ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
やっぱりオリジナルで話を書こうとすると中々難しいですね。今回はある二人のキャラを出したいがために書いた話なので多少強引に話が進みます。しかも眠気MAXで書いてたのも影響します。だったら余裕持ってかけや!とか言われそうですが、主のサボり癖が発動してしまえば仕方のない事なのです。
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誤情報のご指摘があったため一部修正いたしました。
ルリリ→みずタイプ× ノーマル・フェアリー〇
ブイズ以外の知識皆無とかこいつダメだな……。
次なる目的地、セキチクシティへと向かっているシンジとリーリエ。彼らは今、道中の森でしばしの休息をとっていた。
「さてと、じゃあそろそろ行こうか。」
「そうですね。充分休みましたので行きましょう!」
充分な休息をとった二人は、セキチクシティへ向かう為に立ち上がり旅立ちの準備を進める。しかしその時、近くの茂みがかすかに揺れたのを感じた。
「あれ?今のは何でしょうか?」
リーリエはその正体に警戒する。揺れ方からして風で揺れたわけではなく、人やポケモンがそこにいるのはまず間違いないだろう。彼女が警戒を続けていると、そこから一匹のポケモンが姿を現した。
「あのポケモンさんは……」
そのポケモンは鋭い目つきに立派な爪、尻尾の先端には赤い炎が燃えていて、その姿からかなり鍛えられていることが分かる。恐らくは誰かのポケモンであるだろうが、リーリエにはそのポケモンを見た記憶がある。リーリエはポケモン図鑑を取り出し、そのポケモンの詳細を確認した。
『リザード、かえんポケモン。ヒトカゲの進化形。鋭い爪で容赦なく攻撃する。強敵と戦うほど尻尾の炎が熱く燃える。』
そうだ、このポケモンの名前はリザード。オーキド博士から貰える初心者用のポケモンの一体だ。ヒトカゲの時は比較的おとなしい性格だが、進化することによって気性が荒くなり少々扱い辛い性格になってしまう事でも有名なポケモンだ。
『リザ!』
「?どうしたの?」
だがこのリザードは、シンジの姿を見るなりすぐに彼の元へと駆け寄ってきた。その姿はまるで自分の慕っているトレーナーとじゃれついているかのようだった。シンジも近寄ってきたリザードの前で屈み、頭を撫でた。その時、もしかしたらと自分の記憶をたどりこのリザードの記憶を思い返す。
「……もしかして君は」
「おーいリザード?どこだー?」
このリザードの正体が分かったのか、彼の事を口にしようとした瞬間、再び茂みが動きそこから一人の少年が姿を現した。このタイミングで現れるという事は十中八九、リザードのトレーナなのだろう。
その少年はリザードの姿を見るなり、呆れた様子で声を掛ける。その様子を見る限り、彼の行動は日常茶飯事なのかもしれない。
「もうリザード、勝手に先に進むなって。探しただろ?」
その少年は水色のノースリーブのシャツに、白をベースとし、下の方に青いラインが入っているショートパンツを着用していた。見た目の年齢で言えば、シンジよりも少し年下程度だろうか。
「すいません、リザードが迷惑を……!?」
そんな彼はリザードの件で謝罪するためにシンジの方へと向きなおす。しかし、シンジの姿を見た彼の顔は驚きの表情へと変化した。対してシンジは、落ち着いた様子で驚いている彼に声を掛けた。
「やっぱり君だったね。久しぶり、コウタ。」
「し、シンジさん!?もどってきてたんですね!?」
どうやら彼らは以前からの知り合いのようだ。シンジはリザードに触れた時、懐かしい感覚にとらわれ彼のポケモンだという事が分かったのかもしれない。
だが、彼らが懐かしの再会を果たしている最中、三度茂みが揺れもう一人の少女が姿を見せる。
