいつかお願いしますね!」

『クゥン!』

 

シンジとリーリエはラプラスの頭を撫でて別れを告げる。ラプラスも名残惜しそうではあるが、それでも彼らに頭を撫でられ嬉しいのか頬を擦り合わせてきた。人間に対して友好的なラプラスらしい行動だ。

 

ラプラスと別れたリーリエたちは次の目的地であるアザリアタウンへと向かおうと歩き出す。だが、シンジはその前にある提案をリーリエにする。

 

「折角だからマサラタウンに寄ろうか。」

「確かグレンタウンを抜けた先にはマサラタウンがあるんでしたっけ?」

「うん、どうせならみんなに顔を出しておいた方がいいと思う。それに、ルザミーネさんもきっと心配しているだろうし。」

「そうですね。私もお母様にお会いしたいです。それに旅ばかりで疲労も溜まっているかもしれませんし、休むには丁度いいかもしれませんね。」

 

グレンタウンの海を超えた先の近くにはマサラタウンがある。シンジは折角なのでマサラタウンへと立ち寄ろうと提案したのだ。リーリエもその提案に異論はなく、休息も兼ねて故郷へと顔を出すことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰ってきましたね。マサラタウン!」

 

リーリエたちはマサラタウンへと戻ってきた。旅に出てからそれほど日が経っている訳ではないが、不思議と長い間マサラタウンを離れていたように感じる。それだけ彼女も多くの経験をしてきたという事である。

 

「僕は先にオーキド博士に挨拶してくるよ。」

「では私はお母様に挨拶してからオーキド研究所に向かいます。」

「分かった。じゃあまた後でね。」

「はい!」

 

マサラタウンに足を踏み入れた2人は、一度それぞれに別れて別々に行動することにした。リーリエは母親に挨拶するため、真っ直ぐと自宅へ向かった。

 

「なんだか随分と久しぶりに帰ってきた気がします。お母様は元気でしょうか?」

 

リーリエは自分の家だというのにも関わらず、ドキドキしながら一呼吸おいてインターホンを鳴らす。すると家の奥から聞きなれた女性の声が聞こえドタドタと慌てている音が聞こえた。暫くすると家の鍵がガチャリと開けられ、中から一人の女性が姿を現す。

 

「お久しぶりです!お母様!」

「!?リーリエ!」

 

その女性の姿は、紛れもなくリーリエの母親であるルザミーネその人であった。ルザミーネはリーリエの姿を見るや、驚きの表情を浮かべる。彼女からしたら予想外の訪問であったのだろう。

 

「おかえりなさい!取り敢えず中に入って。すぐにお茶入れるから。」

「はい!ただいまです!」

 

成長して帰ってきた娘を歓迎し、ルザミーネをお茶を入れる。旅に出る前に味わっていた幸せなひと時を再び感じる事ができ、リーリエは懐かしい気持ちで一杯であった。

 

「旅の調子はどう?シンジ君に迷惑かけてない?」

「旅はとても楽しいですよ。シンジさんにも色々と教えてもらえますし、それに仲間のポケモンさんも増えたんです!」

 

リーリエは早速自分の自慢のポケモンたちを見せようとモンスターボールを取り出しポケモンたちを外へと解放した。

 

「みなさん!出てきてください!」

『コォン!』

『ソウソウ!』

『リルル!』

『チラミ!』

 

リーリエが自慢のポケモンたちを出すと、ルザミーネはそのポケモンたちを見渡した。そのポケモンたちどれもが目を輝かせ、リーリエに信頼を置いているかが見ているだけで伝わってきた。

 

「久しぶりね、シロン、フシギソウも。」

『コォン!』

『ソウソウ!』

 

ルザミーネがシロンとフシギソウに声をかけ頭を撫でようと屈む。二匹とも警戒する様子は全く見せず、ルザミーネの元へと歩み寄る。旅に出る前に顔を合わせているためルザミーネに対して警戒心は持っていないのだ。旅をして逞しく成長したシロンと、進化して一回り大きくなったフシギソウを感慨深く感じながら彼らの頭を撫でる。

 