「あっ、コウタ!やっぱりここにいた!私探してたんだからね!」
その少女はコウタと呼ぶ少年を見るなり頬をぷくっと膨らませて怒っている様子を見せる。彼女はオレンジ色のキャミソールに、コウタのように白いショートパンツを着用している。二人ともカントー地方では珍しく涼しげな格好で、どちらかと言えば南国であるアローラ地方に似合いそうな服装であった。
「ごめんごめん、だからそう怒るなってコウミ。」
「ふん!」
コウミと呼ばれた少女は機嫌悪そうにそっぽを向く。そんな彼女の機嫌を取るため、コウタは慌てて話題を変えた。
「そ、そうだ!コウミ、シンジさんが帰ってきてたぞ!」
「えっ!?ほんとに!?」
コウミは先ほどまでに態度が嘘のように目を輝かせ上機嫌になる。彼女もシンジの知り合いの人物のようだ。コウミが目の前を見ると、そこには笑顔で挨拶するシンジの姿があった。
「コウミも久しぶり。暫く見ない間に大きくなったんじゃない?」
「シンジさん!お久しぶりです!」
まるで二人に対して兄の様に接するシンジ。リーリエはイマイチ状況が把握できず困惑している状態だ。シンジはそんなリーリエに、2人の事を彼女に紹介した。
「リーリエ、紹介するよ。この2人はコウタとコウミ、マサラタウンにいた頃の僕の親戚のような子たちだよ。」
リーリエはシンジの言葉にハッとなり、やっと彼らの事を理解できた。彼らの様子を見る限りでは、昔マサラタウンにいる頃に面倒を見ていた間柄なのだろう。リーリエも彼ら自己紹介をしなければと口を開いた。
「あの、はじめまして!リーリエです!今はシンジさんと一緒に旅をさせていただいています。」
「リーリエ?もしかしてこの子……」
リーリエの名前を聞き、コウミは聞き覚えのある名前だと思い首を傾げる。そんな彼女に反応し、コウタも間違いないだろうとコウミと顔を見合わせる。
「もしかして少し前にマサラタウンに越してきた人?」
「は、はい、そうですが……」
「やっぱり!話には聞いてたけど、すぐにマサラタウンから出て行っちゃったから挨拶できなかったんだよね。でもここで会えて、しかもシンジさんにも再会できたんだから私たち幸運だね!」
彼らもシンジと同じマサラタウン出身のようだ。しかしリーリエは当時、色々と事情がありバタバタしていたため、近所に人に顔を合わせる余裕などあるはずもなかった。その時は仕方ない事だと思っていたが、今になって考えてみれば失礼だったかも知れないと考えてしまう。
「す、すいません。あの時は私、やらなければならないことがありましたので……。」
「ううん、全然気にしてないよ!それに事情ならオーキド博士から聞いてるしね。」
コウミはリーリエに気にしないようにと首を振り答える。そんな彼女の姿にリーリエは、アローラ地方で出会った友人、ミヅキの姿を重ね合わせた。どことなく彼女に似ている、そんな気がするのだ。
「ところでお二人はどのような関係なのですか?」
リーリエはコウタとコウミに2人の関係性を尋ねた。自分たちが言うのもなんだが、旅をする際の男女二人の組み合わせと言うのは少々珍しいだろう。コウタとコウミは、一部の関係を否定するようにリーリエの質問に答えた。
「残念だけど俺たちは君の思っている関係じゃないよ?」
「そうそう、私たちは双子の兄妹なの!今も2人でカントー地方を旅してるところなんだ!」
そう笑顔で答える二人。リーリエは最初のコウタの一言に少し顔を赤くする。特にそんな意味で尋ねたわけではないが、そう捉えられてしまうと少々恥ずかしくなってしまうものだ。今度は逆に、コウタとコウミが反撃するかのようにリーリエにある事を尋ねてきた。
「じゃあ今度はこっちからの質問ね?」
「シンジさんとリーリエはどんな関係なの?」
息の合った質問に思わず顔を赤くするリーリエ。シンジも恥ずかしさで顔を赤くしながら顔を背けている。少しは進展したとは言っても、やはりこの手の質問にはまだ慣れないようだ。
「えっと、わ、私たちは///」
顔を赤くして戸惑うリーリエ。その先からはまだ自分の口から言えないようだ。コウタとコウミもニヤニヤしながらそんな彼女の様子を眺めているが、このままでは話も進まないので自分から話題を変えることにした。
「そう言えば聞きましたよシンジさん!アローラ地方のチャンピオンになったって!」
「え?2人とも知ってたの?」
「勿論ですよ!私たち昔からの付き合いなんですから!」
シンジの活躍に、コウタとコウミはまるで自分の様に喜ぶ。リーリエは気を取り直すため、今度はシンジとの関係について尋ねることにした。
「と、ところでシンジさんとはどのような関係なんですか?」
「ああ、俺たちはシンジさんにポケモンバトルを教えてもらってたんだ。」
「まだ私たちが旅に出れなかった頃、他の地方の旅から戻ってきたシンジさんに色々と教えてもらってたんだよね!」
彼らにとってシンジは兄と言うより、師匠のような存在なのかもしれないとリーリエは心の中で思う。彼らを見る限りでは、まだ旅に出て日も浅いのではないだろうか。そう考えていたリーリエだが、彼らは思いついたようにシンジに一つの提案をしたのだった。
「そうだ!シンジさん!もしよければ今から俺たちと戦ってくれませんか?」
「私も久しぶりにシンジさんと戦いたい!」
2人の頼みに、シンジは快く承諾した。内心では彼も久しぶりに戦いたかった気持ちもあるのだろう。そこでシンジも彼らにもう一つ提案をした。
「だったらタッグバトルにしてみない?普段はタッグバトルなんてできないし、これからに備えてリーリエにもいい経験になると思うから。」
「いいですねそれ!」
「やりましょう!」
「リーリエもそれでいいかな?」
「はい!もちろんです!」
2人はシンジの提案に賛同する。リーリエもその提案に異論はないようで、寧ろ普段経験することのできないタッグバトル、それもパートナーがシンジと言うのであれば彼女にとって嬉しくないわけがないだろう。
それに彼女も、以前行ったサント・アンヌ号でのタッグバトルも印象に残っており、個人的にも結構気に入っているようだ。4人はポケモンバトルをするため、バトルのための準備を進めるのだった。
4人は2人ずつのペアに別れ、それぞれ互いに向かい合う。互いの準備が出来たことを確認したシンジは、コウタとコウミ、それからリーリエにルールの確認を行う。
「ルールは各一匹ずつのポケモンを使用したタッグバトル。二人のポケモンが両者戦闘不能になったらバトル終了。それでいいかな?」
シンジの言葉を聞いた三人は同時に頷き、ルールの確認を終える。そしてバトルするのが待ちきれないコウタは、迷うことなく目の前のポケモンを選抜したのだった。
「リザード!頼むぜ!」
『リザァ!』
コウタは相棒であるリザードを繰り出した。それに続き、コウミは懐のモンスターボールを取り出し、同じく自分の相棒であるポケモンを繰り出す。
「私はこの子よ!お願い!ワカシャモ!」
『シャモシャ!』
コウミが繰り出したのはワカシャモだった。初めてみるポケモンに、リーリエは興味津々でポケモン図鑑を広げ詳細を確認する。
『ワカシャモ、わかどりポケモン。アチャモの進化形。戦いになると体内の炎が激しく燃え上がる。強靭な足腰から繰り出されるキックはかなりの破壊力。』
ワカシャモの進化前、アチャモはホウエン地方にて貰える初心者用のポケモンだ。ほのおタイプを持っているが、進化したことによってかくとうタイプも習得したため、その近接攻撃には更に磨きが掛かっている。
「リザードに続いて今度はワカシャモ。あの時の2匹が立派に進化してるなんてね。でも、僕たちも負けないよ!」
シンジは成長した二人の姿に意気込む。そして自分はそんな二人に対し、このポケモンで対応しようとモンスターボールを手にする。対するリーリエも同じく、繰り出すポケモンを決めシンジと共にモンスターボールを同時に投げた。