「それからこっちの子たちは初めてみるわね。」

「はい!紹介しますね。マリルさんとチラーミィさんです!」

「そう。よろしくね、2人とも。」

『リル!』

『チラ///』

 

抱きしめるようにしながら頭を撫でてマリルとチラーミィの事を歓迎するルザミーネ。マリルはかつての怯えていたころの警戒心はなく、笑顔でルザミーネの元に擦り寄る。チラーミィは頬を赤くして照れている様子だが、それでも嫌がっている様子は見せない。照れ屋でイタズラ好きな彼女だが、まんざらでもないのかもしれない。

 

ポケモン達の紹介を終えたリーリエは、今までの旅で経験したことをルザミーネに話した。挑戦しているジムの事や出会ったライバルたちの事、シンジと共に経験した数々の出来事。全てが良い思い出になり、自分を成長させているのだとリーリエは改めて感じながら話す。

 

「そう。旅はあなたにとっていい方向に進んだみたいね。」

「はい。旅を勧めてくれたお母様にはとても感謝しています。旅に出るまでの私は、旅がこれだけ素敵なものだとは思いませんでしたから。」

 

ルザミーネもリーリエにとっていい経験が出来たのならそれだけで嬉しいと伝える。リーリエもその言葉を聞いて嬉しくなったのか、それとも照れくさくなったのか頬を赤く染めた。

 

「そう言えばシンジ君はどうしたの?」

「シンジさんはオーキド博士に挨拶をするって言ってオーキド研究所に向かいました。ですので今から私もオーキド研究所に向かうつもりです。」

「そうなの。だったらシンジ君を家に泊めたら?」

「え?いいんですか?」

「リーリエの事で世話になっているのだから是非歓迎するわよ。」

 

突然のルザミーネの提案に困惑するリーリエだが、母親が許してくれるのであれば自分も日頃の感謝がしたいと母親の提案に賛同する。だが、その後「それと」とルザミーネは言葉を続けた。

 

「折角だからあなたの部屋で仲良く泊まるといいわ。」

「え?………………!?///」

 

ルザミーネが微笑みながらそんなことを言うと、リーリエの思考が一瞬停止した。まさかの発言にリーリエも困惑せざるおえないようだ。やはりお母様には勝てないと心の中で思うリーリエであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、お母様には困ります。」

 

シンジの待つオーキド研究所に向かうリーリエ。その道中、リーリエは母親の発言を再度思い返し再び頬を赤くする。

 

「う、嬉しくないわけではないですけど……。私たちにはまだ早いですよ///」

 

頭の中を整理できずに、リーリエは頭を悩ませる。だがそうこう考えている内にリーリエはオーキド研究所の前まで辿り着いてしまった。

 

マサラタウンはたいして大きい場所ではなく、どちらかと言えば田舎と言われても仕方のない土地であるため、リーリエの家からオーキド研究所までの道のりは大したものではない。それゆえ、少しでも考え事をしていればあっという間に辿り着いてしまうのだ。

 

リーリエは考えも纏まらないまま、仕方がないと割り切ってオーキド研究所へと入っていった。

 

「えっと、オーキド博士は……」

 

シンジならばオーキドの元にいるだろうと考えて、いつもオーキドがいる研究室へと向かう。その部屋の扉を開けると、その奥にはシンジとオーキド博士が話している姿が確認できた。

 

「おー、リーリエ君!よく来たのお!」

「あっ、リーリエ。ルザミーネさんは元気にしてた?」

「はい、相変わらずのご様子で安心しました。」

「そっか、僕も後で挨拶しに行くよ。」

「はい!お母様も喜ぶと思います。」

 

リーリエはシンジと合流する。シンジはリーリエの話を聞いて安心した。神経毒が治ったとはいえ、後遺症が無いとは限らないためどうしても不安はついてきてしまうものである。

 

「そうじゃ、リーリエ君のポケモンも預からせて貰っていいかの?」

「ポケモンさんをですか?」

「うむ。シンジのポケモンたちも預かったが、折角じゃしリーリエ君のポケモンも健康チェックをしておいた方がいいじゃろう。」

「そういうことですか。でしたらお願いしてもいいですか?」

「お安い御用じゃよ。」

 