「行くよ!イーブイ!」
「お願いします!マリルさん!」
『イブブイ!』
『リルリル!』
シンジはイーブイを、リーリエはマリルを繰り出した。そのイーブイの姿を見たコウタは、もしかしてとシンジに問いかけた。
「もしかしてそのイーブイって……」
「うん、アローラに行く前にゲットしたイーブイだよ。あの時と違ってこの子も成長したんだ。」
『イブイ!』
シンジはイーブイは成長したのだと自慢気にいい、イーブイの頭を優しくなでた。それほど自分のポケモンを誇りに思っており、同時に大切に思っている心の表れだろう。遠くに行っても変わらないその彼の姿に、コウタとコウミはどこか安心するような感情を抱いた。
「さあ、バトルを開始しようか。」
「では此方から行きます!リザード!イーブイにきりさく攻撃!」
リザードは鋭い爪を伸ばし、その名の通りイーブイに接近し切り裂くように振り下ろす。動きも素早く、よく鍛えられていることが分かる。シンジもそんなリザードの姿に感心するが、それでも簡単に喰らう訳はいかないと次の行動に移る。
「イーブイ!ステップで躱して!」
イーブイはバックステップをすることによって回避する。リザードのきりさくは空を切り、イーブイにダメージを与えることは出来なかった。だが、それでもその攻撃からリザードの攻撃力は確かなものだと言う事が伺えることは間違いなかった。
リーリエもそんなリザードの姿に感心したが今はバトルの真っ最中。気を取り直し、自分も動き出そうとマリルに指示を出した。
「マリルさん!リザードさんにアクアテール!」
水を纏ったマリルの尻尾は、リザード目掛けて振り下ろされる。リザードはきりさくを外し現在隙をさらしている状態だ。回避することは少々困難であろう。
ほのおタイプのリザードにとって、みずタイプアクアテールは効果は抜群だ。この攻撃が当たればリザードもただでは済まないだろう。だが、不思議とコウタは落ち着いている様子だ。何か作戦があるのだろうかと考えるリーリエだが、既に指示を出してしまっているため攻撃の中断は行えない。
「ワカシャモ!ほのおのうず!」
次の瞬間、ワカシャモの放ったほのおのうずによりマリルの攻撃ははじき返されてしまう。タイプ相性が悪いにも関わらずいとも容易くマリルの攻撃を阻むワカシャモも相当の手練れであることが分かる。
コウタはコウミがほのおのうずで援護してくれることを分かっていたのだろう。双子だからこそできるコンビネーションは見事なものだとリーリエは再び感心するが、それでも自分もシンジとのコンビネーションなら負けないと心の中で対抗心を燃やす。
そんな感情を抱くリーリエに対し、シンジも軽く顔を見合わせて頷く。どうやら彼も同じ考えを抱いているようだ。シンジは次はこっちの番だと言うように反撃する。
「リザードにスピードスター!」
「リザード!かえんほうしゃ!」
尻尾を振り回しスピードスターを無数にリザードに放つイーブイ。対するリザードはかえんほうしゃで迎え撃ち、スピードスターを撃ち落していく。攻撃後の隙を狙い、次にワカシャモがイーブイに狙いを定め攻撃を仕掛けた。
「ワカシャモ!ニトロチャージ!」
ワカシャモは全身に炎を纏い、勢いよくイーブイに向かって突進していく。ニトロチャージは自らのスピードも上げていく効果もある厄介な技だ。だが、それもシンジたちの作戦の一つでもあった。
「マリルさん!バブルこうせんで反撃です!」
マリルはバブルこうせんで突進してくるワカシャモに攻撃を加える。炎を纏っているとはいえほのおタイプの技、みずタイプのバブルこうせんには耐え切れずに、当たった瞬間蒸発するように爆発しワカシャモは押し戻される。
自分たちのコンビネーションはかなりのものだと自負している二人だが、それでもこの二人も完璧なコンビネーションを見せるものだと認識する。だがタッグバトルにおいて、自分たちが負けるわけには行かないと再び闘志を燃やす。例えそれが尊敬する相手であっても。
「イーブイ!ワカシャモにシャドーボール!」
反動で怯んでいるワカシャモにシャドーボールで追撃をかけるイーブイ。リザードはワカシャモを助けるため、その場を勢いよく飛び出しシャドーボールの車線上に立ち構える。
「ドラゴンクロー!」
リザードの爪が緑色に光り、シャドーボールを切り裂く。シャドーボールは綺麗に引き裂かれ、その衝撃により木っ端みじんに爆発する。リザードは反撃するため走り出し、再び攻勢にでる。
「もう一度ドラゴンクロー!」
再度ドラゴンクローを繰り出しイーブイ目掛けて振り下ろす。イーブイが危険だと判断したマリルは、直ぐにイーブイを助けるために庇うように前に出る。かつてニドキングに襲われた時にイーブイがした事と逆の光景だ。
「マリルさん!?」
リーリエは突然の事で驚く。マリルはイーブイを庇い正面からリザードのドラゴンクローを受ける。しかし、直撃したのにもかかわらずマリルには一切のダメージがなかった。リーリエはその時、マリルの特徴を思い出した。
マリルはみずタイプに加え、もう一つのタイプを保有している。それはフェアリータイプだ。フェアリータイプにはドラゴンタイプの技は効果が全くない。それゆえにマリルには傷一つ付けることは出来なかったという訳だ。
そのことを懸念していたコウタは、自らの未熟さを理解し歯をかみしめる。まだまだ状況判断が甘いのだと思い知らされた。とは言え当のリーリエ本人もマリルの予想外の行動に焦っていたことも事実ではあるが。
『イブブイ!』
『リルル///』
イーブイは守ってくれたマリルに笑顔で感謝する。マリルもそのイーブイの笑顔に照れ臭そうに笑みを返す。その姿から二人は余程仲がいいのだと伝わってくる。バトル中であるのにもかかわらず、その様子はどこか微笑ましく感じたシンジだった。
「反撃行くよ!シャドーボール!」
戸惑っているリザードにイーブイのシャドーボールが突き刺さる。リザードはその攻撃をまともに受けてしまい後ろに下がってしまった。それを好機だと捉えたリーリエも、すかさずマリルに攻撃の指示を出した。
「マリルさん!もう一度バブルこうせんです!」
「危ない!ワカシャモ!ほのおのうず!」
ワカシャモはダメージで動けないリザードの前に立ち、ほのおのうずでバブルこうせんに対抗する。拮抗する二人の力だがこれはタッグバトル。パートナー同士のコンビネーションが勝負の鍵を握る。
「イーブイ!スピードスター!」
それを理解しているシンジは、スピードスターでマリルの援護に回った。押し返す力を強めるため、背後からバブルこうせんに重ねる形でスピードスターを放つイーブイ。その援護は見事成功し、ワカシャモのほのおのうずを押し返す形へとつながった。
ワカシャモのほのおのうずはかき消されてしまい、貫通したバブルこうせんがワカシャモを襲う。耐え切れないワカシャモはリザードと共に飛ばされてしまう。そして遂に戦闘不能となってしまい、バトル続行は不可能となった。
「ワカシャモ!?」
「リザード!?」
ワカシャモとリザードを心配し、コウタとコウミは慌てて近づいた。パートナーポケモンが傷つけば誰でも心配するものである。シンジもそんな二人を案じ、直ぐに回復用の木の実を手渡した。
「ほら、オボンのみだよ。」
「はい、ありがとうございます。」
シンジの差し出したオボンのみを、二人はありがたく受け取った。そのオボンのみを互いにポケモンに食べさせ、休ませるためにモンスターボールへと戻す。因みにイーブイはマリルに自らオボンのみを分け与えていた。あの一件以降、二人は特に仲良くなることが出来たようだ。
「でも流石シンジさんですね。タッグバトルもお手の物とは。」