リーリエはそう言ってオーキドにポケモンたちの入ったモンスターボールを預ける。ポケモンの健康は自分ではどうしても分からないため、専門家に任せた方がいいだろう。ポケモンの体調が突然悪くなることも決してないとは言い切れない。もしもの時に備えてのポケモンの健康管理もトレーナーの大事な役割の一つと言えるだろう。

 

その後、リーリエはこれまでの旅での経験をオーキドに報告する。カントーの新人トレーナーが冒険の記録をオーキドに報告するのはもはや定例のようなものだ。リーリエもそれに従いオーキドに全てを報告する。

 

オーキド自身もトレーナーたちが経験したことには興味があり、これも楽しみの一つとなっている。リーリエが経験したことに関しても興味深そうに聞いている。特にフリーザーの件は大変珍しい事であるため、その辺りも掘り下げて尋ねていた。

 

とはいえオーキドも研究者の一人。オーキドは忙しいのか一通りリーリエとシンジの話を聞き終えると助手と共にその場を離れることとなった。オーキドへの用事も終わったリーリエは、緊張した様子でシンジに例の事を話すのだった。

 

「あ、あの……シンジさん///」

「ん?リーリエ、どうかした?」

「あの……よ、よければ私の家に泊まりにきませんか?///」

 

顔が赤くなり俯きながら話すリーリエにシンジは疑問符を浮かべて聞き返す。その疑問に答えたリーリエの言葉に、シンジは驚いた。それと同時に、その言葉の意味を知ったシンジも同じように顔を赤くする。

 

「え、えっと……いいの?///」

 

リーリエはシンジの問いに小さく頷く。シンジもリーリエがそう言うならと終始照れながらその誘いに乗っかった。第三者から見たらバカップルと言われてもおかしくない光景である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お待たせしました。」

「ごめんね、晩御飯任せちゃって。」

 

今日はリーリエの家に泊まることとなったシンジ。それならばご飯を振舞おうとするシンジだったが、リーリエはそれを拒否して自分が作ると言い出した。彼女もシンジに少しではあるが料理を教わっているため料理の要領は知っている。だが、それでもまだ初心者であるため母親に教わりながら頑張って作りシンジの前に運んできたのである。

 

「いえ、シンジさんはお客様なのでゆっくりしていてください。いつものお礼も兼ねて今日はご馳走させてください。」

 

でも簡単なものしか作れませんが、と言いながらリーリエはテーブルに料理を並べていく。

 

リーリエが作ったものはシチューに肉じゃがと言った簡単な家庭料理であった。しかし、それでもリーリエの作った料理は見栄えが良く、初心者とは思えないほど綺麗に出来ていた。その料理は几帳面で丁寧な彼女の性格を表しているようでもあった。

 

「私も味見したけど中々美味しくできてたわよ。これは将来有望ね。」

「///ちょ、ちょっとお母様!///」

 

ルザミーネの“将来”という単語に反応したリーリエは再び顔を赤くする。シンジも少し赤くなるが、話を戻そうと美味しそうと口を開く。

 

「ど、どうぞ食べてください!///」

「じゃあ早速、いただきます。」

 

シンジは手を合わせてリーリエの作った料理を口に運んだ。リーリエはシンジが自分の作った料理に手を付けた瞬間からドキドキして落ち着かない様子だ。彼の口に合うかどうかが不安で仕方ないようだ。

 

シンジはリーリエの作った料理を口にする。リーリエが緊張のあまりゴクリと喉を鳴らすと、シンジの顔に笑顔が零れる。

 

「うん、これすっごく美味しいよリーリエ!」

「ほ、本当ですか?お世辞じゃなくて?」

「お世辞なんかじゃないよ。本当に美味しいんだ!」

 

お世辞じゃないと断言するシンジに、リーリエも釣られて自然と笑顔が零れる。彼の本心からの言葉にリーリエも嬉しくなったのだ。

 

その後もシンジは次々とリーリエの作った料理に手を付け食していく。それほど彼女の料理が美味しかったようだ。料理は愛情と言うが、彼の姿をみればそれも納得するだろう。

 

「ふぅ、ごちそうさまでした。」

「はい、お粗末様でした。」

 

シンジはご飯を残さずに食した。それを見たリーリエは心の中でよかったと安堵する反面、彼が美味しそうに完食してくれたことに心から嬉しいと幸せを感じていた。

 

「シンジ君、良かったら今日はリーリエの部屋に泊まったら?」

「えっ?///」

「お、お母様!?///」

 

頃合いだと見計らったルザミーネがシンジにそう問いかける。シンジもリーリエも突然のその発言に戸惑うが、ルザミーネ自身は彼らの事を笑顔で見ている。すでに親公認である。

 

「で、でもそれだとリーリエに迷惑が……。」

「そんなことないわよ?ね、リーリエ。」

「そ、それはそうですけど……まだ心の準備が///」

 

リーリエの最後の言葉は声が小さくなってしまい聞き取れなかったが、明らかに戸惑っているのは間違いない。シンジもリーリエが良いのであれば自分は嬉しいと小さな声で言い、今日はリーリエの部屋で泊まることとなった。

 

ルザミーネはそんな二人を最後まで笑顔で眺めているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジは現在リーリエの部屋にやってきている。彼女の部屋にはポケモンの縫いぐるみが多数おいてあり、アローラで撮ったシンジやミヅキ、グラジオとの写真などが額縁に入れて飾られていた。実にリーリエらしい部屋である。

 

しかし、シンジはリーリエの部屋に入って以降緊張した様子で座っている。彼自身意識して女性の部屋を訪れたのは今日が初めてであり、それに加えてその相手がリーリエであれば尚更だろう。

 

「え、えっと……ベッドはどうしましょうか?」

 

とはいえリーリエも緊張した様子でシンジに声をかける。初めて女性の部屋を訪れたシンジに対し、リーリエも男性を部屋に招き入れたのは初めてであるため仕方のない事だ。普段は仲良く話している2人だが、意識し始めると中々いつものように言葉が出てこない。

 

「ぼ、僕は床でいいよ。最悪寝袋もあるから充分寝れるし。」

 

ここはリーリエの部屋であり、普段誰かを招き入れることなど想定していないため部屋にはシングルサイズより少し大きい程度のベッドがあるだけだ。それを確認したリーリエは、シンジをそんなところで寝かせるわけには行かないと勇気を振り絞ってある提案をする。

 

「よ、よろしかったらその……私のベッドで一緒に……寝ませんか?///」

「え?///」

 

リーリエのまさかの発言にシンジは顔が熱くなる。流石のシンジも想定していなかったため戸惑ってしまうが、リーリエが顔を赤くして俯いているところを見ると彼女も余程勇気を振り絞って言った言葉なのだろうと分かるため、シンジには断ることができなかった。

 

「え、えっと……いいの?///」

 

リーリエは小さく頷く。先ほどの自分の大胆発言を思い出したのか更に顔が赤くなる。

 

そうしてリーリエとシンジは一緒のベッドに潜り眠ることにした。

 

「え、えっと、狭くないですか?///」

「う、うん、大丈夫だよ///リーリエは?」

「わ、私も大丈夫です///」

 

正直言えば二人ともベッドで寝るには少々狭さを感じている。だが、この状況を考えるとそんな余裕はなさそうである。なるべく意識しないように、互いに反対を向いて背中合わせで寝ているが、ベッドのサイズを考えるとどうしても密着する必要があるため自然と意識してしまう。

 

その後、彼らはこの状況に落ち着かず交わす言葉がなくなってしまう。そんな二人は心の中で一緒に同じことを考えていた。

 

(僕、今日寝られるかな……)

(私、今日寝られるでしょうか……)

 

やはり似た者同士の2人であった。

 

当然、彼らは翌朝までぐっすりと寝ることができなかったのは言うまでもない。




ヌシもニンフィアと一緒に添い寝したい(切実

添い寝ならR18には引っかからないのでセーフです。いざとなると押せない男女が王道っぽくて個人的にすごい好きです。みなさんはどういったカップルが好みでしょうか?

次回の内容はざっくりとは決まっていますので待っていてください。

ではではまたお会いしましょう!ノシ

口内炎痛いです

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