「それはリーリエがパートナーだからだよ。正直あの時のドラゴンクローはヒヤッとしたからね。」
「リーリエもトレーナーになりたてとは思えないくらいいい動きしてたよ!」
「それはシンジさんがパートナーだからですよ。私一人では戸惑ってばかりで上手く戦えませんから。」
その言葉を聞いた二人は、似た者同士なのだなと心の中で思いクスッと笑う。当の本人たちは自分たちの言ったことを理解していないのか、コウタたちの笑みに首を傾げていた。
その時、コウミがリーリエにある質問をした。
「そう言えばリーリエももしかしてジム巡りとかしてるの?」
「はい!シンジさんにアドバイスをいただきながら、今はセキチクジムに挑戦しようとしているところです!」
「そうなんだ!私たちもジム巡りしてるんだけど、セキチクジムはさっき攻略してきたよ!」
「本当ですか!?すごいです!」
「セキチクジムのジムリーダーはちょっと変わった人だけど、なんというかトリッキーな戦い方だったよ。強敵だけど、応援してるからね!」
コウミたちもジムバトルをしており、セキチクジムを二人とも攻略したようだ。これからセキチクジムを挑むリーリエに激励の言葉をかけるコウミ。リーリエもコウミの話を聞き、今までのジムリーダーとは少し違うタイプなのかと緊張する一方、どんなトレーナーなのだろうかという期待感を抱く。
「次に会う時はカントーリーグかもな。絶対にジム巡りやりとげろよ?」
「カントーリーグ……はい!がんばります!」
コウミに続きコウタも一言激励する。カントーリーグと言う単語に更に緊張感が増すリーリエだが、その場にはコウタとコウミ、その他にも数多くの猛者たちが集うのだろうと期待感も同時に増す。
カントーリーグは1年に1度の大きなトレーナーたちの為の祭典。ジム巡りを終えたトレーナーたちが待ち構える場所。トレーナーたちにとっての夢の舞台だ。リーリエもポケモンバトルを重ねていく中、その壮大な舞台に立ちたいと胸に抱くようになっていた。
「じゃあ俺たちはそろそろ行くよ。シンジさん、俺たちも必ずカントーリーグに出て見せます。見ていてください!」
「うん、二人の活躍、僕も楽しみにしているよ。」
「じゃあねリーリエ!今度は負けないから!」
コウタとコウミは二人に別れを告げ再び旅に出た。リーリエも彼らに負けられないと決意を新たに、次のセキチクジムを必ず突破しようと心に決める。
新たなライバルの登場に心躍らせるリーリエ。思いがけぬ再会と彼らの成長に期待感を抱くシンジ。2人の冒険はまだまだ続く!
と言うわけで登場させたのはコウタ、コウミ(USUMの主人公)でした!双子設定は勝手に作りましたが、二次創作だと良くあること。
一応主人公より年下です。パケでも幼い印象があったので違和感はない……はず。口調も勝手な想像で帽子は装備されていませんのであしからず。
話は変わりますが、ヌシは“イーブイとあそぼう”と言う本を買いました。しかしそこに書かれてたクイズで疑問に思ったことがあります。【XY13話のニンフィアがケロマツに放った最後の技はなんでしょう?】と言う問題があったのですが、それの答えがメロメロでした。
しかし、ヌシの記憶ではメロメロ→ドレインキッスのコンボでフィニッシュを決めていたので、これは正確には間違いであることに気付いてしまいました。放つ=遠距離技と言う解釈であれば間違いないのですが、もしそうだとしたら流石に意地悪すぎる問題になりますしちょっと納得いかなかったですね。
あの回は(ニンフィアが可愛すぎたから)30回ほど見てるので流れは完璧に把握しているはずです。これは訴えるしかない!いや、流石にそこまではしませんけど。ブイズの回でヌシの眼を欺くことなど出来ぬ!モブの所持していたブイズのシーンすらも記憶済みなのです!
まあなんやかんやで次回はセキチクになぐりこ……ゲフンゲフン、もとい到着する予定です。ではではまた次回会いましょう!ノシ